PSO2かと思ったら   作:炙り屋

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第3話

 宿を出て広場に向かう途中最近よく見る顔に会った。

 

 「今日も交渉にきたヨ」

 

 名前はアルゴ。150前後の小柄な女性、フードの中に見える髪型は金色の巻き型ショートボブで、特徴的なのは両頬にある3本のフェィスペイントだろうか。結構かわいい。

 今日も、と言うのはここ最近毎日来ているからだろう。

 

 「……、前にも言ったけど売る気はない」

 「依頼人は3万9千9百までなら出せると言っているゾ」

 

 毎日3千コルずつ値段が上がっていき現在こんな金額に。序盤の1階層目ではほぼ全財産じゃないのか?

 それにこの冷凍マグロは売れないのだ。これから先の戦闘もそうだが、そもそもこの武器はオーナー登録しているのだ。オーナー登録とはPSO2内にあったシステムで登録したら最後、ユーザー間での譲渡、交換、売買を出来なくするものだ。当然この冷凍マグロにもしてある。なのでどれだけのコルを積まれようと無理なのである。

 

 「先方に、100万ぐらいなら考えると……」

 「やっぱりナー。オレっちも、もう無理だと思うって言ったんだけどネ」

 

 自然とため息が出る。いずれ本当に100万持ってきそうで怖い。

 

 「それとホタル。頼まれていたラッピーの情報だが、火花散らしていたの以降は目撃情報はない見ただナ。だからドロップや出現地域、おおよそ体力は相変わらず不明」

 「……そっか」

 「多分倒してドロップしてるのは今のところホタルだけだナ。むしろオレっちがホタルからラッピーの情報を買いたいぐらいなんだけどネー」

 「あんまり覚えてないの……、ごめんなさい」

 

 実際覚えてないのは本当だ。PSO2ではラッピーなんて大抵どこでも出てくるので一々出現場所など記憶する必要がないからであるが。

 そしてなぜラッピーの情報を求めているかというと、この世界の……なんとかシステムがラッピーを作りだしてしまった時のため。その時多分冷凍マグロはドロップしないと思うので冷凍マグロの言い訳ができなくなる。

 次に多分大丈夫だと思うが、火花ラッピーの中の人が私だとバレてないかの確認である。バレたら多分村八分扱いになるだろう。気をつけなくては。

 独りで思考を巡らせていると、アルゴが話しかけてきた。

 

 「それにしてもこっち方向に行くって行くことはホタルも会議かな?」

 「うん。……ちょっとね。あ、これ」

 

 私はアイテムポーチから2000コル取り出しアルゴに渡そうとする。

 

 「ちょっと少ないけど……、今回の報酬」

 「ン?報酬って、ラッピーのこと?なら今回はいいヨ、なんの新情報もなかったしネ」

 「報告をもらうだけで有難いからこれは受け取って……」

 

 そう言うと無理やりアルゴの両手に押し付ける。アルゴはあまり納得していないようだけど、私には十分すぎるほどの情報だった。一応まだ安泰の日々を過ごせるのだ。

 

 「今回は仕方なくだけど、次からは貰わないからナ!情報屋としてちゃんとしたものをネ。それじゃまたナ、ホタル」

 

 アルゴはそう言い残し広場のほうの人混みの中に消えていった。

 そういえばアルゴは「ホタルも会議に」と言っていたなー。アルゴも会議に出るのかな、なら一緒に行けばよかったのに。と思いながら歩き出した。

 

 

 

 広場についたのはいいけど16時まであと15分もある。会議に参加する人もチラホラ居るぐらいだろうか。中央の噴水のあたりに複数の男性陣が談笑しているのが見える。その中の青色の髪の男性が居る。あの人がディアベルなんだろうか。勇者王……。

 キリトを探したがやっぱりいない。私の中ではわりと遅刻しそうなイメージだ。

 アスナさんもいないのはまぁしようがないだろう。ただ10分前行動は心がけてそうなのでそろそろ来るだろう。

 一息つきたいので噴水からすこし離れた木を背もたれにして待つことにした。だが待っている間、何人かが私の方を向きコソコソと何か話している。……。なんだろう、私に何処か変なとこがあるのだろうか。こっちを見ないでほしい。それになんというか……ここにいる全員が

私を見ている気がしてきた。早く帰りたい。

 そうこうしているうちにキリトが来るのが見えた。案外来るの早いなと思い、ふと横を見ると深くフードを被った人物が見える。

 あれってアスナさんなんじゃないだろうか。え?なんで?この二人ってこの会議で初めて合うんじゃなかったの?あれもしかしてもう原作とずれてる?どうしよう……。

 俯きながらウンウンと唸っていると手を叩く音が聞こえた。顔を上げ見るともう40人ほどのプレイヤーが集まっていた。

 

 「はーい!それじゃそろそろ始めさせてもらいます!じゃあ皆、もうちょっと前に。そこの木に寄りかかってる人ー!もうちょっとこっち来て!」

 

 私のことだろう。恥ずかしい……。顔から火が出そうだ。皆わらっているし。

 思い腰を上げ人の輪の端っこに小走りで行く。

 そこからは多分原作道理だったと思う。気持ちナイトやってますのくだりもやってくれて嬉しく、つい笑ってしまった。

 

 「ちょお待ってんか、ナイトはん」

 

 やっぱりキバオウが飛び出してきた。ほぼ言いがかりに近いがわからなくもない言い分だなと思う。しかしβテスター民も仕方ないと思うしどっちが悪いとかあんまりないのではないのだろうか。いやまあ、キバオウが悪いんだけどね。

 ボーっとしながら脳内思考を巡らせているとキバオウと目があった。

 

 「そこの後ろで立っとるネーチャンも、そないなレア装備ゲットしとるのは実は知っとったからやないか?」

 「……いえ、その……」

 

 辺りが静まり返る。

 なぜ私に話をふったのだ。まあ実際升みたいなことをしているのはわかるのだが攻められるれると困る。8割型のプレイヤーが私の事を懐疑のの目で見ている。残りの2割は眼を合わせなかったり、同情の表情をしている。最悪だ。

 

 「発言いいか」

 

 低い声が響いた。

 声のした方を見ると背の高い褐色のスキンヘッドが見えた。エギルだ。天使か。

 エギルの話術によりなんとかその騒動は抑えられた。私に向かう視線もだいぶ和らいだと思う。

 そういえばあのガイドッブック無料配布だったのか。毎回買ってた……。

 で、この後のパーティ組が問題である。多分、いや絶対あぶれる。キリトのパーティに入ることになるのか。フラグ建てられたらどうしよう。死亡フラグも立ちそう。

 ディアベルが右手を上げ叫ぶ

 

 「それじゃ、みんな力を合わせて第1層を突破しよう!」

 

 辺りの人も一緒に手を上げ雄叫びを上げる。私も小さい声で「おー」と言っておく。無駄な不和は起こしたくない。

 続いてディアベルから驚きの言葉が聞こえてた。

 

 「今日は解散」

 

 あ、もう完璧にアニメと違う。完璧に私の知識はゴミクズとかしたのか。もう何も考えずキリトくっついていこうかな。

 私はフラフラしながら宿に帰った。

 

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