TITANUS‐THE TITAN MONSTRAS‐ 作:神乃東呉
都内高級ホテル スイートルーム
(……あれッ?……ボクたち、なんでこんな場所に居るの?)
そこは特別待遇の上客のみが招待される最高級ホテルの一室でありながらもあまりにもレストラン並みに広々とした空間に四つ角のテーブル席で自分が座っている事さえもおこがましく思えてしまうほどに場違い中の場違いだと思えてしまう。
「宮下アキ、以前あなたには大変ご迷惑をおかけしてしまったお詫びをしたいと思っていました…バトラカ」
「はっ!…それでは僭越ながら我がインファントが誇る最上級のおもてなしをさせていただきます」
―パンッパンッ!
バトラカの手拍子の合図と共に続々とスイートルーム内にワゴンで運ぶ人たちまで正装な装いのシェフたち…それはこれよりテーブルに広げようとする料理の多くに自信があるのではない。誇りがあるのである。その出で立ちもその料理を製作した技術にもすべてにおいて一流のプロフェッショナルたちであった。
「お待たせしました、本日スープ“伊勢海老のビスク”でございます」
アキの目の前に置かれた料理はアキがいままで食べて来たどの料理やGIRLS近くのファミリーレストランメニューよりも高級感のあると認識させてしまうほどに僅かな量でさえ高い格式と技量が伺えた。目で見るだけで既にその料理の旨味を理解させる匂いが鼻を突く。
「えっ、ええっと…どれから使えばいいの?」
「ンンッ、アキさん…フルコースの食器は端から順に出される料理に従って使ってください」
横に居るビオランテの怪獣能力者にして兄ユウゴの交際相手でもある木城アイカから教えてもらいながらスープ用のスプーンを手に取ってオレンジ色の濃密な液体を掬い上げる。
「うっ…これ…本当にスープなの?」
スプーンで掬っただけで液体でありながら固形のように重みと粘り気、しかしながら匂いは芳醇なエビが鼻腔を伝い脳に伊勢海老のビスクというスープ料理が出来上がるに至った材料としての伊勢海老がまだ形を為していた瞬間を連想させる。
匂いだけで様々な脳裏が過る…口に含めば旨味は一気に口いっぱいに解放され旨味の伝達信号が脳に伝わり始める。
「うっ……わかっていたけど…すごくおいしい…」
「ふむッ、なかなか乙な事ですわね…“ジョシカイ”なる催しも…」
最高級ホテルのスイートルームでフルコースの堪能している事をエリアスはこれが“女子会”であると誤って認識している。間違ってもこんな高級感のある食事会を“女子会”などとは言えないとアキは思う。
「ううっ、こんな気の重い女子会した事ないよ…」
なぜ、この場に卓を囲んでアキ、アイカ、エリアスの女子3人がフルコース料理を堪能しながら女子会に至ったのかアキの頭の中で僅か数分前の記憶が過り始めていた。
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都内 私立女子高正門前
試験終了後、黒塗装の縦に長いリムジンの前で正門からリムジンまでの僅かな道のりの間を黒スーツの屈強なセキュリティたちという壁に囲まれてユウゴ達はその道を歩いていく。
「…兄さまの手前、このような御見苦しい場にするつもりはありませんでしたが今日と言う今日は兄さまの口からハッキリとお尋ねしとうございます」
改まって重々しい雰囲気を醸し出すエリアスの口はユウゴに向かって語りかけた。
「わたくしの何が御不満なのですか、兄さまッ!」
「いや、不満も何も…お前がコイツと同じ顔面をしていること自体がシンプルに気色悪いから」
「それ遠回しにボクも拒否してない…」
ユウゴからの返答はエリアスの顔がアキと瓜二つと言っていいほどに酷似している事が彼にとってエリアスから受ける好意自体が強い嫌悪感を抱かせていた。
「貴様ぁああッ!!エリアス様の御気持ちを踏みにじるとはぁああッ!!」
「お前はお前で俺をどうしたいんだッ!?」
エリアスからの好意を無下にしたことに激情したバトラカはユウゴの胸倉を掴みかかった。
「よしよし…エリアス、相手が悪いよ この人は君のそう言う気持ちなんか理解できる感性がないドライモンスターの権化なんだから」
アキはアキでユウゴの事をよく理解する者の一人として落ち込むエリアスの背中を撫でた。
「ううっ…ですが、宮下アキ…アナタは意外にも兄さまからの寵愛を受けていらっしゃるように私はお見受けしたのです…あなたの知りえないところでは兄さまと初めてお会いした時あなたとわたくしを見間違えになっていた程なのですよ」
「エッ!?そうなの!?」
「おい、ソイツにロ・サの時の事を軽々しく言うな…」
アキに向けてエリアスしか知り得ぬユウゴの海外時代の話が耳に入って来る様子を見たユウゴには嫌な予感が過った。
「宜しければ、アナタのお兄さまの知られざる御話をして差し上げましょうか?わたくしが定期契約するホテルのスイートルームでなら以前の御詫びも含めて是非に致させてください」
「ふえッ? 別に話すくらいならいいけど…」
すると、男性セキュリティの背後から宛ら団体行動運動の如く統制の取れた動きで女性セキュリティたちが姿を現してアキの周囲を囲み始めた。
「えっ!?なにッなにッ!?何事ッ!?」
「ささッ、承諾は得ましたわ…その者をリムジンまでご案内しなさい」―パンパンッ―
「わわっ!?ちょっ!?何ッ!?何事なの!?…エッ!?なんで後部座席のドアを…ちょっと待って!!1、2の3じゃなくてぇええッ――ワブッ!?」
エリアスの手拍子の合図と共に女性セキュリティたちは囲んでいたアキを半ば強引に取り押さえてせっせとリムジンの後部座席へと荷物同然に運び入れられた。
「あとは兄さまたちもよろしければ御一緒にいかがですか?」
「分かって言ってるだろう…俺はこの後用事があるからお前にアイツを任せると事前に言ってただろうが…生憎、俺は遠慮させてもらう」
「僕も子供たちを見て居なきゃならないからここまでです」
ユウゴとバラゴンこと土田コウタはそれぞれに用事があるため持ち掛けに離脱をした。
「じゃあ、アキさんと一緒に私も着いて行ってあげるわ」
「おい、いいのかよ アイカ…お前、エリカさんが心配するだろう」
「途中で連絡入れるし、アキさんの保護者同伴と言う事でなら問題ないでしょ」
半ば強引な解釈でアキの保護者としてならと言う理由付けでエリアスたちについて行くことを決めたのはアイカだけであった。
「それに…せっかくの機会だから是非とも私にもユウ君の知らない頃を聞かせてもらいたいものね」
最もただでアキの保護者枠としてだけの理由ではなく、ユウゴの交際相手として交際相手の知らない一面を聞くが為に敵陣へ乗り込むと言う決意すら感じ取れた。
「オホホホッ、アナタさまに御教えする事など何もございませんことよ」
「結構です…アキさんと一緒に居れば話さざるを得ないでしょう」
頑なにアイカをライバル視するエリアスは『チッ、往生際の悪い方ですわ』とボソリと呟きながらも渋々彼女の事も了承した。
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ホテル最上階 大露天浴場
そこは銭湯のように風呂桶がカポンッと響き渡るような空間とは違う古風な内観と神聖な雰囲気を醸し出す建築様式、それは宛ら古代ローマの大浴場の再現であった。それを示すかのように大浴場の奥には何らかの神様を意識した石像が設置されている。しかもホテルの最上階である為、屋上故に天上窓の無い開放感のある露天浴場であった。
「ほへぇ~…これ、なんの神様だろう?」
「愛と美の女神アフロディーテですことよ、宮下アキ…アフロディーテはギリシア神話におけるオリュンポス12神の一柱、有名な所でいいますとルネッサンス期の画家サンドロ・ポッディチェッリの『ヴィーナスの誕生』の絵で知られていますわ」
博識なエリアスに教えられたアキは『へぇ~』と湯に浸かりながら気の抜けた返事を返した。
「御二人とも…御湯加減はどうですか?」
あまりにも気が抜け切れているアキとエリアスの前に違う意味で現実的な美的意識の高いプロポーションの持ち主が同じ浴場へ足を入れ、全身を浸かり、肩まで入って来たが……
「ウグッ…なっ、なんたる豊穣な身丈…ううっ、こればかりはわたくしに軍配がありませんわ」
「すっ…すごく綺麗な肌…いいなぁ~」
同じ顔をした二人が左右から回り込んで後から入って来たアイカの全身像をまじまじと見定めてみるとフラットな見た目のエリアスや少し肉付きのあるアキよりも格段にプロポーションの差でユウゴと比較して並び立つ交際相手との差に納得が行った。
「極めつけはこの果実…何ですかこの硬すぎずも柔すぎずと言った代物は!?関税です!これは関税制裁級ですわ!!」
「お腹回りもすごい細いなぁ~…どんな物を食べたらこんなに細くなれるんですか?」
羨ましさのあまり左からエリアスに胸をつつかれたり、右からアキに腹回りの細さを羨ましがられる視線を受けたりとアイカにあって二人には無い要素を魅力として捉えられていた。
「御二人もいつか素敵な女性になれますよ…私なんてまだまだ…ユウくんにだってまだちゃんと女性として見られているワケじゃないんです…どっちかって言うと付き合いの長い友達以上恋人未満レベルの交際だから…」
アイカは二人からの羨望の眼差しとは逆の認識、所謂“謙虚”な姿勢でユウゴとの付き合い方を認識していた。
「そんな…アイカさんは全然そのままでも綺麗な方なのに…あんなドライモンスターのどこがいいんですか!?」
半ば『考え直せ』と言わんばかりにユウゴの内面を知る妹のアキだからこそ言える若干ネガティブキャンペーン染みた説得トークに華開く。
「料理、洗濯、家事が出来て、無駄に理知的で、無駄に態度が大きくて、無駄に図体が大きな等身大の怪獣ですよ!?」
「前半ほめてないですか?」
「さすが兄さまです!」
三者三様の認識であった。それぞれがユウゴに慣れているからの視点、ユウゴと付き合っている視点、ユウゴを愛している視点で者を語る為、それぞれが相違的な意見も出てくる。
「でもまぁ、そうですね…ユウくんってあんな性格だから誤解されがちだけど決して完璧な面もない所もあるんですよ」
「ホヘッ?どんな所ですか…」
「……普通にベッドで寝ない所とか……」
「「あぁ~~」」
アキとエリアスも納得のいく意見に両手をポンッと叩いた。
「なんで天井に張り付きながら身体を横に出来るのか…付き合いソコソコだけどこればかりは納得できないですね」
「確かに、たまにお兄ちゃんの部屋に入ると…お兄ちゃん、天井に足つけて逆仁王立ちしてたもんなぁ~」
「まぁ、そこが兄さまの魅力ですことよ…そこも愛せないとは交際者とは申せませんわね」
「エリアスは何をそこまで張り合ってるのさぁ…」
分かりきっていたが明らかにアイカにライバル視をした意図を感じていたアキだが身内であり血を分けた兄のどこが良いのか、生まれてこのかた現在に至るまでを数えて16年間も兄に対して“そういった感情”を抱いた試がない。ましてや一度はエリアスと自分の服を交換しただけでGIRLSのみんなを騙せたレベルで同じと言っていい顔立ちが兄ユウゴの言っていたことを理解させる。
(まぁ、確かにボクと同じ顔した人が言い寄ってくるって…不気味だよね)
「宮下アキ、今しがた失礼なことを考えていませんでした?」
同じ顔して恐ろしく勘が鋭いエリアスにビクッ!と反応をしてあからさまに図星であることを見抜かれるなどエリアスどころかアイカにもわかりやすかった。
「――…はぁ~、わかりました…わたくしばかりが意地になってもしかたありませんわ この際ですから御教えしましょう…どうしてわたくしが兄さまを御慕いしているのか そのワケをいい加減ご身内でもあるあなた方にも御教えいたしますわ」
温かな湯の中を進み、女神アフロディーテの石造の前で彼女はその石像に背を向けてアキとアイカの2人の知らぬユウゴの話を語ろうとする時がきた……
――バタンッ!!
「ひゃっほぉ~~オッ風呂ひろ~いッ!!」
「アひゃひゃひゃッ!!なにアレ、へんな石造ォ~!!」
女子3人で語らう湯の場に酔っぱらって呂律と言動のおかしな利用客が乱入してきてエリアスの口から話そうとしていたユウゴのことを迷惑な客に塞がれた。
「なにものですの!?公衆とはいえど限度がありましてよ」
「誰だろう…こんな場所に…」
「あれれ~~ッ、なんだチミはってか?…そうれす、わたすがベムラーこと名探偵のミオさんれすッ!!――ヒック!」
湯気でシルエットしか見えなかった迷惑な客のその素顔を確認するとアキとエリアスに血の気を引かせた。
「ゲッ、兄さまたちに寄生する害獣女がなぜここに!?」
「ミッ、ミオさん!?」
「えっ、御二人の御知り合いなんですか!?」
突如、女子3人で語らう場に相応しくない酔っぱらったベムラーこと天城ミオと何故か同じくらい酔っぱらっている連れと同伴していた。
「あんれぇ~~、ちみたち…なんだかわたすのかわいい妹分のアキちゃんに似てるぅ~~、アキちゃんが1人、2人、また1人、また2人…うぶっ、なんかきんもち悪い」
その表情から分かるようにミオはかなり顔色を悪くしてアキとエリアスをハッキリ認識できていないほどに酔いが頭を回していた。
「だっ、大丈夫なのミオさん…顔色悪すぎるよ」
「宮下アキ、あまり関わらない方がよろしくてよ」
これ以上ややこしくしない為にもエリアスはミオを悪酔いさせた状態にさせておくのが賢明だと考えたが…
「「おっじゃましま~す!!」」
悪酔いするミオと同伴者が肩を組みながら湯船に全身を浸かった。
「「……―――――――」」
―バシャァアン―ブクブク.。o○―
二人揃って首筋から額に至るまでの素肌を紅潮させて顔を湯に突っ込んだまま水面に浮かぶ度座衛門と化した。
※酔ったままの入浴は危険です。絶対にマネをしないでください。
「ミオさんと知らない人ォオオッ!?」
「たっ、大変ですッ!一気にのぼせていますよ、この人ら!?」
慌ててミオと連れの女性をアキとアイカが湯船より引きずって出すとわかりやすい程に全身を真っ赤にして意識を失っていた。
「はぁ~ヤレヤレ…こうなってしまっては御話どころではありませんわね」
「ゴモッ…サラ、バカ…」
呆れ果てたエリアスの横で同じく少女も呆れ返る。
「バトラカァアッ!!」「キリュウゥウッ!!」
露天の空に向かって助けを呼びかけるかのように大きな声でエリアスと少女は頼る男手を呼びつけるが…
「「エッ!?」」
今になって互いに呼び合う者が隣同士に居る事に気が付いてエリアスと少女は顔を合わせあった。
―ブゥウウウンッガシィン!!
「エリアス様ッ!何事ですか!?」
―ガチャンッ!!
「何事だい、メカゴモッ!!」
呼びつけられて羽根を広げながら文字通りホテル外から飛んできた怪獣戦士(タイタヌス)であるバトラカがバトラに変身して露天浴場に降り立ち、更衣室と浴場に通じるドアから入って来た謎の青年…
「「……―アッ―」」
バトラと青年の前には裸の女子が数名、仮にもこの場は一応、“女湯”である。
「いいいいいいやぁああああああああ!!」
「きゃぁあああああああああああああ!!」
アキとアイカは取り乱して近くにあった風呂桶をアキは青年に投げつけ、アイカは自身の蔦能力を巨大な拳に成形してバトラにぶつける。
「ゴバァッ!?」
「グぁああああああああ――……」
青年は風呂桶の直撃を受けてミオたちと同じく気絶、バトラはそのまま露天浴場からホテル下まで落ちて行った。
「御二人とも……これ以上、怪我人増やしてどうするのですか?」
「「…あっ、ごめんなさい…つい」」
エリアスに諭されてから我に返ったアキとアイカの足元にはのぼせて紅潮の酔っぱらい二名と出入り口で気絶する者一名、ホテル下の雑木林に頭から突き刺さる怪獣戦士(タイタヌス)…場はカオスを極めた。
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――エリアスのスイートルーム――
場所を変えてエリアスたちインファント外交官専用室であるスイートルーム内でのぼせ切ったミオと連れの女性にバスローブを着せたままキングサイズのベッドで横にさせたまま顔に冷たいおしぼりを熱冷ましにあてがった。
「酩酊者二名、共に命に別状はありません…しばらくすれば意識は戻られるでしょう」
「……とても無事には見えない気が……」
バトラカなりの適切な処置なのだろうが、ベッドで寝かせるミオたちのその姿は両手を揃え重ねてへそ前に置き、顔一面におしぼりを被せる…アキには生きている者の扱いには到底思えなかった。
「一応、呼吸は確保させるために口元半分は空けてある…見た目通り、これで少しはこの者たちの頭は冷えるだろう」
別の意味でこの人たちが冷え切った状態で発見されそうな気がするアキだがよくよく考えてもミオの自業自得であるからそれ以上の事は口を噤んだ。
「ええっと、まさかこんな形でユウくんのお姉さん…みたいな人?に出会えた…のでしょうか?」
「うう~ん…違うような、そうでもないような…とにかくアイカさんが会っていい相手ではないですよ」
思わぬ形でミオとの対面となったことに心配をするアイカを余所に彼女の肩をポンッとアキは触れる。
「ウウッ…ユウゴ君のバカ~~…泥棒怪獣めぇ~~…八つ裂きにしてやるぅうう~~…」
ユウゴの彼女として顔を合わせるべき相手から寝言でとんでもないことを魘されながら言っているミオに対してアイカとアキは血の気が引いていた。
「アッ、アイカさん…アナタは絶対にこの人と鉢合わせちゃダメです!いざとなったらボクが絞め墜とします!」
「しっ、絞め墜とすッ!?」
こちらもやたら物騒な決意を固めてくるアキにアイカの額から冷や汗を垂らさせた。
「あの~…ウチのサラさんが御迷惑をおかけした上に先ほどはすみませんでした」
今度はもう一方の酔っぱらっていた女性の同伴者と思しき男性に深々と頭を下げられた。
「こちらこそ、変に取り乱して桶なんかぶつけてしまってごめんなさい…」
アキも同じく大柄な男性よりも低い姿勢で腰を曲げ、頭を深く下げた。
「オマエ…カプセル怪獣アギラ…ゴモ」
「へぇ?…なんでボクのこと…知っているの?」
頭を下げた目の前に立つ少女からアキはまだ自分の素性も明かしていないにも関わらず白髪のカールヘアーの少女の吸い込まれるような瞳にジィーと見詰められた。
「…古代怪獣ゴモラ、どくろ怪獣レッドキング、カプセル怪獣ウインダム、ミクラス、オマエのナカマ、会ッタ」
「えっ!?…そうか、ミオさんがココに居るってことはあなたたちはミクちゃんたちとさっきまで一緒に居たんですよね」
「あぁ、はいッ…サラさんの飲み友達さんのお連れさんとは確かに途中まで一緒でしたけど、夜遅くでしたので皆さんとは途中で解散しました 申し遅れましたが僕はサラさんの付き添いの桐生シュンイチと言います」
「ゴモはメカゴモ…アッ…五目メイカ」
「それから、今そこで眠っているのが湯原サラさん…僕たちの…まぁ、命の恩人と言いますか身元保証人と言いますか…」
かなり複雑な事情があるような気がしたアキは挨拶を交わす程度にとどめてそれ以上は聞かなかった。
「それにしても厄介な者がココを偶然とはいえ嗅ぎ付けて来ましたわね…少々厄介この上ない状況ですわ」
エリアスの懸念通り、このままミオが意識を取り戻してアイカを認識しようものなら何をしでかすか分からない恐ろしげで危なっかしい状況であった。
「でしたら…これ、よかったら僕たちが本来泊まる予定だった御部屋、使ってください」
それはシュンイチとメイカとサラが本来寝泊りする予定であった部屋のルームキーであった。
「どうやらお互いこの階の隣同士らしいので…僕はこのままサラさんの傍に居ておきます」
「すみません何から何まで…」
アキは申し訳ない気持ちを抱きつつもシュンイチからルームキーを預かった。
「おこがましいかもしれませんが…ついでにメイカもそのまま皆さんと一緒に睡眠を取らせてあげてください」
「ヤーヤーッ!キリュウ、一緒ッ!!」
アキたちにメイカを任せようとするもシュンイチの手にしがみついて離れようとしなかった。
「コラッ…メイカ、この機会に僕以外の人と一緒に過ごすってことに慣れないと…僕以外に心を開かなきゃ、いい子だからッ」
まるで少し大きな幼稚園児を扱うようであった。メイカ自身アキの中で知る友人の中でミカヅキと同じ背丈の少女が人見知りを抱えているのだと見てわかった。
「メイカちゃん…メイちゃんって呼んでいいかな? メイちゃんは桐生さんが大好きなんだよね」
「ううっ…ウンッ、キリュウのソバ、好キ」
「だよね…でも、時には桐生さんも具合の悪いお姉さんを診て居てあげなきゃならないんだ…そんな時、メイちゃんが桐生さんの負担になると桐生さんの両手はメイちゃんと具合の悪いお姉さんの両方を触れてあげなきゃならないでしょ…メイちゃんにソレが出来る?」
アキは指導課のノウハウを生かして精神的に未熟なメイカにシュンイチが今しなければならない事の意味とそれに専念してもらうには彼女がどうするのか、自分自身で自発させることを促す。
「ううッ…ソレは…キリュウがタイヘン…」
「そうでしょ…だから少しの間だけ、ボクたちと一緒に御話をしたりして一晩だけ一緒に過ごそう」
「私もメイカちゃんと御話させて…丁度君くらいの子と過ごすこともあるから面白いお話、出来るよ」
「バトラカ、直ちにルームサービスでティーと菓子の用意を」
「かしこまりました、各所のブランドより早急にお取り寄せ致します」
アキとアイカはメイカを慰めつつシュンイチの手を放させ、エリアスがバトラカを通じて別室にて軽く摘まめる夜食を取り寄せさせた。
――別室・スイートルーム――
所変わってココはエリアスたちの部屋よりコンパクトな間取りだがそれでもアキの現自宅のリビングよりも広い部屋の中でメイカも交えた女子4人だけの本格的な女子会と呼べる場が訪れた。
「そうだよ…コレだよね、これこそ女子会って言うんだよエリアス」
「う~んッ、コレがジョシカイ…いささかわたくしには物足りなさを感じ得ませんが宮下アキが申されるのでしたら御認め致しましょう 茶菓子をあまり用意できずに申し訳が立ちませんわ」
「いやいや、十分そろえられているじゃないですか!?何ですか、このアフタヌーンティーフルセットみたいな質と量ッ!?」
「ゴモッ…キラキラクイーン、サラよりカネ使いアライ」
時刻は既に深夜差し迫っている時間帯にも関わらずバトラカに用意させたツマミ程度の茶菓子はどれも老舗有名ブランドの最高級品ばかりがテーブルいっぱい、ケーキスタンドには色とりどりの菓子がこれでもかと乗せ切ってもはや菓子屋が開けるレベルの品揃えであった。
「ボクたち、確実にお菓子の食べ過ぎで悪い病気になりそうだよ」
「心配いりませんわ…ここにあるのはすべて食べきっても摂取される糖質は抑えられるよう調整された品々、バトラカはそういう所は抜け目ありませんことよ」
用意周到にエリアスが摂取するであろう分量を緻密に計算した上での量と質が完璧にそろえられた品々であったことにアキたちは度肝を抜かされた。
「お姫様って大変だね」
「慣れれば扱いなど造作もありませんことよ…あの堅物には顎で使う程度で十分ですわ」
以前、アキがコンビニでアイスを買わせに行かせようとしても聞き入れてもらえなかったのはエリアスのこういう気質がアキには足りなかったことが何となく理解させられた。
「あ~ぁんッ…ほれにしても、やっぱ結局お兄ちゃんの昔の事なんてボク自身、そこまで知りたいって気も無いのかも――モグモグ――」
「そうですね、私も今のユウくんがいればそれでいいのかもしれません…あっ、でもユウくんの中学時代とかは知りたいかもですね」
「なんですの、兄さまとは2年前からの付き合いではありませんこと?この上さらに兄さまの何を聞こうと言うのですか!?」
「…マカロン…一つ当たりのカロリー数…79.23プラスマイナス4キロカロリー…」
4人の女子同士で交わすことはそれぞれが知るユウゴのことや普段のシュンイチとサラとのこと、バトラカの堅物エピソード、どんな男性がそれぞれ好みなのかを語明かすが…
「お兄ちゃん以外ッ!」
「ユウくん一択ッ!」
「兄さま一筋ッ!」
「キリュウッ!」
皆、それぞれ決まり切っていて互い打ち明かしてもわかり切っていた…だが、それがいざそれぞれ1人1人が言い合わせてみてもみんな可笑しくなって不思議と笑みが零れた。そんな可笑しな話を弾ませていると不思議と菓子はあれだけあった量をたやすく平らげてしまった。
「それじゃ、みなさん…寝る前に、歯、磨いちゃいましょう」
年長のアイカを筆頭に皆が洗面台にて歯ブラシで歯を磨き食べ続けていた菓子のこびりつきを磨き落としていく。
「……インファントでは表裏両方にブラシの付いている“ブブシラ”と言うブラシを使って磨きますのよ」
「へぇー…歯間ブラシは?」
「モスラワタの繊維糸」
「ほへぇー…」
ここでの会話は何処か気の緩い話ばかりであった。
「メイカちゃんも口空けて…お姉さんが見てあげる」
「ンッ」
此方はアイカのお姉さん行為の慣れたやり方を見たアキはお姉さんと言う存在が本来どういう姿形なのか、今の目にしている光景こそ本来の年長者の在り方だと納得させられ頷く…少なくとも宮下ユウゴ(ドライモンスター)や天城ミオ(ダメカイジュウ)に比べるとその差は雲泥の差であった。
――エリアスのスイートルーム――
「フゴッ…むにゃむにゃ…ZZ~」
「うぅ~ん…シュンイチさん…そんなに…求められてもぉzz~」
一方のこちらは正反対に自堕落なミオの寝相が悪く情緒不安定なサラの胴体を強い力で抱きしめ挙げていた。
「……ナイトをBの6にてチェックメイト」
「あっ…う~ん、いい線行ってたと思ったんですけど負けちゃいました」
その一方で怪獣戦士(タイタヌス)の一人であるバトラカがシュンイチ相手に一間のチェスに興じていた。
「いいや、貴公も中々筋がいい…序盤は私の方が危うかった、経験値のある私の戦略勝ちに過ぎない」
「それでもまだまだ敵いませんよ…」
「ふん、今しがた教えたばかりにここまでの手数は出来ん…さすが特生怪獣第4号…と言った所か」
「特生…何ですかそれ?」
シュンイチはバトラカに自身の素性を見抜かれてはいたがシュンイチが同じく怪獣戦士(タイタヌス)として彼の前に姿を見せたバランとは違う呼称でシュンイチの事を呼んだ。
「お前を始め、この国の連中も我々を認知し始めている…形は違えど我々は『特異不明生体怪獣』とこの国の公務機関が符号付きで呼ばれている…貴公はその4番目、と言う意味だ」
「へぇー、僕以外にもやっぱり怪獣の能力を持たれている方がいるんですね…なんか、機会があればもっと他の人たちと会って見たいです!」
「…会ってどうする?」
「もちろん、僕のこの力のこと…怪獣との向き合い方……何よりも、その人たちと親しい友人に慣れたらいいな~って今は思います!」
バトラカはバトラカの知る中でも今までに居なかった怪獣能力者として怪獣の力を身に宿す者の考え方とは逸脱したものの見方をするシュンイチに首が傾げる。
「なんかいいですよね、『怪獣の集う会』とか開いて、僕が最近打ち込みだした家庭菜園なんかを一緒に手伝ってもらったりなんかして――」
しかし、話を進むにつれて何処かシュンイチには楽観とも取れるような声が出た。
「……気持ちに水を差すようで悪いが…“機龍”…貴公が思い描く怪獣の能力を宿す者…特にお前や私、そして他の怪獣能力者の中でも怪獣戦士(タイタヌス)の役割は貴公が連れそう怪獣娘とは違う…寧ろ違う生き物と思わねばならない」
「僕と…メイカが……違う、生き物?」
同じく怪獣の力を宿すメイカたち怪獣娘とシュンイチの真横に差し込む月光の光に照らされて反射して映る虚像に『機龍』が映し出る。
「……貴公は怪獣として怪獣であることの意味を理解することになるだろう…それが貴公にとって望まぬ形で終わりを向かえねばならない時が来る」
同じく相対するバトラカの映る窓ガラスの虚像には『バトラ』が映る。
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日本国内 某所
そこは世間からも公務の内側からも限られた者にしか出入りを許されない公には決して日の目を見ない空間に向かう通路をユウゴが歩いていた。
「……わざわざ、俺を呼ぶだけの理由があるのか 公安ともあろうアンタらが」
「その公安でも手を焼く案件であるからお前を呼んだ…ゴジラ」
通路の先にとある一室に通じる扉の前で公安外事5課の公安捜査官としての顔を持つヒエンがユウゴを待ち構えていた。
「……ここか」
「あぁ、言語は分かるクセに我々との対話には一切応じる様子がない…と言うより我々とは話す気もないと言った態度を一切変える気が無いらしい」
ヒエンはポケットから取り出した好みの銘柄のタバコを箱頭からトントンと叩き出て来た一本を口に加えてそのままライターで火をつけると一服決め込むなり溜め込んだ口内の煙を一気に吐き出した。
「…あと残るはヤツの母国語だけ…その言語を放せるヤツに任せるさ」
「…フンッ、要するに俺の役割は“通訳”か」
「そういうことだ…話が早くて助かるよ」
一服を吸い切ったヒエンはポケット灰皿に吸い終わったタバコを捨ててヒエンの横隣りにあるドアのノブを捻ると扉が開かれるなり数名の捜査官たちが入って来たヒエンとユウゴに目が向いた。
「…齋藤、あれから彼女は?」
「依然、変わりなく…GIRLS東京支部爆破未遂の証拠を提示しても黙秘を貫いています」
ヒエンの同僚にして相棒の捜査官“齋藤”は振り返って大きめの窓ガラスに目を移すとそこには刑事ドラマでもよく見かけるような取調べ室と同じ構造の内部の様子が伺えた。
そこには一人の女性がいた。くだんのGIRLS東京支部に向けて自爆ドローンを差し向けた容疑者である。
「名前からしてベトナム人、経歴からして2年前に日本へ技能実習生として来日、職を転々としながらも行方不明となり現在は公安に取り調べられている事に“なっている”のがこの女の偽装した素性だ」
ヒエンが取り調べを受けている外国人女性の日本国内での偽装名義の情報が収められたファイルをユウゴに手渡した。
「…乗っ取りか…それとも素性そのものを買い取って成りすまして潜伏していた…か」
ユウゴが開いたファイル内のベトナム人女性と取り調べ中の外国人女性…写真と本人は全くの別人であった。
「技能実習を終えて本国へ帰国した人物の日本国内での個人情報を斡旋するブローカーと通じて排獣運動組織と接触していた裏は取れている…が、問題は当の本人は一向に口を開こうとしない、完全黙秘」
「我々としても彼女を元居た場所に還すべきと考えるが…如何せん国が国なだけに重大な外交的な問題も生じる」
「だからと言って俺の能力が必要になる事態とは思えんが…それこそ受け持ちの国側が出向くのが筋だろう」
ユウゴは取り調べ中の女性が抱える問題が外交的問題に大きく関わるなら自分に出来る事は少ないと主張するも…
「俺の言葉を訳すだけでいい…あとの事は我々とお前の妹モドキの彼女に任せることになる」
そう言ってヒエンは早速取調べ室内にユウゴと共に入って担当する女性捜査官と席を変わって向かい合う側の席にヒエンが腰かけその隣でユウゴが補助に付く。
「…取り調べを変わって私があなたの担当になります、千鳥です」
「…ヒュン オービマ、オイマヴィガズ ガザドラーザ、チドリ」
ヒエンが発した言葉の単語一つ一つを文長に訳して見せたユウゴの翻訳言語に外国人女性はこれまでにない強い反応を示す。
「あなたに付随する我が国での罪状は【爆発物取締罰則違反】、【テロ等準備罪】含めた数件の余罪、お間違いありませんね」
「メイ、ファグメルドカル、ドーヴァチュフェルグリュマ――」
ヒエンの言葉を続けて訳し続けていると…
「オイナフハリマ、インファンカダドマス、ワグドムシィーエリアス(お前のその言葉…エリアスの入れ知恵か?)」
これまで反応を見せなかっただけでなくとうとう声を発したことに捜査官たちはマジックミラー越しに驚愕させた。
しかし、当のヒエンもユウゴも取り調べる者が何者なのか確証を得て目の前の女性が何者なのか確かな認識の見解を一致させた。
「…やはり、間違いはありませんね……アナタはインファイト王国元第一女王候補者、“ベルベラ・メイ・フツア”さんですね」
その女性はエリアスの国インファントを追われた元王女その人であるとヒエンは再び問いただした。
アンバランス小話
『開けずの部屋』
ミオたちと別れたあと家族と住まう自宅のあるミクとレイカとは違い一人暮らしのミカヅキとベニオは自宅まで遠く夜遅い時間故ミカヅキのツテである場所に泊めてもらう事になっていた。
「ひゃぁ~さすがアンちゃん、省庁官僚って結構ええ暮らししとるやん」
「すみません、俺までわざわざ…」
「かまへん、かまへん、ミカ坊の友達ゆーなら気兼ねなく泊まっていきな」
都内の戸建てに居を構えるのはミカヅキの同郷の庵堂アラシの自宅であった。
「いえ、その~…奥様にも御迷惑では…」
「家内はロシア大使館でのパーティーに出席しなならへんからこの家には俺一人やったから」
黙々と台所で客人のミカヅキとベニオに振る舞う粗茶を手際よく作る最中、ソファーでなにやら落ち着きのない動きをミカヅキがする様子にベニオは首を傾けた。
「何やってんだよ、オマエ…」
「いや、なんかこのソファー、座り心地が……んっ? って、これソファーやないやんッ!?」
ミカヅキがソファーと思い込んで座っていたのはミカヅキの身の丈と同等の高さを誇る飛騨の名産品『さるぼぼ』であった。家の中には多くのさるぼぼグッズで溢れかえっていた。
「すげぇ~、確かお土産とかで有名なヤツっすよね コレ」
「まぁな、ワケ合って出張の旅に買い揃えていくうちになんか家に集まり初めてもうて……」
「またまた~、ウチ知っとるで…この人形って『夫婦円満』の上に『子宝』にも纏わるヤツやろ~ かぁ~~~このおしどり夫婦めッ!!」
触れる必要のない事に敏感に追求するミカヅキはニヤついた表情を浮かべて徐に等身大さるぼぼから立ち上がる。
「そなわけで、アンちゃんとお嫁ちゃんの愛の巣探索や!」
「あっ、おい!ゴモラッ!」
「別にお前が思うようなもんは何も出てこうへんぞ」
ミカヅキの態度に同じ怪獣娘としてベニオが謝り、平然とするアラシだった…が…
「あらら~、なんやここ?…ココだけなんで厳重なん?」
ミカヅキの声から察したアラシは血相を変えて慌ててミカヅキを追いかけた。
「まてぇ、ミカ坊ッ!そこだけは開けるなッ!!」
「おい、ゴモラッ!アラシさんがかなり動揺しているぞ!なんか知らないけど、変な事するなッ!!」
アラシの忠告と共にベニオもミカヅキに静止を促すも言って止まるような彼女ではない。
「開けるな、開けるな言われると開けとーなるやん…どれどれ~、御開帳~♪」
そう言って悪びれることなくやたらとお札が張り巡らされた扉を開くと……
――ヴィィィイ……ヴィィィイ……ヴィィィイ――
――ヴィィィイイイイイイイイイ――
部屋の中には無数のさるぼぼとは対照的な呪物的気配と不気味に耳小骨にまで届き響く独特な怪音が聞こえてくる恐怖の人形軍団がミカヅキを見ている。
―バタンッ!!―
「はぁっ、はぁっ、はぁっ…おっ、オマエ、何を見た」
「なんやアレッ!?なにあの超怖い人形部屋ッ!?」
「えっ、何ッ?何がいたんだよ!?」
息を荒げるアラシ、戸惑うミカヅキ、何が起きたのか分からないベニオ、その部屋はアラシの妻アナスタシアの故郷ロシアから度々送られてくる“ヴィイ人形”のための部屋、あまりにも増えすぎて軽くヴィイ人形軍団と化していた。
「…結婚後に親戚中から送られ過ぎてウチの部屋一室犠牲にして封じ込めているんだよ…それ以来、相殺するために飛騨のさるぼぼを買い集め始めたんや」
「「ええーー…」」
アナスタシアの親戚の伝統では新婚の夫婦が故郷を超え遠い異国の地に渡るとヴィイ人形も地を超えてやってくると言う習わしでアラシ宅に送り付けてくるのである。親戚地域では伝統でもロシア国内では触れてはならない禁忌とされていたりもする。