僕のヒーローアカデミア~ジンオウガの章~   作:四季の夢

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第四十七話:モンスター

 竜牙が眠っている間に事態は大きく動いていた。

 緑谷達はルールを破り、それでも爆豪を助けに向かった。

 

 そして雄英は会見を開いていた。

 内容は合宿の事だ。当然ながら。

 

 記者達は教師陣を責めた。これでもかと。

 生徒に戦闘を許可した事を始め、守れなかった相澤達への責任を。

 

「聞いた話では、薬物で危険な状態であった生徒を攻撃したとの情報も出ていますが! それもどうなのですか! 守るどころか攻撃しているじゃないですか!」

 

「その生徒の状態は大変危険なものでした。自衛の為に攻撃する、それが最善だったと私は思っております」

 

 記者からの挑発に近い質問にも相澤は答えた。

 言い訳ではなく、本心としての言葉で。

 

 そして彼等が記者会見を開いている間にオールマイト――ヒーロー達も動いた。

 

 死柄木弔――主要メンバー達の確保に爆豪の救出。

 それと同時に脳無の工場の制圧。

 

 それらの一斉作戦を行い、一気にヒーローは攻めた。

 

 AFO――巨悪が出てくるまでは。

 

「さて、やるか……」

 

 ベストジーニスト達を一瞬で蹂躙し、隠れていた緑谷達に雰囲気だけで『死』を錯覚させた巨悪。

 その存在に緑谷達は気付いた。

 

――アイツだ。雷狼寺君が言っていた巨悪。雷狼寺君が見ている敵! そして彼を狂わせた張本人!!

 

 その場にいる緑谷・切島・飯田・轟・八百万達は一斉に気付いた。

 分からされた。

 

 竜牙が言っていた存在だと、彼が見ている敵。そして狂わせた張本人である巨悪だと。

 

――雷狼寺は、あんな奴と戦う気だったのかよ!?

 

――今なら分かる! 彼が――雷狼寺君がおかしくなってしまった理由が!

 

――今すぐに逃げなければならないのに! 恐怖で身体が!

 

――こいつだ……! コイツが雷狼寺を狂わせた元凶だ!

 

 皆、心の中で叫んでいた。

 実際には呼吸を止め、今すぐにでも泣き叫びながら逃げたい状況なのにだ。

 

 しかし、事態は更に悪化する。

 

「べっ! んだよこれは……!」

 

 黒い液体と共に現れたのは爆豪だった。

 同時に次々と現れる敵連合の者達。

 

――そして、もう一人。上空から迫るヒーロー。

 

「やはり来たか……!」

 

「AFO!!」

 

 上空より舞い降りたオールマイト。彼はAFOに一切怯まずに飛び掛かった。

 

「全て返してもらうぞ! オール・フォー・ワン!!」

 

「また僕を殺すか! オールマイト!」

 

 両者は激突した。長年の因縁の再戦。

 両者にしか分からない言葉で、その戦いを始めた。

 

――しかしこの時、オールマイトは気付いていなかった。

 

 AFOが何を考えていたかを。

 

――さて、もう一つの準備も始めなければ。

 

 彼はそう思っている時、施設の背後にある五つのカプセル。

 そこには五人の人間が入っていた。

 

 そしてカプセルにはそれぞれ名前が記されていたが、先程ヒーロー達を一蹴した衝撃で名前が一部消えていた。

 

 だが彼等は特別な五人だ。

 AFOが無理をし、世界中から集めた五人なのだから。

 

 衣服を纏ったままのカプセルに入れられている彼等――世界中から集めたヒーロー達。

 

 AFOは彼等を利用しようとしていた。

 彼が言う、もう一人の教え子――竜牙の為に。

 

▼▼

 

 竜牙の病室は静かだった。

 心拍数や人工呼吸器の音だけが聞こえる静かな病室。

 

 だが、事態は急変しようとしていた。

 竜牙の眠るベッドが徐々に黒い靄によって飲み込まれ始めていた。

 

「さぁ、始めようか! オールマイト!!」

 

 全てはAFOのシナリオであった。

 この戦いの先に竜牙がいる事も。

 

 

 

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