「作戦内容を確認する。今回はネクスト全機による軍主要施設の同時襲撃を行う。ネクストのお披露目を兼ねている今回の作戦に失敗は許されない。君たちの活躍に我々の今後がかかっていると思ってくれ。まぁ、性能差を考えればまず失敗することはないとは思うがな。では、各員の健闘を祈る」
その日、主要国家の軍主要施設が同時に襲撃を受けると言う事件が起き、襲撃を受けた主要施設を防衛していた部隊は全て壊滅した。
後に国家解体戦争と呼ばれる戦いの始まりである。
「出撃回数を減らす?」
初出撃から約一週間が経ったある日。俺は上司に呼び出されていた。
「あぁ。お前は既にここ一週間で十分な戦果を挙げている。これ以上戦果を挙げると他の企業からも注目され、今後君の本来の任務を行うときに影響が出るかもしれない。そのため、お前には悪いが戦果を少なくするために出撃回数を減らすという話だ。なに、出撃が無くなる訳ではない」
「了解しました」
上司に礼をし、部屋を退出する。しかし、出撃が減るのは困ったな。これではほかのやつとの差が開いてしまう。
「よう、どうした浮かない顔して」
廊下を歩いていると、一人の男がこちらに話しかけてきた。
「何だ、ベルリオーズか」
ベルリオーズ。俺と同じネクストのパイロット、
「少し考え事をしていたんだ」
「考え事?」
「あぁ、実はさっき俺の出撃を減らすという話をされてな」
「なに…?」
ベルリオーズが目を見開きこちらを見てくる。
「どういうことだ?俺ほどではないがお前もかなりの戦果を挙げていただろう?」
「確かにお前ほどではないが、ずいぶんはっきりと言ってくれるな」
「事実だからな。それはさておき、それほど優秀な者の出撃を減らすなど、上層部は何を考えているんだ?」
「まぁ、上には上なりの考えがあるんだろうさ」
上の考えは理解できている。だが、ベルリオーズに俺の本来の任務について教えることはできない。もどかしいがこれは仕方の無いことだ。
「それよりさっきの続きなんだが、出撃が減ると他の奴と腕に差ができてしまうと思ってな。ちょうどいい、ベルリオーズ。訓練に付き合ってくれないか?」
「あぁ、そういうことなら付き合おう」
飛び上がり、追い越し、クイックターンする。目の前には背中をこちらに向けるネクストの姿。しかし、此方が引き金を引くのと同時にその姿がぶれ、躱されてしまう。
『どうした、そんなことでは捉えられんぞ』
その声と共に、地面へと落ちるこちらに向かってグレネードが放たれる。それを避けきれずに被弾してしまう。
グレネードの衝撃と共に、残っていたAPがすべて無くなってしまった。
「くそ、また負けた」
シミュレーターを使った実戦形式での訓練。今までにもベルリオーズと何度かやっているが、その全てにおいて俺は負けていた。
「お前は腕はいいんだが動きがワンパターンすぎる。そんなことでは戦い慣れた者には絶対に勝てんぞ」
ベルリオーズがこちらに近づきながらそう言ってくる。
「それは分かってるんだが、どう動けばいいのか分からなくてな。なにせACの動かし方が分かるのは同じリンクスくらいしかいないんだがなかなか合わなくてな」
「なるほどな。ふむ…もう少し左右に動いてみたらどうだ。飛びあがったときにも上を飛び越すのではなく横にずれるようにするとかな。そうすれば狙いを定めさせないようにできるし、飛び越したはずなのに横に居れば不意を突くこともできる」
「なるほど…確かにそうだな。ありがとうなベルリオーズ。おかげでもう少し強くなれそうだ」
「なに、これくらいならいくらでも付き合うさ。それで、さっそく実践してみるのか?」
「あぁ。悪いがもう少し付き合ってくれるか?」
「言っただろう?いくらでも付き合うさ」
主人公とベルリオーズの口調に違いがつけられない…
くそがっ!オレのせいかよっ!