奥沢と並んで商店街を歩く。ゆりさんと帰る時は商店街を通らずわざと遠回りして帰っている。なので、周りから付き合っているように見えていると思う。それに、話すことがないのでお互いに黙り込んでいる。だから、別れ際のカップルか無口なカップルのどっちかになる。
「ねぇ、新崎」
「どうした?用事でも思い出したか?」
「違う」
奥沢は呆れたように答える。……なぜ呆れる。なんかおかしなことでも言ったのか?
「どうしてあの時こころにあれを食べさせようとしたの?」
「弦巻が食べたそうにしてたからかな?」
「なぜ疑問形」
「分からないからだ」
「ふーん」
”興味ないのになぜ聞いた”と言いたかったが”新崎もでしょ”返されそうなのでやめた。だけど、これだけは分かる。
「もし」
「???」
「もしお前が食べたいって言ってきても食べさせようとしたかもしれない」
「なんで?」
「知らないよそんなの」
そう言って…………いや、それを言うため奥沢の言葉を誘導させたのかもしれない。その返答が正しいか間違っているかなんて分からない。そのせいか、モヤモヤした気分になった。
そしてまた無言の状態になった。
「「…………」」
夢ってなんだろう。前に思っていたことをふと思い出した。小さい頃はサッカー選手、野球選手、漫画家、アイドル、俳優になりたいと言っている。一握りしかなれない夢の職業になりたがる。中学生になると現実を見る人が増える。けど、それでも、夢の職業を求める。高校生にもなると9割の人は公務員などの安定している職業のためにちゃんとした進路を考える。9割は言い過ぎかもしれない。だけど、中学生よりもいる。専門生と大学生は分からない。
特撮で王様になりたいって言う主人公がいる。それに関しては何も言わない。僕達からしたらそれは作られた物語でしかないからだ。
☆☆☆
あれから数分で羽沢珈琲店に着いた。店内は空いていたので店の奥側の席に座ることが出来た。それも、2人なのに4人席に座った。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
何この時間は。それに周りからあのカップルやばいなという目線を感じる。というか話ってなんだよ。
「なぁ、話ってなに?」
「新崎とゆりさんについてだよ」
「…………は?」
「だって決めたんでしょ?」
「決めたけどさ」
「けどなに?もしかして後悔してるの?」
こいつ、人の心に入りやがって。
「まぁいいや。来年とかどうするつもりなの?」
「ゆりさんは大学生になって僕は2年生だからな~」
「なんでそんな軽いの?」
「逆に聞くけどさ、なんでお前はそんなに張り切ってるの?」
「あたしのやつに協力してほしいからさ」
「はぁ!?」
それは当然の叫びだった
ありがとうございました。