僕のヒーローアカデミア~ジンオウガの章~   作:四季の夢

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第三十八話:暗躍

 

 A組が強化合宿開始してから1時間後、B組のメンバー達もその場所へと集まっていた。

 そして嫌でも地獄絵図を目撃する。

 

「あぁぁ……あぁぁぁぁ……!」 

 

 自身のもぎもぎを大量にもぎまくり、頭部から大量の出血をしながらもぎ続ける峰田。

 

「ギャアァァァァ!!――ウェ、ゥエウェ~イ」

 

 大出力のバッテリーを持たされ、既にキャパの限界を超えても尚、電気を浴びる上鳴。

 

「ううぅぅ……おらぁ!!」

 

 岩石にイヤホンジャックをぶっ刺し、徐々に大きさを変えながら破壊していく耳郎。

 

「ハァ……ハァ……これ以上はまだ増やせないか。――いや! だからこそ!」

 

 各部位を増やしながら筋トレや聴覚を鍛え上げる障子。

 他のA組達もそれぞれの個性に合わせた過酷な特訓をしており、その光景にB組も思わず言葉を失う。

 

「やっべぇ……マジで地獄絵図だな」

 

 鉄哲の言葉に誰もが頷く中、そんな彼等の眼前を横切って――否、吹っ飛んでいく者がいた。

 

「ぐぼっ!!?」

 

「えっ! 今の緑谷!?」

 

 拳藤が思わず見に行くと、地面に倒れていたのは確かに緑谷だった。ピクピクと身体を震わせていることから冗談抜きでダメージがあるのが分かる。

 そして緑谷が吹っ飛んで来た場所を見ると、そこにいたのは拳を向けている虎だ。

 

「ウム! まだまだ動けるな! つまりはまだ筋繊維が切れていない証拠だ! さぁ! そこの者達も早く来い! 我が合理的に殴る蹴るの暴行を味合わせてやる!」

 

――非合理の極み!!?

 

 B組が虎の言葉に絶句し、思わず肩を落とす。

 今から自分達もこれに参加するのだと、逃げ場などないのだと諦めの精神が宿った時だった。

 

『AOoooooooooooooN!!!』

 

 やや遠くの方から聞き覚えのある遠吠えが周囲に響き渡った。

 その遠吠えに物間だけは一瞬だけビクッとする中、塩崎が何かに気付いて遠くの崖の方を指差した。

 

「あっ、あそこに雷狼寺さんがおります」

 

「おっ、本当だ。もう雷狼竜になってるし……結構、絵になるな」

 

 塩崎の言葉に骨抜も思わず感動を覚えた。映るのは山や森をバックに雷狼竜が崖の上で空を見上げ、佇む姿だった。

 けれど僅かに違和感もあった。それは雷狼竜の全身に展開、装着されている機械的な外部骨格。

 それが野性的な雷狼竜にはあまりに近代科学的であり、それが強烈な印象と共に違和感を生んでいたのだ。

 

「なんだろ? なんか機械みたいなの付けてるね」

 

「あれは拘束骨格だ。あれで雷狼竜の力を一定までしか出せない様にしている。――遅いぞブラド」

 

 物々しい何かを察した拳藤が少し心配そうに見ていると、そこにゆっくりと現れたのは相澤だった。

 相澤はB組担任のブラドへ、無駄にするとな、とっとと始めろと目で訴えるがブラドは竜牙の姿を見て少し険しい表情を相澤へ向けた。

 

「相澤、いくらなんでもやりすぎなんじゃないのか? 俺からは彼の力を無理矢理に抑え込んでいる様に見えるぞ?」

 

「――()()

 

 ブラドの責める様な言葉に相澤は首を横へ振った。

 

「逆なんだブラド。あの拘束骨格……確かに見た目は拘束の印象が強い。だが実際はストレスを感じるどころか()()()()()している筈だ」

 

「リラックスだと……? 何か仕掛けでもあるのか?」

 

「あぁ……音、匂いの発生機、骨格の素材。そのどれもが雷狼竜が好み、リラックスできる――つまりは興奮を抑えられる様にしてある」

 

 相澤はそう言って遠くにいる雷狼竜へ顔を向け、その様子を確認する。

 雷狼竜は時折、空へ向かって遠吠えをしているが声、纏う雰囲気に今まで感じた圧も殺気もない。

 今の状態は雷狼竜の意思も影響も少なく、竜牙の方が身体の支配権が強いのだろうと相澤は遠目で分かった。

 時折だが力を出し切れないのかぎこちない動きも見せるが、やはりリラックスしているのか大きな欠伸をする事も多い。

 

「……確かに、安定している様に見えるな。素材もそうなのか? 謂わゆる生き物に優しいとか、肌に優しいとかいう」

 

「優しい……のかは分からないが、少なくとも拒絶反応はないのだろう。なんせ素材は()()()()()を使っているんだからな」

 

「何だと……! あれは雷狼竜の素材で出来ているのか? よく雷狼寺も提供したな」

 

 ブラドは思わず開いた口が戻らないぐらいに驚いた。

 物間の一件もあったりでブラドも最近の竜牙の精神状態は知っていたからだ。 

 寧ろ、過去の件も職員として聞いているい以上、他クラスでも結構心配していたぐらいであった。

 

「正確には提供したというより交換したらしい。何やらサポート科の問題児(発目)が作ったグッズを雷狼寺が気に入ったらしく、貰う代わりに雷狼竜の素材を渡しようだ」

 

「そ、それだけでか……素材の質もあるだろうが、それでもよく作れたものだな」

 

「……本当にな」

 

――大した奴だったよ本当に。

 

 内心でそう言いながら相澤は合宿前、竜牙の事でパワーローダーを訪ねた時を思い出す。

 

 

▼▼▼

 

 

 職場体験、B組との揉め事、そしてヒーロー基礎学での動き。相澤の中に焦りが生まれない訳が無かったのもあり、何か保険なるような物がないかを相澤は求めたのだ。

 そして目的のパワーローダーではなく、彼女に出会った。ドレッドヘアーの様な癖のあるピンク髪の生徒――発目 明に。

 

『ほうほう! これは……鱗は絶縁体の役割を持ち防御力に加工性も高い! 甲殻は見た目より重量がないのに耐久性は並みの鉄よりも遥かに強靭! しかし所々に不自然さも感じます! きっと肉質自体は柔らかい。しかし! ここまで電気に強いならば色んなベイビーに更なる可能性が――』

 

 サポート科の開発室で見覚えのある素材を弄りまくっている発目と、そんな彼女を呆れた様子で見ているパワーローダー。

 入室したと同時に目に入ったのもあり、相澤の意識が発目に向かない筈がなかったのだ。

 見覚えのある生物の一部。それを子供の様に目を輝かせ、全く恐れずに観察や各道具で色々と弄り回す発目の姿は、変人を見なれている相澤からしても言葉が詰まる程の衝撃を覚えさせた。

 

『すまんなイレイザー。発目の事は気にすんな……って言っても無理だな。だが見て分かる様に、ありゃ雷狼寺から発目が貰った雷狼竜の一部だ』

 

 パワーローダーの話。それで相澤は発目と竜牙の接点を知る。

 雷光虫を製造するグッズと引き換えに発目に素材を提供したことを。

 それで相澤は竜牙の交友関係が地味に広い事に関心しながらも、本題である雷狼竜の件に関して話をした。

 その時は拘束までじゃなくとも、多少でも雷狼竜の力や行動を制限出来ればと思っていたが驚いた事に、それに真っ先に反応したのはパワーローダーではなく発目の方だった。

 

『分かりました! では少々お待ちください! もう少しで私とパワーローダー先生!――そして雷狼寺君との合作ベイビーが完成しますので!!』

 

『……はっ?』

 

 何故に発目が反応したのか、相澤はパワーローダーにしか相談しておらず発目は知らない筈だと疑問が浮かんだ。

 しかもベイビーやら何か変な事も言っているが、パワーローダーに目を向けてもガン無視を決め込んでいる。

 どうやら発目の言動には諦めの境地に至っている様で説明する気はないようだ。

 その代わりなのか、パワーローダーは少し真拳な言葉遣いで話し始めた。

 

『最初に断っておくが、別にこっちから発目に手伝いを頼んだ訳じゃない。お前が話を持ってきた時には既に発目の奴も作ってたんだよ。雷狼竜の力を抑えるグッズをな』

 

『どうやってです? いくらサポート科でも雷狼寺の情報を聞いただけでは……』

 

『発目を侮るな。サポート科や経営科はヒーロー科の授業映像とかを入手できるが、発目からすればそれだけで十分なんだ。しかも雷狼竜の素材をアイツは直接、雷狼寺の坊主から貰ってるからな。――もしかしたら学園内で一番、雷狼竜に詳しいのは発目かもしれんな』

 

 そう言ってパワーローダーが見守る中、汚れた作業着や身体を気にする事なく、雷狼竜の素材を元に何かを製作し続ける発目。

 彼女の凄まじい集中力は目の前のベイビー製作にだけ注がれており、それを察した相澤は感心しながらも首を傾げた。

 

『しかし何故、彼女がそんな物を? 今の雷狼寺が彼女にそんな物を頼むとも思えませんよ』

 

『さぁな。だが発目は自分の興味が無い物は作らんさ。それが誰かの為なら尚更な』

 

 パワーローダーは発目の性格を短い期間でもよく分かっていた。

 興味が無ければ言っても作らず、それが人間相手なら無視――というより認識すらしない。

 印象に残った相手でも名前を覚えるのも稀な程だった。

 けれど、発目は数回しか会ってもなければ、会話も少ない竜牙の名前を確かに覚えているのがパワーローダーにとっては驚きだった。

 

『イレイザー……あの雷狼寺の坊主の話はこっちの耳にも入ってる。噂程度なら発目にだってな。普通の連中は箔が付いたって騒ぐだけだが、発目は気付いたんだろ。坊主の異変に。――だからこそ、突然あんな物を作り始めたんだ』

 

『そんなに雷狼寺と彼女は親しいんですか?』

 

『いや、サポートグッズの相談はよくしているが、それ以上の話も無ければ場所もこの工房でだ。そんな学生の青春っぽいのは風呂にすら入らん発目にはありえん』

 

『なら気まぐれで?』

 

『気まぐれ……も何か違うな。ただもしかしたら――』

 

――発目にとって雷狼寺 竜牙は想像以上に()()()対象なのかもな。

 

『できました!!! 我ながら素晴らしいベイビーの誕生です!! これならば雷狼寺君も満足するでしょう!!』

 

 発目はそう言って相澤の手を無理矢理掴んでそれを渡した。

 確かに一瞬だが、オイル等の匂いに混ざってツーンとする匂いがあったが、相澤は耐えた。

 

『そうか。ところで、これはどうやって使えば――』

 

『さぁさぁ!! 次のベイビーについて考えますよ! 連絡を貰った()()()()()()()への試作品や他企業にも見てもらう新たなベイビーを――』

 

 それを最後に発目は相澤を認識から外し、再び色んな工具で作業を開始。

 結局、パワーローダーが色々と弄って動作を確認しながら相澤へと教える事になるのだった。

 

 

▼▼▼

 

「発目 明……凄い奴だったよ。リラックスさせる事で雷狼竜の影響を下げ、獰猛さを抑制。更に、その雷狼竜を落ち着かせる音や匂いも見つけるなんてな」

 

 相澤はありがたい反面、やはり発目を思い出すだけで疲れた気持ちになってしまった。

 しかし結果は出ている。疲れた垂れ目で雷狼竜を見るが悪い意味での変化はない。

 

――後はこのまま、雷狼寺自身で気付いてくれると良いんだが。

 

 雷狼竜の意思を抑制する事は出来たが、それが相澤の不安を完全に消したかと言えば否であった。

 竜牙の今の行動や思考。それはラグドールが『サーチ』で見た限り、最近よく竜牙が変化する黒い雷狼竜『亜種』の影響――『凶暴・獰猛』の性質が竜牙への影響が大きいとの事だった。

 

「あの黒い雷狼竜が……『亜種』か。合宿の開始からはまだ現れていないが、いつ現れてもおかしくもないか」

 

『気を付けてねイレイザー! 例の『亜種』は凶暴且つ獰猛……それは性格じゃなく性質。決して書き換えられない生物の本能。最近まで彼の中で眠りについていたみたいだけど、職場体験以降で突然目覚めてる! その影響が彼に現れてるし、彼自身も気付いているけど、それを受け入れてる所もあるね』

 

 相澤はラグドールからの言葉を思い出す。

 彼女が口を開く度に驚きと新たな情報ばかりで疲れてしまうが、聞き流すには重要過ぎる内容ばかりだ。

 

『今までの『原種』や『不死種』も温厚でないにしろ、その肉体を彼に貸すぐらいには協力的だね。だけど『亜種』は別、その本能故に影響も出る。だからかな、彼も本能的に危険だと思っているのか完全に『亜種』に力を解放していない。でも焦りもあるね、力を欲している以上、いつかは完全に『亜種』を使おうとする。――あと事前情報で『ヒーロー殺し』に会ったって話だけど、本当にそれだけ? 他に何かなかった?』

 

『――あったと言えば何かあるんですか?』

 

『……しいて言えば力を求めてる、焦ってるのは彼だけじゃないって事かな。危機察知、防衛本能――いや生存本能なのかな。今の今まで大人しかった、眠っていた内なる雷狼竜達が一斉に目覚めた。それは宿主の危機を、己を脅かす存在に雷狼竜達が気付いたから。だからこそ雷狼竜は宿主を焚きつけてる、彼の死は自分達の死だから』

 

『雷狼竜が意思を出し始めた……そしてその影響が出た雷狼寺。その原因が雷狼竜が雷狼寺の、命の危機を察したからだと?』

 

 人間の常識ではなく、野生の常識が混じったラグドールの言葉だったが、相澤はその言葉に腑に落ちた感じがあった。

 元々、竜牙は体育祭以前、更に言うなら入学以前までは雷狼竜化を殆どしていない。体育祭での雷狼竜化の時も間違いなく竜牙の意思であの肉体を操っていた筈だと。

 そんな中、職場体験で『謎のヴィラン』によって竜牙が重傷を負った事で、個性である雷狼竜達が一斉に危機感を持ったならば納得であった。

 

『……なら雷狼寺自身を鍛えれば、また雷狼竜達は引っ込んで雷狼寺が以前の様に戻るって事ですか?』

 

『どうかな! 意思があると言っても雷狼竜達は彼の『個性』だからね! この合宿の目的である個性を伸ばす……それをすれば遅かれ早かれ、雷狼竜達は表に出てきて、雷狼寺 竜牙に影響は出てたよ。何より前提も違うし! 雷狼竜が目覚めたのは彼が弱いんじゃなく()()()()()してるから! その脅威を消えるか、自分達で狩るまで雷狼竜達は彼に影響を及ぼし続けるね! そして今、彼の中で率先して実行させようとしているのが――』

 

「……『亜種』か。その驚異についてもあの人(オールマイト)関係みたいだしな」

 

『ごめん! 相澤くん! でもきっと私が何とかするから雷狼寺少年をお願い!』

 

 相澤の脳裏に浮かぶオールマイトという、マッチョなオッサンが乙女っぽく謝る姿。

 それは合宿前に見た光景であり、竜牙関係なら秘密にせず教えろと相澤は思い出すだけでイライラし始めた。

 

「……全く合理的じゃない」

 

「……おい、大丈夫か相澤? さっきからボ~としたり、ブツブツと何か言い始めたり、ちゃんと食事と睡眠を取っているのか?」

 

「!……大丈夫だ。それよりも早くマンダレイさん達の所へ生徒を連れてけ。本当に時間は限られている」

 

 ブラドの言葉に相澤は我に返ると、早くプッシーキャッツ達の所へ生徒を連れて行けと急かした。

 同時に自分もいつまでも、ここで油を売る訳にはいかない。竜牙以外にも相澤にだって気になる生徒はいる。少しは様子を見てやらねばと、相澤はその場を離れようとした。

 その時に、少しだけだがもう一度だけ遠くにいる雷狼竜へ目を向けると、雷狼竜は相変わらず崖の上で佇んでいる。発目作の拘束骨格にも異変はない。

 

「……まずは大丈夫か」

 

 小さくそう呟くと相澤は今度こそ、その場を離れるのだった。

――しかし、相澤は気付かない。この時、相澤が見ていたのは雷狼竜の右半面のみで、見えていない左半面は徐々に鱗は黒く、体毛は生気のない灰の様に、甲殻は真っ白に染まっていた事に。

 

Grrrrrrrrrr……!

 

 その雷狼竜が放つ()()()を浴びる拘束骨格もまた、僅かに異様な音を発しながら異常を発していた事にも。

 

 

▼▼▼

 

 あれから時間が経ち、夕日が辺りを照らし出す。

 けれど早朝からずっと訓練していた者達に休息はなく、今からは自分達での夕飯作りをしなければならない。

 

「全員、早く集まれ」

 

 相澤の言葉に大半の者がゾンビの様にフラフラとした動きで集まって来る。

 竜牙も雷狼竜化しながらも、ゆっくりと脚を進めていた時だ。

 竜牙の傍にいた疲労漂う八百万がハッと我に返ったと思えば、咄嗟に竜牙を飛び止めた。

 

「……あっ! 雷狼寺さん! ちょっとお待ちいただけますか」

 

『……?』

 

 八百万の言葉に雷狼寺も何だと、思わず脚を止めた。 

 すると小走りで近づいて来た八百万は自らの個性を使い、指の先からメジャーを出し、何やら雷狼竜の身体の長さを計り始める。

 雷狼竜の肉体の大きさもあって八百万が慌ただしく周りを動いていたが、時間だけなら5分も掛かっておらず、やがて八百万は満足した様に頷いた。

 

「分かりましたわ……雷狼寺さん、ありがとうございました」

 

 八百万は竜牙へそう言うと相澤の指示に従い、夕飯作りの広場へと行ってしまう。

 何がしたかったのか、それは竜牙には分からなかったが特に気にせず、そのまま竜牙も再び歩き出した。

 その時に耳郎と障子の傍を通り、二人を追い越した時だ。

 

――バチッ!

 

「……ん?」

 

 耳郎は一瞬、何か弾けた様な、放電の様にも聞こえる異音を耳にした。

 

「今、何か聞こえたか?」

 

 それは障子にの聞こえた音で、同時に二人は横切って行った雷狼竜へと顔を向ける。

 可能性があるなら間違いなく竜牙関係で、音が発生しそうなのは拘束骨格しかない。

 何かあるのかと二人は竜牙をジッと見ていると、竜牙はやがて人へと戻り、その身体には特に問題なく拘束骨格は付いたままだった。

 遠目で見ても異常はなく、二人は軋んだ音か何かだと解釈し、急いで皆の下へと向かうのだった。

 

 そしてそこではピクシーボブとラグドールの二人が、テーブルに並べ切られた野菜や肉、道具等を前にスタンバっていた。

 

「ほらほら! 世話焼くのは昨日までって言ったよ!」

 

「自分達の食う分は自分らで作れぇ! カレーの材料は置いてるぞ!」

 

 二人の言葉にA組はヘトヘトの中での晩飯作りかと、僅かに愚痴りたくなったが雄英からの自由・理不尽の向き合い方も覚えてきてる。  

 避けられないもんだと思い、皆は班に分かれてカレー作りを始めた。

 

「轟! こっちにも火ちょうだい!」

 

「あぁ、良いぞ」

 

「爆豪は別に良いぞ? 爆発だから火は無理だろ」

 

「出来るわゴラァッ!!」

 

 芦戸が轟へ火を求め、瀬呂が爆豪を煽って火を貰う。

 他のメンバー達も調理の準備をしながら進め、最後に八百万が指でライターを、竜牙も腕を雷狼竜化させ、そこに強力に電気を出して火を点ければ調理も後半だ。

 

「そろそろか、雷狼寺、鍋を持って来てくれ」

 

「あとルーもお願い」

 

「……あぁ」

 

 同じ班になった障子と耳郎に頼まれた竜牙も、今は素直に手伝っていた。

 そして数分立った後、鍋と米に熱するだけの時間となり、ようやくA組は落ち着いた時間に入れた。

 

「よし! 後は火が通れば完成だ」

 

「ケロッ……けれど、流石に疲れたわね」

 

「あぁ、身体に力が入らないよ……」

 

 飯田が皆に聞こえる様に声を出し、蛙吹達も頷きながらも疲労は隠せず、肉体派の尾白も身体の疲労感には嘘を付けず一息つく様に空を見上げていた。

 

「まっ、初日からとはいえ気合入ってたもんな全員」

 

「うん! 轟くん達もそうだったけど、耳郎ちゃん達も凄く頑張ってたもんね」

 

「えっ? そうかな……ウチはそこまで意識してなかったけど」

 

 砂藤と葉隠が今日の訓練を思い出し、その言葉に耳郎は少し気恥ずかしそうで誤魔化す様に言ったが、言葉にせずと内心では皆気付いていた。

 全員の熱の入り方は強く、それだけ熱心だった事に。そしてその理由も。

 

「……まっ、あの存在感がどこにいっても目に入るとな」

 

 上鳴は小さくそう言って、こちらに背を向けて火の前で鍋を見守る竜牙へ視線を向けると、他の者達も小さく頷いたり、内心で同意した。

 入学してからずっと、体育祭、そして職場体験以降の竜牙との力の差は全員に己の弱さを自覚させるに充分だったのだ。

 更に言えば竜牙が自分達よりも先に進んでいる事も、そして自分達は眼中に無くなり、別の事を見ている事もそうだ。

 

――追い付きたい。

 

 どういう意味でのその考えなのかはそれぞれ違う。けれど竜牙の存在感は間違いなく、全員へ訓練の影響だけならば良い影響を及ぼしている。

 相澤もそれも狙っていたのだろうと、皆も気付いている。

 ただ心配ごともある。勿論、竜牙の事だ。入学当時の轟の様な、職場体験前の飯田の様な――否、それ以上の黒い何かを皆は感じ取っていた。

 崖の方へ歩いて行く、そんな危険だと分かっていたが竜牙に何を言えば分からない。 

 

 誰もがそう思いながらも、時間が解決してくれる、それでも本当は何かしてあげたい、でもどうしたら良いのかと、A組の者達は胸の中でざわざわとした感じを抱いていた時だった。

 空気が変わった、今なら言えるという雰囲気を感じていた芦戸が勇気を振り絞って、自分達に背を向ける竜牙へ声を掛けた。

 

「あのさ……雷狼寺さ。最近、何かあったの? その……職場体験から帰って来てから少し変って言うかさ。最初はトップヒーローのリューキュウの所で色々と学んだからと思ってたけど、何か雰囲気がね」

 

「……別に」

 

 芦戸の言葉に竜牙は一切動きを見せず、背を向けたままそれだけ呟いた。

 表情が分からず、それしか言わなかった竜牙の様子に芦戸は何かマズイと察した。

 彼女自身、コミュ力が高いムードメーカーだが、同時に揉め事を起こさない――つまりは波を立てない様にしようと、少し意思が弱い所があった。

 だから竜牙の様子にいち早く察し、困った様に笑いった。

 

「あ、あはは……! そ、そっか、何かごめんね! 最近、雷狼寺元気ない様に……その悩んでる様にも見えたから」

 

「……そうか」

 

 芦戸の言葉に竜牙は受け答えしているが、声や態度を見る限り、明らかに興味がない事が嫌でも分かる。

 そんな反応を見て芦戸もとうとう何も言えなくなり、他の者達も最初は楽観的だったが時間が経つにつれ、そして今となっては何かあったのだと分かっていた。

 

 だが根っこでは、体育祭で竜牙のプライバシーを盗み聞きしてしまったという罪悪感があり、彼等は竜牙に言う事に必ず足を止めてしまっていた。

 すると、芦戸が黙った時だ。皆の動きが止まる中、その中を一人歩き出す者がいた。

 

――飯田だった。

 

 飯田は未だに背を向け、カレーの番をしている竜牙の前まで来ると、その場で立ち止まる。

 緑谷達を始め、皆も何をするんだろうと飯田へ目を離せずにいると、飯田は急に竜牙へ頭を下げた。

 

「雷狼寺君……本当にすまなかった!!」

 

「えっ……飯田?!」

 

 飯田が突然、竜牙に謝罪した事で皆は驚き、切島が一体なんだと思って飯田に近付いた。

 

「おいおい飯田! どうしちまったんだよ?」

 

「全部、僕のせいなんだ……ヒーロー殺しとの一件。それは僕が――」

 

「おい飯田……その件は駄目だろ」

 

 轟が飯田の言葉を止めた。

 このままでは口止めされた事まで話しそうであり、竜牙の件もある中で下手な混乱を避けようとしてだった。

 

「おいおい、そこで話を区切んのかよ」

 

「別にヒーロー殺しの一件が今の雷狼寺の原因じゃねぇ。飯田が謝ったのも最初にヒーロー殺しと接触したって事で、その後に俺等が来たってだけだしな。――問題はその後だ」

 

「えっ、その後って……何それ? ウチ等、何も聞いてないよ? ヒーロー殺しとの後に何かあったの?」

 

 瀬呂の言葉に轟がフォローを入れたが、やはり反応されたかと耳郎の言葉を聞いて竜牙の方へ視線を向ける。

 しかし、竜牙は特に反応せずに鍋をずっと見ている。言っても構わない、それとも興味が無いのか、どちらにしろ竜牙が止める気配はなかった。

 

「あぁ、その後にUSJで敵連合が連れて来たヴィラン――脳無が襲撃してきたんだ」

 

「ハァッ!? 脳無って事は敵連合かよ! けど街中に出たって聞いたし、それもエンデヴァーとリューキュウが対処したんだろ?」

 

「問題はその後なんだよ。その後に再度襲撃されたんだ」

 

 轟は上鳴にそう言って続きを話そうとしたが、そこに緑谷が来て一旦待ったを掛けた。

 

「ちょっ! 轟君! それ言っても良いの!?」

 

「こっちはそこまで口止めされてねぇだろ。当の雷狼寺も止める気ねぇ様だし。――それに蛙吹みたいに勘付いてる奴もいるだろ」

 

「ケロッ! 梅雨ちゃんと呼んで。――轟ちゃん達が何か隠している事は分かっていたわ、でも言わなかったんじゃなくて言えなかったって分かったから深くは聞かなかったの」

 

 止める緑谷へ轟は竜牙が止める気がない事、前に蛙吹が教室で聞いて来た事もあって言うなら早い方が良いと判断させた。

 そう言われた事で緑谷も止める理由がなくなったのか、それ以上は何も言わなかった。

 そして邪魔する者がいなくなった事で、轟は全員を一回見回した後に口を開いた。

 

「脳無の襲撃……そん時に民間人が連れ去られたんだ。そして――」

 

 轟は語った。

 竜牙が民間人を連れ去った脳無を追いかけた事。竜牙がいなくなった後、脳無の動きが変わり自分達への妨害に専念した事で狙いが竜牙にあった事。

 その後、追いかけたが自分達が現場に着いた頃には雷狼竜化したであろう竜牙が、圧倒的な敗北にあっていた事。 

――そして、無事であった民間人は竜牙の双子の妹であった事。その全てを話し終えると、場は静まり返っていた。

 

「な、なにそれ……ウチ、そんなこと聞いてない! なんで何も言わなかったの!」

 

「……言う必要がなかった」

 

 何も知らなかった耳郎が真っ先に竜牙へそう言った。

 職場体験中も連絡を取り合っていただけに、耳郎も思う事があったがようやく口を開いた竜牙が言ったのは否定だった。

 言って何になる。そんな感情が読み取れる口調に耳郎は何か言い返そうとしたが結局は何も言えず、黙ってしまった。

 

「お、おい……そのヴィランはどうなったんだよ? トップヒーローが沢山いたんだからよ、普通に逮捕されたんだよな?」

 

「いやされてねぇ筈だ。その場には何の痕跡もなかったんだってよ」

 

 峰田からの問いに轟がそう答えると、周りの顔色は更に悪くなる。

 雷狼竜化した竜牙の実力は嫌でも分かる。そんな竜牙に徹底的な敗北を味合わせ、しかも逮捕もされていない。

 同時に何人かは気付いた。もし今の竜牙の様子、その原因がそのヴィランならば竜牙が力を求める理由はまさかと。

 

「……もしかしてさ。君がたまに言っている()()って、まさかそのヴィランなのかい☆」

 

 意外にも核心を突いたのは青山だった。

 皆は青山の言った言葉で竜牙が確かに言っていたと思い出し、緑谷・飯田・轟の三人も病室でも竜牙が言っていた事を思い出す。

 今思えば、あの時からだった。原種以外の雷狼竜の片鱗を目の当たりにしたのは。

 目を覚ました竜牙に、明らかに違和感と異変を抱いたのは。

 

「雷狼寺君……あれからだ。君がおかしくなったのは。力を欲するのは自分を倒した相手への復讐なんじゃないのか?」

 

「……復讐、か」

 

 飯田はどこか自分がヒーロー殺し『ステイン』へ抱いていた感情。それに近いもの、それを竜牙へシンパシーの様なものを感じていた。

 ただ、当の竜牙は少し様子が違った。飯田の言葉に対し、あまりに反応が薄いのだ。

 

「……違うな。復讐じゃ薄い。そう、これは狩りなんだろうな。脅威を狩る為の……生物の性だ」

 

「えっ、いや、意味が分からんねぇけど、と、取り敢えずは相澤先生とか、なんならオールマイトにも相談してみろよ! っていうか、それしかねぇって!」

 

 竜牙の言葉に切島は何を言っているんだと困惑しながらも、先生達プロヒーローへ相談する事を提案する。

 №1ヒーローすら雄英にはいるのだ。切島がそう提案するのは当然の考えであった。

 だが竜牙にその選択肢はない。知っているからだ、オールマイトの現実に。

 

「……オールマイトには頼れない。頼ってはいけない」

 

「っ! 雷狼寺君……!」

 

 竜牙の言葉に緑谷が反応するが、竜牙は特に気にせずに話を続ける。

 

「俺は頼らない……この雷狼竜の力を使い、俺は巨悪と戦う。それが雷狼竜の意思でもある」

 

「だから何でだよ! 頼れば良いじゃねぇかオールマイトによ! それに、俺等は心配なんだよお前の事が! この間のヒーロー基礎学の時だって俺と八百万だから良かったけどよ、結構ヤバかったろ!?」

 

「……だから()()()()()だろ?」

 

「……はっ?」

 

「……えっ?」

 

 竜牙の発した言葉に切島と八百万は思わず声が漏れ、他の者達も思わず言葉を失った。

 

「ど、どう意味ですか……?」

 

「そのままの意味だ。授業では手加減した。本気でやればお前達は死んでいた。だからかなり加減したが、それでも過剰だったみたいだな」

 

 恐る恐る聞いた八百万だったが、竜牙の言葉に衝撃を覚えた。そして何も言えなくなる。

 八百万は分かってしまった。どこか感情の込められてない言葉を聞き、竜牙にとって自分達の授業等、学ぶ事が一切ないという事に。

 故に八百万は悔しそうに口を噛み締め、下を向いてしまうが、それは切島は同じだった。

 拳を握り締め、静かに無表情のままの竜牙へと問いかけた。

 

「俺等は……そんなに弱いのかよ。俺等と戦ってても何も得られねぇのか……! 何の意味もないのかよ……!」

 

「……そこまでは言ってない。だが、得られるものがあったかと聞かれればこう言うしかない」

 

――()()()()()()

 

「っ! おい雷狼寺! お前が何かに巻き込まれたって事は分かった! けどな! 俺等だってヒーローを目指してな――」

 

 竜牙の言葉に切島は思わず竜牙の肩を掴む。

 見下されている、コケにされている。否、それにすら至っていない視界に一切入っていない興味外の領域。

 ここまで学び、色々と経験してきた切島はそれが許せなかった。

 体育祭では真正面からぶつかりあい、お互いに理解しあった仲間が平然とそんな事を、友を傷付ける事を。

 自身も皆も、ヒーローの卵としてプライドが芽生えている。だから傷付くだろうと、切島は怒りよりも悲しみに近い感情を竜牙へぶつけた。

 

「俺は()()()()?」

 

 けれど、竜牙から返って来たのはそんな言葉だった。

 一瞬、言葉の意味が分からずに言葉がつまり、思わず肩から手を離す切島だったが、竜牙は見向きもせずに言葉を続ける。

 

「……お前達が俺の過去を盗み聞きした時、俺は許した。だが自分達側の時は許したくない。そんなヒーローを目指しているのかお前は?」

 

「なっ! いや……違う! 俺等はただ……!」

 

 竜牙の言葉に切島はそれ以上、口を開く事ができなかった。

 他の者達もそうだ。緑谷、麗日、常闇の三人だけだった。それを許されたのは。

 

「雷狼寺……闇へ堕ちる気か?」

 

「……人のままでは勝てない敵なら、これしか道はないんだ常闇」

 

「け、けどそんな! そんなの……ヒーローじゃ」

 

「そうだよ雷狼寺君! 僕達は……僕達はヒーローになる為に!」

 

「――お前にだけは絶対に分からないだろうな、緑谷」

 

 麗日と緑谷が何とか言葉を絞り出したが、竜牙は緑谷の言葉を完全に否定した。

 

「……お前の話は聞いた。無個性だったが遅咲きで覚醒。しかし個性は両親とは違う超パワー。だがお前には帰るべき場所がある。俺には無い。そんなお前だ、俺の気持ちが分かる事は絶対にない」

 

 そう言って竜牙は皆に背を向けたまま歩き出す。

 夕食なんてどうでも良い。静かに森の方に歩いて行き、途中で相澤とすれ違った時だ。

 

「雷狼寺……お前に何が起こってる? 本当にまずい状況なら話せ」

 

「……先生達に言っても仕方ないこと。もうオールマイトにも頼れないなら尚更」

 

「っ! なに……お前まさか?」 

 

 竜牙の言葉に相澤は嫌な予感を抱く。同時に脳内に浮かぶのはガリガリのオールマイトが自身へ謝るイメージ。

 まさかバレたのかあの野郎と、相澤はイライラし始めた時だ。

 

「……これしか道がない。その時は俺を除籍して構いません」

 

「っ! おい、雷狼寺!」

 

 呟く様な竜牙の小さな声に相澤は思わず呼び止めるが、竜牙は森の方へ歩いて行ってしまう。

 

「……はぁ。全く」

 

 相澤は頭を抱えた。オールマイトの事もそうだが、発端は竜牙をヴィランから守ってやれなかった事だ。

 どこか雷狼竜だけのせいしていた所もあっただろう。

 けれど、相澤は止まる事が許されない。カレーが焦げる前に、他の者達にも檄を入れてやれねばと頭痛を誤魔化しながら向かうのだった。

 

 

▼▼▼

 

 その夜。月光が森を照らし、動物や虫だけが活動する中で彼等はいた。

 崖の上から雄英生がいる施設を見下ろす異様な風貌の者達――ヴィラン勢であった。

 その中には敵連合に合流した者やネームドヴィランもおり、彼等は施設を見下ろしながら佇んでいた。

 

「おぉい……早く行こうぜぇ……!」

 

「まだ尚早。最初に言われたじゃん。派手な事はしなくていい、あと鼻の利く奴がいるから迂闊に近付くなって」

 

 マントを羽織る大柄なヴィランに、ガスマスクを被るヴィランが話していると、顔や肉体の所々の皮膚がない黒髪の男――荼毘が二人の会話を止めた。

 

「どっちみち焦んなよ。決行はメンバーが揃ってからだ。――ところで、何でアンタがここにいるんだ? 予定のメンバーにはいなかったろ?」

 

 そう言った荼毘が隣に目を向けると、そこにいたのは敵連合の黒霧だった。

 黒霧は荼毘の言葉にすぐに反応せず、施設周辺を暫く眺めた後に口を開いた。

 

「いえ、私は襲撃に参加はしません。ですが少し仕事を頼まれまして、その下見ですよ」

 

「仕事?」

 

 黒霧も言葉に荼毘が怪しげに彼を観察すると、その手には液体の入った注射器の様な矢を持っていた。

 

「おいおい、仕事前に予防接種でもするのかよ?」

 

「いえいえ、これは薬は薬でも『個性強化薬』です。と言っても、もう10年も前に製造した組織ごと消えた骨董品ですよ。しかも強化の効果は高いですが、ほぼ暴走して制御ができなくなる代物です」

 

「おい、まさか俺等に使う気か?」

 

 黒霧の説明に荼毘が勘繰り、他のヴィラン達も少し殺気立つが黒霧は冷静なまま否定した。

 

「いいえ、これを使うのは我々側ではありません」

 

「ふ~ん、じゃあヒーローにでも使って仲間割れをさせるの?」

 

 黒霧が否定すると今度はガスマスクのヴィラン――マスタードが反応するが、それを聞いた黒霧は少し悩む様な素振りをする。

 

「ヒーロー……とも違うかもしれません。なんせ、相手は獣。どういう結果を及ぼし、どの立ち位置に行くか予想なんて不可能ですよ」

 

――獣?

 

 黒霧の言葉に荼毘達は首を傾げたが、黒霧だけはずっと施設を見下ろし続ける。

 まるで、そこに標的がいるかの様に。

 

 

 

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