剣士のいくリリカルvivid!   作:シャイニングピッグEX

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うん、初めはジョセフみたいな主人公にしたかったんだけどね!ガチで畜生みたいになっちゃった。苦手な人は注意してください。スポ根真っ向否定してます。


第一話

コロナとリオが練習を切り上げた後。いつもの練習場にてヴィヴィオはノーヴェに話があると言われ残っていた。

 

 「男子からの特別選手・・・?」

 

  「ああ」

 

  ヴィヴィオの疑問を持った言葉に頷くノーヴェ。

 

  「でも、男子は男子で剣闘大会みたいなのあるんじゃなかったっけ?」

 

  「まあな。関係ありといえばありなんだが」

 

  普段はスパッと話すタイプのノーヴェ自身の歯切れが悪い。何か問題があったのだろうかとヴィヴィオは思う。

 

  「・・・そんな危ない人なの?」

 

  「お前が想像してるとは違う感じでヤバいやつだな、ありゃ。相当な問題児だぜ」

 

  「それでその人がどうして?」

 

  「簡単にいうと実力がありすぎる、殿堂入り、上に訴えてDSAAに出たいと抗議、それが通った、て感じだな」

 

  ツッコミ所がなかなかに多くて頭が痛くなってくる。

 

 「易々とこういう言葉を使うもんじゃないってのを承知でいうけどな・・・ありゃまさしく『次元世界最強の剣士』だわ。年齢関係なしにな」

 

 「えっ、そんな強い人が来るなんて、ライバル出現だったりする?」

 

  「剣がどれだけ上手くても魔法や身体能力には関係ないだろ。それにドがつくほどに初心者だぞ」

 

  「ふーん・・・そんなことよりせっかく一人で残ったんだし練習続け」

 

  「の、前に。なんとそいつをあたしに受け入れて、コーチしてほしいって申し出があってだな」

 

  「それはその、災難でしたね?でもなんで私にだけいったの?」

 

  アインハルトにも、コロナにも、リオにも言わず。ヴィヴィオにだけこんな風に伝えるのはなぜか。疑問に思うのは当然だった。

 

  「話なげーな。入るぞ」

 

  突然話を中断して男が入ってくる。

 

  「おいおい、これから(不本意だが)あたしがコーチをやるんだぞ?少しくらい言うこと聞けよガキが!」

 

  「なんでオレがお前なんかの言うこと聞かなきゃなんねーの?」

 

  目上の人物をモロに見下した態度。確かに『問題児』で間違いない。

 

  「・・・あんま言いたくはなかったんだけど、ヴィヴィオに最初に任せようとしたのはお前なら真摯な対応ができると思ったからだ」

 

  フン、と鼻をならすとその男が言った。

 

  「別にオレはあんたらに接待されに来たわけじゃないんでね」

 

  「そうかわかったよ新入りボーヤ」

 

  「オレにはガラナ・ディスターヴって立派な名前があるんだよ。よろしく頼むぜお二方」

 

  「ずいぶんといい挨拶じゃねーか。あたしはノーヴェ・ナカジマだ、ノーヴェでいい。よろしくな?」

 

  「そうかわーったよナカジマ」

 

  態度があまりにもあんまりなのでノーヴェはキレそうになっていた。だからといって知り合いから紹介されたのにそれを無下にしない程度には大人だったが。

 

  「えっと、ヴィヴィオです!よろしくお願いします!」

 

  「ははーん、お前が。こりゃまた」

 

  「?」

 

  「あーまだいいわ。それじゃあ顔見せたしまたな」

 

  「って待てよ!お前には常識ってもんがねーのか!」

 

  そういうノーヴェの反応も当然だ。こんなコーチと選手の関係が、そうでなくても人間同士こんな淡白かつ雑な関係はあってはいけない。

 

  「だってオレの目的の人物いなかったしな。あんたの指導なんて受ける気にもならねーし帰る」

 

  「いくらなんでも初日にそりゃねーだろ。おいヴィヴィオ、相手してやれ」

 

  (これ私には『ボコせ』って聞こえるんだけど!どうすればいいのー!?)

 

  「え、あ、はい。私はさっきまで練習してたので、アップはいいです。ガラナさんは?」

 

  「いらん」

 

  「いいんですか?」

 

  「オレは天才だからそんなもんなくてもいいつってんだよ」

 

  (これ、選手というか人として大丈夫なのかな?心配だけど)

 

  さすがのヴィヴィオも少し苛立ちがあったのでノーヴェの意図を汲み取り、ここは現実を叩きつけることにする。

 

  「それじゃ、三分間の五本勝負。勝ちが決まろうとなんだろうと最後までな。逃げは許さねえから」

 

  「いうまでもないだろ。剣士が勝負を投げるかよ」

 

  ヴィヴィオとガラナがリングに立ち、向かい合う。そしてお互いに試合のために準備を整える。

 

  「では、手合わせ願おうか。手加減はしないぜ、ヴィヴィオ先輩?」

 

  「はい、お願いします」

 

  「起きろ、トラディメント・ハート。セットアップ」

 

  「いくよクリス、セイクリッド・ハート!セーットアーップ!」

 

  方や黒色の剣を、方や虹色の羽を纏うと変身が完了する。

 

  「へーえ、ずいぶん凝ってるじゃないの」

 

  「そっちこそ、騎士みたいですね、その装束。・・・先手は譲りましょうか?」

 

  「オレは天才だぜ?そっちこそいいのかよ」

 

  「では遠慮なく!」

 

  (あ・・・れ!?戦闘態勢に入った途端すごい気迫で隙もない、けど攻めなきゃ始まらな―――) 

 

  「あ、ちょっといいかナカジマ」

 

  「んだよ?」

 

  「単純な疑問だが、武器っていいのか?」

 

  「その場で魔力で作ったならいいはずだぜ」

 

  「じゃあトラディメント使えないのか・・・まあいいだろう」

 

  「あの、すみません。こっちからもいいですか?ガラナさん」

 

  「何か問題でも?ルールあんまり知らないから反則行為があるなら遠慮なくいってくれよ」

 

  「大人モード、使わないんですか?」

 

  「確かに推奨はされてるみたいだが・・・選手にとってそれは取捨選択すべきものだ。違うか?」

 

  「わかってるなら、いいんですけど」

 

  「子供が大人の言葉使ってカッコつけてるつもりかー?天才くん」

 

  そんなノーヴェの言葉を無視する。しかし単純に無視したというよりは集中して耳に入らなかったというほうが正しいようだ。

 

  (トコトン可愛いげのねーやつだなぁ、それにしてもさっきの構えといいいうだけのことはある・・・か?)

 

  ノーヴェにも材料が少な過ぎてまだ読みきれないが、最強の剣士という称号が安くないのは確かだ。

 

  「必殺剣『(はじめ)』」

 

  魔力で剣を作り出し、右手で持つ。DSAAのルール上剣士には必ず必要な行程だ。

 

  「それじゃあ、仕切り直して。こっちから、いきますっ!」

 

  先ほどと同じ強い圧力を感じるが、それに臆せずボディを決める。

 

  (・・・あれ?雰囲気に反して、身体思ってたより軽―――?)

 

  大人モードを抜きにしても、これはおかしいのでは?そうヴィヴィオは思った。だが試合中に考えている暇はない。

 

  「・・・っ」

 

 ガラナとしても、油断したつもりはなかったが、簡単に一本とられてしまう。

 

  そのままガラナの防戦一方で試合は進む

 

  二本目、剣で防御するもヴィヴィオにそれを破られる。

 

  三本目、今度は回避しきろうとするがラッシュで捉えられそのままダウン。

 

  四本目、距離をとって逃れようとするがそれもうまくいかず。

 

  (見込み違いか構えは明らかに特別なそれと思ったのにな)

 

  特別とは、裏を返せば異端。結局素人かと思い最後の五本目は期待も萎んでいた。

 

  「どう?これでも初心者には負けないでしょ」

 

  「・・・」

 

  「見てて、どう思いました?」

 

  「・・・そうだな、才能ねーだろ。お前」

 

  「おい試合中に、口が過ぎるぞ!大体ヴィヴィオは―――」

 

  「いいよノーヴェ、続けさせて!」

 

  「オレは本気でDSAAやるつもりでここに来たんだ。お前みたいに才能ないやつの相手してる暇ないし、あっても嫌なんだよね」

 

  「・・・それじゃあ、ガラナさんはDSAAに勝てるってこと?」

 

  「それについては結果は見えてるよ」

 

  「でも、そんな『才能のない人』にガラナさんは負けそうなんだよ?」

 

  「その通りだ。だからこそ最後はさすがにエンジン入れさせてもらうぞ」

 

  これまで以上にガラナの気迫が高まる。ポーカーフェイスも相まって次どう来るかはまったく読めない。

 

  「よっと・・・」

 

  突然ヴィヴィオの方に剣を放り投げる。それもとても緩やかな放物線を描いたものだ。

 

  (隙だらけじゃ!?)

 

  ヴィヴィオは咄嗟に剣を叩き落とそうとする、がその前に剣はガラナの右手に収まっていた。

 

  速い。それ以上に、いつ動き出したのかがわからずそれはヴィヴィオにとって大きなプレッシャーとなる。

 

  しかし今の動きは見えている。落ち着いていれば防御してカウンターが狙えるだろう。

 

  ガラナが右足で大きく踏み込むと剣を構える。

 

  (―――来る!)

 

  強い攻撃を予想して防御に移るが、頭を襲ったのは弱い衝撃。石でも投げられたかのような。

 

  剣を頭に投げられたのである。

 

  彼の真意はともあれ、ヴィヴィオは一瞬怒り、それに任せて拳を振るう。おそらく当たらないが、戦術を乱すことはできるはずだ。

 

  「うぐっ・・・!?」

 

  と、思ったのだが。適当に狙った拳が運悪く(運良く?)クリーンヒットしてしまう。回避した先に、だ。

 

 「ご、5ー0でヴィヴィオの勝ち・・・っ」

 

  ノーヴェが肩を震わせて笑っている。仕方がないことである。あれだけ大口叩いて、さらに煽って回避も噛み合わずストレート負けなのだから。

 

  「どう?これでも才能のないやつの相手はしたくない?」

 

  「ああ、したくないね」

 

  「そっか。じゃあ、これからしてくださいって頼むようになるまで頑張るね」

 

  「一生こねーよ、天才相手に何をいってんだ。それと馴れ馴れしいぞ」

 

  「いいよね、ガラナ。これから友達になろうよ!」

 

  「あほらしい。勝手にやってろ」

 

  「おい、ガラナ!」

 

  「なんだよナカジマ」

 

  「とりあえず、あたしに教わってる間は勝手は許さないからな。それと、挑発行為はやめろ。減点されるぞ」

 

  「なんでだ?ちょっとしたもんだし、やられるほうが悪いんだろーが。あんなの」

 

 それに、減点されようと関係ない。オレは天才だからな。ガラナはそう付け加える。

 

  「・・・そこは百歩譲って認めよう。だが!勝つ気はあるんだよな?」

 

  「勝負にわざわざ負けにくる剣士がどこにいる」

 

  「・・・わかった、信じるぞ」

 

  「何はともあれ、私と一緒に頑張ろうね!ガラナ」

 

 ここまで二人の話もどこ吹く風のガラナ。DSAAに出場する選手としてはまぎれもなくトップクラスの問題選手だが、はたしてこの先ヴィヴィオ達はどうなってしまうのだろうか。




リアルがいろいろ忙しい時期なのでアイディアはあったのにそれを放出するのに時間がかかりました
これからもそれは変わらないと思いますのでご理解をば。(おい)
誤字脱字、感想、意見などありましたらよろしくお願いします。

解説・必殺剣『ー』
要は魔力で剣を作る。だけ。ただしこれで作った剣はまさしく変幻自在。多分後で色々使う。
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