ハイスクールD×D 堕天転生レイナーレ   作:komika

9 / 11
堕天憑依レイナーレのリメイク版?
あいも変わらず稚拙な文章ですがよろしければご清覧ください。


堕天転生レイナーレ
001


何もない真っ白な空間。そこで俺は目覚めた。とりあへず周りを見渡すが上下左右どこを見ても白白白すべて白い空間に頭痛すら感じる。一応立っていることから地面はあるようだ。その割には自分の影すらないのだが...。

 

「おはようございます。」

 

突如現れた黒い球体のような物に俺は驚愕の声をあげようとした。しかしその声は外には出ず、まるで声帯自体が機能してないかのようにそのまま内側に戻ってくる。

 

「あぁ大丈夫ですか?あなたが死んだことわかっていますか?」

 

(俺が死んだ?どういうことだ?)

 

そう思考すると目の前の球体はまるで俺の考えたことを読めるかのように返事を返す。

 

「そうですか...いささか記憶に混乱が見られるようですね。仕方ありません、少し痛みますが我慢してくださいね。」

 

そして目の前の球体から手のような物が生えそれがこちらに向かってくる。俺は体を動かし逃げようとするが四肢がまるで縛られているかのように動かない。そしてその腕は俺の頭を掴み握り潰した。それと同時に脳内に記憶が無理やり流れ込んでくる。まるで決壊したダムのように膨大なデータが流れ込み脳に痛みがはしる。

 

「思い出してくれましたか?愚かな英雄さん」

 

(そうだ俺は妹を守って...そういえば妹は!?助かったのか?)

 

その言葉に目の前の球体は一息置き答えた。

 

「いいえ、助かりませんでした。そもそも助かるはずがないのです。彼女はあの場にて死ぬことを決定づけられていたのですから。」

 

その言葉に怒りと困惑を覚える。死ぬはず?コイツはなにをいっているのかと。

 

(...どういうことだ)

 

「まだわかりませんか?あなたは運命を捻じ曲げてしまったのです。あの場にてあなたは本来死ぬべきではなかった。あの場にて死んだ妹の無念を背負いあなたは生き、そして数々の患者を助けた医師となり、97歳数々の人々に見守られながら静かに生きを引き取りその名を歴史に残すはずでした。」

 

その言葉に驚愕する。俺が本来しななかった?そして歴史に名を残すほどの医師になる?なにを馬鹿なことを家庭のために中卒で働き始めた自分が医師になるなどありえない。

 

「私から言わせてもらえばありないことなどありえないのですが・・・まぁいいでしょう。少し脱線してしまいましたがあなたには転生してもらいます。転生先はもう決定しています。あなたも知っている世界ですから安心してください。あと転生するさいいくつか能力を付与しておきますので是非とも活用してくだいね」

 

(転生?知っているってどういうことだ?)

 

「あなたには...とある架空の世界に転生してもらいます。運命を捻じ曲げたあなたをもう一度同じ世界に転生させるわけにはいきませんので。ですから架空の世界を創りそこに転生してもらうことにしたのです。」

 

こいつはなにをいっているんだ?俺はわけがわからないまま状況にながされそして黒い手に引き寄せられる。

 

「今は眠っていてください。世界を創り時が流れるまでまだ時間があります。そしてあなたが転生する人物の誕生までこのまま―――」

 

そして俺は落ちていく感覚に嫌悪感を覚えながら意識を失った。

 

 

 

 

ここはどこなのだろうか?暖かい光の中…いつまでも浸っていたいと思うほど暖かな眠り。

 

「う―――だ―――だと!?」

 

そしてその光が消えるともにそこには黄金の翼をもった男がこちらを見下ろしていた。

 

「生まれながらにして堕天使に堕ちつつある。その業は魂に刻まれている。もうこれ以上私たちのそばには置けない、私たちが堕ちるわけにはいかないのだ。」

 

そしてそのすぐそばに佇んでいる女が私に近づき抱きしめた。

 

「…ごめんなさい。」

 

その女はなぜか泣いていて、それで愛しい我が子をみるかのように私を見つめる。そして私はおちていった。暗い底にどこまでも…。

 

「私のかわいいレイナーレ…せめてあなたに主の導きがあらんことを」

 

最後に女性の声を聞きながら私は堕ちた。

 

暗い底は花ひとつなく地はあれはてどこまでも暗闇が広がっていた。

 

「痛い…」

 

どうやら私は転生したらしい。球体は確かなんらかの架空の世界だといっていたがいったいここはどこなのだろうか。私がそう考えていると強制的に私の思考に割り込むように声が直接脳内に響く。

 

『おはよう…久しぶりというべきかな?もっとも君にとっては先程ぶりということなのだろうけど。』

 

(お前はあの時の黒い球体か…?)

 

『正解。さてでは君の質問に答えるとしよう。まずこの世界はハイスクールD×Dの世界。つまり創作によって型どられた世界というわけだね…まぁそれにちょっと手を加えて君だけのオリジナルの世界にしたのだけれども。あぁ、原作ということなら安心したまえ。ちゃんと進行するからね。』

 

(ハイスクールD×D…たしか兵藤一誠とかいう変態が赤龍帝の籠手を手に入れハーレムを目指すバトル系の物語だったか…)

 

『うん、その解釈で間違っていないね。ではアドバイスとして君の能力について教えといてあげよう。君の能力は3つあり、『神代回帰』『命のストック』だ。

 

(神代回帰…月姫で出てくるキャラクターの能力だったか。命のストックとやらが分からないがこれでは2つしかないのだが…)

 

『いいえ…命のストックに能力を二つ付与してあるのでちゃんと3つですよ。この会話の終了後自動的に頭に流し込みますのでご安心を』

 

またあの痛みを味わうのかと思うと少し嫌気が差してくる。それに気づいているのかはたまた気づいていないのか感情のない言葉で私に話しかけてくる。

 

『どのみちここはあなたの現実となりました。あなたがここでどう生きようと自由です。よかったではありませんか家族から開放されて』

 

その言葉に怒りを覚えるがその直後、頭に強烈な痛みがはしる。

 

『そろそろ時間です。私がこの世界に干渉するのはこれが最後かもしれません。最後にお聞きしたいことはありますか?』

 

(妹を…次の転生で妹はできればいい家庭に転生してやってくれませんか)

 

『…いいでしょう。ではさらばです愚かな英雄さん。君の辿り着く先に幸があらんことを』

 

その声は消え去り、頭の中に能力についてのデータが徐々に入ってくる。そのせいか黒い球体に握りつぶされたときよりは痛くはなく我慢できる程度には痛みは収まっている。そして完全にインストールが終わったとき私の中の能力を自覚しはじめた。レイナーレが生まれたばかりなことから原作はまだまだ先だろう。いまのうちに鍛えておかなければこの先どのような状況になるかわからない。あの黒い球体が原作通りに進行するとは言っていたがそれが私という異物を含んでいる以上どうなるかわからない。

 

「…レイナーレと言っていたか」

 

私を落とした女の言葉を思い出す。レイナーレたしか主人公を目覚めさせるキーパーソン。ということは私が動かなければ原作は始まらないのだろうか?…どのみち殺すつもりなど今はない。球体のいうとおりここは現実だろう。私はまだ人間性を失うつもりはない。ならば今はどう動くべきか…考えていても仕方ない。どのみち中卒の身だ。もとより考えるより先に体が動く脳筋なのだから…。

 

「しかし……まだ子供の身でどこまでいけるやら」

 

まだ生まれたばかりの身…私の予想だが本来の力を発揮などできないだろう。だからどれくらい使えるか試す必要がある。そう思い神代回帰により神と呼ばれた現象を再現しようとする。しかし起きたのはわずかばかりの風。

 

「これでは扇風機のかわりにしかならないではないか」

 

これは…修行するしかないか。そもそもスキルを伸ばす修行などどうすればいいのかわからない。そう思いながらもうひとつ命のストックについて確認する。球体からの情報によればこちらは『Hellsingのアーカード』の能力らしい。その能力とは人の命の記録・肉体の情報らしい。さらにこれに自動増殖とストックした命の魂と肉体の改竄これが能力だ。さらにはこのストックした命を表つまりソレになることができる。能力だけきけば間違いなく強いのだがこれにもそれ相応の制限がかかっている。その制限とはまず自動増殖は1月にひとつ増える程度。そして第二にストックした命になる際に時間制限があり5分もすれば自動的に命が融解しだす。さらには命のストックを使い果たさなければ元の姿には戻れない。さらに別の姿になっているときは神代回帰を発動できない。そもそも肉体と魂の改竄にも制限があり、ただの人間の魂を人外にするさいにはそれ相応の数を消費する。などといった、それぞれの力にあった分その分だけ必要な代価を消費する。正直強いことには強いのだがこのままでも使い物にもならない。なぜなら今アニメなどのキャラを作ろうとしたのだが、ストック内の50人分の魂を使っても作れなかった。…まぁ作ろうとしたキャラがキャラだけにそれ相応の対価が必要なのだろうが。と私が色々ためしている内に私の目の前にコウモリのような翼をもった銀髪の女性が舞い降りてきた。その姿からなぜか東方の咲夜を思い浮かべたがそのイメージはすぐに消えた。

 

「こんにちはお嬢さん。こんなところでなにやっているのかしら?」

 

その言葉に警戒心を覚えながら返事をしないのも失礼だろうと思い返事をする。

 

「こんにちは」

 

するとその女性は私をその人の本心を見透かすかのような目で私を見たまま視線を動かそうせず。私も目をはなせずお互いに沈黙が流れたが、目の前の女性が私から視線を外し、そして横をまっすぐ指差し口をあけた。

 

「あっちが堕天使の総本山よ。迷ってきたなら早く帰りなさい。ほかの悪魔に見つかったらまずいでしょ」

 

私は少し警戒を示しながらそのことについて礼をした。そしてそのまま翼を広げそちらの方に飛んでいく。最後に銀髪の彼女の声が聞こえた気がしたが振り返ると彼女の姿はなかった。いったい彼女は誰だったのだろうか。

 

 

 

飛び続けること二時間ぐらいだろうか飛び方は本能でわかり、だいぶ飛ぶという感覚に慣れてきたころ、目の前に森が見えてきた。腹がすいてきたし喉も乾いたので一旦その森に降りることにしたのだが…この森からなにやら嫌な気配がする。そして周りを確認するべく首を動かすが何も周辺から気配ひとつしない。逆に不気味に思ったが水源を探すべく少し上空より森を見回す。すると丘の上の木にリンゴのようなものが生えていた。

 

「水ではないが果物からでも水分は摂れるか」

 

そう呟き私は丘へと向かう。羽根の筋肉が疲れているのだろうかあまり速度がでなかったが着々とリンゴの生えた木に向かっていく。しかしその途中大きな龍の遠吠えにより発生した衝撃波により私は吹き飛ばされた。それに驚き私は衝撃の飛んできた方向を見ると黒い鱗が生え、口は耳まで裂けまるでファンタジーででてくるワイバーンのような化物が私をロックオンしているのが伺えた。まずいと思い速度を上げようとするが上手く上がらずまるで空中でもがいているような状態に陥る。その間もワイバーンはこちらに風を裂きながら向かってきている。それに恐怖し、さらに羽根は動かず筋肉は萎縮する。そしてワイバーンはその大きな口を開き私を捕食しようとしたその時、横より何かが私を抱えた。そしていつまでたっても噛まれた感触がしないことに私は不思議に思い目を開けるとそこには私を抱え黒い翼をもった男がいた。

 

「よぉ…大丈夫か?嬢ちゃん」

 

危機的な状況にもかかわらずこの男はおちゃらけた態度をとり続けた。だが彼を見ていると安心する。そう思える自分がいる。

 

「貴方はいったい…」

「そんなことより今はこの状況をどうにかしなきゃな。さて飛ばすから舌噛むなよ」

 

私は彼に疑問を投げかけようとしたが彼はその疑問を遮るように私に語りかけてくる。そしてその言葉に従い私は口を閉じた。すると彼の翼は一回上下に羽ばたきそして私は風になった。風景がまるで濁流のように流れていく。だが彼が守ってくれているのか風はまったく私に当たってこない。私は彼の腕に暖かさに抱かれながらそのまま意識を失った。

 

 

 

 

豪華な調度品、柔らかなベットその上で私は目覚めた。そしてあたりを見回すよ先程の黒い翼の男がいた。

 

「おぉ起きたか」

 

私は彼からなるべく目を離さないようにして現状からの逃走方法を模索する。

 

「頭の整理がつかねぇか?…まぁその年で堕ちたんだ何もわかるはずがねぇか」

 

オチル?言葉の意味はわからないが少なくとも落ちるではなさそうだ。

 

「で、お前行くあてがないなら俺らのとこにこないか」

 

オチルなど他にも色々この男は知っていそうだ。それに無駄に敵対するのはよくないと思い私はその提案を快く受けた。

 

「そうかならよろしくな。俺の名前はアザゼルだ。お前の名は?」

「レイナーレ…」

 

私の名前を聞くと彼は子供のように無邪気に笑い私の頭を撫でてきた。

 

「そうか、そうか」

 

どことなく悲しそうに見えたのは私の気のせいだったのだろうか。アザゼルが私の頭を撫でていると木でできた扉が開いた。そこにはサラサラと光を反射する銀髪をもった美少年がいた。その雰囲気からどこか白い印象を受ける。そしてその銀髪少年は私を見てこう告げた。

 

「お前…強いのか?」

 

どういった定義で強いという言葉を使ったのかわからないが戦闘など純粋な力な面のことを言っているのだろう。それに私は答える。

 

「弱いかもしれないな」

 

すると少年の顔は馬鹿にされたような、からかわれた子供のような顔をして私に言葉を投げつける。

 

「嘘をつけ。お前のその目、数々の敗者を踏みにじってきた目だ。その目を俺は見たことがある。誤魔化せると思うな。」

 

敗者を踏みにじった目という言葉に疑問をおぼえるがわけもわからず私は混乱する。もしかしてこの少年は私の能力がわかる神器か何かをもっているのだろうか。だとしたら私の能力をわかった上でいっているのだろうか。だとしたらこの少年は危険かもしれない。そして私は少年から目を離さないように目を見つめる。そしてそのまま数秒経過したが少年は段々と息が荒くなり立っていることができなくなっていた。

 

「もうそれぐらいにしてやれ」

 

今まで静観していたアザゼルさんが私に向かって声を放つ。それに私は何をやめるのかわからないが少年から目をそらした。そしてアザゼルさんは続けて少年に言葉をかけた。

 

「わかったろヴァーリ。お前じゃこいつに勝てねぇ。いくら白龍皇だといってもな」

 

……白龍皇?はぁ!?こいつが白龍皇だったのか。よく見れば原作の描写どおりのイケメンだ。しかし現実になるといまいち原作の人物が把握できないな。それに私は何もしているつもりはないのだが…もしかして目に何らかの仕掛けがあるのか?…魔眼という可能性があるかもしれない。あとで命のストックでレイナーレの体にスキャンでもかけておこう。そう思考していると白龍皇はいまだ乱れた息のままこちらを一瞬みてこう言った。

 

「いつか倒す。超えてやる」

 

今のままでも十分私より強いのだがな。私はついそう言いかけ喉まででた言葉を飲み込んだ。そして白龍帝はそのまま扉を叩きつけるように閉め、出て行った。

 

「すまんな、俺から言っておくからよ。ヴァーリのこと許してやってくれ。」

 

その困ったように笑う顔に母を思い出す。母も小さいころの妹の世話をして困ったようにだが幸せそうに笑っていた。…男を女性と同じにするのは失礼だっただろうか。そして私の雰囲気に何か感じたのだろうかアザゼルさんは不思議そうな顔でこちらを見る。

 

「おめぇ…いや、今日は疲れただろう。ゆっくりと休め。」

 

私はその言葉に従い休むことにした。

 

「ありがとう。そうするよ」

 

 

 

 

眠りについた意識の奥底にて黒い手が現れる。そしてその手は私の頭皮、頭蓋を透過しそのまま脳を撫でる。直接脳をいじられた感覚に甘美な感覚に包まれる。しかし、そのあと大量の情報を流されたことによりその快感が一瞬にて発狂しそうなほどの苦痛に変わる。

 

『ごめんね?痛かったかな。まぁ仕方ないよね。』

 

情報の中に妹の姿が一瞬映る。そして脳内に刻まれる。

 

『いやぁ…君の妹だった魂がどうなっているか気になっているだろうかと思ってね。ついでに君の転生時期に合わせたのだけど、そっちの君の親が余計なことをしてくれたおかげで君の意識が目覚めるのを待たなくてはならなくなったよ』

 

意識が目覚める?どういうことだ。

 

『じゃあ頑張ってね』

 

待て、まだ聞きたいことが――――――

 

 

 

「ッッッウ…グァ」

 

意識が覚醒するそれとともに襲ってくる嗚咽感。それを必死に抑えなんとか息を落ち着かせる。

 

「畜生…あの球体」

 

まだ頭が割れそうな痛みと押し上げてくる不快感に顔が歪むが近くにある水で無理やりにその感覚を飲み込んだ。そしてそんな私を近くでいつのまにか見ていたものがいた。

 

「ずいぶんといい気分みたいだな」

 

ヴァーリはそういって不敵に笑う。私に嫌味をいうのがそんなに楽しいのかとすこし腹ただしく思えたが手に持っている濡らしたタオルと水の入っている桶を見るとそんな彼がすこしおかしく見えつい笑ってしまった。

 

「何を笑っているんだ。言っておくが別にお前がうなされていたから心配して看てやったというわけではないぞ。ただお前が病気にかかり俺との戦いが長引いたりしたら嫌なだけだ」

「男のツンデレは需要ないと思うが」

 

私は言ってしまったあとにしまったと後悔し、ヴァーリは背中より光の翼をだしこちらに攻撃を仕掛けてきた。

 

「コロス」

 

どうやら怒りにまかせこちらを殺そうとしているようだ。しかしその頬が羞恥心より赤く染まっているのを私は見逃さなかった。

 

「だから男のツンデレは需要がないといっている」

 

その言葉をいう度に彼の頬は赤く染まっていく。彼をからかうのは面白いと思ってしまった。そしてそんな私たちを止めるようにいつのまにかアザゼルさんが間に入り、仲裁をしていた。

 

「おちつけヴァーリ。てめぇもからかうのをやめろ。この施設を潰す気か。」

 

「仕方ない」

 

そう呟き私はからかうのをやめたがいまだヴァーリはこちらを睨みつけながら歩を進めるのをやめない。そんなヴァーリをアザゼルさんは頭にげんこつを落とし気絶させる。

 

「たくっこっちは仕事中だっていうのに」

「それはすまないことをしたな。だが私は悪くない」

 

本当だ。すくなくとも私は悪くない。沸点が低いどっかの白龍帝が悪いのだ。そんあ私をアザゼルさんは諦めたかのような視線でみつめため息をついた。

 

「俺はもう戻るから絶対に問題だけは起こすなよ。いいな」

 

そう私に言いつけアザゼルさんは部屋から出て行った。そしてそれと入れ替わるように小柄の少女が扉の隙間からこちらを伺ってくる。

 

「………」

 

こちらと目が合い一瞬驚き止まっているがすぐにドアが閉められた。

 

「…いったいなんなんだ」

 

怖がられているのだろうか。だとしたら誤解を解かなくては。そう思い私は少女のあとを追いかけていく。

 

 

 

―――1時間後―――

 

「ハァハァ…なんで…おいかけて…くるの…ですか」

 

あれから一時間近く追い掛け回しこの施設の内装がだいたいわかった私は先回りなどをしてこの鬼ごっこを楽しんでいた。

 

「いや…逃げるからなんとなく」

「じゃあ…にげなきゃ…追いかけないの…ですね」

 

その言葉に私言い終えると同時に返事をした。

 

「いや!追いかける」

「なんでェ!」

 

まるで少女の後ろからガーンやらガビーンやらと効果音が文字として表示されそうなリアクションに私は楽しくなってきてしまった。…ヴァーリのことといいどうやら私はいい性格をしているようだ。転生前はこんな性格じゃなかった気がするのだが。

 

「もう降参です…好きにしてください」

「グハッ」

 

少女に上目づかいで見つめられつい変態性癖が目覚めかけるがそれを無理やり押し込んだ。

 

(静まれ…俺の性癖)

 

その私を少女はおかしなものを見るような目でみつめてきた。私は必死に雑念を振り払い少女の目を見つめ本来の目的を思い出す。そしてまずは自己紹介から始める。

 

「私の名前はレイナーレだ。特技は扇風機のかわりになれる。すきなことは扇風機になることだ」

「へ、変態です」

 

まっすぐと目を見られながら言われたせいか思った以上のダメージを受ける。しかしそれを無視に少女の名前を聞く。

 

「で、あなたのお名前は?」

「……まぁ変態でも名乗られたら名乗り返すのが礼儀だって時代劇でやっていたので教えます。私はイーリア、イーリア・アルジェントです」

 

『アルジェント』その苗字に一瞬おどろくが別に苗字くらい被ることもあるだろうと思い話を続ける。

 

「私は今日からここで一緒に暮らすことになったから…よろしくね」

「変態とはよろしくしたくないです」

 

この子はどこまで私のことを変態というつもりなのだろうか。別に私は幼女に興味などない。それに今の私はだいたい中学生くらいの歳だ…いやまぁ前世をあわせれば違うのだろうが。

 

「でも…変態はヴァーリも一緒なので扱いに慣れてます。なので、は面倒くらいは見てあげますよ」

「うん…よろしくね」

 

色々と諦めおとなしくイーリアの言った言葉に従う。どうやらここでの生活は一癖も二癖もあるものになりそうだ。その後イーリアにお手洗いの場所や厨房そして施設内のルールについて聞いた私は施設の外に出ていた。

 

「暇だなー初日が刺激的過ぎたなー」

 

羽根を広げ空を浮遊している私の目は空を見てそうつぶやく。そして怠惰を貪っている私の後ろから衝撃が走った。

 

「ッ!」

 

声にならないを叫びを漏らしながら後ろを振り返るとそこには白銀の翼を生やした白龍帝ヴァーリがこちらに手をかざしながら笑っていた。そこには先程の少年の気配はなく、まるで戦士の気配をまとった獣のようだった。

 

「やぁ…朝の礼はさせてもらう。準備はいいか?いや準備など必要ない。貴様はここで潰す。そして俺が最強だ」

 

いや訂正しよう。朝の情事をいまだ引きずっている少年が私をコロスべく向かってくる。

 

「逆恨みか…小さいな。どこが小さいとはいわないが」

 

その言葉を聞きますますその狂気を大きくするヴァーリを内心怖がりながらも私の皮肉を吐き出す口は止まらない。

 

「ほんとうに小さい小さい。身長も、心も、力も、すべてがな」

 

それを聞いたヴァーリは笑った。狂うようにさらにわらいだす。

 

「ハハハハハハハハハアアアアアハハハッハ」

 

そしてひときしり笑い終えた彼はまとった雰囲気をさらに尖らせ、今度こそ戦士の気配をまとわせる。そして私の方にゆっくりと近づきながら言葉を吐く。

 

「今度は逃げられると思うな。アザゼルは今人間界だ。そしてここには俺とお前しかいない。今度こそコロス。その肉片のいっぺんたりともこの世には残さん。」

 

しまったと思い彼に謝ろうとするが口が私の意思とは逆に動き彼を挑発する。

 

「こいよヴァーリちゃん。お姉さんと鬼ごっことしゃれこもうぜ。…ただし私が鬼だがな」

 

そしてお互いに視線をぶつけカラスと龍はぶつかった。白龍帝は神器の力によりまずは目の前の目障りなカラスの力を半減しようと動く。しかしなにかにはばかれるかのようにその力が無効化される。

 

「チッ…やっぱり効かないか」

 

この結果をどこか予想していたのだろう。さして白龍帝は驚かず次の攻撃に向け行動する。次に放った魔力によるレーザー砲それに対しカラスは右手をかざし何かを唱える。するとそのレーザー砲は天へとはじかれるかのように消えていった。カラスは自分の行動に驚きそこにすきが生まれる。そこを好機と思い白龍帝は突っ込んでいく。己の身を弾丸とかし高速で突進をかます。しかしカラスはすぐにこちらの行動に気づき回避体制に移る。構うものかそのまま突っ込んでいくがカラスの手に現れた剣によって止められる。いや正確にはヴァーリの神器に住まう龍によってとめられる。

「避けろ!ヴァーリ」

 

その言葉にヴァーリ従い後ろに飛ぶ。

 

――――――約束された勝利の剣[エクスカリバー・オルタ

 

そしてその直後にヴァーリが居た場所は黒い波動によって地が大きくえぐられていた。それをおこなった人物を見る。その手には穢れ堕ち魔剣となった聖剣と、魔剣によって侵食され体に黒き気配をまとわせる悪魔がいた。そしてこちらを見据え第二波を放とうとしているのか手を上にあげる。ヴァーリは先程の一撃と魔剣の気配に体がおびえているのか脳からの信号を拒否する。

 

「あ…がぁ…」

 

口から声が漏れる。うまく空気が吸えずまるで打ち上げられた魚のように口を動かし肺に酸素を必死に取り込もうとする。しかしその行為がうまくいかない。

 

(完璧だ…俺の敗北だ)

 

ヴァーリは内心そう呟き目の前の堕天使を見る。その姿を網膜に焼き付けるかのように必死に残そうとした。そして襲ってくるであろう衝撃にそなえ目をつぶる。しかしいつまでたっても終わりはなく目をあけると堕天使が地面に倒れていた。いや土下座にて目の前で待機していた。

 

「いやほんとうにすんませんでした」

 

後にヴァーリは語る。

 

「あの時は本当に時が静止したよ、お前まさか時間を止める神器をもちあわせているまいな?」

 




訂正 白龍帝→白龍皇
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。