私立グリモワール魔法学園〜狩人は夜明けを求めて〜 作:リューラ
あと本来ならハロウィンネタでもやって女の子とキャッキャウフフさせて上げようと思ってたんですが完全に時期外れになったんで没にしました。今回はグリモア要素ゼロです。ブラボ全開にしました。
目が覚める。
ここは…
狩人の夢。俺はもたれ掛かっていた墓石から離れ辺りを見回す。人形や従者がいない。
工房へと足を運ぶ。いつもは開いているドアが最初に来たときと同じく閉ざされていた。
鍵は…開いているようだ。
扉を開ける。工房の奥、別の扉の近くには車椅子にもたれ掛かっている人物がいた。さらに近くには人形も控えている。
車椅子に座っている人物がこちらを向き、声をかけてくる。
「やぁ、起きたかい新たな狩人」
「あなた…は?」
枯れた烏の羽のような帽子に口元を覆う布。黒い狩装束には金の装飾品が備えられている。
まだ若い青年と言っても差し支えないだろう彼は青い瞳をこちらに向ける。
「私かい?私はここの工房の主だよ。そして君を狩人にしたのも私だ。」
「じゃあ、最初に寮に武器を送ってきたのも?」
「ああ、私だ。武器がないと魔物と戦うのも辛いだろう?最初に送ったノコギリ鉈は私のお古だが悪く思わないでくれよ。」
「武器や魔導書については助かってる。ありがとう。あれがなければ魔物相手に逃げ惑うしかなかったから」
「そう言ってもらえると助かる…さて」
一旦区切ると彼は椅子を立ち近くの扉を開ける。俺に手招きをし俺の目覚めた墓石の前に立つ。
「君は狩人としてまだまだ未熟だ。君はまた気を失う。次に目覚めた先では狩人としての先人がいる。彼に狩人としての基本を学んできたまえ。」
「は?」
そういうと彼は俺の顔に手をかざす。
そして俺の意識は再び落ちる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ここ…は?」
「目が覚めたか?」
「え?あ、はい」
目が覚めた俺の前には黒よりの青、勝色の神父服を身にまとっている。
目深に被った帽子からその容貌を窺うことは出来ない。
「工房でやつから話は聞いているな。なら、すぐに始めるぞ」
「始める、なにを?」
「なに、ここは夢だ。何があっても悪い夢のようなものだ」
そういうと彼は右手に持っていた大型の刃を持つ斧を振り上げるとこちらに振り下ろす。
「!?っぶね」
地面を転がりながらそれを避け素早く立ち上がる。
武器は…ある
腰の鞘から落葉を抜く。走りながら近づき胴を一閃する。
しかし、神父はその一閃を体を低くしながらふわりと飛ぶと刀の一閃をくくり抜けながら近づいてくる。
そこから斧を掬うようにして俺に叩きつけようとしたのを落葉を割り込ませてなんとか防ぐ。
つばぜり合いになるも元の体格とパワーが違いすぎるためすぐに俺は吹き飛ばされる。
「なぜ受け止めるようなことをした。体格を見ればお前が俺の攻撃を受けきることなど出来んとすぐに分かるはずだ。お前たちの戦っている魔物とやらも大抵は貴様らより力は上のはず。ならば防御は緊急時以外でするな。回避しろ」
彼の言うとおりだ。魔法使いは普通の人と比べれば頑丈だ。防御魔法が使えるならば防御するのもありだろう。しかし、俺はそんなものは使えない。攻撃を受け流すにも技量が足りていない。ならば回避するしかない。
神父は言うべきことは終わったとばかりに近づいてくる。右手の斧を袈裟懸けに振るう。
それを右の脇に潜り込むように避け落葉で攻撃するが神父はまたふわりと飛ぶような独特のステップで避けていく。
あれだ。あれを体得すれば…
神父がステップで目前まで距離を詰め斧を叩きつけてくる。見よう見まねでステップによる回避をするが動作が遅く飛距離も足りていない。ギリギリで避けることが出来たのは縦割りだったからだろう。袈裟斬りならば当たっていた。
もっとだ。もっと素早く、もっと軽快に…
続く斬り上げをバックステップで避ける。しかし、神父は俺が後ろに避けようとしたのを見てから斧の柄を少しひねる。すると唐突に斧の柄が伸びハルバートのような長柄となり俺に襲いかかる。
斧の分厚い刃は股から肩までを切り裂き俺の意識は闇へと落ちた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「起きたか?」
目覚める。
「あれ?俺、死んだんじゃ」
「言っただろう。何が起きても悪い夢のようなものだと。構えろ」
即座に立ち上がり落葉を抜き神父と対峙する。
「狩りではなにが起こるかわからん。単調な回避は死を招くぞ」
さっき死んだしね
「相手の動きをよく見ろ。読みを先行させ過ぎるな。ギリギリまで引き付けてから回避しろ。行くぞ」
それだけ言うとまた攻撃を仕掛けてくる。
さっきまでとは違う。こちらに攻撃させる気などないとばかりに攻めてくる。
片手斧での袈裟斬り、振り払い。それを未熟なステップでなんとか避けていく。そこから更に振り上げのモーションを取るがこれをただ後ろに引くだけでは先ほどの二の舞だ。だから恐怖で焦る足を踏ん張りギリギリまで引き付けてから右に避ける。
ここまではよかった。しかし、神父はハルバート形態にした斧を溜めるように構え身体全体を使った凪ぎ払いをしてくる。前へとステップを踏み交差するように一撃目を回避するが身体を回しの二回転目で回避後の無防備な俺の背中へと刃を修正し斬り飛ばす。
クソ…ダメだったか
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そのあとも何回も死んだ。その度にステップに少しずつ修正を加え神父の攻撃を回避していくが神父もその度に新たな攻撃法を披露する。10も死んだ頃から散弾銃も使うようになった。そこからはさらに死んだ。死んだ数が30を超えた辺りから数えることをやめた。しかし、死ぬ度に俺は神父の動きを少しずつ学びいつの間にか回避の合間に反撃することも出来ていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
斧の連撃を避け落葉で斬りつける。どちらの攻撃も空を斬るが構わない。神父がバックステップを踏みながら左手の散弾銃を構える。落葉を鞘に納め前へとステップを踏みながら近づき散弾銃の拡散範囲外つまり銃の内側に逃げ込む。
居合いの構えを取り一気に振り抜くがこれもやはりかわされてしまう。
「数えきれぬほどお前を殺してきたがそれもこれが最後になりそうだな」
「それでも殺すのかよ」
「ふん。狩人としての年季の差だ。お前は優秀だが、あいつには及ばない。それだけだ」
「あいつ?」
「狩人の夢で会っただろう」
「あぁ。あの人か」
「正気を無くしていたとはいえ俺を殺した男だ。醜くも獣に堕ちた俺を殺してくれた。やつのせいで再び夢に囚われてはいるが恨むことはない。」
落葉の両刃剣による連続斬りさらに両刃を用いた隙の少ない突きを仕掛ける。神父はこれもすべて避けていく。右から左へと振り払う、と見せかけてから落葉を二刀流へと変形させ同時突きを放つ。これには神父も対応出来ない。神父の胸へと刃が吸い込まれる…はずだった。
神父が左手の散弾銃を撃つ。それは両手の剣をどちらとも弾き上げ俺は無防備な胴体をさらけ出す。
神父は俺の胴体へと貫手を刺しこむ。
「ここで身につけることは終わった。ではな」
それを皮切りにまた意識が落ちる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
目が覚める。ここは狩人の夢だ。いつものように墓石にもたれ掛かるように座っていた。
「くっそ。最後まで良いようにやられたか」
「おかえりなさい狩人様」
帰って来た俺を迎えるのは人形だ。
「あれ?あの人は?」
「あのお方はもうここにはいません。お出かけになられたので」
「そっか。うん。ならそろそろ向こうに戻るよ。」
「お待ち下さい。狩人様。あの子達があなた様にお渡しするものがあると…」
そう言いつつ下を見つめる人形の目線を追うと従者たちがいた。その手には何かが抱え上げられている。
「これは、武器?」
腕の手甲のような箱に小型のブレードが装備されている。なんだこれは?
「それでは狩人様。またいつでも来てくださいね。」
「いや、これなに…って、あ」
これのこと聞きたかったけど意識が落ちていく。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ここ、は。俺の部屋か。日付は、侵攻が終わってから1日しか経ってないのか。本当に夢みたいだなあそこは
「ま、夢じゃないんだろうけど」
床には帰り際に貰った新たな武器もある。
こういう時は魔導書を見てみるのが良いだろう。前と同じなら書き加えられているはずだ。
やはりあった。この武器は…パイル…ハンマー…マジかよ。変形機構により箱のような部分…射出装置に刃を装填し打ち出す武器のようだ。
これ作ったやつ絶対HENTAIだぞ。
次回は普通にメインを進めます。でもそろそろ冬樹姉妹ネタを書きたいのもあるんですよね。