俺が生まれたのは、雪の降る日だった。窓の外に一面の雪景色が広がっていたのをなぜか覚えている。
両親は共働きで、幼少期のほとんどを祖父母と過ごした。
共働きとはいえ、いないのは平日くらいで休日は必ず家に居てくれたため、特に不満もなく過ごしていた。
しかし、そんな生活も余り続かなかった。
両親の勤める会社が、レイヴンに襲撃されたのだ。
レイヴン。人型の機動兵器、
父は死に、母は右足を失った。
両親の勤めていた会社は無くなり、右足を失った母を雇ってくれる会社が見つからなかったため、それからは母と祖父母と共に暮らした。
しかし、そうなると働き手がいなくなるため、まだ小学生だった俺と祖父母がアルバイトをし、生活費を稼いだ。
レイヴンを恨まなかったわけではないが、いつまでも恨んでいては仕方がないと割り切っていた。
その後、小学校、中学校を卒業した俺は高校には行かず、バイトをして生活費を稼いでいた。
そんなある日、母がどこからか新技術の治験のバイトを探してきた。
新技術を使った義手や義足を実際に使用し問題が無いか確認するという内容のそれを、母は受けることになった。
バイト開始日、俺は母について少し遠いところにある大きな病院に来ていた。
まず始めに、適性検査を行うということで母や他のバイトに来ていた人たちが連れられていき、付き添いで来た人も適性検査を受けるだけで少しバイト代が出るということなので俺も一緒に適性を測りに行った。
その数日後のこと、俺のもとに一通の手紙が届いた。
送り主はレイレナード社。内容は新兵器のパイロットとして俺を雇いたいという物で、詳細については実際に雇われてから説明するとのことだ。
そろそろバイトを辞めて、雇ってくれる企業を探そうと思っていたところだったので、俺はこれを受けることにした。
もちろん、新兵器のパイロットということなので、命の危険があるというのは承知の上でだ。
「これが君に乗ってもらう機体だ。と言っても、まだ試作段階だがな」
幾つかの契約書にサインをし、正式にレイレナード社所属のパイロットになった俺は、自分が乗る予定の新兵器の前に連れてこられていた。
「これは…AC?」
人に近い形をしたそれは、何度か見たことのあるそれよりもスラッとした印象を抱かせた。
「
ネクスト。脳と機械を繋げ直接操縦する新技術、
俺がパイロットとしてスカウトされたのは、AMS適性がレイレナード社が求めている水準を超えていたかららしい。
母が受けたバイトはこのAMSの実験のオマケのようなもので、本来の目的は俺のようにAMS適性が一定以上ある人材を探すことだったらしい。