私立グリモワール魔法学園〜狩人は夜明けを求めて〜   作:リューラ

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早速2話まで書き終わったので投稿していくスタイル。主人公の狩人化はまだ当面先です。
もしよければコメントなども下さい。モチベにも繋がるので


明くる日

転校2日目。

あのあとですか。すぐ寝ましたよ。いや、だってあの本、魔導書だろうけど、読めはするけど俺の魔法の知識ZEROだから術式分かっても理論分かんないし。魔法学園だって決まった場所以外での魔法の使用は禁止されている。バレればただではすまないのだからあれには今のところ手出しはしない。

武器も丁寧に保管している。あの銃も水銀弾ないと使えないみたいだし。

強いていうならイメージが固まったおかげで戦闘服はそれっぽくなった。

 

転校初日に挨拶が出来なかったためクラスに入るのはこれが初めてだ。

クラスは主に3つに別れていてそれぞれリリィ、ローズ、サンフラワーだ。

ちなみに俺はサンフラワーに組み込まれるらしい。クラス見たけど昨日の歓迎会で見た顔がちらほら。智花はリリィだから別クラスか。

代わりに歓迎会の途中で絡んで来た報道部の岸田 夏海がいた。これは面倒になるな。転校生だ!取材させろ!って言われるんだろうなまた。

 

夏海をあしらいつつ午前中の授業を終えると教室に智花と、昨日の歓迎会に参加していた神凪がいた。

昼飯は学食で済ませるつもりだったが智花がわざわざお弁当を作ってきたというので御馳走になることに…クラスからの視線が痛い。

 

「どうぞ」

 

と智花がお弁当を広げる。

 

夏海はにまにましている。そして何故か神凪は目から謝意を感じる。謝れるようなことはされた覚えがないが…

 

いや、広げられたお弁当を見て神凪が何故複雑な心境をしているのかがわかった。そして夏海、てめーのにまにまの意味もな!

 

なんだ?どうやったら料理がこんな冒涜的な代物になるんだ?もしかしなくても胃壊れるだろ。

しかし、だ。智花の顔には全くの悪気がない。100%善意だ。ここでやっぱりいらないとか言えない。俺にはそんな事言えない。なるほどさっきのクラスからの視線もあれだな。こいつ正気か!?みたいな感じだったんだな。先に言ってくれ…

もう引けない。止まることは出来ない。

箸を手に取り、いざ。

 

「い、いただきます…」

 

そこから先は地獄だった。お弁当を口に入れる度にだんだんと破壊されていく味覚。何を入れたらこんなむせそうになるんだ、と聞きたくなる刺激臭にやられていく嗅覚。劇物が侵入し痙攣し逆流しそうになる胃を気合いだけで抑え顔色も変えずに目の前の料理を押し込む。

その様子に夏海でさえ申し訳なさそうな顔をし、カメラのシャッターを切ることも忘れ。神凪はある意味俺より辛そうだった。

最後の一口を飲み込だ俺の耳へと校内放送が聞こえる。

 

『転校生の渡 明斗。至急生徒会室へ!繰り返す。転校生の渡 明斗。至急生徒会室へ!』

 

「なんか呼ばれたから言ってくるわ」

 

と告げラッキーとばかりに急ぎ足で教室を抜け、そのままトイレへ直行する。クラスの面々は静かに勇者を称えるように俺の通り道を開けてくれた。

トイレの前で金髪の女子生徒とすれ違う。その時にハンカチを落としたのに気づき呼び止めようとするも吐き気で失敗した。顔は覚えてるし後で渡すか、とハンカチを回収してトイレへ駆け込む。

 

胃がスッキリした俺はその辺にいた生徒に生徒会室の場所を聞き、生徒会室へと向かう。

 

「なんだこれ」

 

生徒会室の前には多数の生徒たちが群がっていた。

俺の覚えでは放送で生徒会室へ呼ばれたのは俺だけのはず。

ガラッ!と勢いよく生徒会室のドアが開けられる。

中からは他の生徒と違う制服を身につけた長い金髪の女性が現れる。ちなみにさっきのトイレですれ違った娘ではない。

 

「お前たち!サインとか写真とか!あたしはアイドルじゃないんだぞっ!」

 

小言をこぼしつつ生徒会室に群がっていた生徒を追い返していく。そんな中動かない俺を見つけたのだろう。

 

「ん?見かけない顔だな。お前が噂の転校生か。」

 

何?俺って噂になってるの?悪評とかじゃないよね?ま、まさか今日呼ばれたのって…

 

「よく来た。武田虎千代という。この学園の生徒会長だ。よろしくな。」

 

良かったぁ!なんも悪いことしてないけど早速死んだかと思ったけどそんなことはなかった。

 

「…校内放送で呼び出して悪かったな。だが、転校生には一つ義務があってな。アタシと面談しなければならないのだ。といっても、アタシが決めたんだがな」

 

やべー。まだわかんねーぞこれ。

 

「校内放送の件はお気になさらず。むしろ助かりましたし…。それで面談とは何を話すんですか?」

 

「そんなに難しいことは尋ねん。プライバシーにも踏み込まん。安心してくれ。さぁ、部屋に入って待っていてくれ。」

 

そういうと会長は残りの生徒たちを追い払い部屋に入ってきた。

 

こちらに向かいながら質問を投げかけてくる。

 

「まだ転校してから日が経っていないが…どうだ?」

 

もうすでに2回死にかけてるとか言えないよなぁ…

しかし、こちらの心情など知らない会長は続ける。

 

「お前の体質は上の方でも話題になっていてな。そういう理由でなくとも男子の転校生は噂になる。女子が多いからな、ここは。」

 

2:8という神環境。だがしかしそれは同時に悪い噂立とうものならこの学園の居場所はなくなるということに他ならない。女子は怖いからな。

 

「まぁ、そういうわけでだ。お前は色んな人間に注目されているんだ。そのせいで不便な事があれば言ってみろ。なんとかしよう。」

 

世界で唯一の無尽蔵の魔力とその魔力を他人に渡せる能力。確かに色んな人間に注目されるだろうな。もちろん悪意を持って近づく者もいるだろう。それは会長も懸念しているであろうことだ。

 

「報道部などに追われたらいつでも生徒会室へ逃げ込め。いつでも保護してやろう。転校生はだいたい遊佐の遊び道具になるからな…」

 

こちらに逃げ込め!…なんか変な幻聴ががが

 

「その、遊佐ってどなたですか?」

いや、まぁ、報道部の関係者なのは確実だろうけど。

 

「報道部の部長だ。気を付けろよ。弱みを握られると大変だ。」

 

「…キモに命じときます。」

 

夏海のところの部長とか絶対厄介だぞ。

 

一息つき会長が続ける。

 

「あとは交友関係についてだ。まぁ、言ったとおり女子が多いからな。クエストで組むのも女子が多くなるだろう。それで親しくなるのは構わないが…魔法はメンタルに大きく影響を受ける。アタシは風紀委員ほど厳しくはしない。だが、不実な真似だけはやめろよ。それで何人もここにいられなくなっている。周りが女ばかり、というのは、いざというときに敵ばかりになるということだ。アタシも自業自得までは面倒みきれんのでな。節度ある態度で臨んでくれ。」

 

っべー。マジでやっべー。もう無理。俺の胃のライフはもう0よ。物理的にも精神的にも…

 

会長はこちらにお構いなしに手を差し出しながら続ける。

 

「それが出来ればいい学園だ。歓迎しよう。転校生。」

 

「えぇ、よろしくお願いします。会長殿」

 

俺もなんとかその手を握り返す事ができた。

 

そんなこんなで会長との面談も終わり教室に帰ろうとしたがハンカチの存在を思いだし少し他の教室も回る。

 

「うーん、見つからねぇな」

 

とか言ってたら見つけた。渡すために話しかけようとするが俺の声を予礼が遮る。その間に目標の人物は教室へと戻ってしまった。俺も午後の準備しないとな、体育だし。

いる教室は分かったし放課後で良いだろう。

 

HRも終わり。ハンターランクじゃねーよ。ホームルームだよ。ハンカチを持ち主に届けるために教室を出る。後ろを追いかけてきた夏海を撒き目的の教室の前にたどり着く。金髪の女子生徒を探し声をかける。

 

「どなたですか?私は急いでいるので。」

 

とっつきにくい雰囲気だな…

 

「これ、トイレの前で落としてから」

 

「あ、私のハンカチ。」

 

よーし。持ち主にも返したし帰るか。帰れねぇよ。これからようやく学園の案内だよ。

 

「ありがとうございます。それと…ごめんなさい」

 

吹いた。どう見ても相手すんなオーラバリバリですもん。感謝こそあれ、いきなり謝るとは

 

「な、なんで笑うんですか。私、変なこと言いましたか?理由を教えて下さい。…あなたは、私がお礼の一つも言えない人間に見えますか。」

 

そっちじゃねーけど面白いからこのまま見守ろう。

 

「感謝を伝える礼儀くらい、さすがにわきまえています。もしかしてあなたは…私が子供のように意固地になっていると…?」

 

そこまでは言ってない意地っ張りには見えるがな

 

「まぁ、小さいしな」

 

思ってもないことが口から出る。どうしてこうなった。昼間に会長から釘刺されたばかりだぞ俺

 

「そうですか。私が子供…子供に見えると…そういうわけですね。」

 

やべー。2日目で居場所なくなる

 

「まぁ、今回は許しましょう。お気に入りのハンカチも戻ってきたことですし」

 

助かったー!もうダメだと思った。なんとかなった。

「でも、次はありませんから」

 

「アッハイ」

 

すでに死にそうになってるけど放課後は始まったばかり。智花たちと校門前に集まり学園の案内してもらう。最初に立ち寄ったのは購買。入学生ということでジュースを奢ってくれるらしい。ジュースを飲みながら神凪と俺の能力について話し合っていた。

 

魔力タンク話は聞いてる俺が辛いので購買部でバイトをしている桃世もも、通称ももちゃんと適当にお話しつつ暇を潰す。つーかここの購買部すごいな。品揃えがショッピングモール超えてるんだけど。なんで有名人のサインまで売ってるの?もはや購買部じゃなくね?

話してるうちにももちゃんの俺の呼び方が何故か「先輩」になっていた。なんかそういう雰囲気があるらしい。

 

そのあとも色んなところを案内されつつ訓練所や保健室、図書館などを回る。

ちなみに図書館行ったらさっきのハンカチ返した金髪の女の子もいた。図書委員の萌木が「冬樹さん」と言っていたので冬樹というのだろう。

ついでに図書室でさっそく魔法学の基礎書籍を借りておいた。ぶっちゃけ通常授業は問題ないし当面は魔法学に掛かりきりだな。寮にある魔導書の存在もあるしな。

 

学園の案内も終わり智花にお礼を言い寮へと帰る。途中で冬樹によく似た女の子を発見しその一行を見ていたら物凄い殺気を感じた。ここにいたら殺られると思いさっさと帰路に着く。

 

「なんか2日目なのにすげー死にかけてるな、俺」

 




食事シーンのオルガネタ

ただ無心になってこの100%善意で作られた冒涜的料理を食べ進める。

夏海「なにやってるのよ明斗!」
とても心配そうにこちらを見つめる神凪に俺は叱咤する
明斗「なんて顔してやがる神凪!」
冒涜的とはいえ善意で作られた物だ。ならば俺にはこれを食べ進める権利と義務がある。
クラスのみんなが見守っている中、みんなを激励しながら食べ進める。
明斗「俺は止まんねぇからよ、お前らが止まんねぇかぎり、その先に俺はいるぞ!
だからよ、止まるんじゃねぇぞ…」
薄れていく意識の中で、確かに希望を紡ぎたしたと信じて…



おわり。作者の次の作品をお楽しみに
たぶんちゃんと続きます
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