オカルト部、部室内にて私達はレーディングゲームの開始を待っていた。漂う緊張感ゼロ、一誠はは部長に膝枕をしてもらいそれをアーシアが羨ましそうにして見ている。いつもどおりの部活動の空気に近い。こいつらはもうすぐ焼き鳥合戦だということがわかっているのだろうか……。まぁいい、どのみちこの試合にて私は例の計画を実行に移すだけだ。
「皆様方、準備の方はよろしいでしょうか?」
どうやら試合が始まるらしい。レーディングゲーム、チェスに例えられるそのゲーム、このゲームは個々の実力と持ち寄る駒数がかなり離れていない限りは戦略しだいでどうとでもなる。実際そうだろう、この前見たフェニックスの駒たちの大抵は中級悪魔以下の実力しか持ち合わせていなかった。それでいままできたのだからライザーの腕は相当なものだろう。だがそれも私がいることにより覆されるだろう。
試合の合図とともに空間が若干歪む。これが別空間をつくるということなのだろう。
「じゃあ、みんなこれを耳に入れて頂戴」
そう言ってリアス部長は5ミリ程度の小さな玉を部員たちに配る。
「これは、レーディングゲームで使う通信機のようなものよ。使い方は通信相手を思い浮かべ話すだけ。…それじゃあみんな作戦通りにね。」
その言葉とともに彼ら彼女らは走りだす。勝利にむかって。
どうやらアニメ通りここは駒澤学園を元にして作られた異空間のようだ。学園の外には闇が広まっているが学園内は緻密に再現されている。私は今単独にて森の中を先行している。私の役目は偵察らしい。そしてグレイフィアに聞いたには私の敗北は私の中の蛇によってわかるらしい。どうやらこの蛇は監視だけではなく身体情報の管理までこなす高性能なものらしい。
「……そこだ、いいことを思いついた。」
そして私は命のストック内より虚無の魔法使いの爆発を引きずりだし目の前に球体として浮かべる。そしてそれに自らあたった。
「リアス・グレモリー、咎堕ち、爆発魔法の罠により戦闘不能」
Saidリアス・グレモリー
レイナーレの脱落を告げる声が響く。
「偵察には失敗したわね…仕方ない。」
私は全員にむけて作戦の変更をつげる。
「みんな聞いたわね?レイナーレが落ちたわ。これより作戦Bにはいるわ。一誠…あなたが鍵よ頑張ってちょうだい。」
『はい!』
予想外だ…合宿でわかったことなのだが、レイナーレの潜伏能力はかなり高い。学園外とはいえ校門の近くにいたときに彼女が堕天使だと気がつかなかった。だから今回も気づかれないように移動し、そしてそこからライザーたちの動きを報告してくれるはずだったのだけれど…今更考えても仕方がない。今精いっぱいのことをするしかないのだから。
「アーシア。動くわよ」
隣にいるアーシアに声を掛ける。すこし戦いが怖いのか少し肩が震えている。だが決心したのか肩の震えを止めこちらをまっすぐとみる。
「はい!」
こちわも一誠に負けないほど元気な声だ。…勝たなきゃいけないわね。こんなにも下僕が頑張っているのだから王として勝利をプレゼントしなくちゃ。私だけじゃない、下僕たちの名まで廃るわ。そうして私はライザーにむけて歩をすすめる。
Saidレイナーレ
爆発と同時に神代回帰、それと同時に蛇を分体に移し、その分体を治療室に移す。木の葉などに邪魔され空からは見られないし、転送されたのが私だとわかったのと、相手にボムクイーンがいたのでそいつが倒したと勘違いもしてくれる。
「われながらいい作戦だな。…こういうときなんていうんだろうな。……ナイスな展開じゃないかだったかな。」
そして、命のストック内より目的の者を選び、合成し、さらに強化する。そして自分の身をそれに作りかえる。
ストックは設計図、魂を改竄し、肉体を滅ぼし創り変え形成し命を宿す。
そしてそれが姿を現した。色素の抜けた白い腰まであろかというほど長い髪の毛、紅色の瞳、そしてまだ大人になりきれていない、どこか子供の幼さが残る容姿。
「焼き鳥を火の鳥が燃やすっていいんじゃないか?」
そう彼女は虚空に向かってなげかける。彼女の身は藤原妹紅、東方Projectにて火の鳥にまで例えられるその身の出す炎は同じ火ですら燃やし尽くす。ライザー・フェニックスの能力が超速再生ならば彼女の能力はまさに不死、故に死なず。故に負けず。故に勝利などない。この世界に幻想の火の鳥が降り立つ。
「ライザーさんよぉ…踏み台になってもらうぜ」
そう静かに呟き彼女は行動を開始する。