転生者”エレン・イェーガー”   作:あいうえ王

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―――地獄を見た。


未来を知る君へ

人々は思い出した。人類は所詮、彼らにとって家畜に過ぎないことを。

 

「ちくしょう!ちくしょう!どうして…どうして!かあさん!かあさん!」

 

「俺は、知っていたはずなのに…!どうしようもねぇな!あのころから何も変わっちゃいねぇ!本当、どうしようもねえ奴だよおまえは!ちくしょう、ちくしょう…!」

 

「ウ…うわァあああああああああああああ!!!!」

 

人類は…壁の中の人間たちは突如やってきた巨人たちに敗北した。

そうだ、あの日だ。今でも忘れないあの日、すべてを知っていたはずなのに何か悟ったような、そんな無力なガキだった俺は俺が大嫌いになった。

もう決まった運命なのだから仕方がないと、そう思っていたのに…何も、覚悟なんてできていなかった。

目の前で死んでいく大切な人たち。赤い液体と撒き散らされた臓物を見て、どことなく夢のようだと思っていた考えは消え去った。

 

そして決めたんだ。殺してやろう、と。

巨人どもを。身体だけがバカみたいにでかいゴミどもを皆殺しにしてやろうと。

諸悪の根源である外の人間たち。マーレの人間共もついでに皆殺しにしてやろうと。

そう誓ったんだ。

例え、それが本来の物語から外れることになろうとも。

それが、未来を知っていながら何もしなかった俺の罰。逃げることはできない。

進むしかないんだ。死んでも、死んだ後も。

 

これは、俺が始めた物語なのだから。

 

 

 

 

「駆逐…してやる…!一匹、残らず・・・!」

「エレン…。」

 

 

そうして、自由を手に入れる為に。

 

 

 

 

第一話 未来を知る君へ

 

 

 

 

 

 

あの、運命の日から5年。訓練兵を終え、今日ついに解散式を迎える。

 

「本日諸君らは「訓練兵」を卒業する。その中でもっとも訓練成績がよかった上位10名を発表する。呼ばれた者は前へ」

 

「主席。エレン・イェーガー」

「2番。ミカサ・アッカーマン」

「3番。ライナー・ブラウン」

「4番。ベルトルト・フーバー」

「5番。アニ・レオンハート」

「6番。ジャン・キルシュタイン」

「7番。マルコ・ポット」

「8番。コニー・スプリンガー」

「9番。サシャ・ブラウス」

「10番。クリスタ・レンズ」

 

「呼ばれた者は、前へ!」

 

「はっ!」

 

やっと。やっとここまでたどり着いた。

兵站行進。馬術。格闘術。兵法講義。技巧術。立体起動。その全てでミカサを超えてトップになれた。

人間性を捨てた戦闘スタイル。巨人を殺すことに特化した戦い方は周りの同期どころか上官にすらドン引きされて…結局まともな知り合いもアルミンとミカサしかいなくなったが、それでも主席になれた。

少なくとも、原作のエレンよりかは強いはずだ。…失った物は多いが。

 

まあ、いい。ここからだ。ここから、俺はあのスカしたクズども3人。ライナー・ベルトルト・アニの3人をぶっ殺して、ついでに巨人どもも皆殺しにする。

・・・原作知識を持っている俺は、彼ら3人が何で大量殺戮を行ったか、巨人はなぜ人を殺すのかを知っている。

読者だったあの頃は同情もした。

 

 

 

今?同情なんて欠片もしない。クソ食らえだ。死んでしまえ。

 

巨人はもともと人間だった?マーレの3人はそういう境遇だから仕方がなかった?そんなカスみたいな答えはいらない。

誰がなんといおうと、どんな理由があろうと大量殺人者であるクズに発言権はない。そんなクズを殺すことに何のためらいがある。

この残酷でどうしようもない世界ならば、それは許される。許されるならば、俺はあのダニ3匹を確実に殺してみせよう。

 

どうしようもなくきもちわりぃ。あの達成感に満ちているライナーとかいうゴミをぶっ殺せるならそれはどれだけの…快感なんだろうな。

その日が楽しみだよ、3人とも。

 

 

 

 

 

 

その日、食堂で一つの騒動が起きた。

 

「ああ、俺は調査兵団に行く。」

 

「エレン。てめえは本気で言ってんのか?・・・それで、ミカサやアルミンも地獄につれていくってか?正気じゃねえよ」

「…同期としてのよしみだ、言ってやる。現実を見ろってな」

 

「…あ?」

 

 

騒動の原因はイカれた死に急ぎ野郎として有名なエレン・イェーガー。初日で俺の家は巨人に破壊されたよ…。エレンの家ぇがあああああ(イェーガー)なんてクソつまらない親父ギャグをかました結果友人一人作れなかった哀れな奴だ。

 

もう一人は、ジャン・キルシュタイン。そこそこの容姿とそこそこのコミュ力を持つ立体起動装置がうまいそこそこの人間。

 

 

 

「だってそうだろ!4年前…。あの日、人類は2割の人口を投入したんだ!ウォールマリア奪還のために。で、だ。結果はどうなったと思う?お前は座学でもトップだったんだ。わかるだろ?な?」

 

「何がいいてぇ」

 

「無理なんだよ!あの日、人類は2割の人口を投入した!それでも完全敗北だ。1匹巨人を殺すために、30人は死んだって知ってんだろ?とてもじゃねぇが今の全人類を合わせても足りない。もう十分これで判明した!人類じゃ巨人に勝てないってな!」

 

「それで?」

 

「・・・あぁ?じゃあ逆に聞くが、てめえが何がいいてぇんだ」

 

「だから、それがどうしたってんだ?てめぇ、まさか、本気で負けると思ってんのか?」

 

「だから、そういって「俺は思わない」ッ―――!」

 

「ようはウナジを削げば終わりだ。一撃で終わる。あんなでけぇ的。むしろ何で倒せないかが不思議だね」

 

「いやだから現実も「それに」ッまたてめぇ俺の発言を邪魔しやがって」

 

「お前、外の世界を知らないだろ?知ってたら巨人に勝てないなんて、言えない」

 

「…お前、さ。本当不気味なやつだよな。無口と思ったら突然饒舌になるし、まるで何でも知ってるみたいな面しやがって。外の世界を知っていると、そういいたいのか?」

 

「ああ。俺はお前が壁の中で怯えている中、外で楽しく生きていくよ。俺のには壁の中は窮屈すぎるんでね」

 

「ッ!」

 

それはまるで確信じみた発言。とてもハッタリとは思えない自信の表れ。

壁の外には天国が広がっていると、彼は確信している。

とんでもない妄想癖のイカれ野郎か、それとも本当に世界の真実を知っているか。この場にいるほとんどは前者を見た。

あらゆる点でトップだが、残虐性の塊の妄想癖のある死に急ぎ野郎。それがエレン・イェーガーの評価である。

 

・・・3人ほどは、後者の可能性がもしかしたら欠片でもあるのではないか、と。考えているが。

 

 

なぜ、彼がそこまでの自信をもって、外の世界は天国だと確信しているか。

それはエレン・イェーガーは転生者であるから。ただ、それだけの話である。

この世界が創作の世界。進撃の巨人と呼ばれた漫画の世界であると、また、世界の謎を知っている唯一の存在。

さて、なぜそんな世界に異物が混じったかは不明だが、それはさほど重要ではない。

問題は彼は原作知識という物のおかげで絶対的な未来を知っているということだ。

 

 

進撃の巨人。創作の歴史の中でもトップクラスに世間を沸かせた名作。おそらく、有名な作品群の中では最も残酷で、救いがない話のひとつ。裏切りあり、虐殺あり。主要人物もバンバン死んでいく作品。

そんな世界に原作知識など余り意味のないものだが…それでも、”裏切り者”である壁の中の人類の敵は知っている。3人、いる。

 

だからこそ、彼は。

アニ・ライナー・ベルトルトの3人が自身の発言を聞いてこちらをじっと見ているのに、気づいている。

 

立体起動装置を自由に使える立場になった今。自分自身が思い描く最強の自分になれたと確信している今。

エサは出した。ならば、この3人のゴミのどれかが巨人化したら、その瞬間にウナジを削ぐ。

 

原作知識のことは誰にも明かせない。そんなもの話したところで異常者扱いされるのがオチだ。

だから、決定的なスキを作ったら瞬時にぶち殺す。そのための準備をしてきた。

 

 

そうじゃなくてももう少ししたら原作どおりならば、決戦の時間だ。

もう少しだ。もう少しで・・・。

 

絶対に、皆殺しにしてやる。ゴミどもを。駆逐してやる。

 

巨人を殺して。殺して、殺しつくそう。

それが、すべてを知っていながら何もしなかった俺の唯一の贖罪なのだから。

 




特に意味のある暴言がライナーを襲う!
殺意マシマシの転生者エレン・イェーガーのお話。
なお、巨人化できない模様。
ミカサを超えて主席になれた理由:人間性を捨てたから。
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