ONE PIECE −LOG COLLECTION : ELEANOR−   作:春風駘蕩

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第74話〝雪上の戦い〟

 キラキラと氷の欠片を撒き散らし、砕けていく氷の城。

 その向こう側から現れた小柄な少年に、ワポルの配下たちだけではなく庇われた住民たちも目を見開いていた。

 

「な…なんだ貴様は…⁉」

「ん…? いや待て‼ 貴様は確か……」

 

 クロマーリモは警戒し、少年・エドワードの顔を見たチェスが目を見開く。

 住民たちの何人かも、見覚えのある少年の顔に徐々に一年前の記憶をよみがえらせていった。

 

「あいつ……エルリック・エドワードだ‼」

「なに…⁉ あのタッカーを捕まえてくれた例の錬金術師か…!!!」

 

 ドルトンを、そして自分たちを守ってくれたエドワードに、安堵と期待の視線が集まっていく。

 だがエドワードに集まる視線は友好的な視線だけではない。とくにワポルたちの方からは、肝心なところを邪魔された苛立ちが向けられていた。

 

「エドワード君……来ていたのか。偶然とは恐ろしいものだね」

「タッカー…‼」

 

 その中の一人、タッカーが少し意外そうな様子で声をかける。

 エドワードがギラリと殺意を混ぜて睨みつけると若干怯える様子を見せたが、すぐに元の平静を取り戻した。

 

「正直今すぐてめェのつらブッ飛ばしてやりてェが……後回しにしてやるよ」

 

 エドワードはいったんタッカーから注意を外し、忌々しげに睨みつけてくるワポルを見据える。

 さほど深くかかわった記憶はないが、それでも忘れられない憎たらしい顔だ。

 

「よォ…ワポル……この国に来た時、わざわざ顔を出したのにてめェ……『めんどくさい』っつって顔すら見せなかったよな…‼ あんときは怒るよりも先に呆れたぜ…!!!」

「まははははは‼ どこにちっぽけな田舎者に謁見する王様がいるのだ!!? カバじゃな――い⁉」

「………ちっぽけ……」

 

 ワポルがバカにした様子で口にした単語に、エドワードはピクリと肩を震わせてうつむく。

 エドワードが身長のことを気にしていることを知っているドルトンは、またいつかのように暴走してしまうのかと思わず身構えてしまった。

 

「ああ……そうだ…‼ おれはちっぽけなただの人間でしかねェ……!!! でもなァ……てめェらのようなクソみたいな野郎をたたき潰せるぐらいの力はある…マシな人間だ…!!!」

 

 しかしエドワードは、激昂することはなく真っすぐにワポルを睨み続けた。

 見下すように訝しげな視線を向けてくる、臆病で卑怯な最低の大人たちを前に、エドワードは全力で自分の怒りをぶちまけた。

 

「ハッ…医療大国なんて言っても、国の王がこんなんじゃもともと先が知れてたもんだな!!! どんなに医学が発達しようが!!! ()()()()()()()()()()()()()!!!!」

「ウヌゥッ…!!! ま…またしても王様であるおれ様にそのような……!!!」

 

 カチーンとワポルの頭が怒りに支配される。

 一方でエドワードのセリフを聞いたドルトンは、それに覚えがあることに驚愕する。

 それは間違いなく、自分がかつてワポルに向かって言ったことと全く同じものだったからだ。

 

「……君という奴は」

 

 妙な偶然に苦笑し、ドルトンは改めて国を脅かそうとしている賊を前にする。

 エドワードが自分と同じ思いを口にしたことで、己がワポルたちと同罪だという思いが否定された気がした。ずっと背負っていた重荷が、わずかに軽くなったように感じられた。

 

「さァ…行くぜドルトンさん‼ こいつらまとめて…海に叩き出して二度と帰って来れねェようにしてやる!!!」

「……ああ…‼」

 

 バシン、と鋼の拳を手のひらに打ち込み、エドワードは大剣を構えるドルトンと並び立つ。

 元部下と余所者、取るに足らない連中に邪魔され、怒りを募らせるワポルが、部下たちに抹殺の指令を下そうとした、その時だった。

 

 どこか遠くから、ビリビリと震える轟音が聞こえてきたのは。

 

「ん…何だ…地震か……?」

 

 思わず、互いに向けていた敵意が薄れる。

 そしてふと山の方を振り向くと、その場にいた全員の眼が大きく見開かれることとなった。

 

 

 時は少し遡り、場所はドラムロッキーのふもとから少し登ったところ。

 凍える吹雪が吹き抜ける中を、白い巨体が高々と跳躍した。

 

「飛んだ!!!」

 

 驚愕に目を剥くサンジに向かって、巨大なうさぎは太く逞しい腕を振り下ろす。

 足を取られそうになりつつもどうにか躱すと、振るわれた腕は一撃で新雪を大量に抉り取った。

 

「ウソだろ何だ、この動きはっ……!!! ゴリラかよ!!!」

「違う‼ 白熊だ!!!」

「うさぎだよ!!!」

「お前、いまゴリラだって言ったじゃん」

「おそれていた事態が現実に…‼ あれがドルトンさんの言っていた〝ラパーン〟ですよ…!!!」

「――でこの数か‼」

 

 見たこともない獣が、恐るべき能力を発揮している光景に固まる一同。

 サンジが目を向ければ、殴りかかってきた個体と同程度の巨体がずらりと並んでいる。

 そのいずれもが、ルフィ達に対して恐ろしいほどの敵意を抱いているようだった。

 

「おいエレノア‼ こいつら説得してどかせられないのか⁉」

「無茶言わないでよ‼ 私のは単に相手の〝声〟が聞こえるってだけで…‼ 自由に会話ができるような便利な能力じゃないの!!! それに…‼」

 

 船長からの無茶な指示を、エレノアは即座に拒否する。

 続いて目を向ければ、取り囲もうとしてくるラパーンたちのうち、顔に傷のある一体から感じる圧に冷や汗を流す羽目になった。

 

「なんか…あの……あちらさん完全にお冠みたいで、説得に応じてくれる雰囲気じゃないんだよね………具体的に言うと」

 

 エレノアが言うと、傷のあるラパーンの、そしてその肩に乗っている子供のラパーンの眼がギラリと強く光を放った。

 

「『おんどれ…うちのかわいい愛息子をどついてくれよったんはどこのどいつじゃ…!!!』………だ、そうです」

「「犯人はこいつです!!!」」

「オロすぞてめェらァ!!!」

 

 即座に仲間を売ろうとするルフィとアルフォンスに、サンジはふざけるなと思いっきり怒鳴りつける。状況が違えば、この場で蹴り飛ばしているほどだった。

 だが今は、そんなことをしている場合ではない。戦闘態勢に入りかけたルフィを制し、サンジが前に出た。

 

「いいか、ルフィ。お前は絶対にこいつらに手ェ出すな‼」

「なんで」

「例えば、お前が攻撃をしたとしても受けたとしても、その衝撃の負荷は全てナミさんにまで響いちまうからだ‼ 死んじまうぜ、そんなことをしたらマジで」

「わ…わかった。戦わねェっ‼」

 

 背中に弱っているナミがいることを思い出し、ルフィは顔色を変えて頷く。

 しかしそんな彼らの事情を知る由もなく、そして気遣う必要のないラパーンたちの数体が、さっそくルフィたちに向かって襲い掛かってきた。

 

「じゃ、どうすりゃいいんだ!!?」

「とにかくよけろ‼ よけて、避けて――で、退くな!!!」

「難しいぞそれっ!!!」

 

 うさぎの敏捷性で迫りくる、白い熊のサイズの巨体が十数体。

 とにかく逃げて逃げ続け、一刻も早く山頂の城に着かなければならないのだと、ルフィたちは大変な課題を抱えることとなってしまった。

 

「〝腹肉(フランシェ)…シュート〟!!!」

 

 最も早く向かってきたラパーンを、サンジが気絶させる程度の威力で蹴り飛ばす。

 しかし思ったほど飛距離は出ず、落下したラパーンはさしたるダメージを負った様子も見せずに立ち上がった。

 

「く…いちいち雪に足とられてちゃ、ろくなケリ入れられねェな」

 

 忌々し気にサンジが呟くと、残るラパーンたちの眼がキラーンと光る。

 完全にルフィたちを敵と見定めたラパーンたちは、ルフィたちの退路を断つ様に一斉に飛び掛かってきた。

 

「来たァ‼ 一気にっ!!!」

「援護します‼ 森へ入りましょう!!!」

「何とか振り切るんだ、こいつら全部と戦ってたら日が暮れちまう‼」

「くそっ」

 

 即座に反転したルフィたちは、まずは相手を撒いてこの状況をやり過ごそうと森の方に急ぐ。

 しかし慣れない雪中と雪国の生物相手では、ろくな速度を出せない。あっという間に、一同はラパーンたちの群れに追いつかれそうになっていた。

 

「足止めするっ‼ あんたたちは先に行きな!!!」

「すまんっ‼」

「エレノアちゃんっ‼」

「姉弟子っ‼」

 

 意を決し、エレノアが森に向かうルフィたちを庇い、ラパーンたちの前に飛び出す。

 かまう事なく突っ込んでくるラパーンたちを見据えると、エレノアは両手のひらを打ち合わせ、雪の中に思いっきり手を突っ込んだ。

 

「守ってみせるっ…‼ 金角叫盾(オハン)〟!!!

 

 雪の冷たさが肌を貫くと同時に、迸った閃光が雪を見る見るうちに変形させていく。

 ほぼ一瞬で創造された幾つもの盾が障害物となり、ルフィたちの方にも向かおうとしていたラパーンたちをまとめて足止めしてみせた。

 

「さっきは本当にごめん…‼ あなた達の宝物を傷つけたことは許せないと思う……でも‼ 私達にも助けたい人がいるんだ!!! 邪魔しないで!!!」

 

 言葉が通じるとは思えないし、聞き入れてくれるとは思っていない。

 しかしそれでも精一杯の誠意を見せようと声を張り上げるエレノアに対し、返って来たのは怒りのこもった殴打の雨だった。

 

「……‼ お願いだから…」

 

 エレノアは縋るようにラパーンたちを見つめ、向かってくる太い腕を躱し続ける。

 懸命に雪の中を跳ねまわるエレノアだったが、やがてそれにも限界が訪れた。

 踏みしめた個所が雪が多く積もっていた場所らしく、ずぼっと深く足がめり込み、バランスを崩したエレノアは激しい殴打をまともに受けてしまったのだ。

 

「くっ…いいパンチしてくるじゃないの……」

 

 吹き飛ばされ、雪の上に倒れ込んだエレノアは、頭から血を流し朦朧としながらラパーンたちを見やる。

 散々逃げ回ったおかげか、ラパーンたちの注意はほとんどエレノアに集中している。ルフィたちに敵意を向けている者はいないようだった。

 

(これでいい…‼ これで何とか、あいつらが逃げる時間をかせげれば……!!!)

 

 説得は可能な限りなら、本命の狙いは、ルフィたちがラパーンたちを突破できる時間稼ぎをすることだ。

 敵意が殺意に代わりそうな気配をひしひしと感じながら、エレノアはふらつく体を無理矢理起こし、回避のために構えた。

 

「ガルルルル‼ ガルルル‼」

 

 先ほどサンジに蹴り飛ばされた子供のラパーンが、親とその仲間を応援するように吠える。

 巻き込まないようにという配慮か、群れから少し離れた場所にいる子ラパーンが、大きく腕を振り回してエレノアを睨む。

 その姿が次の瞬間、消え失せた。

 

「ガルッ⁉」

 

 途切れた我が子の声に振り向いたラパーンたちは、子ラパーンがいた雪の上がごっそり削れ、落下していく姿を目の当たりにする。

 崖の上に積もった雪が張り出した、不安定な場所に置いてしまったのだと気付いた時には、子ラパーンは崖の下に向かって真っ逆さまに向かっていた。

 駆け寄ろうとしたラパーンたちを追い抜く、翼を生やした人間に気づくまでは。

 

「……さっきはごめんね、おチビさん」

 

 そんな声が聞こえてきた直後、崖の向こう側からぽーんと子ラパーンが放りだされた。

 慌てて我が子を受け止めた親ラパーンは、翼の人間が作った壁にぶつかりながら我が子を抱きしめる。

 

「ガル…」

 

 すぐさま崖のすれすれから覗き込めば、ゾッとするほどに高く険しい崖の真下へ白い影が落ちていく光景が見える。

 その姿が見えなくなると、ラパーンたちは皆耳をへたれさせ、悲し気に目を伏せ始めた。激しい後悔に襲われているように。

 しかしその表情も、背後から聞こえてきた轟音で一変してしまう。

 

「……!!?」

 

 翼の人間が作った壁、自分が先ほどぶつかったそれがゆっくりと傾ぎ、気付いた直後には雪の中にめり込んでしまっていた。

 その衝撃が伝わると、辺りに突然地響きが発生し始めた。

 

 

「なにしてくれてんだ、あのクソうさぎ共…‼ ウソだろ」

「あばばばばば…!!!」

「おいサンジ、アル、どうしたんだ」

 

 サンジとアルフォンスは、エレノアが足止めをしていた場所を見上げガタガタと震えていた。

 ルフィが訝しげに尋ねると、二人して必死の形相でルフィを前に押し出した。

 

「おい…‼ 逃げるぞてめェら」

「逃げるってどこへ…」

「どこへでもいい…!!! どっか遠くへだ…‼ 雪崩が来るぞォ!!!」

 

 サンジが絶叫し、ルフィも慌てて走り出す。

 後先考えず、とにかくぜんりょっくで山をかけ降りていくサンジ達に、突如発生した白い津波がとてつもない勢いで迫った。

 

「あのうさぎ共、絶対許さねェぞ、畜生ォ!!!」

「なんでいつもいつもこんな目に――――!!?」

「どうしたらいい⁉ どうしたらいいんだサンジ!!? アル!!?」

「知るかよ‼ とにかく1にナミさん2にナミさん‼ 3にナミさん4にナミさん5にナミさんだ、わかったか‼ 死んでも守れ!!!」

「はい!!!」

「わかった!!! だけどどうやって!!!」

「あれだ!!! あの崖っ‼」

「がけ!!?」

「走って‼ 少しでも高い場所に登るんです!!!」

 

 もはやナミのために安全に、などと考えている暇はない。

 怒涛の勢いで迫る白から逃れるために知恵を絞るサンジは、途中に張り出している岩肌に気づき、それを指さし方向転換した。

 

「来たァ!!!」

「ぎゃああああ!!!」

「ひぃいい!!!」

 

 なんとか見つけた、このあたりで最も高い場所に、ルフィたちはがむしゃらに急ぐ。

 まっすぐに駆けおりたところを方向転換し、真横から雪崩が迫るという恐怖に苛まれながら、三人は何とか崖の上まで駆け上がった。

 

「よし‼ 間にあっ…………‼」

 

 安堵しかけた三人だったが、背後に映る光景に言葉を失う。

 襲い掛かろうとしていた雪崩は、三人の予想をはるかに超える量だったのだ。

 

「駄目だ、高さが足りねェっ!!!」

「うわあああああっ!!!」

「のまれる――っ‼」

 

 分厚い壁のように広がる雪の洪水に、ルフィたちはなすすべが見つからず絶叫する。

 そんな中、アルフォンスのみがたった一つ策をひねり出していた。

 

「……‼ こうなったら……」

 

 アルフォンスは意を決し、事前の断りなくルフィとサンジの襟首を掴む。

 そして唖然とするルフィたちを、思いっきり頭上に向かって放り上げたのだ。

 

「ボクの分まで……頼みます」

「アル!!!!」

「アルフォンス!!!!」

 

 大きく目を見開き、勝手に自分を犠牲にした仲間に叫ぶ二人の目の前で、アルフォンスの鈍色が、純白に呑み込まれていった。

 

 

「ヒュー……ヒュー……」

 

 しんしんと降り続ける粉雪。

 切り立った崖の下で倒れ伏したエレノアは、途切れそうな呼吸を繰り返していた。

 

(……あー、これはちょっと……ヤバいかもなー……身体ぜんっぜん動かないわ……………骨……折れてんのかな……熱い……)

 

 あたりの雪には全身から流れ出た鮮血が滲み、傷口から徐々に熱が奪われていくような錯覚を覚える。

 かすかにも体を動かすことができず、エレノアはただ迫りくる闇を待つことしかできずにいた。

 

(はやく……ルフィ…たち、の……所……へ………)

 

 まだ仲間達が困難を乗り切れたかは分からない。

 なんとかして合流し、安否を確認してDr.のもとへ向かわなければと思うのだが、エレノアの体は全くいう事を聞いてくれなかった。

 

「…………だい、じょう、ぶ?」

 

 そんな中、聞こえてきたたどたどしい口調の奇妙な声。

 エレノアはその声の主の顔を確かめることもできず、次第に重くなる瞼に敗け、意識を手放してしまった。

 

 

「いやあ助かったぜビビ」

「よかった生きてて」

「しかし心なしか俺の顔、はれてないか?」

「し…しもやけよしもやけ‼ 雪国は大変っ…そ…それより早く、この居場所と現状を把握しなきゃ」

 

 突然発生した雪崩で死にかけた二人は、なぜかぎこちない様子で村に向かって歩く。

 あの世に行きかけたウソップを気付けする際、ビビが顔面を叩きすぎたことは、墓まで持っていくことに決めながら。

 

「え⁉」

「うわっ‼ 何だァ!!?」

 

 その時、雪の中を歩いていた二人の目の前で、二つの雪像が立ち上がる。

 何事かと身構えると、雪像はぶるりと体を震わせ、見覚えのある姿と声をあらわにしていった。

 

「ああ―――まいったまいった。この、さみィのにいきなり雪崩とはついてねェな。でも、まあこれも一つの寒中水泳か」

「ブァ―――ックショイィ!!!」

 

 自らの体を抱きながら、上半身裸のゾロと盛大なくしゃみを放つエドワードが立ち上がった。

 ビビとウソップは、何の脈絡もなく現れた二人にただ唖然とするばかりであった。

 

「ゾロ、エド」

「ん? ……………あ。…おう、ビビ!」

 

 気づいたゾロが声をかけるが、なぜかウソップを見て言葉を詰まらせる。

 腫れあがった顔の中から伸びる鼻に気づき、ようやくウソップだと気付いたようだ。

 

「ああ、ウソップか。お前ら何やってんだよ、こんなとこで」

「「「それはこっちのセリフだ!!!」」」

 

 盛大なツッコミに対し、寒中水泳だと大真面目に語ったゾロに、三人とも呆れた視線を向けていた。

 しかしゾロは気にせず、自分と同じように埋まっていたエドワードに視線を移した。

 

「…で、お前は何やってんだ?」

「はっ!!! そうだ!!! こんなことやってる場合じゃねェ!!!」

「な…なんだァ⁉」

「なに⁉ どうしたの一体!!?」

 

 慌てた様子の彼にビビとウソップが尋ねると、エドワードは会話の時間さえもったいないと言った慌てぶりで、ビビたちに叫んだ。

 

「ドルトンさんが雪崩の下敷きになっちまってんだよ!!!」

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