TITANUS‐THE TITAN MONSTRAS‐   作:神乃東呉

34 / 48
記憶の中の底に

 時刻は夜の九時頃を迎え、空模様もすっかり暗夜と化して周辺地域の明かりが点々と輝くのが見てわかる。

 マンション地域故に一部屋ずつ点々と輝くのは人々の生活の灯火だった。

「……………」

 それを同じマンションタイプのバルコニーから見わたすユウゴは黙々と目に焼き付けていた。

 そんな背後から伸びる手がユウゴを真っ先に捉えて来た。

 ポンッ…とそれまで背後を警戒せずにユウゴの肩に触れさせる。ユウゴには分かっていた…それが自身の交際相手の血縁者にして交際相手アイカの兄“木城キセキ”その人だからこそ心許せる相手だからであった。

「君は…未成年だったね、コーラでいいかな?」

「あぁ…ありがとうございます」

 差し伸べたのは冷えたペットボトル炭酸飲料だ。

「いや~…男女のお楽しみ中に無粋な横やりで申し訳ない」

「いえ…こちらこそ、お兄さんの手前で見苦しい所を見せてしまった方こそ落ち度でした すみません」

 互いに申し訳なさから来る謝罪を交わすが…若干、キセキの方がどこかぎこちない様子であった。

「……(やりずらいなぁ~)」

「……………………………」

 一方のユウゴはそんなキセキの気持ちなど意にも介さぬ無の表情…無神経と言えば聞こえが悪いが元より感情的な表現が少ない部類の男だ。特に恥と言う認識には無頓着なまでもある。

「……えっと、いっ、妹とはどれほどの付き合いになるのかね?」

「出会ったのは3年前でそこから2年間は遠距離恋愛でした…俺が海外に渡っていた時期から精神的な支えとなってくれている内に徐々に付き合いの流れになりました」

「へぇ~…君、海外にいたのか……どこに行ってたんだい?」

「……ロ・サ…と言えば、お分かりになりますか?」

「―ッ!」

 その瞬間、キセキの表情は固まる。

「お兄さんの…その胸部の電子ユニット、バイオロイドですね」

「……よく…知っているね」

 Tシャツ1枚の首元にちらつく金属物質がキセキが唯の人間ではないことを示す証明であった。

「ロシリカ傭兵団でも度々目にしてきましたから…バイオロイド、サイボーグの方が世間一般で浸透しています」

 木城キセキは半分生体だが、もう半分は機械による補助器具の塊、主電は外部からの電力供給、ほぼほぼ身体の半分を機械で補い漬けで生きなければならない状態であった。

「……そうか、君は“ロシリカ側”にいたんだね…」

「ロシリカ側……と、言うとお兄さんは…」

「……自分は母さんがまだサラジア共和国内の国立大で研究員生だった頃に父にあたる人と恋仲にあった時期に生まれた、らしいんだ」

「らしい?」

「…そう、自分も父親の事は知らない…その時期にロ・サ戦争が勃発した時期らしいけど明確にいつ始まったとされてもいない、サラジア国内の爆破テロ事件の多くはサラジア国の戦意高揚のデモンストレーション…父とサラジア国立大学はその恰好の餌食…いや、生贄に選ばれたんだ」

「…自爆自演」

 キセキの年齢から推察するにサラジア共和国は彼が生まれる以前以後もロシリカに対する戦意を演出するために自国内の重要施設を破壊工作する自作自演をしていたと言う噂が絶えなかった。サラジア側はロシリカ側の破壊行為であると今も主張するが、周辺各国はこれらを“自爆自演説”として半ば都市伝説扱いしている風潮があった。

「父は戦火に巻き込まれ、母もその余波を受けかねなかった…けど実際に受けたのは自分の方だった 生まれてすぐに母と自分が入院する病院が空爆を受けてね、母は無事だったけど自分は重体に陥ったらしい」

 それを物語るように胸元を親指の先でコンコンッと電力供給部分を指示した。

「現地の赤十字医師が懸命に治療してくれて一命を取り留めたけど半分機械の身体で生まれた…それでも命を生きながらえた自分に付いた名前が“キセキ”と言うわけさ」

「…キセキさん……いい名前ですね」

 感情は欠落しても物の語りに共感してキセキの身に起きた“奇跡”に対して感じ取れる気持ちの良さに痛感した。

「それで……君はアイカとはこれからどう付き合いを続けるつもりだい?…自分としてはこのまま2人が良しとするならそれ以上の付き合いになってほしいと思っているよ」

「……お気持ちはうれしいですが、責任として受け取れても考えはまだ無計画です」

 キセキに求められた付き合いの先…それは付き合いの終着点であり、歩みの始まりを意味する、がしかしユウゴは冷静だった。

「…そうか、無粋だったようだね……でも、妹にはしっかり幸せになってほしいのは本音であることに自分は変えないよ それを可能か、不可能かは、君とアイカの2人次第だ」

「……キセキさん…アナタみたいな人を“妹想い”と言うんでしょうね、俺とは大違いだ」

 キセキの妹を想う姿にユウゴは心の内から彼には到底自分に足りない何かを得ていると思えてならなかった。

「君と違う?…どういう意味だい?」

「……俺にも妹がいます…先ほども言いましたけど海外に渡っていた時期もあり今まで疎遠になっていて、ようやく互いに近しい距離に居れるようになった今は気持ち自体が離れている気がします」

「へぇ~…君にも妹さんが…」

「はい、アキって言います…ついこの間まで甘ったれたガキだと思っていましたけど、アイツには本当に俺なんかが必要なのかどうか…」

 ユウゴはバルコニーの鉄柵に肘を置いて顎を手に乗せて頬杖をついた。

「……少なくとも、今こうして君がここに存在している事がアキちゃんにとって重要な事なんじゃないかなぁ…自分はアイカにとって兄として存在する事もあの子にとって重要な意味を示している、もちろん母さんの長男として、スイカの身元保証人としてもこの家の身内の1人と言う役割は何ものにも代えがたい意味があるんだ」

 キセキの機械的な胸を張った気前はユウゴに求められた答えそのものだった。

「…身内としての…役割、ですか…」

「あぁ、君が今の時点で分かってくれたか、そうでないかなんてどうでもいいんだ…この世界でただ一人、木城キセキと宮下ユウゴくん…自分たちの役割はそういった所にあると自分は思うよ」

 そう言ってキセキはユウゴに向かってサムズアップをして彼に勇気づけるが…

「……そのポーズ、海外だと卑猥な意味で使われるハンドサインですよ」

「えっ、そうなの!?」

 よく使われるハンドサインの大半は海外では悪い意味で捉えられる事がかなり多い。

 所変わって一方のアキは…

『……あれ?…ボク、何してたんだっけ?』

 感覚的には自己の意識はあれど身体の意識が一切ない。

 それはまるで度々起きる自分が自分でない誰かに自分の身体を動かされている時のような存在が半透明な自分だった。

『ええっと、たしかみんなと集まって、盛り上がって、お泊り会が始まって…コーラをものすごく飲んじゃって…』

 普段からの見慣れていないジャンキーな飲み物に刺激された血糖値上昇からアキは自身が仲間たちよりも先に睡魔が襲い掛かり眠気に負けた事を思い返えしてきた。

『あっ、そうだ!!…ボク、歯ッ磨いてないよねぇ!?』

 気づけたのは習慣サイクル上の1つの欠落であった。

『いや、それより…何だろう、この感じ……夢?』

 歯磨きよりも気付くべきは今の状況であるとアキは我に返った。それは意識のある明晰夢、自己の自覚が出来る夢の世界の中でどこかを彷徨う。

 それは夢か、幻か、頭の中か、いずれにしてもアキ自身が知覚する世界の中でアキは靄のかかる場所で意識が浮遊する。

『どっ、どうしよう…ボク、どうすればいいの?どうやったら起きられるの?』

 自分が今の意識の中でどうにか身体に覚醒を促せる手段が思いつかない…段々と気持ちに不安が現れ始めた時…

『ひゃっ!?…だっ、誰ッ、ボクの手を掴んでいるの!?』

 アキの手の感覚は強い圧迫感を感じた…しかし、痛みを伴う様な強い力ではなく、何処か優しく握りしめるような柔らかな感触であった。

『うわっ!?…ひっ、引っ張られるッ!?』

 その握りしめられる何かに引き寄せられていくにつれ…そして…

『ワブッ!?』

 何か柔い何かにぶつかる…否、ぶつかると言うより受け止まってそのまま抱き着かれている。鼻先、口元、額、顔のすべてから身体全体に至るまで包まれるように抱き着かれている。

『ううっ…くるしい…くるしいのに…なんだか…すごく…なつか…しい……』

 やがてアキの意識は抱き着かれているソレに心が許してしまい…寧ろ自分までもがソレに続いて抱き返していた。

 抱きしめ、抱き返して、お互いにまるで1つの意識へと溶け合う様に重なり合うにつれ……そして……――

「先生!黒子、見ませんでした?」

 白衣の医者が白衣の医師を引き止めて尋ねて来た。

「んんっ?どうしたの…メル」

「どうしたどころじゃないですよ!…エリカ先生がまたブチキレてますよ!」

『……あれ?…この声…』

 ヒョコッと白衣の医師の後ろから覗き込む半透明で不確かなアキの意識体が目にしたのはGIRLS東京支部の常駐カウンセラーである怪獣娘メトロン星人の百地メルであった。

「また今度は何やらかしたの?」

「今回は輸血パックの記載ミスです…O型の記載と在庫の個数が合わないって…――」

 この光景内のメルはアキの中で知る彼女よりどこか若々しい気配のある所を見るに医者の中でも研修医に近い立ち位置の様だった。

『メトロンさん…と…』

 過去のメルと相対して会話をする相手の顔を伺おうとアキは先回るが…

「仕方ない…次の診察時間まで私も探してあげるわ」

「すみません…お手数かけます」

 顔を確認する前に透明なアキの前を素通りして白衣姿のメルと並走してどこかへと向かい出した。

『うわっ!?…身体が急に…』

 そんな2人の後をさながらもう一人の医師の背中に透明な意識体のアキが引っ張られるように2人の後に連れていかれる。

「いいのいいの、あなた達は私がみんなのお母さんたちから取り出してあげた子供たちなんだから!」

「毎回そう言ってくれますけど…先生、いくつ何ですか?」

「それ以上聞いたら産み直させるわよ」

 もう一人の医師の方はどこかメルより医療従事の歴の長い先輩の様だが並ぶメルに比べてどこか身の丈高く、長い髪を一纏めに左肩から下げた所謂アキと同じサイドテールスタイルの髪型、その髪色はどこか赤みのある栗毛…

「とにかく、まだ探しきれていないところを…―」

「…待って」

「先生?」

 メルを引き止めた先輩医師が足を止めたのは薬品保管庫だった。保管庫のスライド式の扉の取っ手に触れると…

「……いるわね」

 中に誰かの気配を感づいた医師は扉をスライドさせて開けると薬品並ぶ保管庫内へと入った。

「く~ろこ、居るんでしょ…出て来なさい」

「先生…いくら何でもアイツがこんなところに居るわけ…」

 メルと先輩医師が探す誰かの目星として付けた薬品保管庫には人が隠れきれるようなスペースが見当たらず、メルには早々に隠れ場所の候補から外れているようだった。

「う~ん、そうねぇ~、思い違いかしら~……なぁ~んちゃってぃ!!」

 半ばワザとらしく当てを外した素振りを見せておいて連なり重ねる段ボールを引っ張り剥がすと中から1人の女性看護師が出て来た。

「ヒィイイ、ごめんなさいぃぃぃいいッ!!」

「ホントに居た…」

 予想にもつかなかったメルは度肝を抜かれた表情を浮かべて頭を抱える怯える黒髪の女性看護師を見つける事となった。

「く~ろ子ッ、もう隠れてないで行きましょう…私も一緒に謝ってあげるから、ねッ」

「ううッ…本当ですか?」

「私は…自分で取り出してあげた子たちにウソはつかないよ さぁッ、行きましょう」

 そう言って蹲る黒髪の女性看護師の手を引いてあげた医師に対して…

「うっ、うううっ…ワァアアアッ!ユウナぜんぜぇ~えええッ!!」

「あらッ?…アラアラ…よしよし、怖かったんだね」

 泣きついて飛びつくように抱きしめにきた女性看護師を真摯に受け入れたのは女性医師の宮下ユウナ…そして…

『おっ、お母さんッ!?』

 アキの母親であった。

 病院内 会議室

 

「一体、どういうつもり!?…あなた、アルファベットもまともに理解できていないでよくまぁ看護師が務まるわねッ!」

「ひぃっ…別にそういうわけでは…」

 会議室で騒動の渦中の双方を交えてアキの母ユウナが間を取り持った。

「エリカ…あんまり怒り過ぎるとパワハラ上司みたいよ」

「ユウナ…アナタは少しウチの看護師に甘すぎるわ」

 ユウナの背中に身体を縮こませて隠れる看護師を彼女は庇いつつも怒り狂う同僚のエリカを宥めるが逆にユウナまで責められていた。

「別に甘くしているつもりなんてないわよ…みんな激務で小さなミスが現れているだけじゃない」

「その小さなミスが大きな医療事故につながるっていつも私が口酸っぱく言わなきゃいくら経ってもこの子たちが成長しないでしょうが!」

「医師の私たちならともかく…もう看護師のみんな疲れているのは明白でしょ」

『……お母さん……』

 初めて目の当たりにする母ユウナの医師としての姿に驚かされるがこうも第一線で医師として同じ医師に意見をぶつけ合う姿を見られる時が来るとは思いもよらなかった。

「それで、黒子…どうしたの?どうして最近あなたらしくないミスばっかり増えたの?」

「ううっ…それ…は…“小児科病棟の幽霊怪獣”が怖くて」

 怯える看護師の通称“黒子”が怖がる対象は医師のエリカだけではなかった。

「最近、夜勤看護をする人から聞いたんです! 夜な夜な、小児科病棟の方から重い足音のような重低音と共にけたたましい唸り声を聞いたって言う人が…」

 怯えながら語る看護師に研修医のメルはポカンとした。

「それが小児科病棟に現れるって言う…幽霊?」

「唯の幽霊じゃないんだ、怪獣の幽霊だぞ! 聞いた話じゃ…この病院が建てられる以前にここで撃退された怪獣が居たとかで…」

「くだらない!…仮にもあなた医療に従事する看護師がそんな根も葉もない噂如きに振り回されて仕事できない言い訳にすらなっていないわ…あなた、今すぐに看護師を辞めるべきね」

「エリカ、言い過ぎよ」

「ミスはミスよ…あとで始末書と再発防止表を提出しなさい」

「はっ…はいぃ」

 半ば呆れた様子で医師のエリカは会議室を後にした。

「…ううっ、すみません…私が看護師に向いていないばかりに…」

「良いのよ、エリカも連勤続きで頭硬くなっているだけよ…あとで私が甘い物でも口に捻じ込んでおくわ」

 落ち込む看護師の頭を優しく撫でて気持ちを落ちつかせるユウナは、にこやかに笑い返した。

「…ユウナ先生…」

『…………………』

 そんなユウナの姿を心なしか不安げな気持ちの籠った眼差しを向けるメルを横目に透明なアキは見る。

 

 

 それからのアキは母ユウナの医師としての仕事ぶりを絶えず目の当たりにするのであった。

「はぁ~い、今日はどうされましたか?」

 母が産婦人科医であったのはアキ自身も認知していた。当然、彼女が診察する相手の多くは女性、あるいは…

「先生、ウチの子最近様子がおかしくて…」

「う~ん…一先ず検査をして見ましょう」

 子供連れの親御さんの悩みに真摯に向き合うのも彼女の仕事であった。

「はい、口を大きく開けてぇ~」

 時に診察をしたり…

「うん、経過は順調ですよ」

 時に妊婦さんの容態を診たり…

「では、アキトシアニンを1週間分お出ししておきますね…お大事になさってください」

 患者一人一人に必要な処方箋を出す、母ユウナの姿は紛れもなく医者そのものであった。

『ボク…知らなかったなぁ…お母さんの仕事をちゃんと…』

 患者が去り、カルテを看護師に回し、業務日報を記載する母の背中を透明な意識体のアキが見つめる。今は居ない母の知られざる姿にアキの表情はどこか物悲しく浮かぶ。

「あの~…ユウナ先生…」

「んっ?…あら、メル…どうしたの?」

 午前の診察を終えた頃にユウナの元へ研修医のメルがひょこりと顔を見せに来た。

「今朝の黒子の件…ありがとうございました」

「あぁ~…いいのよ、別に…エリカの扱いなら慣れたものよ」

「そうですか……でも、先生…先生こそ最後にご自宅に帰られたのはいつですか?」

「えぇ?…いつって……アレッ、今日何曜日?」

 メルが懸念する通り、ユウナは自身の目でカレンダーを見ても今日が何日何曜日なのかも認識できないほどに曜日感覚がズレていた。

「…先生ッ! 先生は本来“小児科医”じゃないんですよ!?どうして産婦人科医の先生が小児科まで受け持たなきゃならないんですか?」

「仕方ないわよ…今はどこも人手不足だし、病院も業績を上げなきゃいけないし…」

「医者の数を減らして入院患者を増やせば業績は上がっても先生たちの負担が増えるだけじゃないですか!?」

 メルは嘆かわしい病院内の実情を訴えるがユウナはそれを受け止めはすれど聞き流すばかりであった。

「息子さん、今も家出中なんでしょ!? 娘さんだってまだ中学生になったばかりの年頃なのにお母さんである先生が居なきゃ…」

「…そうねぇ、バカ息子もアキも心配だけど…仕事は待ってくれないから…」

 ふと哀しげな表情ながらも写真立てに入った家族写真を眺めて、フィルムの反射に映る無理する自分という虚像と写真の中の凶暴な面のユウゴとにこやかに笑うアキの2人の子を抱きしめた母親の自分が重複となっていた。

「先生、午後の診察を開始します」

「はぁ~い…ごめんなさい、メル…話はまた後で聞くから…」

「……わかりました…お邪魔しました」

 そう言って煮え切らない心情のメルとは背中向け合い、ユウナは『あら~道理さん…サチコちゃん、あれから歯医者さん嫌い治らない?』と次の患者とその子供の診察に回った。

 しかし、日に数回の診察だけが彼女の仕事はこれだけでは終わらない。

 その日の内に病院へある一報が入って来た。

「はい、城南総合病院です…えっ?急患の小児性疾患の患者ですか!?」

 ナースセンターから連絡を受けたのは郊外の救急現場で搬送受け入れ可能な病院を探す救急車内電話から救急隊員の一報であった。

「どうしたの?」

「あっ、宮下先生…小児性疾患の患者さんが…」

「貸して…電話変わりました、医師の宮下です」

 ユウナが看護師より代わって受話器を耳元と肩で支えながらメモを取り患者の容態を確認する。

「えぇ~、5歳、未受診、チアノーゼあり、そこから10分?…ICU(集中治療室)は…空いてるわね、わかりました当院まで搬送をお願いします!」

 ユウナは速い決断力で患者の受け入れを独自で決めて電話先の救急隊員に受け入れを許可した。

「待って下さい、先生ッ!?今、他の急患で救命の先生方は居ないんですよ!?」

「私がやれば問題ないでしょ、メルと黒子、木城先生も呼んできて!」

 急な決め事に動揺する看護師たちに有無を言わさずに的確な指示と必要な人材を集める様にユウナは指示をする。

 

 女性更衣室

 

「ユウナ…一体、どういうつもり?」

「何が?」

 連絡を受けて手術着に着替え中のユウナの前に立ちエリカが彼女を問い詰める。

「病院の許可なく勝手に患者を受け入れたりして…しかも急患は未進学児の急病人ですって!?」

「ええ、そうよ…事態は一刻を争うから受け入れたわ」

「勝手が過ぎるわよ!あなた一人の決断で病院を巻き込んで…―」

「今から来る子は親が既に居ない…発見時、親は行方をくらまして子供は1週間近く何も食べず、辛うじて息をしていた…“普通”なら栄養不足による低栄養で失調からの急性狭心症を引き起こして死んでもおかしくない状態」

「“普通”でない…まさか…」

「それにその子は……私が取り出した子の1人よ」

 手術用のマスクを着けて準備を万全にしたユウナには秘密の医師としての側面を有していた。

「なんてこと……そんなまさかよね」

「そのまさかであり、子供を捨てたのも“ソレ”が理由かも」

 エリカは額に手を置いて深く息を吸い込むと…すぐさまロッカーに手を延ばして手術着を取り出すと1分にも満たない速さで着替え終えた。

 院内 通路

 

 病院内の集中治療室まで向かう急患のストレッチャーには身体が未発達故に小さな女の子が酸素マスクを付けられて救急隊員に運ばれて来た。

「ハネちゃん!ハネちゃん!!しっかりして!!」

 ストレッチャーに付き添うのは救急隊員だけではなかった。小さな女の子へ賢明な呼びかけをする赤髪の少女がいた。

「担当医の宮下と木城です!患者の容態は――」

 集中治療室にストレッチャーを向かわせる救急隊員たちにユウナとエリカが合流する。

「意識レベル二桁、呼吸不全による意識障害あり、低酸素、低血圧、脈拍最低を切っています!」

「一刻を争うわね…彼女は?」

「発見した城南児童相談所の職員の方々です!」

 やがてストレッチャーは集中治療室に到着すると看護師たちがストレッチャーを交代して集中治療室へと入った。

「シープの準備!RCMも用意して!それから液化スペシウムも必要になるから!」

「了解しました!」

 エリカは看護師たちに的確な指示を与えて必要な機材と必要な薬品関連の準備を急がせ集中治療室は一旦閉ざされた。

「ここからは私たちの仕事です…関係者の皆さんは外でお待ちください」

 ユウナとエリカは小さな女の子を発見した城南児童相談所の男女の職員を引き止めた。

「わかりました…トモミ君、私たちにできる事はここまでだ」

「あっ、あの!…ハネちゃんは…ハネちゃんは助かりますか!?」

 職員の一人の赤髪のおさげを垂らした華奢な身の丈に合わせた様なレディーススーツ姿の女性職員は心配そうな表情でユウナに尋ねた。

「……助けます…が、未成熟な小児は長時間の手術に耐えきれません 最悪、何らかの障害を患いながらも命を救わなければなりません」

「そんな……でも、それで助かるのなら…それでもお願いします!」

 女性職員は赤い髪を束ねた左右のおさげが床に付きそうになるほどの角度まで頭を下げて来た。

「…必ず、助けます…それまでどうか見守ってあげてください」

「私たちは助力できても、最後は患者さんの気力次第です」

 そう言って、二人の医師が集中治療室の自動ドアが開かれ中へ入ると『手術中』の赤ランプが点灯した。

「ハネちゃん…」

 女性職員は赤いランプの『手術中』と言う文字に祈るように手を重ね合わせて助かることを願うのであった。

 一方の男性職員は同伴してきた警察署の刑事たちに事情を説明していた。

「――では、あなた方が第一発見者と?」

「はい…正確には彼女が…」

 男性職員は刑事の女性2人に発見した女性職員を紹介した。

「はっ、初めまして…城南児童相談所の岡田トモミと言いますぅ」

 慌ただしい様子で女性刑事と児童相談所時代のトモミが名刺交換を交わす間で…

『ピッ…ピグモンさんッ!?』

 明かにこの場で場違いだと自分自身で自覚しながらもまたしても後にGIRLS東京支部でピグモンの怪獣娘として知り合うことになる後の怪獣娘の一人のトモミの知られざる過去に触れるのであった。

「では、発見時のことを詳しくお聞かせください…」

「はっ、はい…」

 城南市内アパート

 

 ごく普通のアパートの一室にドンドンッと強めにドアを叩く音が響いた。

「城南児童相談所の岡田です!ハネちゃんのご様子を伺いに来ました!」

 在りし日の岡田トモミ…この時はまだGIRLSに所属する以前の彼女は児童相談所職員にすぎなかった。

「呼びかけても居ないようだ…電気メーターが動いていない」

 同所の男性職員はメーターに指さす先の目盛りは確かに動いていない…すなわち電気を止められているようだ。

「でも、もう一週間も保育園への通園歴が無いんですよ!?」

 トモミたちが伺いに来た家庭には大きな問題を抱えていた。

「無理もない…園の通報ではハネちゃんと言う子…例の怪獣能力者なのだろう?」

「――突然、怪獣の力に目覚めた影響で一方的に通園を拒否したのは保育園側なのに…なんでも児相に押し付けるなんて…」

「園側の立場もあるのだろう 他の子どもたちの親御さんに波紋が及ぶ前に…というわけだ」

「だからって!……いえ、なんでもないです」

「また、日を改めて伺いに行きましょう」

 コートを羽織る男性職員はトモミに出直すことを促せてその場を引き下がらせた。

―――……パムゥ……―――

「――ッ!?…空摩さん、今、家の中で声が聞こえました!」

「えっ?なんだって!?」

「今の声…ハネちゃんの声です!! 私、裏から回って行きます!!」

 そう言って慌てた様子でトモミはアパートの裏手に回って行った。

「トモミくん…やれやれ、さすがに子供が在宅なのに親が出てくる様子がないとなれば非常事態だな」

 そう言ってトモミの同所職員の空摩は口元を押さえてベッと球体状の物質を吐き出した。

「同じ怪獣仲間と言えど…見過ごせない気持ちは私も同じだがね」

 そう言葉が出て来た空摩の足元より陰る影はどこか節足目の怪獣としての男が隠すもう一つの側面を現すようであった。

 

「うんしょっ、うんしょっと…」

 アパートのベランダ側から乗り上げたトモミは息を荒げながらも何とかベランダ内に入れた。

「……誰も見ていませんね、今なら……」

 そう言うとスーツの内ポケットから手帳型のデバイスを取り出した。

「ソウルライド、ピグモン!!」

 トモミが持つソウルライザーは最初期に怪獣娘たちへ生産された物品であった。当時、GIRLSには登録されているが所属はまだ検討していた頃にGIRLS側から与えられた代物である。

 変身は今と変わらないように人間としての姿から怪獣娘としての姿ピグモンへと変貌を遂げた。

「ふぅ~…少し荒っぽいかもしれませんが四の五の言っている場合もありません 少し、乱暴に行きます!!」

 そう言って窓ガラスに向かって深く息を整えると大きく振りかぶって拳に固めた手をガラスに当てに行った。

―ポコンッ…

「……エイッ!エイッ!エイィッ!!」

 勢いよく言ったわりに窓ガラス一枚を割るにはあまりにも打撃の威力が弱すぎた。

「ふえぇええッ…私の力じゃ全然ダメですぅう!!」

 変身してまで中にいる子供を助けたいのに窓ガラス1枚も割れずに苦戦していた。

「ええっと…何か、何か無いんですか!?……アッ!」

 トモミは周囲をキョロキョロ見渡すと足元にレンガブロックが1つ転がっていた。

「コレで…う~りゃぁッ!!」

 思い切ってレンガブロックを用いて窓ガラスに叩きつけると硬質なレンガは脆い窓ガラスを割った。

「…ハネちゃん!…ハネちゃんッ!」

 割った窓ガラスの止め金具を外して家の中に入るとアパート内はつい先ほどまで生活していたかのような痕跡があった。

「ハネちゃん…どこ?どこに居るの!?」

 懸命に呼びかけるトモミは家の中から聞こえた声の子供を探す。

――…パムゥ…――

「ハネちゃんッ!?」

 声のする場所は敷布団に丸まる山なりの掛け布団からであった。ピグモンは急いで掛け布団を捲り上げると…そこには…

「ハネちゃんッ!?」

 蹲って様子のおかしい呼吸を悔いり返す幼児がいたが、ピグモンにはその子供が本来“もうすぐ小学生”になろうと言うにはあまりにも小さすぎる身体特徴が見受けられた。

 いわゆるこの子は未熟児である。本来の5,6歳児であるなら身長100センチ以上、体重10キロ以上があるはずがピグモンは子供の身体に触れて実感するその重さはあまりにも軽すぎた。

「…ひどい…なんでこんな…」

 触って実感させられるこの小さな女の子に与えられてきたのは“虐待”のそれである。また、現時点で子供の育児放棄まで起きている以上ピグモンが助けなかったらと考えても想像するだけで恐ろしい結末がピグモンの脳裏に過った。

 そんな時だった…―ボンッ!!

「キャッ!?」

 玄関先で突然の爆発音と共に外から何者かがアパート内へ入って来た。

「やぁ、トモミくん…緊急を有する事態の様だったから玄関から失礼したよ」

「空摩さんッ!?」

 爆発音がした玄関から現れたのはピグモンと共にこのアパートへ共に訪問していた児童相談所の上司である空摩と言う男だった。

「どうやって入って来たんですか、と言うか今の爆発音は何ですか!?」

「トモミくん…君に怪獣娘としての秘密があるように、この空摩ネツにも秘密があるだけだよ それより、その子を早く病院へ連れて行こう…既に救急には連絡を入れた」

 そうこうしていると外から救急車のサイレンが響く中、ピグモンは元のトモミとしての姿に戻り救急隊に手に抱える小さな女の子ハネちゃんを託した。

「お願いします」

「了解しました…直ちに搬送先を選定します!」

「我々も病院まで同行します」

 ハネちゃんをストレッチャーに乗せて搬送準備する救急隊員に空摩とトモミも救急車に同乗することに為ったが…

「……………」

 トモミが気に掛ったのは爆発した玄関のドアだった。

 騒ぎを聞きつけた近隣が通報した警察と野次馬で自分たちが訪れたアパートは最早見えなくなっていた。

 現在 BAR1954

 

「―ゴクッ…―ゴクッ…プハァ~ッ、もう今日はピグモンとことん飲んじゃいます!」

 普段は決して口にしない酒類を豪快に飲み干して慣れぬアルコールに顔が紅潮を見せるほどにトモミは出来上がっていた。

「おぉ~、さすがトモチン!いいぞ、その活きよッ!!」

 バーカウンターでトモミの隣で酒を飲みかわすミオはケタケタと半ば面白おかしい今の状況を楽しんでいた。

―カランカランッ…

 そんな2人の怪獣娘たちの前に追加で参加する2人の女性が入店してきた。

「…ピグモンが珍しく呼びつけてきたから何事かと思えば…何やってんのよ、アンタ達」

「おっす、メルゥ~!丁度いい所に来たわね…今、面白い事になってるんだから、こっちきんしゃい、きんしゃい」

 既に何杯か飲み切ってトモミと同じく顔を紅潮させるミオを前にした怪獣娘メトロンこと百地メルと…

「おっ、おい!メトロン…ここってGIRLSのアジトじゃないのか!?」

 私服姿でポニーテール状の髪型で長い髪を一纏めにしたブラック指令であった。

「アジトって…まぁ、勝手に間借りしているのは確かだけど、ちゃんと店主さんの許可は得ているわよ…たぶん」

 メルも訪れておいて自分たちGIRLSが勝手に居座っている手前でこのバーがどういう立ち位置なのかメル自身も曖昧だ。

「ふぇえ?…メルメル?」

「なっ、ちょっとピグモン!?…アンタ一体何杯飲んだのよ!?」

 メルの視点から見てもトモミは顔を真っ赤にしてメルを認識できなくなっているほどに彼女は酔っぱらっていた。

「ねぇ~、まだカルアミルク1杯飲んだだけでこれもんよ!チョーウケるんですけどぉ~」

「ちょっとミオ、アンタまさかピグモンに酒を与えたの!?何やってんのよ、ただでさえ消毒用のアルコールを嗅ぐだけで酔うほど酒に弱いのに…」

「なにを言うんれすか!ピグモンは別に酔ってなんかいまへん!!」

「十分酔ってるわよ…」

 酔いを否定したいトモミだがメルを前にして一切の説得力の無い状態で呂律が回っていなかった。

「アレッ?弁護士先生も居たの?」

「あっ、どうも…お邪魔している上にお席を頂かせてもらっています」

 酔っぱらうミオとトモミの横でグラスを拭き取るダグナを前にしてバーカウンターで酌を手に取る零門をメルは珍しがった。

「いらっしゃいませ、百地メル様とお連れ様…宜しければこちらにどうぞ」

 ダグナの勧めでトモミの左に案内させられたメルは…

「じゃあ駆けつけビール2つ」

「かしこまりました」

 注文を受け付けたダグナがグラスにビールを注ぐ中…

「百地さんとお連れさんはどういうご関係なんですか?」

 零門は見知るメルと見知らぬブラック指令の関係を尋ねて話題を振った。

「前に務めていた病院で研修だった頃からの付き合いです…コイツ、すぐミスしては病院の先生方に怒られっぱなしだったんですよ」

「おいッ!恥ずかしい話題を出すな、メトロン!!」

 思い出したくない思い出が頭の中で過るブラック指令はアワアワとメルの口を塞ごうとした。

「だって事実じゃない…特にアンタ、外科の木城先生にしょっちゅう怒られてたじゃない」

「やめろぉお!!その話をするなぁああ!!」

 ブラック指令は頭を抱えて過って来た病院の看護師時代の記憶がフラッシュバックしてきた苦手な“木城エリカ”医師を思い起こさせた。

「お待たせしました…本日のビールでございます」

「あっ、どうも…まぁ、とりあえずホラッ…」

「ううっ、お前の奢りだろうなぁ…」

「わかった、わかった…病院時代からの同期のよしみでここは私が奢ってあげるから…」

「いやぁ~悪いねぇメルゥ~!ごちになります!」

「アンタは自分で払いな!」

 病院時代のトラウマ呼び覚ますブラック指令への労いにかこつけてミオもちゃっかりビールグラスを互いに重ね合わせてカ~ンッと響く乾杯を交わした。

 

~数分後~

 

「ふぇえええ~~~、GIRLSのみんなさんはピグモンが守ってあげなきゃダメんですぅうう~~!!守ってもらうだけじゃダメなのですぅううう~~~!!」

「はいはい…トモチンは怪獣娘みんなの役に立てているんだから自信持って…よしよし」

「ヒィイイイイ!!ごめんなさい、エリカ先生!!もう二度とミスなんてしませんからぁああああ!!」

「はいはい…もうアンタは病院で働いているワケじゃないんだから…誰に謝ってもアンタの失態を責める人なんていないよ…よしよし」

 1人がバーカウンターに突っ伏して、隣で背中を摩る同伴者…を合わせて2組、ミオとトモミ、メルとブラック指令、4人の酒の進み具合はすっかり酔いどれと化していた。

「大分すごい光景ですね…」

 思わず同席する零門がアウェーを感じるほどに2組の飲み方に気おされていた。

「ううっ…ユウナ先生は優しかったなぁ~…いつもどんな時も辛い時に傍に居てくれて慰めてくれる先生の笑顔…もう一度でいいから見たいよぉお~」

「…そうねぇ…出来る事なら私だってまた会いたいわ、ユウナ先生に」

 元医療関係者のメルとブラック指令に過ったのは世話になった病院時代の恩人ユウナの事が話題に上がった。

「あら?ユウナって…もしかしてミカンのお姉さんのこと?」

「はぁ?ミカンのお姉さん?」

「メルたち、もしかして宮下ユウナさんのこと言ってるの?」

「あらっ?なんでアンタがユウナ先生のこと知ってるのよ」

「いや~知ってるも何も…私をお母さんのお腹から取り出してくれた産婦人科の先生で、アキちゃんとユウゴくんのお母さんよ」

「えっ、えええええええッ!?」

 初めて知らされるミオの口から語られたメルたちの病院時代の恩人であるユウナを通じた共通の繋がりにメルは世間の狭さを実感させられた。




アンバランス小話
『お泊り会』

 一方、ミオたちが酒盛るよりも前にアキの自宅にて半ば強制的に開かれたGIRLS怪獣娘同士のお泊り会は…
「――大体、連絡も無しに急に帰ってきておいてボクに迷惑かけるくせに自分のプライベートになるとコロッと何処の誰かも知らない人とお付き合いしてたなんてボクだってはぁああッ!?って気分だよ!!――」
 こちらもこちらで顔を沸騰させながら憤慨するユウゴに対する不平不満を肴に思い思い溜め込んでいたアキの気持ちが爆発していた。
「おぉ~…すごい、アギちゃん…ユウゴさんに対してすごく怒ってらっしゃる」
「酔っていないはずなのに、顔が真っ赤ですね」
「オレも初めてだ…コーラ1杯で顔真っ赤にしているヤツ初めて見た」
「まぁ、まぁ、アギちゃん…そうカリカリせんと菓子たべな、ホレホレッ」
 こちらもこちらで感情が爆発しているアキを宥めるのに精一杯であった。
 その後、炭酸飲料数本を飲み切って血糖値が上がったアキは誰よりも先に眠りに付いたのは言うまでもなかった。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。