主人公の性格が矯正されます。
目の前に倒れるライザー…それ見て少し考えさせられた。踏み台やらニワトリやら散々なことを言ったが最後に捨身でこちらに突っ込んできたとき少し怖かった。きっとライザーも譲れない物があってそれの為に戦っていると思うと私のやったことはそれを壊すことなんじゃないのかって…。
〈小説の人物〉〈架空の存在〉
確かにそうなのかもしれない、でも彼らは確かに生きているのだと実感した。じゃあ俺が今やっていることはなんなのだろう。やめよう、考えるのは。
「ライザー・フェニックス…訂正するぜ。お前はニワトリなんかじゃない。確かな信念をもった立派な鳳凰だったぜ」
そしてライザーは転送されていった。そしてそれと入れ変わるように多数の悪魔たちがこちらへ転送されてきた。
「そこのものを捕えよ!」
40人ぐらいだろうか?悪魔たちがこちらに徒党を組んでおしよせてくる。それに私は大人しく捕まった。捕えられたとき思い切り押さえつけられたせいか少し痛む。そしてそのまま転送されていく。そしてその先に待っていたのはリアス部長と同じ紅い髪をもつ男、サーゼクス・ルシファーだった。そのとなりにリアスや一誠たちもいた。…すこし顔を合わせ辛い。今まで彼らのことを騙して、そして小説の人物として見ていたため、改めて彼らのことを現実の存在として見てみると自分のしたことに罪悪感を覚える。
「…君はダレかな?リアスの眷属に君のような存在はいなかったはずだけど」
こちらに明らかな警戒を示すサーゼクス…まぁフェニックスの再生能力を上回る攻撃をし尚且つフェニックス家と同じ、いやそれ以上の再生能力があるやつを警戒しないほうが無理か。あぁー本当だったらここで正体をばらして、こいつ…ただの堕天使じゃなかったのか!ってそんな茶番をしたかったのだけれどきっと今の自分には無理だ。
「レイナーレ…堕天使レイナーレだよ」
その言葉とともに自分の体をレイナーレのものに変態する。その姿をみて部長もさすがに困惑しているみたいだ。
(どっきり大成功…本当に笑えないなぁー)
かすかに口が吊り上がる。自傷、自らを傷つける為に嗤う。
そしてそんな私を見てサーゼクスは何を思ったかこちらに微笑みかけてきた。
「ありがとう。」
その言葉を聞いたとき、私の心は決壊した。涙があふれる、止まらない。私はただ、ただ只々物語に介入して、主人公みたいに、ヒーローみたいに、そして面白おかしくしたかっただけだった。それだけの理由で誰かを傷つけてしまった。それなのに、ソレに対してこの男はありがとうとその一言だけ告げた。
「彼女を解放してあげてくれ。手を拘束されたままだと彼女も涙をぬぐえないだろう」
その言葉に衛兵は少し困惑するが、大人しく従い手枷を解いた。そしてリアスはその彼女に困惑しながら声を掛ける。
「あなたレイナーレ…よね?。……」
その言葉に堕天使は反応する。肩をすこし震わせながら、少しずつ涙がいまだあふれる目をリアスに向けながら口を開いた。
「はい…堕天使のレイナーレです。」
リアスの聞きたいことは多いはずなのだが、そのことを今は聞きたいとは思えなかった。そしてリアスは子供のように泣いているレイナーレに近づきそっと抱き寄せ背中をさすった。
「ありがとう。あなたのおかげで私は私として自分の相手を選べる。ほんとうにありがとう。」
ありがとう、その言葉が心に重くのしかかる。身勝手な行動で私はライザーの譲れないものを壊してしまったかもしれない。だから私は責められるべきなのだ。なのに彼女はありがとうと私に言った。
「違う…私は責められるべきなんだ。私は身勝手な行動でライザーの守るものを壊した。だから私は…」
「もういい…もういいのよ」
彼女のやさしさは暖かい。それだけに今の自分には痛い。…私はただ彼女に身を託し泣くしかなかった。
Said兵藤一誠
レーディングゲームの途中で空気を震わすほどの轟音がしたと思ったらいつの間にかどこかの会場に転送されていた。試合はどうなったんだ?というかなぜ転送されたんだ?そして次々と転送されてくる部長たち。そしてみんが揃ったとき目の前に紅い髪の男が現れた。
「やぁリアス。久しぶりだね」
その姿をみた部長は目を見開き驚いていた。
「お兄様!?なぜこんなところに!!?」
「おや、妹の初めてのレーディングゲームを見学してはいけなかったかな?」
リアス部長にお兄様と呼ばれたやつが意地悪げに聞いてくる。それに対しリアス先輩は少し嫌がりながら答えた。
「そんなことはないのですが…来るなら来ると言っていただければ、あんな無様な姿などおみせしませんでした。」
部長が負けじと意地悪げに言い返す。…本当に兄妹なんだなぁと少し実感する。
「ふぅ…まったくリーアたんはツンデレだなぁ。そんなんじゃモテないゾ」
「モテなくて結構です。それよりこの状況はいったいどういうことですか」
そしてその男は俺たちの方に視線を一瞬むけてリアス部長に言った
「その前に僕のことを知らない人もいるみたいだし自己紹介してもいいかな?」
「はぁ…」
若干、部長は溜息をつきそれを返事と受け取ったのか紅髪の男はこちらに向けて告げた。
「初めまして。私の名前はサーゼクス・ルシファー。今リアスがいったとおりグレモリー家の長男だ。一応魔王もやっている」
これはさすがに俺も驚いた。
(お兄さんが魔王、しかも一応ってどれだけすごいんだ。)
「で、お兄様なぜ私達がこちらに転送されているのですか?」
その質問にサーゼクスさんは今までのような柔らかな表情を崩し目を細め答えた。
「リアス…君の眷属に白髪の炎を操る少女はいるかね?」
その質問に部長は不審に思いながらも答える。
「いえ、そのような人物はいませんが…それがどうかしましたか?」
それを聞いたサーゼクスさんは少し考えそして口を開けた。
「リアスの眷属がライザー君を倒したと…反応が出た。それも咎人がだ。」
その言葉に部長だけではなく俺以外の全員が驚いた。今の話で出てきた咎人ってなんだと思ったが今そのようなことを聞ける状況でもないので俺は口を閉ざす。
「リアスは確か堕天使を咎人として参加させていたね。」
堕天使を咎人にしたことを怒られるのかと思ったのかリアス部長は少し表情を曇らせる。
「いや、なに。堕天使を咎人にして自分の眷属にしたことについて怒るつもりはない…ただその堕天使が消えたのだよ。ライザー君が戦闘不能になった瞬間にね」
「消えた?…どういうことですかお兄様」
レイナーレが消えた?どういうことだ?レイナーレは戦闘不能になって医務室に転送されたはずじゃないのか。
「そして、そのライザー君を倒した少女に君の眷属の反応が出ている。しかも咎人だ。」
「そんな!?では転送されたはずのレイナーレがライザーを倒したというのですか」
その言葉にサーゼクスさんは少し困りながら返事をした。
「それがわからないから今その少女を捕まえようとしているのだがね。…おっと来たようだ」
サーゼクスさんはそこで話をきりあげ、目の前に白髪の少女が転送されてきた。今にも泣き出しそうな表情をしていて。少しつつけば倒壊しそうな、そんなイメージを受けた。
それからサーゼクスさんは礼を言った瞬間に少女の涙腺が崩壊し涙を流していた。そして部長は少女に向けて言葉を放った。
「あなた、レイナーレ…よね?……」
訪れる沈黙そして次の瞬間少女の体は解けそこから新しい体が出来上がっていた。そして体の輪郭がはっきりしてそこいたのはレイナーレだった。泣きながら口の端から謝罪の言葉を述べていた。そんなレイナーレに部長は母親のような優しい笑顔で笑いかけ、泣いているレイナーレの背中をさすっていた。それを俺たちは黙って見守っていた。そして泣きつかれたのか部長に抱き付きながらそのままの寝ていた。安らかに、親に見守られているように。そしてその沈黙を破るかのようにサーゼクスさんは告げた。
「さて、一応レイナーレはリアスの眷属だから婚約は破綻という方向ですすんでいる。まぁ誰も未熟とはいえフェニックスの血を継ぐものの再生能力を上回る攻撃をした彼女に進んで敵対したいわけはないだろうがね」
その言葉に部長はすこし反応し何か言おうとしたが、すぐに口を閉ざした。そしてかわりに姫島先輩が独り言のようにつぶやいた。
「これから忙しくなりますね。ねぇ部長?」
「えぇ…そうね」
こうしてレーディングゲームが終りを告げた。
…ほんとうに誰だコイツ。
次回エピローグ書いてライザー編終了です。それ以降投稿するかどうかわかりませんがもし投稿したらよろしくお願いします。