ONE PIECE −LOG COLLECTION : ELEANOR−   作:春風駘蕩

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第140話〝天災妃(ディザスター)エインシェン〟

「……まさか」

 

 遺跡を歩き、ふとしたところを眺めていたロビンが、思わず声を漏らす。

 そこは、さして重要そうでもないただの壁。見渡していなければ、見過ごしていそうなほどにさりげなく、その文章は刻まれていた。

 

「…………こんなに無造作に、〝歴史の本文〟の古代文字が。この文字を扱えるのは、〝歴史の本文〟を作った人々の他にいないはず…」

「こいつにゃ絵がねェからわかんねェな、何々…?」

 

 ロビンとともに遺跡を散策していたアーレンが、険しい表情で目を細める。

 長い経験で、難解な古代文字の解読に長けた彼だが、さすがにこの一文は読めないらしい。

 見かねたロビンが代わりに読み上げてみせる。

 

『真意を心に口を閉ざせ。我らは歴史を紡ぐ者。大鐘楼の響きと共に』

 

 祝詞のように、確かな存在感を放つその一文をまじまじと見つめ、アーレンは低く唸る。

 その隣でロビンが、遺跡に目をやって眉間にしわを寄せる。

 

「町の書物の類は全て燃やされていた…都市の歴史は絶やされていた……‼︎」

「つーことは…だ、そういうことをした〝敵〟がいたってわけだ。そしてその〝敵意〟と戦い……滅びた…‼︎」

 

 思わずアーレンの喉が、ごくりと音を鳴らす。

 徐々に明らかになってくる真実に、冷や汗と震えが止まらなかった。

 

「『大鐘楼の響きと共に』ってこたァ……〝歴史の本文〟は黄金の鐘と一緒にあるって事だな」

「でもここにはない…4つの祭壇の中心にあるはずなのに」

 

 かつての都市の最たる象徴でもあった、ノーランドも記していた黄金の遺物。

 その姿が欠片もない事を訝しみ、二人は今一度辺りを見渡す。この場所に辿り着いてまだ数十分、調べきるには途方もない時間が必要になりそうだ。

 

「こんなにも栄華を極めた都市が………なお守ろうとした〝歴史〟…!!! ――過去、世界に何が起きたというの…?」

「…へっ、いまさら震えがきたぜ。おれ達ァ、一体何を知ろうとしてんだろうな……‼︎」

 

 恐怖か武者震いか、いまだ止まらぬ震えに、アーレンは不敵な笑みを浮かべる。

 その時、ロビンの視界にあるものが映る。

 遺跡には似つかわしくない、年代的にもあるはずのない、鉄でできた一本の道がそこにあったのだ。

 

「……これは、トロッコの軌条…⁉︎ 何かを運び出した跡」

「…まだ新しいな。だが…何をどこに運んだ? 何のために…?」

 

 鉄の錆び具合を確認し、まず間違いなく遺跡とは全く別の年代、それも数年以内に用意されたものだと確信する。

 奇妙な存在感を放つそれに夢中になっていた二人は、背後に降り立った一つの気配に、気づく事ができなかった。

 

「ヤハハハ」

「…‼︎ てめェは!!!」

 

 聞こえてきた、この島において最も危険な存在が上げる笑い声に、アーレンがハッと顔色を変えて振り向く。

 その瞬間、老人の前で閃光が迸り、瞬く間に体を焦がされたアーレンが、その場に力なく崩れ落ちた。

 

「学者さん……!!!」

「長らくうっとうしかったネズミが………ようやく出てきたか。なかなか優秀だったが、賢しすぎるのも考えものだな。こうして命を自ら縮めるのだから」

 

 アーレンの側に駆け寄り、さりげなく容態を確認しながら、ロビンは現れたその男―――エネルを見上げる。

 何をしたのかもわからない、一瞬の凶行に、彼女のこめかみを冷や汗が伝っていった。

 

「――――あなたは?」

「神」

 

 鮮やかな赤いリンゴをかじり、簡単に、しかし高慢に告げる空の海の支配者。

 その目は、危険な野望を抱いてギラギラと輝いていた。

 

⚓️

 

 ズバンッ!と遺跡の一部が斬り裂かれ、危うく自身も両断されかける。

 慌てて次の障害物に身を潜めながら、ゾロは内心の焦りを押し殺し、悪態をついていた。

 

「ハァッ、ハァッ、ハァ…まいったな。あの、のびる剣厄介だ…‼︎」

 

 遺跡の中を駆け回り、反撃の機会を探し続けるも、一定の距離を保ったまま狙ってくる相手にどうしても苦戦を強いられる。

 息を整える間もなく、また雲の刃が襲い掛かり、すぐさま飛びのく。逃げ続けるしかない状況に、徐々に苛立ちが募り始めていた。

 

「どうなってんだよ、なんでおれの居場所がわかるっ…!!!」

 

 空の戦士達が使いこなす未知の力に、歯噛みする他にないゾロ。

 そこから少し離れた場所では、蠢く何体もの土塊の異形を前に、ゲリラ達が武器を手に奮闘していた。

 

「くたばれ!!! バケモノ!!!」

 

 異形の頭部に向けて、一人がバズーカの一撃をお見舞いする。

 轟音とともに吹っ飛ばされ、上半身を失う異形だが、次の瞬間には破損部分が盛り上がり、すぐに元の形状を取り戻してしまう。そんな攻防が、もう何十回も続けられていた。

 

「ジュララララ!!!」

「チビ!!!」

 

 それはやがて、空の主と呼ばれる大蛇にまで及び始める。

 強靭な尾で敵を薙ぎ払っていた彼の皮膚に、異形たちの手が掛かり、指が食い込んで締め付け始める。

 すかさず振り払い、粉砕するものの、すぐにまた復活し再び迫ってきていた。

 

「すまぬチビよ………もうしばし耐えてくれ‼︎」

「ジュラ!!!」

 

 大蛇の頭の上に乗り、掌を合わせたエインシェンはひたすら目を閉じ、集中を続ける。

 一切のぶれのない、ぴたりと静止した姿勢を保つ彼女に、異形の肩に乗るクロウリーが見下した態度で吠える。

 

「諦めるのだ…〝天災妃(ディザスター)〟。貴様ではおれを倒すことはできない。真なる不死であるおれを、お前は殺せない!!!」

「若造がナメた事を……!!!」

 

 苛立たし気に、頬をひくりと震わせたエインシェンがぼやく。

 身動ぎ一つせず、大蛇の上に立ち続ける天使に、クロウリーは赤い閃光を走らせ、異形を差し向けた。

 

「おれの目的に……お前は邪魔だ、エインシェン!!!」

「真祖様!!!」

 

 異形を粉砕し続け、援護に回っていたゲリラ達が目を見開き、声を上げる。

 異形たちの巨腕が振り上げられ、エインシェンを大蛇ごと叩き潰そうと迫る。それでも動こうとしない彼女に、巨腕が触れようとしたその時だった。

 

「どいてろ、青海の真祖!!!」

 

 かすかな異臭があたりに漂い、続いて青い閃光が宙に走る。

 まっすぐに放たれた砲撃は異形の頭部を呑み込み、強烈な熱で巨体を一瞬で塵にし、大きく崩れさせる。

 クロウリーが舌打ちをこぼす目の前に、鬼と呼ばれる青年が降り立った。

 

「ワイパー…よそ者は全員排除するのではなかったのか?」

「裏切り者のてめェに言われたくねェんだよ………優先事項を考えただけだ」

 

 見損なった、と言うように告げるクロウリーに、心底腹立たしそうにワイパーが返す。

 ガチャリと再びバズーカを構え、照準を合わせた彼は、返答とともに引き金を引き絞った。 

 

「〝シャンドラの灯〟をともすのに…てめェが一番邪魔だってなァ!!!!」

 

 爆音とともに、クロウリーの乗っていた異形の頭が吹き飛ばされる。

 間一髪飛び移り、別の異形の肩に移動した裏切り者を追い、照準を合わせ直すワイパー。その背に、ちらりと片方を半目にしたエインシェンが、笑みを浮かべて語り掛けた。

 

「カルガラの子よ…恩にきる」

「うるせェ!!! 策があるならさっさとやれ!!!」

「承知した…‼︎」

 

 心底不本意だ、と言わんばかりに怒鳴り返すワイパーに、エインシェンは苦笑をこぼしながら集中を再開する。

 その真下で、避け続けていたゾロが立ち止まり、ある一点を凝視しながら刀を構えた。

 

「神に祈れ、青海の剣士」

「バァカ、おれは一生神には祈らねェ!!!」

 

 姿の見えないオームに乱暴に返すと、ゾロはバンダナを頭に巻き、自身の視界を半分にする。

 得物の一本を口に咥え、渦を巻くような構えをとった彼に対し、遺跡の向こう側に陣取ったオームが呆れたように鼻を鳴らした。

 

「哀しいな、好きにしろ」

「おれはお前が見えねェが、そののびる剣が………お前の居場所を教えてくれるよ」

「フフ‼︎ わかった瞬間が貴様の死ぬ時だ」

 

 一度、ゾロの放った跳ぶ斬撃を舵いてみせたオームが、小馬鹿にした態度で構えをとる。

 一方的に狙い撃て、そしてより強い一撃を放てる自身が敗北する未来など、一切考えないままに。

 

「一世三十六煩悩………二世七十二煩悩………」

 

 その姿を目にしないまま、ゾロは気力を高めていく。ほんの一瞬の勝機を見逃さぬよう、ただ只管に集中を続ける。

 相手が見せる一瞬の隙を、自身の最大の技で迎え撃つために。

 

「三世………百八煩悩」

 

 遺跡の向こう側で、オームが突きを放ち、鞭のようにしなる鉄の雲の刃を撃ち出す。

 ガリガリと石を削り、真っ直ぐにゾロの心臓を狙った一撃が、目前の遺跡の壁を貫いて迫る、その刹那。

 

「三刀流……!!!〝百八煩悩鳳〟!!!!

 

 三本の刀全てを振るうことで放たれる、今のゾロが打ち出せる最大級の斬撃。

 金属音とともに放たれたそれが、今度はオームの放った刃を弾き、オームの身体に食らいつく。

 その身を斬り刻まれたオームは、声もあげられないままに倒れていった。

 

 その頭上では、遺跡を足場に宙を舞い、クロウリーの目前にまで肉薄したワイパーが片手を突き出す。

 その手に握られている貝を見下ろし、クロウリーがワイパーを睨みつける。

 

「〝衝撃貝〟か…この程度でおれを仕留められると…!!!」

「いや…その十倍のエネルギーだ」

 

 馬鹿にされた気分で、貝を構えるワイパーに赤く光る腕を振り上げたクロウリーは、告げられた言葉に目を見開く。

 その反応を待つことなく、ワイパーが貝の殻頂を押し、蓄積されたエネルギーを一気に撃ち放った。

 

排撃(リジェクト)〟!!!!

 

 とてつもない衝撃が、クロウリーの全身を駆け巡り、足元の異形の表皮にまで到達する。

 ごぼっ!と大量の血を吐き散らしたクロウリーが、異形の身体を転げ落ちていく様に、横目を向けたエインシェンが笑みをこぼした。

 

「………!!! あやつめ…」

 

 撃ち出された一撃は、使用者の命すら縮める諸刃の剣。

 衝撃が残り、煙を上げる右腕を押さえるワイパーに呆れた目を向けながら、エインシェンは周囲の異形たちを今一度睥睨した。

 

「よくやってくれた、子らにカルガラの子孫にマリモにチビよ…!!! 巻き込まれぬうちに下がれ!!!」

「あ?」

「真祖様の言う通りに!!!」

「〝空の主〟の近くに寄れ!!!」

 

 突如力強く叫ぶ天使に、訝し気に振り向くゾロとワイパー、そして素直に応じるゲリラ達。

 彼らが動き出したのを確認すると、エインシェンはパリッと自身の身体に黒い雷光のようなものを走らせる。

 

「不得手でも……使えぬわけではないという事だ」

 

 合わさっていた掌が離れていくと、彼女の全身から凄まじい圧が迸る。それは背中に生えた翼に集まり、漆黒の光沢を帯びさせていく。

 メキメキ…と軋む音を響かせ、エインシェンの背後に翼が大きく広がっていく。

 

開闢の天撃(ラマン・ファウンデイト)〟!!!!

 

 そして天使の翼が大きく羽ばたき、大蛇の頭の上から無数の羽根が撃たれ、槍となって周囲に降り注いでいく。

 一本一本が凄まじい威力を誇る、数えきれない黒い羽根の槍が、異形たちを尽く貫き、瞬く間に破壊していく。

 

「オォオオオォォォオ…!!!」

「アァァァアアアァ……!!!」

 

 異形たちは跡形もないほどに破壊され、苦悶の呻き声をあげ、ただの土塊に戻っていく。

 辺りは黒い煙が立ち上る、凄まじい惨状となる。その中を、辛くも猛攻を潜り抜け、必死の形相となったゾロが駆け込んできた。

 

「オィイ!!! 巻き込まれるとこだっただろうが!!!」

「だから退けと言ったのだ………しかしどうも、思ったほど威力が出んかったな」

 

 辺りの惨状に、そしてゾロの罵倒の声に、エインシェンは自身も納得いっていない様子で首を傾げ、頬を掻く。

 大蛇の真下で、その巨体に庇われる形となったワイパーは、辺りの様子の変化に頬を引きつらせた。

 

「………これでまだ全力じゃねェってフザけてんだろ」

「ムダ…だ…‼︎」

 

 その時、ガララと遺跡の欠片を崩し、何かがよろよろと起き上がる。

 黒く焦げた、人の形をしたそれは、見る間に筋繊維や血管、内臓などが再生されていき、半裸となったクロウリーに戻っていく。

 まるで、時間が遡っているかのような光景に、息を呑む声が聞こえる。

 

「言ったハズ…だ……お前に……おれは倒せナイ………!!! こノ力がアる限り…………おれは、不死身ダ…!!!!!」

 

 彼の身体に走る閃光は地面にも伝わり、足元が盛り上がってまた新たな異形の兵団を作り始める。

 最初からやり直し、そう告げるような最悪の光景に、ゾロやゲリラ達の表情が歪んでいった。

 

「あれだけ食らってまだ再生すんのかよ…!!!」

「の…ようだな」

「言ってる場合か!!!」

 

 眼の上に手を当て、除くようにしながら暢気に返すエインシェンに、ゾロとワイパーが思わず声を荒げる。

 だが、二人の厳しい視線の前でも、天使の態度に変化はなかった。

 

「案ずるな……先ほどのはただタネをまいただけだ。もう奴らは……次の私の攻撃を避けられぬ」

 

 再び、エインシェンの掌がパンッと打ち合わされ、青い閃光が走る。

 その際、エインシェンの表情が歪み、心苦しそうにクロウリーに―――彼の胸の中心を見つめる。

 

「…すまぬな、もうお前達をもとに戻してやることは叶わぬ。しょせんは無力な人でしかない私を恨んでくれて………かまわない」

 

 バチッ、と両手の指が鳴らされ、青い閃光が周囲に四散していく。

 拡散した閃光は、クロウリーの身体と異形たちの身体、赤い閃光に重なるように伝わり、その奥に突き刺さっていった。

 

「せめて輪廻の輪に還り、安らかに眠れ…!!!」

 

 バシバシ…と粉塵を導火線とし、辺りに走る閃光が、徐々に勢いを強めていく。

 その直後から、クロウリーと異形たちに変化が表れ始めた。

 

「咲き誇れ、仇花よ…あるがままに」

 

 ビキッ、バキッと音が鳴り、動きがぎこちなくなった異形達の全身にヒビが入っていく。今まで何度も再生を繰り返していたはずの身体が、端からボロボロと崩れ、瞬く間に土に還っていく。

 その日々の間からは―――名前も種類もわからない、無数の花々が顔を覗かせ始めた。

 

「…!!? 花が…」

「オォオオォオオオオォオオォォオ…!!!」

 

 異形たちが、苦悶とも歓喜とも取れない奇妙な咆哮を上げ、身悶えする。

 驚愕に目を見開くゾロたちをよそに、そこにあった異形達はボロボロに崩れ、何の変哲もない花を咲かせていく。

 まるで、異形たちの命が、別の物に作りかえられているようだ。

 

幻想の花園(ブリテンズ・アルカディア)〟!!!!

 

 一面、美しく咲き誇る花畑となった遺跡の中心で、エインシェンが大きく手を広げる。

 その声を最後に、全ての異形たちは、完全に動きを止めてしまったのだった。

 

「ぐおおおおお!!!」

 

 ただ一人、異形達と同じく肉体から花を咲かせ、苦悶の声を上げていたクロウリーが、怒号と共に後退る。

 自分の肉に爪を突き立て、花が根付いた部分を無理矢理引きはがし、クロウリーはその場から大きく飛びのいた。

 

「ハァ……ハァ……やはり強いな、〝天災妃〟…………異能の力を手に入れても勝てぬか」

 

 大きく肩を上下させ、滝のように汗を流すクロウリーだが、不遜な態度が変わった様子はない。

 エインシェンはそんな彼に、怒りを抱きながらも悲痛な表情を見せる。

 

「だが……全力ではないな。明らかに力が衰えている。そんな事で…〝神〟エネルには勝てぬぞ」

「戯けが‼︎ 童に心配されるほど落ちぶれてはおらんわ」

 

 負け惜しみにしか聞こえないクロウリーの忠告を、エインシェンは一蹴し顔をしかめる。

 その場にいる全員から敵意を受けるクロウリーを見つめていた彼女は、やがて吐き捨てるように告げた。

 

「せめてもの情けだ………失せろ」

「⁉︎ てめェ…」

「半人前にとどめをさすほど暇ではない………疾く鐘の元へ向かおうぞ、カルガラの子よ」

 

 クロウリーから目を逸らし、ワイパーを見つめるエインシェン。

 その眼には、熱く潤む彼女の想いが覗いて見えていた。

 

「約束を果たそうぞ」

 

 エインシェンの真っ直ぐな眼差しに、反論を口に仕掛けていたワイパーが押し黙る。

 その間に、エインシェンを見上げていたクロウリーは、傷付いた身体を引きずり、その場から歩き去っていった。

 

「なんだ…やらねェのか」

「ここで争っても何の益もない………さっさとあの娘らも出してやらねば」

「あっ!!! 忘れてた…」

 

 物足りなそうに刀を鞘にしまったゾロは、エインシェンの指摘に顔をしかめる。

 ほったらかしだった、大蛇の胃の中にいる仲間の事を思い出し、消化される前に救い出してやらねばと視線を戻す、だが。

 

「ワイパー‼︎」

 

 響き渡ったその声に、全員の視線が向けられる。

 遺跡の外側、平地に姿を現した一人の女ゲリラ―――ラキの姿に、ワイパーたちが表情を変える。

 

「…あやつは…?」

「ワイパー‼︎ 話を聞いて!!!」

「お前、なぜここに…」

 

 それぞれ別の場所からエネルを討とうと、異なるルートを目指していたはずの仲間が、この場にいることに訝しむワイパー達。

 ラキは慌てた様子で駆け寄り、ワイパーたちに声を張り上げていた。

 

「ワイパー、エネルは…」

 

 彼女が道中で得た、〝神〟に関わる重大な真実を口にしようとした、その時。

 

稲妻(サンゴ)〟!!!!

 

 一迅の雷が天より落とされ、ゾロたちがいる地面を粉砕してみせた。

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