私立グリモワール魔法学園〜狩人は夜明けを求めて〜   作:リューラ

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お待たせ?しました。
ちょっとシノビガミのセッション準備とかやってて書けなかったです。
あと日常回って難しいんですよね。作者の力量不足ですが
感想・アドバイス等常にお待ちしてます。お気に入りも良ければ


平凡ってなんだっけ

「Oh,i'm scary♪ So,i'm scary♪ All that i see♪ Now i'm scary♪ All is fantasy♪All is fantasy♪」

 

「何歌ってんのよ」

 

「いや、ほら。俺これから智花の弁当食うから…景気つけに?」

 

とするとむしろ鎮魂歌だな。智花には悪いがかなり憂鬱だ。

 

「こんにちは!」

 

噂をすればなんとやら、智花が神凪を連れてやって来た。やはり手にはお弁当を持っているようだ。

 

 

SAN(94) SANチェック 1D100…24 成功

減少値 0

残りSAN(94)

 

今回のやつは前回ほど壊滅的じゃないな。もしかしたら神凪が手伝ったのかもしれない。

食事も終わり雑談していると教室の端に不安そうな顔をしたピンク色の髪の生徒が見える。

 

「す、すみませ~ん。あ、あのぉ~…

あ、あのぉっ、えっと…っ。

…だ、誰も気づいてくれないよぉ。ど、どうしよう、どうすれば…

ひゃううぅぅっ!? ご、ごめんなさいごめんなさいぃぃっ!!

わたしみたいな人間が、こんな所にいてごめんなさいいぃぃっ!!

土下座ですか! 土下座すれば許してくれますか?

はい、土下座ですっ! すみませんでしたあぁぁ~っ!! 」

 

なんか突然土下座まで始めてる…仕方ないし話しかけるとしよう。

 

「こんなところでなにしてるの?」

 

「…ふぇ? えっと、その…転校生の方を探してるんですが…

あっ…もしかしてあなたが噂の…そうとは知らず…す、すみませんっ!

ど、土下座しますっ!! ふええぇぇ…今度はすごい目立っちゃってるぅ…っ!」

 

いやホントになにしてんのこの子!?

 

「み、皆さん誤解しないでください! いじめられているわけではないので!

はふぅ…っ。あ、謝るのは昔からの癖で…気にしないでください。

あはは…別にいじめられてるわけじゃ…

……あれ? もしかして…いじめられてるんですか? わたし。

ま、まさかの事実に衝撃を隠せません…

そうですね…私みたいなくずぅはゴミ箱に行けってことですよね。」

 

誰もごみくずをダストボックスにシュート!超エキサイティング!!なんて言わないししないから安心しろよ。でもそこにツッコミを入れるとまた繰り返しになるのは目に見えているここはスルーだ。

 

「もうここまで言われるといっそ清々しい気持ちになってしまいそうです。

…って、ああ! 思いがけない出会いのお陰で当初の目的を忘れてました!

そうです! そんなことはどうでもいいのですっ。

我らが天文部部長からの伝言です。おほんっ!

【貴様の能力、我が天文部がいただく】

…だそうです。伝わりました? 伝わりますよね?

それでは…わたしは任務を全うしましたので戻ります。」

 

そこまで言うと脱兎の如く逃げ帰ってしまった。天文部ってことはミナか…あいつめもう少し人選を何とか…恋くらいしかまともなのいないか。

 

 

 

放課後になり天文部に顔を見せてからもう帰る時間かと部室を出ると一人の女子生徒に声をかけられた。

金髪のロールの髪に薔薇の飾りを付けたいかにもお嬢様という雰囲気がでている。

 

「お待ちなさいな、そこの殿方…貴方のことですわ。噂の転校生さん。

私、貴方とお話するために、わざわざ足を運んで差し上げましたのよ?

学園1の天才、学園最強の魔術師と呼ばれ、薔薇姫の異名を持つ才女…

この野薔薇姫がです!

…こほん。実は私、貴方に対して非常に興味がありましたの。

ですが、実際にお会いすると…ふむ。ま、想像通りでしたわね。

…それでは、私は失礼致します。もう用事はすみましたので。

貴方の品定めという用事が、ね。それでは、ごきげんよう。 」

 

口を挟む余地もなくひとしきり喋るとどこかに行ってしまった。結局何しに来たんだよ。

 

 

 

朝になり学園に向かう。下駄箱を開けて靴をはきかえようとしたら手紙が入っていた。なんというか古風だな。手紙の主は野薔薇…昨日の金髪ロールか。内容は…は?

 

 

「どうも」

 

「ようこそいらっしゃいました。私の手紙、読んでいただけました?

それでは、これから話す内容もある程度は理解していらっしゃいますわよね?

私、この学園には伴侶を探しにきております。将来の夫を、ですね。

なのでお渡ししたお手紙はラブレターとして受け止めていただいて結構。

私から提案があります。あなたの体質はまことにすばらしい。

ですが、魔法の技術などはまったくおいついておりません。」

 

グサッ!

魔法については勘弁してくれ。俺も割と頑張ってるんだよ。狩り道具以外も普通の魔法使えるように勉強や訓練はしてるんだよ。

 

「故に…残念ながら、まだまだ伴侶とするには不適切である、と言わざるを得ません。

しかし他の男子に有望株がいないのも事実…そこで、提案いたします!

これからあなたを、野薔薇の男として相応しい者に育て上げて見せましょう!

いえいえ、お礼は結構です。この世界に生まれ落ちたら野薔薇の性を名乗るほど幸せなことはないでしょうから…あら、何かご不満?」

 

ほぼ消去法じゃねーか!不満しかないよ。

 

「いや、そういうのいいんで…」

 

「…な、なんと、まさか断ろうとするなど…理解不能です…」

 

いやいや、そもそもですよ。昨日のあの態度でなんでいけると思ったの?というか結婚の理由そんなのでいいの?あれか、逆源氏物語か?あなたを私の色に染め上げてあげるってか?

 

「…あ、いえ、取り乱しました。ふふ、心理戦に長けてらっしゃること。

野薔薇姫は完璧です。このような嘘はすぐに看破します…私を試しましたね?

それでこそ私の伴侶としてふさわしい! では明日から、さらなる特訓ですわ! 」

 

ドウシテ…

 

野薔薇さんは明日の予定まで取り付けて去って行った。

実はいま朝なんだぜこれ嘘だろ。ここ来てから日々が濃いよ。

 

 

 

 

放課後いつも通り俺は訓練所に来た。もちろん魔法の練習のためだ。

といっても攻撃系はもう諦めた。狩り道具もあるしな。ならば何の魔法の練習かというと身体強化と防御魔法だ。現状攻撃はともかく回避と防御という生存力に直結する魔法すら使えない俺は前線に出た場合、護衛への負担が大きすぎるのだ。最悪の場合俺を守るために人が死ぬ。

それを回避するためにも身体強化と防御の魔法の修得は必要だ。しかし、やはりというべきか発動しない、もしくはしても実戦で使えるレベルではないという感じだ。

一応なのだが魔法使いは覚醒したときに身体が魔法を扱う反動に耐えるために魔力腺を通して身体強化を図るようだ。つまり身体強化魔法はそれをさらに重ね掛け、ないしその作用自体の活性化のようなものだろう。

ちなみに初回の身体強化も相当なもので小学生の魔法使いでもアメリカの軍人と腕相撲で負けることはない。つまりそれだけの身体能力の持ち主の惰力がたまたまとはいえ鳩尾にぶっ刺さったのだから気絶したとしても俺が悪いのではない。別にノエルが悪いわけでも…廊下走ってた時点でギルティか。

 

そろそろ訓練所の使用時間も終わり、か。なら次のところへ向かうか。

 

 

 

「剣を学びたい、か。私でいいのか?」

 

「いや神凪くらいにしか頼める人いないしな。剣自体が特殊だから神凪の技を修めるわけじゃないけど」

 

「落葉」を扱うためにも剣の基本的な使い方を学ぶ必要がある。神凪の実力はクエストを共にしているから知っているしなにより頼みやすい。

 

「わかった。お前にはクエストでの借りもある。私で良ければ教えよう」

 

神凪に型を見せてもらい見よう見まねで素振りをする。そこを更に矯正してもらいつつベストな状態を作っていく。

 

「よし今日はこんなところだろう」

 

神凪からやめの声がかかった。型を維持するのに思った以上に集中力が要るな。

 

「初めてだからなかなか難しいな。悪いけどまた頼むよ」

 

「あぁ。私で良ければいつでも力になろう」

 

定期的に剣道部に顔を出しつつ指導してもらう約束を取りつけ剣道部を後にする。

 

嵐はまだ遠い…

 

 

 

兎ノ×明

 

明斗「そういえば俺以外の男子生徒ってどうしてんの?」

 

兎ノ助「生きてるよ」

 

明斗「…お、おう。そうだな?」

 

兎ノ助「じっさい特になんもないからな。普通に授業や訓練して。たまにクエスト行って。対抗戦出てお前のいるPTにボコられる」

 

明斗「…ノーコメントで」

 

兎ノ助「しかもお前自体も自衛能力あるせいで男子からはけっこう嫌われてるぞ。」

 

明斗「背中刺されないよな俺?」

 

兎ノ助「風紀委員のやつらが目光らせてるし大丈夫だろ。たぶん」

 

 

 




大体日常・クエストで回していこうと思いますけど日常回が全然思い浮かばなかったら…なんとか頑張ってみます

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