ONE PIECE −LOG COLLECTION : ELEANOR−   作:春風駘蕩

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第216話〝強欲(グリード)

「おらあああああああああ!!!!」

 

 大地が轟くかのような雄叫びと共に、漆黒の異形が爪を振るう。

 鋭く尖った、鋼よりも固い一撃は老剣士の剣に激突し、とてつもない衝撃波を辺りに撒き散らす。

 

 危うく、余波だけを受けたリンとフー達が吹き飛ばされかける程だ。

 

「…!!! 何という激突…!!!」

「あの腕………『覇気』じゃないネ。間違いなくエレノアの錬金術に関わる何かだナ」

 

 息を整える彼らの前で、グリードが猛烈に、そして執拗に相手を攻め立てる。

 ガン、ゴン、ガギン!と鉄の塊同士がぶつかり合うような鈍い音が幾度も響き、その振動がそこら中に伝わっていく。

 

「ふむ……件のダイヤモンド並みの硬さの皮膚か。これは確かに厄介だ」

「ガッハハハ!!! 今度は全部おれの優勢だ!!! おれのものに手ェ出して、おれ様にケンカを売った事を後悔しやがれ!!!」

 

 以前に海列車で受けた敗北、その屈辱を糧に、全身を硬化させ、一切の隙間をなくした状態で挑む。

 鉄以上の硬さを誇る、炭素結合による〝最強の盾〟を有した今の彼に、二度目の敗北を喫する理由など存在しない筈であった。

 

「浅いぞ、小童」

 

 しかしふと、ふっ、と鼻で笑う音が聞こえたと思った直後。

 ズバッ、とグリードの肩から胸にかけて一筋の線が走り、続いて夥しい量の鮮血が噴き出した。

 

「ぐ……ォ………!!! てめェ…!!?」

「ダイヤモンドを斬った事はないが……できないわけではない。()()()()()()()()()()()()()

 

 冷たい、氷のような視線を向け、ブラッドレイは膝をつくグリードに語る。

 そして―――ボッ、と空気を爆ぜさせながら急接近する。

 

 そこからはもう、ブラッドレイによる一方的な蹂躙が始まった。

 電光石火の軌跡を描く斬撃が次々に振るわれ、グリードの急所を容赦なく攻め、瞬く間に数多の傷を刻んでいった。

 

「ぐ……うおォォォォ!!!」

「――さて、いい加減、この何の面白みもない時間にも飽きてきた。終わりにしようか、〝強欲〟殿」

 

 必死に両腕を突き出し、刃を防ごうとするグリードだったが、斬撃は途中で曲がっているかのように、防御をすり抜け体に食らいついてくる。

 そして、ギラリと目を光らせたブラッドが剣を振り上げ、自身の首を狙っている事に気付いて顔を強張らせた瞬間。

 

「グリード!!! 目を塞ゲ‼︎」

 

 不意に聞こえた声に、グリードは咄嗟に目を塞ぐ。

 直後、グリードとブラッドレイの前で、視界の全てが真っ白に染まるほどの閃光が迸った。

 

二盃吼(リャンペーコー)〟!!!

 

 突然の事に、片腕で目の前を覆ったブラッドレイ。

 そこへ、光の中を容易く駆け抜ける二つの影が接近し、強烈な拳打と蹴撃を食らわせ、老剣士を吹き飛ばしてみせる。

 

 強敵との距離が離れ、グリードはすぐに後退し、戻ってきたフーとランファンににやりと笑みを返した。

 

「よォ、助かったぜ爺さんに嬢ちゃん」

「うるさイ‼︎」

「若の命令ゆえダ!!! 勘違いするでなイ!!!」

 

 気さくに話しかけるものの、フーもランファンも仮面の奥で目を吊り上げ、凄まじい剣幕で怒鳴り返す。そこへ、リンがにやにやと意地の悪い笑みを見せた。

 

「フーじい様ったラ…………さっきからずっとハラハラしてたくせニ」

「やかましいですぞ若コラァ!!!」

「主人に吐く言葉じゃないネ〜」

 

 茶化されたフーが今度はリンを睨み、ランファンも何か言いかけ、少し悩んで口を閉ざす。

 窮地にありながら、異形と共にけらけらと笑う主に臣下達が呆れた目を向ける中、ガラガラと瓦礫が崩れる音が届く。

 

 その音の元で、ブラッドレイは一切痛みを訴える様子を見せず、平然とリン達を見やった。

 

「シン国の王族と戦士が……世界政府の任務を邪魔立てするとは思いもよらなんだ。物見遊山にしては少々おいたがすぎるのではないのか?」

「何だよ、知ってたのかイ………あいにくだガ、ああいうのを見せつけられて大人しくしてるほド、おれもあいつらも心が冷めた人間じゃないんだヨ」

 

 冷たく見下ろしてくるブラッドレイに、リンは不敵に笑いながら返し、立ち上がる。

 フーとランファン、グリードも立ち上がり構える中、刀剣を構えたリンは薄く細めた目で、必ず倒さなければならない敵を見据える。

 

「仲間の為に命を懸ける女、仲間の為に世界を敵に回す男、仲間の為に災害にさえ立ち向かう奴ラ………そういう奴らを死なせるわけにゃいかないのヨ、未来の皇帝としてハ!!!」

「…お前」

「王は民なくしてありえなイ!!! 民が王の為に命を張るなラ、王は民の為に命を懸けるもノ…………おれが作りたいのはそういう国ダ」

 

 グリードは思わず、先ほどまでの飄々とした雰囲気を消し、熱く語り出した男を横目で見つめる。

 視界に映ったその横顔には……何処か、羨望のような感情が滲んで見えた気がした。

 

「だから……それを邪魔するお前のような奴は、ここで完膚なきまでにブッ潰す!!!!」

「……クククク、ガハハハ!!! ガッハッハッハッハ!!! よしきた、おれも付き合ったらァ!!!」

「煩い奴メ……気を引き締めんカ!!!」

 

 闘志を燃やすリンに呼応されたように、グリードも爪をギャリギャリと研ぎ澄ませて吠える。

 フーもランファンも鬱陶しそうにしながら……隣で戦う事に、拒否を示す事はしなかった。共に戦う許しを、行動で示していた。

 

「行くゾ………おおおおおおおお!!!」

「なんとも青臭い理想だ………………覚悟は本物と受け取るが――」

 

 咆哮を上げ、一斉に四方向から向かい、各々の武器を構えるリン達。

 卑怯だなんだと拘る気は毛頭ない、誰か一人でもこの男を排する事を考え、決死の形相で踊りかかる。

 

 ブラッドレイはそれをじっと見つめ、フッとため息をこぼすと。

 

「あいにく、実現の為にはちと現実が見えていない」

 

 キン…!と。

 甲高い金属音とともに振るわれた刃が、大きな弧を描く。

 

 そしてその直後、左右から刃を突き立てようとしていたフーとランファンの腹から、どばっと鮮血が迸った。

 

「フー!!! ランファン!!!」

「爺さん‼ 嬢ちゃん‼ てめェ…死ね!!!」

 

 鮮血を顔に浴びながら、グリードは地面が抉れるほどの跳躍を見せ、ブラッドレイに迫る。

 だが、放った爪が敵の顔に触れるより前に、銀の閃光が目の前を走る。

 

 直後、グリードは片腕と片足、そして片目を叩き斬られ、自らが流した血の海に沈められてしまう。

 

「グリードォォ―――!!!

「力がなければ、民どころか己すらも守れない。全てを手に入れ、懐に置き続ける事などできようはずがない。――強欲はいずれ己の身を滅ぼすぞ」

 

 臣下と味方の異形を襲った凶刃を目の当たりにし、冷静さを失ったリンが凄まじい勢いで走る。

 倒れ込む二人に手を伸ばそうとしたその刹那、突如彼の腹に衝撃が走る。

 

 見下ろせば、ブラッドレイが突き出した刃が己の腹を貫き、背中に切先が突き出している様が目に映った。

 

「お、前………!!!」

「残念だが君はここで終わりだ……安心したまえ、君の仲間は全員私が同じ場所へ送ってやろう」

 

 ずぼっ、と乱雑に刃を抜き、リンの体をその場に打ち捨てるブラッドレイ。

 彼はそのままリン達に背を向け、やれやれと肩を竦めながら、上の階に続く通路に向かって歩き去っていく。

 

 大きな血の海に沈む四つの人から、一切の関心を失って。

 

「…おい、小僧…………まだ息はあっか……!!?」

「ゲフッ…おォ………あるヨ…」

 

 老剣士の背中が遠くなる中、身体を半分ばらばらにされたグリードがリンに呼びかける。

 リンは大きな血の塊を吐きながら、震える体に叱咤しグリードに目を向ける。

 

「ガ…ガッハハハ……しくじったぜ…こりゃあ、前と全く同じじゃねェか……ガッハハハ、クソッタレが…!!!」

「…‼ あいつら……手当、して…やら…ねェと………!!!」

「オイオイ……てめェが死にかけてるってのに、呑気な奴だぜ…!!!」

 

 自分と同じく、血の海に倒れるフーとランファンに向けて、リンはずるずると身体を引きずって近付こうとする。

 重傷を負い、真面に動けないというのに、他人の命を気にかける彼のその姿を眺めていたグリードは、やがてため息交じりに口を開いた。

 

「………お前が助かる方法が一つだけあるぜ…賭けだがな……」

 

 唐突な提案に、リンは這いずるのをやめてはっと目を向ける。

 仰向けに倒れたまま、荒い呼吸を繰り返すグリードは、苦渋の決断なのか険しい顔で話を続ける。

 

「この方法を選べば…お前は大きく寿命を削られる羽目になる…………そんでお前は人間じゃなくなる……おれと同じバケモノの仲間入りだ…‼︎ 最悪死んだ方がマシに思えるかもな!!! それでもいいんなら………」

「やる」

 

 やや躊躇うように語ったグリードに、リンは話が終わるよりも前に頷く。

 グリードは一瞬固まり、自分を真っ直ぐに見つめてきているリンにぎょっとした視線を返す。

 

「あァ!!? 早ェよ!!! もちっと悩めよ、今後延々続く問題だぞ!!?」

「ここで逃げたら!!! おれの為に命懸けてくれたあいつらに顔向けできねェだろうが!!!」

「……!!!」

 

 信じられない、といった様子で喚くグリードに、リンは鬼気迫る表情で吠える。

 その剣幕に、血反吐を吐きながら凄まじい目を向けてくるリンの気迫に、グリードは思わずぐっと息を呑んでいた。

 

「力が…‼︎ 力が欲しい!!! あのジジイに一矢報えて………臣下も仲間も…‼︎ みんなを守れる力が!!!」

「…ガハハ、みんなと来たか。そりゃ……ずいぶん強欲なこった」

「強欲で………何が悪い!!!」

 

 自分に通じる何かを感じ、感嘆の声を漏らすグリード。

 彼の揶揄うような声に、リンはゲホゴホと咳き込みながら、涙を流して懸命に吠える。

 

「50万人の民も!!! たった二人のかけがえない臣下も!!! まだ恩を何も返せてねェあいつらも!!! おれは全部守りてェ!!! じゃなきゃおれは――――王になれねェ!!!」

 

 脳裏に浮かぶ、故郷の一族。近くで血の海に沈む臣下達。そして……この島で今も戦っているであろう、麦わら帽子の青年とその仲間達。

 彼らの笑顔が、瀕死の重傷を負った若者を奮い立たせ、立ち上がらせようとしていた。

 

「ガハハ……ガーッハッハッハッハ!!! いいぜ……面白ェ、面白ェよお前………!!! いいぜ…力を貸してやらァ!!!」

 

 突如、グリードは上機嫌に笑いだし、残った腕を掲げる。

 くわっ、と鋭く尖った爪を広げ、彼はいきなり、それを自らの胸に突き立てずぶずぶと沈め始める。

 

「後で泣いて後悔したって遅ェぞオラァ!!!」

 

 ゲラゲラと笑いながら、グリードはゆっくりとまた腕を上げていく。

 その手には―――血のような赤色に輝く怪しい宝石が握られており、まるで脈動のように輝きを放つ。

 

 それをグリードは、ぽーんと放り投げる。

 ざらざらと崩れていくグリードの体の上で、宙を舞ったそれは、ゆっくりとリンの上へと移動する。

 

「……覚悟の上だよ、ばか野郎!!!!」

 

 リンは渾身の力で体を仰向けにし、大きく口を開く。

 その中に、赤い宝石―――賢者の石が入り込んだ次の瞬間、彼を中心に赤い放電が迸った。

 

「…なかなかしぶとい…………気品とはまるで無縁の皇族だな」

 

 背後で起こった放電に、ブラッドレイの足が止まる。

 じろり、と面倒臭そうに歪んだ目が向く先で―――ズシン、と一人の男が、地面を踏みしめる。

 

「――どうだィ……気分は―――最悪ダ。何だってんだこのクソうるせェ空間ハ………鬱陶しくて仕方がねェヨ」

 

 よろよろと覚束ない足取りで、老剣士の方へと進み出る糸目の男。

 その口から二種類の声を発し、恐ろしく機嫌を悪くした彼は、ガチガチと尖った歯を噛み合わせ、ぎろりと鋭い目を老剣士に向ける。

 

「だが…まァ……賭けには勝ったから別にいいカ―――ガッハハハハハ!!!」

「…おかしなコンビができ上がたものだ」

 

 リンの顔のまま、リンの声とグリードの声が交互に聞こえてくる。

 歪な怪物となって蘇ってきた敵を見据え、ブラッドレイはまたもや呆れたため息をついた。

 

「だが何度やっても同じ事………いい加減に飽きた。次はもう何もできぬよう、即死で終わらせてやるとしよう」

「そりゃこっちの台詞だヨ―――覚悟しやがれ、クソジジイ」

 

 同じ敵の相手はもういやだ、とばかりに剣を握り直すや否や、どっ、と凄まじい殺気を辺りに広げるブラッドレイ。

 濃厚な殺意を撒き散らす彼を前にして、バキバキと両腕を硬化させたリンにしてグリードである男は―――不意に、自身の懐に手を突っ込む。

 

 直後、彼は取り出したあるものを放り、瓦礫が散乱する地面に思い切り叩きつけ……大量の白煙を辺りに広げさせた。

 

「煙幕…………小癪な、この程度の小細工で」

 

 ブラッドレイが呟く中、白煙はあっという間に視界の全てを覆っていく。

 深い穴の底の闇とは真逆の、全てが白く染め上げられた空間の中、詰まらなそうに鼻を鳴らす。

 

「これは……ただの煙幕ではないのか。そこらのものよりもずっと濃い…………ずいぶん長く漂っているな。まァ、それでも無意味である事は変わりないのだが」

 

 白煙の中、ブラッドレイは無意味となった目を閉じる。

 五感の一つを自ら封じ、他の感覚を研ぎ澄ませた彼は、突如自身の右横に向けて刃を振るった。

 

「君達の気配など、いくらでも辿れるのだよ……()()を使うまでもなくね」

「がハッ…!!? くソッ……お前も使い手かヨ…‼」

 

 突き出した刃は、寸分の狂いもなく男の腹を裂き、血飛沫を上げさせる。

 苦悶の声を漏らすリンだが、傷口を押さえるとすぐさま飛び退り、再び白煙の中に姿を消す。

 

 真っ白な視界を見渡し、やがてブラッドレイは嘆息すると、とある方向に向かって歩き出す。

 

「いつまで逃げ続けるつもりかね? どれだけ攻めて来ても…――」

「―――おらァ!!!」

「ムダだと言うのに……」

 

 踏み出した方向に剣を突き出し、手応えを感じると共に無数の斬撃を振るう。

 鮮血が白煙の中から飛び出し、びちゃびちゃと飛び散るが、それでもリンとグリードは倒れず、白煙の中へと身を隠した。

 

「どうだ、不死身の怪物殿。再生が追いつくまい…君がやたら我武者羅に攻めてくる事もだが、深い傷であればその分時間もかかる。いい加減にしてくれたまえよ」

 

 カツ、カツと靴音を鳴らし、地下深くの空間を気配を頼りに進む。

 点々と続く血の臭いと共に、少しずつ弱まっていく気配を感じ取り、自分から逃れようとしているそれを追いかける。

 

 邪魔な瓦礫を登り、退かし、やがて見つけた行き止まりのような狭い空間に辿り着く。そこに、自分が追っていた気配はうずくまっていた。

 

「そこか……‼︎ もう終わりにしてやろう―――」

 

 もう、動く余力すらないと見える二つの気配。

 さっさとその苦しみを絶ってやろうと、首があるであろう一に向けて刃を振るおうとしたその時だった。

 

 

 ブラッドレイは自らの両足と片腕に、冷たい刃が突き立てられる感覚を覚えた。

 

 

「ぐっ……何だと……!!?」

 

 はっ、と目を見開き、よろめいたブラッドレイは下に目を凝らす。

 そこに、少しずつ晴れ始めた白煙の中から、息も絶え絶えになりつつも、必死に刃を突き立てるフーとランファンの姿を見出す。

 

「ぐっ……貴様!!!」

「若の覇道を支えるのガ、我らの役目………立ちはだかる敵を排除する為……この身を賭せるならば…本望………!!!」

 

 ぐらり、と身体を傾がせながら、自身にしがみつく二人を引き離そうと藻掻く。

 その際ブラッドレイは、自分が追っていたはずの場所に転がる、二本の血濡れの腕の存在に気付いた。

 

 ―――右手の気配を囮に…私をここへ!!?

    その為に自らの生命活動を無理矢理抑え込み、自らの気配をも限界まで薄くしたのか!!!

 

 視線を戻せば、自らを足止めする二人の腕が、それぞれ失われている事に気付く。

 自ら断ち切った腕を布で縛って止血し、激痛をものともしていないように半死半生の体でそこまでの事を成したという事実に、言葉が出なくなった。

 

「おおおおおおおおおお!!!」

 

 そして、猛然と近付いてくるその気配に、ブラッドレイははっと目を見開き振り向く。

 地下空間の端から、硬化させた右腕を構えて向かってくる男が、気合いの咆哮を上げて白煙を蹴散らして突き進んでくる。

 

「――見事」

 

 思わず、ブラッドレイの口から称賛の声が漏れ出す。

 抵抗する事すら忘れ、棒立ちになった彼の元に、リンとグリード双方の力が籠もった一撃が叩き込まれた。

 

國志無双(こくしむそう)〟!!!!

 

 ドッ‼と、渾身の一撃がブラッドレイに炸裂し、その体が勢い良く宙を舞う。

 老剣士は背後の壁に激突し、一面に大きな罅を入れ―――直後、崩壊した瓦礫と、その奥から流れ込んできた海水に呑み込まれる。

 

 怒涛の流れでやってきた海水は、がくりと膝をついたリン達とフー達をも呑み込み、地下空間の全てを埋め尽くしていった。




ちっとばかし、長くなっちまいました……だってここまで書きたかったんですもの。
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