TITANUS‐THE TITAN MONSTRAS‐   作:神乃東呉

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応戦 機龍としての戦い

―・13時20分・―

 緒碓新官房長官、緊急会見終了後

 

 同時26分 山陀ツクヨミ外務大臣他官邸到着

 

 同時28分 園崎防衛大臣他官邸到着

 

 首相官邸内は騒然としていた。ここが騒然とするような事態とは非常事態の災害及び国家を揺るがす事件で内閣の閣僚が官邸に急ぎ足で訪れては到着後にこの場所がすぐさま『官邸対策室』として機能し始めるからである。

「どうやらあなたがこの部屋の一番乗りの様ね、山陀くん」

 既に官邸対策室として総理及び各省の大臣が集まる会議室には大臣としてまずツクヨミが先に席へ座していた。

「私は世田谷の“洋館”に居ましたので向かうには早急を要したまでです…園崎防衛大臣」

「そう…でも、メディアは既に騒ぎ立てているみたいよ…ネットでは早速フェイクニュースの情報合戦、週刊誌は怪獣能力保有女性の暴走事故関連として取り出し始めています」

 山田の席の横数列となりに同じく座して事態についての意見交換を交わす政界同派閥の議員“園崎防衛大臣”、女性ながらも巧みな政治手腕と地元選挙区を勝ち抜いて前内閣では文部科学大臣を歴任し“怪獣能力保有女性支援法”の立憲に尽力した言うなれば“怪獣娘の立役者”とも言える女傑議員である。

「園崎先生こそ…地元講演会を引き返してまでこちらにいらしていただき心強いです」

「世事は結構…私たちの間ではどちらかがここに着いている時点で対応は決まっています ですが、放射性のモニタリング数値は無視できない案件ですので防衛省としても状況を把握したい気持ちが今にも前にと首が伸びているのは明白 第4号の件も無視できません」

「…第4号…彼の現状は?」

「既に都を離れ、陸自の輸送ヘリで函館まで運搬している次第です 正直アレは陸自のみならず国防に関わる重大事案を秘めたるもの…それ故にそのお鉢が自分の代で訪れるとは――」

 俯き気味の頭を抱えつつも集められた資料を同省の部下たちに手渡されては整理を会議室内で進める中…

――ガチャンッ……

 緒碓内閣官房長官 閣僚会議室 入室

「あら、お噂すればなんとやら…」

「…………」

 会見を終えた緒碓が議員一同に礼をと会釈はすれどツクヨミに対しては目も合わせねば見向きもしない。

「やはりあなた達は政敵ね…どう言った御縁かは存じないけどよっぽどと見たわ」

「……古い友人でした…今はもう…」

「―総理、入られます―…」

 同時42分 長谷川内閣総理大臣到着

 同時45分 内閣総理大臣はじめ各省庁関係閣僚、緊急閣僚会議を開始。

 

 

「――同時刻に発生した怪獣能力者による特殊能力事案は…“局所的放射性能力の一時的放出”であると確認され過去有害怪獣能力と比較しても極めて低い数値であると見て――」

 同時刻 『特異不明生態怪獣第1号事案』に対して閣議決定された事は以下の通り…

 

・特生怪獣第1号他、特定異常能力(特異)を有する怪獣能力保有者の国内における残存の有無を究明及び解明。

・怪獣能力の解析、第1号の能力から学術的有識者を交えての協議を行うものとする。

・同・怪獣能力発現女性(別称:怪獣娘)にも以上の能力を有する危険性と安全性の確認が取れるまで在日本国際怪獣救助指導組織(別称:GIRLS)の無期限停止を決する。

 

 それはツクヨミが想定していた以上の国家的なペナルティーだった。

「……総理! 外務省より改めて提言いたします!」

 閣僚会議終了後、山陀ツクヨミ外務大臣は長谷川内閣総理大臣に対し他議員及び警備の静止を振り払って提言を主張する。

「………驚いた……あなたも…怪獣能力者だったんですね」

 官邸警備、意識不明者多数。

「こうでもしないとあなた方は私の話を聞いて下さらないかと思いまして…私は“ヤマタノオロチ”、ご存知通り『日本風土記』にその名を連なる1柱の怪獣です」

 山陀ツクヨミ外務大臣、官邸通路にて怪獣能力者であることを告白、及び証明、現場に居合わせた者の証言では『背中から7つの竜と8本の尻尾、異形の姿…だけれど外務大臣のその顔つきは…どこか静観で敵意は無いと自分でも理解できましたけど…もし手元に拳銃を所持していたら間違いなく自衛を選んでいました』と…――以後、総理大臣権限により本件に対して戦後初の緘口令を発令及び通達。

 

 

 同日 14時・総理執務室

 

「――…事と次第では、これはれっきとした内乱罪となってしまうことを承知での事かね?外務大臣」

「…お見苦しい姿を晒すのは申し訳が立ちませんので一応にスーツだけは元に戻させていただきます」

 その顔つきと手先は龍を連想させる異形なれど格好は先ほどまで人間であった山陀ツクヨミ外務大臣のオーダーメイドスーツを羽織る怪獣そのものであった。

「…君はメディアや他の大臣が離れた瞬間を狙っていたね、賢しい手段だと思うよ」

「特に現官房長官とあなたが離れている場が絶好の機会でした…正直、メディアが新たな官房長官に付きっきりの時期こその結果です」

 長谷川総理は執務席に重ね合う手と額を付けて顔を深く考えていた。凡人である自分が今まさに“怪獣”と言う武器で自分の前に突きつけている。総理就任以前からの同派閥で内閣記念写真を撮り合った人物が“怪獣能力保有者”である事実をどう受け止めるべきか悩む。

「……園崎さんは存じておられたのですか?彼が…その…怪獣であることは…」

 この場で同派閥の大臣は長谷川総理、山陀外務大臣、そして園崎防衛大臣の3名が執務室に入るもそれ以外の議員や警備は外で待機中、特に警備や議員には大事な故にメディアや他の派閥議員にすら悟られない様に厳戒態勢と口の堅いメンバーを敷いていた。

「…私が政界に入って間もない頃、彼によく似た『大叉議員』が居ました…彼が政界を去って20年ほどにまったく瓜二つの議員がここに居る山陀くんが現れた 二人に共通するのはただ一つ、“老けていない”事…正直その時点で人外的な要素も加味すれば納得が行きます」

「なっ…なるほど…」

「あと、老けないことに関して一程度の恨めしさはあります」

「うっ、うん…」

 園崎大臣の私怨的な感情に思わず一汗を垂らす長谷川総理だったが…

「そこに関しては2千年も生きてしますと多くの出会い別かれを繰り返すため20年周期で表立ちも裏回りも繰り返して来た次第でした…御二人に隠し通し続けた事はこの場にて改め謝罪いたします」

 サラッと自身が不老不死の身である事を暴露するヤマタノオロチと化した山陀大臣に対して二人は『二…千……年…?』と追い付けない思考がとうとう凍結を起こしてしまった。

「…総理…防衛大臣……同じ党所属である貴方たちだからこそお伝えしたい事があります」

「うっ…うむッ、なんでしょう…か?」

「いまさら畏まられても仕方ありませんが、現在国内に残存する特異怪獣能力者は私が把握しているだけでも既に10名以上、後程にリストをご提示する用意はこちらで既に御用意しております」

 そう言うとスーツの内ポケットから取り出したUSBメモリーを2人の前に差し出した。

「中には私の古くからの友人や現世代内でも上位に当たる実力者もこのメモリー内に納められています」

「……それを私たちに差し出す“意図”は?」

「彼ら……いや失礼、“私たち”怪獣能力保有者は既に明確な相互的社会(ネットワークソサエティ)を形成してこの世界に溶け込んでいます」

――その多くが国内で国民と同様に生活圏の内側に馴染み――

 

 都内 深海歯科医院

 

「はい、御口を大きく開けてください…――」

 今日の歯科治療を施す手術台の横にあるテーブルの上に置かれた鏡には歯科医師の兜トニオとは別の昆虫型の怪獣が映った。

――時には公務上の職務にあたる私たちの同類が存在し…――

 

 国内某所

 

「齋藤は裏に回れ…オレは正面から行く」

「了解した」

 公安警察の捜査官として潜入する廃工場の窓ガラスに映る自分の姿は人ならざる“赤い翼竜”の様な出で立ちが走り抜ける自分と共に窓ガラスに映る怪獣の虚像と並走する。

――もちろん、その中には私と共に二千年と言う悠久の刻を過ごして来た同胞も――

 

 八王子市内 焼き処『海の神』

 

「店長、どうされたんですか?」

「んっ?…いや、ちょっと…昔の同郷がテレビに映っていてな」

 若干中年層の店主は店の中にある備え付けのテレビに映る緒碓官房長官を見つめていた。

「あらッこの人、この間なんか官房長官に新しく着いた人ですよね…御知り合いなんですか?」

「……あんまりいい出会い方はしていないがな」

 そのテレビ画面にはわずかに自分の映る虚像に店主とは別の“怪獣”が反射しているがこの姿に気付いているのは店主自身のみであった。

「……驚かされてばかりだ…これ以上は胃薬がいくつあっても足りないな…」

 長谷川総理は腰を深く落として背もたれに寄りかかるもその暇をも与えぬままに園崎大臣が切り出す。

「総理、今まさに国民に求められているのは“これまで”ではなく、今後の“方針”です…今回の“怪獣能力保有者”の件はどこまで公表し、どの程度を国民に受け入れてもらうかが焦点になるでしょう」

「……そうですね、うんッ…まずはいち早くも情報と資料をかき集めてください “名前を公表してはいけない怪獣”を貫いて来た我が国の真価が問われるでしょう、外務大臣は各国に居る大使を通じて通達、防衛大臣は発生源での安否確認もお願いします」

 長谷川総理は即座に総理大臣としての職務を全うすべく今いるこの場での2人に対して的確な指示を告げた。

「かしこまりました」

「発生源に関しましては既に情報を更新され、発生した城南警察署での放射性値は計測によると既に基準値を下回り正常値に安定 目下、被爆症状に見舞われたと思われる現場警察官の容態は搬送先の病院で精密な検査中ですが同行していた救命医によると発生地から離れた段階で症状が緩和したとの事です」

 園崎大臣の手元のスマホには最速で届く情報のやり取りができるスマートフォン内で『ケイジは無事よ、安心して』と連絡アプリのメッセージが消えると大臣と同じ顔立ちの女性と前原が映る待ち受け画面が切り替わった。

「そっ、そう…ですか…わかりました、ではその内容をまとめた原稿を後で秘書に作成させ国民に向けて発信していきましょう」

「では、私も早急に…ウッ――」

 最優先で取り掛かる大臣たちの中で園崎大臣はよろめくように足がふらつき倒れそうになった。

「おっとッ!…園崎先生ッ!」「園崎さんッ!?」

「……だっ、大丈夫よ…何ともないわ」

 咄嗟に怪獣の姿から元の“人間”山陀大臣として園崎大臣に手を差し伸べるも…その手には不安の表れたる震えが手を通して伝わってくる。

「フッ…強がっても私はあなたの様な人外でもないし、総理の様にまだ現役でいられるような歳でもなくなっていく…つくづく、“老い”たくないものね この後に及んで国民よりも家族を案じてしまう情けない母親だわ」

「…園崎…せんせい」

「娘には『刑事の妻がオドオドしてどうするの』なんて強気なことをメッセージで軽々しく言うものではないわね…山陀さん、あなたの見て来た二千年…この国はどんな風に進んでいる様に見える?」

 歩くこともおぼつかない園崎大臣にゆっくりと腰を添えて元の席に座らせると山陀大臣は園崎大臣に膝を付いて彼女の手に優しく手と手を重ね合わせる様に添えた。

「…二千年…長くあるようで短い…それは時に県議時代のあなたの激しくも猛々しい政治歴に比べたら私の悠久の刻など同質にも値しないさ、園崎の“お嬢”さん」

 決して離れた年の差を認識できない間柄ながらも年老いていく園崎大臣を“若娘”扱いする、それはさながら『まだまだこれから』を暗示させるような彼なりの鼓舞であった。

「フッ、二千年を生きる長寿者に言われては敵わないわね」

「園崎さん…お加減は…」

「ええ、問題ありません それよりも総理、至急こちらにも開示していただきたい案件がございます」

 持ち直した園崎大臣は立ち上がって総理にある事を進言した。

「…開…示?…一体なにを?」

「…『対怪獣能力者戦略防衛第3計画文章』通称:“機龍計画”の…全容です」

「きっ、機龍計画ッ―!?」

 その名前を聞いただけで現役の総理大臣でさえも口を噤むほどの案件である様子だ。

「お忘れですか?そもそも総理や私が今、この席に着けているのも前任との政権交代時にそのことを追求したから3年前に前内閣を総辞職させる事態にまで発展したあの機龍計画ですッ!」

「そッ、園崎さん、声が大きいッ!私もアレについては散々手を回しましたよ…」

 慌てる様子を見せる長谷川総理は息を整えて机に両手を置きつつも俯く姿勢は崩さない。

「私も、当時は外務大臣に就いていない時期でしたので全容は知り得ません…機龍計画…一体あれは何だったのでしょうか?」

「……わからない……」

 現役の総理大臣が以前の内閣より引き継いだその座に就いている筈にも関わらず『機龍計画』に関しての一切を知り得ていなかった。

「正確には…知る術がもうないからわからないと言わせてください…内調(※)を通じて独自に調査して当時開発に関わった人物のリストに幕僚関係も漁って調べてもその一切が意図的にデータは消え、紙の資料もファイルから持ち出されていた」

※内調…内閣情報調査室。

「…やはり、そもそもこの計画も国会で上がった“排獣議案”に基づいてしまっている 強引に推し進めていたこと自体、政府の信用を失わせる…法治を重んじる我が国の“汚点”だわ」

「前内閣もそのつもりで置いて行ったのでしょう…下手に突けば今の内閣諸共吹き飛ばすための、自爆ボタンですね」

 その内容について山陀大臣が称する『自爆ボタン』とはピッタリな言葉であった。

「…自爆…ボタンか……まるで辞めたくなったらいつでもどうぞと今まさに私の目の前に置かれているようですよ アメリカの大統領も核のボタンを常に所持すると聞きます、あちらは実在するけれど…こっちはこれまた存在しない上に自分たちの身まで滅ぼすような諸刃だ」

 執務室の机には今まさに長谷川内閣総理が俯く目と鼻の先にこそ目には見えない“自爆ボタン”そのものを連想させ押せるはずのないボタンが確実にソコにあることを強制的にイメージさせられていた。

――バタンッ!

「失礼します!緊急のご報告で参りました」

 総理秘書が慌てた様子で執務室に入室してきた。

「なんだッ―」

「1時間前に札幌市で大規模な通信障害が発生、同時刻に函館市の変電所に正体不明の生物群が出現 対応に当たった陸上自衛隊八王子駐屯地所属の『リザード』が交戦中とのことです!」

「なんですって!?」

 閣僚会議を終えた矢先に新たな事態急変に見舞われた首相官邸に再び大きな動きが起きた。

「まったく…一体この国はどうなっているんだッ!この国は…怪獣だらけですかッ!?」

「…総理、今の発言は…」

「アッ…いえッ、その…別にあなたに申したわけでは…」

「…構いません、総理が実に人間らしい反応を為されるのは無理もありません ですが、この事態も怪獣が引き起こしているのであれば…それもまた…怪獣が対処できることでもありますから――」

 山陀大臣は不敵な笑みを浮かべて事態の対処にどこか余裕を有していると言うよりも…どこか楽しんでいるかのような笑い方であった。

事態発生の1時間前…

 

 函館市 上空600メートル地点

 

「事の一切の説明を求めます、原田総部隊長! 私たちはどこに向かわされているんですか!」

 平常的な私服姿の湯原サラとメカゴモラの怪獣娘である五目メイカをと共に輸送ヘリ内の座席で揺れる機内から身を安全に固定するベルトはきつく締め付けられ、動きが制限される中で唯一口だけが自由に動かせるからこそ同じく隣の席でタブレット端末に触れ続ける陸上自衛隊八王子駐屯地所属の特殊部隊『リザード』の原田マスノブに対して状況の説明を求めるも…その周囲を同じく特殊装備で身を固めた隊員が座していた。

「申し上げなくても聡明な湯原さんなら状況のご理解ができるでしょう…“彼ら”が戦い出したからです」

「彼らって…その彼らにはシュンイチさんも含まれての仰りですか!?」

「無論その通りです…特生怪獣第4号『機龍』は元々陸自の“特異な装備”です、陸自だっていつまでも公共の駐車場に10式戦車を放置しておくわけにもいかないでしょう」

「彼はあなた方の“道具”でもなければ“物”でもありません!!」

 原田に向かってサラは強くシュンイチの事を擁護するにも説得できる要素のカードがない不足な会話が続いていた。曰く言い訳ができない。

 そんな輸送機内のホテルでの一件を言い争うサラたちの目の前にシュンイチは機龍としての能力を警戒されてか特殊な拘束具と手錠に足枷、更には喋る事すら許可しない特殊なマスクまで取り付けられた状態で陸上自衛隊の輸送ヘリ機内の貨物固定に収容されていた。

 大きさは四方1辺2メートル、厚さ30センチ以上の特殊強化ガラス、正方形の透明な檻に押し込まれたシュンイチは正に荷物…と言うよりも厳重な貨物であった

(……このヘリ…一体どこに向かっているんだろう、高度は500メートルから600メートル間を維持、気流がやや北東方面、しかし方向は北に真っ直ぐ向かっている…経由地がそれぞれ東北各地の陸自駐屯地に降りていると言う事は……)

 頭の中で自らの感覚だけで知覚できる最大限の予想がこの輸送ヘリ自体が北に向かっていると言う事実だけがシュンイチは理解できる…しかしその理解できてしまう自分自身に違和感が過っていた。

(どうして、僕はそんなことまで理解している…いや、頭が覚えているみたいな感覚だ……どこかに向かっているこのヘリ、『CH-47JA』だけど特殊なチューンアップが施されているけどそれ以外は既存の機種と同型か)

 何故か自分を輸送している機体の詳細まで事細かに認識できる…そんな自分にも、自分自身の『機龍』にも、自分を取り巻くこの状況にも理解できないはずなのに理解できると言うよりも予想が付くと認識するのが妥当であった。

――……―――――――――――!!……――

(――…でも、この機内で一番理解できないのは…)

 最も不可解なのは同じ特殊強化ガラス製の檻の中で拘束されているシュンイチの背中を先ほどから蹴っているつもりの半透明な女性がシュンイチの背後で鬼の形相のまま思い思いに何かを言いたげな顔から何かを伝えたいのだろう…蹴る、蹴る、蹴り続ける、とにかくシュンイチの背中を蹴っているが、半透明な彼女の蹴りには振動も感触もない、周囲も彼女に気付かないと言うよりも視えていない事が正しい様子にシュンイチだけが彼女をガラスの反射越しに認識できている。

(僕が“機龍”だって言う事を理解して以来ですね、あなたと“対話”をするのは…まぁ、時折気配は感じていましたけど)

――……―――ッ!?――――――!?……――

(いや、『ドキッ!?なぜそれをッ!?』じゃなくて…薄々わかりますよ この間も先生とメイカが寝ている時にサラさんと映画を見ている時だって『肩、組め!肩ッ!! そのまま押し倒してしまえ!!』って訴えてきた時から段々とあなたの言いたいことがわかってきましたよ…)

 段々とシュンイチだけが見えている半透明の女性が何を言いたいのかまで理解できるほどに彼女との無言の意思疎通を可能としていた。

(僕が『機龍』であることから踏まえて考えると…アナタは僕以前の機龍、『八重城アカネ』さんですね)

 半透明な女性の正体はシュンイチの機龍としての能力保有者の前任、つまり先代の機龍であった。

(サラさんから昨日の食事の席で聞きました、八重城アカネさん、満13歳でハワイ州アメリカ陸軍ガンシップライセンスプログラムを収め日本人女性初のガンシップ操縦資格者となり16歳から那覇駐屯地にオスプレイ操縦士として勤務 後に3年で退官と言う“書類上の処理”がなされている…でしたっけ?)

 昨日のレストランでの席で酔う前にサラから聞かされた八重城アカネに関する詳細な記録を彼女に思念で語りかける様に頭の中で発すると…彼女は『ようやくかッ!』と腕を組んでムフンッ!とやたら偉そうな態度で示して来た。

(ええっと…それで、僕になんの用でしょうか?)

 言葉を発する事の出来ないアカネに意識で聞いても彼女がこちらの意図を理解するが何やら深く考え込んでいた。

「………ゴモッ」

――……――ッ!――

 強化ガラスを通して座席に座っているメイカがシュンイチの方を気にするよりもシュンイチにしか見えないはずのアカネの方をジッと見つめていた。ソレはさながら猫や犬と言った小動物が“存在しない何か”を一点凝視するかのようだ。

 自分を認識してくれる者がシュンイチ以外にもいたことに喜び出したのか八重城アカネはメイカに向けて愛想よく手を振りまくっていた。

(前にサラさんとメイカの3人で行った遊園地のキャストさんみたいな反応だなぁ…)

 自分の認識の中にしか存在できない八重城アカネに対する見方が段々と変わりつつあったシュンイチだったが…

――ゾワァァアアアアアアアアア!!――

 背中の奥から込み上げてくる不快感、身の毛がよだつほどの感覚にシュンイチたちを輸送するヘリに無数の大群で向かってくる熱源のようなシルエットがシュンイチの…否、機龍の感知センサーとも言うべき超感覚が迫りくる“敵”を認識していた。

「んっ?…なんだ…あのモヤみたいなのは…」

「機長ッ!こっちに向かってきていますッ!?」

 ヘリの操縦席では有視界からでも認識できるほどに雲ではない何か蠢くようなモヤが輸送ヘリに段々と近づいて来て…そして――

―――ガンッガガガガッガンッガンッダガンッ!―――

 機体に何らかの衝突物が次々と激突してくる音が機内まで響いてきた。

「うわぁああッ!?」

「なんだッ!?何かに当たったぞ!?」

「キャァアアアアアッ!!」

「ゴモッ!?」

――ビィーッ!ビィーッ!ビィーッ!――

 やがて機内では緊急の警報ランプが赤く点滅し始め、警報音が響き、機体も安定しない動きをし始めた。

(マズいッ!マストバンピング(※)が起きているッ!? さっきの何らかの衝突でローターがおかしくなったんだ!!)

※ヘリのローター軸の折損によって機体が不安定な動きをする現象。

 この輸送ヘリは操縦席で何とか踏みとどまっているパイロットたちに何らかの異変が起こっている動きだ。強化ガラス内でも機体に起こっている状況を察知するシュンイチはすぐさま操縦席に向かわないと機体が安定しないと察してか突如腕部にだけ機龍の力を集中させてパワーのみで拘束を解き放った。

 そして、渾身の一撃を強化ガラスに叩きつけると強化ガラスは厚さ30センチもある壁面を破壊してシュンイチを外へと解放させた。

「シュッ…シュンイチさん!?」

「そっ、総部隊長ッ!4号が…第4号が拘束を解きました!?」

「待って、今は非常事態です 君ッ!この機体に何かが当たって故障したことに気付いたんだね」

 シュンイチは機龍の腕で口元を拘束するマスクを外して声を発する。

「僕を操縦席まで案内して下さい!この機体はこのままだと墜落しますッ!!」

 ヘリの操縦士でもないシュンイチがなぜソレに気付けたのか…それにシュンイチが操縦席に向かって何が出来るのか、考え込む時間は無かった。

「分かった、君に何が出来るのか…私は君に賭けてみたくなりました」

「総部長ッ!コイツを操縦席に向かわせるんですか!?」

「言ったでしょう、今は非常事態だと…いいですね、機長さん!!」

 原田は操縦席側に状況を説明するも…

「そっ、総部隊長…すみません…私はどうやらここまでのようだ……腹に…風穴が開いてやがるッ――」

「機長ッ!!」

 若い副操縦士が叫ぶ横で本来の操縦席で操作する筈のベテラン操縦士である機長に割れた窓ガラスの破片が腹部に突き刺さっていた。

「機長さんッ、後は代わります!操縦桿を放してください!」

「ゲフッ…じっ、自分以外に…誰が…コイツを飛ばし続けるおつもりで…」

「既に代わりはいます…彼に操縦を代わってあげてください」

 原田がこの窮地に代わって操縦桿を握る人物になんとシュンイチを選出した。

「総部隊長ッ!こんな時に怪獣なんかに桿を握らせるつもりですか!?」

「今は怪獣も人間もないッ!必要なのはこの機体を安全に操縦可能とする者……君には、それが出来る者なんだろ?」

「…おそらく、できますッ! 機長さん、操縦桿を失礼しますッ!」

 そう言うとシュンイチは機長に代わって操縦桿を彼が握りしめるその上に重ねるままに代わりに機体の命運を握る。

「おっ、おい…お前…飛行の…歴は…」

「分かりませんッ!なにせ記憶がないので自分のことすらも曖昧なのに、この機体のこと、どうやって機体を安定させるかも、どうすればこの状況を打開するかも何もかもがわかる気がします!」

「ゲフッ……なら、マストバンピング発生時にすることは?」

「サイクリックを後方に操作してプラスのGを確保する、その後に右ロールを修正ッ!」

「じょう…でき…だ…アイ ドント ハブ コントロール…」

「アイハブ コントロールッ!」

「ゆッ、ユーハブ コントロールッ…」

 機長は操縦桿を握るが操作はシュンイチに任せるとこの機体はシュンイチと副操縦士の2人で操作することとなった。

「現在、高度450から下降…このまま下がり続けると浮力を維持できないッ!機体を着地させます!!」

「着地って…ココより下は函館市街だぞ!降りられる場所なんて…」

「ガハッ…はっ、函館山南西側の下に新設の…変電所が…ある……そこなら…ヘリポートが…ある」

 機長が振り絞って出した情報通り函館山南西部に変電所と思われる施設が見えた。

「機長さんッ、インカム借ります!」

「きっ、緊急コールは『GSDF-H2002』…変電所に…無線を…繋いでくれ」

「わかりましたッ、―――こちら陸自CH-47JA、緊急コールGSDF-H2002、当施設のヘリポートに緊急着地の要請を問う!繰り返します、こちら陸自CH-47JA――応答願います!!」

 変電所に応答を求めても無線は一切の応答がなかった。

「総部隊長ッ!燃料、油圧、共に限界です!」

「構いませんッ!始末書は自分が書いておきます!緊急着地を許可します!!」

 機体の一刻を許さない状況で取るべき行動を求めた結果、総部隊長権限で民間のヘリポートへの緊急着地が敢行された。

「総員、衝撃備えッ!!」

「キャァアアアアア!!」「ゴモッ?」

 機体は若干不安定な動きながらも着地目標のヘリポートと機体を平行に保ち、機内がガクンッ!と大きくバウンドするかのような弾みを起こすと安定して何とか着地に成功した。

「総部隊長ォオッ!着地、成功しましたッ!」

「よし、衛生さんッ!機長さんの手当をッ」

「了解しました!」

 機長が操縦席より引きずられて貨物部で手当てをされている中、安堵するシュンイチの肩に手を乗せた。

「安心するのは、まだ早い…副操縦士さん、この機体に何がぶつかったんですか?」

 原田が副操縦士のパイロットに機体が不安定飛行になった原因を聞くと…

「…虫…です…アレは…虫、でした」

「虫?」

「なんて言うか…羽の生えた昆虫のような…異形で…」

「総部長ッ!こっちに来てください!!」

 部隊の自衛隊員が原田を呼ぶ声に操縦席から顔を出して隊員が示す先を見るとヘリの天井に突き刺さる槍状の何かが突き出ていた。

「…総員、各種装備点検のち警戒態勢…通信は函館駐屯地に応援要請、後続の如月さんたちに情報の共有、必要に応じて同・警戒を厳としてください」

「了解しました!」

 原田の各員への的確な指示で各隊員が装備を事前確認と点検を終えた後に陸自正式採用の歩兵小銃の弾倉を改めて1弾の漏らしの無いこと確認すれば再び弾薬を装填していつでも戦闘可能とした状態を保っている。

「ハッチ解放、総員…対戦、対獣接触を厳としましょう」

 それはハッチを開けた瞬間に何かと抗戦する可能性を示唆しての警戒的な姿勢で原田含め延べ十数名の隊員が小銃を構えてハッチを開放する隊員がボタンを押した瞬間に全員が銃火器を構えて開き始めたハッチから漏れる外の空気と光が異様に冷付くような感覚が全員に区別なく皮膚を通して見の毛をよだたせる。

「……クリア」

「こちらもクリア」

「総部隊長、1班前進します」

 約5名編成での第一班が銃火器を構えながら前進する中、ヘリポートを降り立ち第一班の有視界360度を小銃の銃口構えて突き進む。

「班長ッ…アレは!?」

 1名の隊員が目にした光景は空を覆いつくすほどに不気味な群生を有する謎の羽の生えた生物たちが飛びまわっていた。

「バッタ…にしては大きすぎる」

「あり得ません、飛蝗は80年代後期を境に国内で確認されたのが最後の筈です」

「いや、アレはバッタなんかじゃない、虫どころじゃない 大きさだけでも我々の身の丈ほどはあります!!」

 双眼鏡で確認した隊員が目視の視認できるサイズ比を双眼鏡の距離目盛りから算出した大きさだけでも2m近くある事に気が付いた。

「班長、送電塔に何かいますッ!!」

 全隊員が小銃を一斉に振り返って送電塔側に向けると…ソコに群がる異形の“何か”を目にした。

「なっ…なんだコレは!?」

 敵性不明生物『シャドウ』ではない、明らかな明確にして異形ながら群生、その様子を見た全隊員たちが息を飲んだ。

「総部隊長、アレは一体…」

「…主が、『おまえの名は何か』とお尋ねになるとそれは答えた『我が名はレギオン 我々は、大勢であるがゆえに』」

「…レギオン…」「ゴモッ…」

「……各員に通達、新種の敵性不明生物群の名称を以後『レギオン』と呼称する レギオンはここ函館山変電所を始め、函館市上空にも飛行が確認されています 以上の事から地上侵攻型を『レギオンA群』、上空侵攻型を『レギオンB群』と識別して対処しましょう」

――ドガァアアンッ!!ギャヂィヂヂィィヂヂィィヂヂィィヂヂィィ!!――

 変電所の各管理塔から無数の残存していたレギオンA群の大群を為して出現し始めた。

「総員ッ、小銃アタッチ“メーサー対獣徹甲弾(MAF)”に切り替えッ!!」

 隊員各自が総部隊長の即座の指示に一斉に反応し、抱える陸上自衛隊正式採用の“特殊な小銃”の電子ロックが解除され超高火力な弾丸1発を射撃する度に超高音域を超えた弾丸が迫りくるレギオンA群に弾着、即座に撃滅、弾丸が一発当たるだけで対象を沈黙させる。

「ウオォオォォオオオオオオオオオオオッ!!」

「UMGモードッゴモォオオッ!!」

 拘束輸送対象『機龍』『メカゴモラ』共に変身を遂げてコレに対処、『機龍』腕部より高出力のメーサープラズムを形成して“貫手”及び“打撃”、尻尾による“鞭打”の応用が散見される攻撃でレギオンA群、トータル撃破スコア“26”。

「ゴモォォォオオオッ!!」

 『メカゴモラ』腕部を特殊なワイヤーでリーチを取り打撃を加える。また左下助分に設置の砲門から未知のエネルギー照射により多数撃退。トータル撃破スコア“48”。

「総部隊長ッ!上空より飛翔中のB群がこちらに向かってきています!!」

「……機龍さんッ!」

「はっ、はいッ!?」

「…“アレ”、全部落とせますか?」

 現場全責任者の原田マスノブ、機龍の大規模広範囲攻撃を容認。

「やっ、やってみますッ!!」

 機龍、胸部三門砲口より大規模な絶対零度合成プラズマ粒子加速現象を確認。後腰部より連動する尾列を地面に突き刺してサスペンションに固定。

「ゴモッ!!」

 背面を更にメカゴモラも支えての照準合わせ。

「アブソリュート・ゼロ、発射!!」

――ギュドォオオン!!――

 絶対零度プラズマ流弾がレギオンB群に直撃、後、確認された総撃墜数追加“2002”。尚、函館市局所にて微粒子の固体二酸化炭素が降るも上空200メートル地点の酸素濃度と日没の太陽光によって消滅、周辺地域に被害は確認されず。

 

 

 後、連絡が取れなかった変電所内の所員を発見。防火隔壁内で全所員の無事を確認。死傷者、なし。

 後、所員からの証言。

『顔面が信号機みたいな怪獣が私たちの携帯やパソコン、画面さえある所すべてからワラワラと現れ始め…我々が防火壁内に押し込めると何故かベーコンを渡されて隔離されていました』

 施設全域を捜索、証言どおりの生物は確認されず…ただし所長室と思われる部屋に皿一枚の上にベーコンと思われる加工肉が置かれており、肉の上に『イーツ トゥ ザ ベーコン』と書かれた意味不明なメッセージの記載を確認。函館市内自宅にて在宅中の所長に確認したところ『私の昼食じゃないぞ』と否定。

 

 

 後、変電塔に出現した群生型不明生物『レギオンA群』について約210体前後を沈黙、内約60体前後が送電塔の接触による感電死、遺体は函館駐屯地に移送。

 

 尚、輸送ヘリ『CH-47JA H02号機』の操縦士機長の証言。

『マストバンピングは本来、不測の事態に対処するためにはいくつかの手順があります…しかし、一番難しいのは機体と地上間の並行性を保つこと 操縦桿をマニュアルで計器との誤差を計算しながら行う高度な操縦テクニックが求められます』

 同、副操縦士の証言

『正直、アイツには驚かされました…後で機体を確認したところメインローターのブレード1枚が外れていました レギオン…でしたっけ? 恐らくそいつらと接触した際に外れたと思われます あの機体はブレードが前後共に3枚、確認した時には前ローター側は2枚になっていました 正直そんな状態で機体を安定させること自体奇跡に近い…機長ならおそらく出来たでしょうけど重症だったので自分もアイツに賭けるしかなかった あの動きはヘリパイロットを相応な熟練性を有していなければできることではないと自分は思えます』

 以上2名の証言から推察される『対怪獣能力者特殊装備』の現保有者“桐生シュンイチ”は長期のヘリ操縦資格を有する同・陸上並びに海上・航空のいずれかの自衛官である可能性が示唆される。

 引き続き、同氏とその関係者は陸上自衛隊八王子駐屯地所属特殊不明生物群対策分隊『リザード』の保護及び監視を継続。現在、一時的に函館駐屯地にて駐留。

 

 尚、新たに出現した特殊群生不明生物『レギオンA.B群』の解析を継続中 現在判明している報告ではB群はいずこかで摂食を済ませ変態したと思われる。A群内にはB群への変態に近づきつつある個体も散見され、その常食はガラス製品などに含まれるシリコン、外骨格はタングステン並の強度を有するが関節部は非常に脆く、体内の主な循環はガスなどの揮発性の高い気体循環で地球上の生物には見られない独特の機構が次々と発見されている。引き続き解析研究を継続。

 

 陸上自衛隊八王子駐屯地所属総部隊長

  原田マスノブ二等陸佐

 首相官邸 某控え室

 

 そこはいつから存在していたのかは不明。いつどこで誰が何の目的で設けた部屋なのか、その一切の詳細が不明な何かに備えるための部屋だった。

 都市伝説界隈でも度々話題に上がる謎の部屋であるがその都市伝説すらも語られなくなっていく時代と共に忘れ去られた部屋だった。

「…ええっ、…ええっ、…はいッ…などほど、しばらく函館に潜伏されるおつもりですか?……わかりました、ですが私が手配できるのはここまでです 道警ならびに自衛隊関係者はあなたの正体を見抜いた瞬間にあなたを徹底的にマークするでしょう…警視庁は既にあなたを広域指定の重要参考人として手配することになる それまで派手な動きは控えることをお勧めいたします それでは、レギオンさん…また、いずれ」

―ガチャンッ…

 その部屋には1つだけ物が置かれていた。通話手段として用いられるアナログな黒電話が1つ…既に回線サービスが終了している現代で未だ現役で通話ができるそれは極秘の会話の時だけ有する。

 現代のデジタル的発展を遂げた世界の中で唯一誰にも邪魔されずに…ただジワジワと国会内で浸透し始める動きの中でこれほどまでの盲点はない。

 

「…さぁ、いよいよ始めましょう 旧き支配者たちによる新たな支配者たちとの…“狂争曲”…を」




アンバランス小話
『海洋戦士ガマラマン』

 千葉県館山市のとある水族館に両生類なのか哺乳類なのか一切その生態について謎の多き生物『ガマクジラ』。
 しかし、ひとたび地球の海の平和を脅かす魔の手が迫るときアホ面の皮を這い出て正義のヒーローが立ち向かう。
『この海の排他的経済水域は私が守るッ!!』
 身長40センチ、同サイズ比はメバルと一緒!
 海の豊かさを守るため魔の手から地球上の海を守護する!

 海洋戦士 ガマラマン!!

『フハハハハハッ! 地球上の愚かな人間どもは自分たちこそがこの星の海洋資源を独占しようなどとは片腹痛いわッ!!』

 新番組 海洋戦士ガマラマン
第1環
『侵攻!タガール族の陸上進出
  迫りくるタガール男爵の粘着質な吸盤脚』



 アキたちの部屋

「……何見てんだ、お前?」
「ん~ッ、ゼットンさんが好きな番組 最近ネット配信が始まったらしいから初めのシリーズから全部見てる」
 アキは敬愛するゼットンの好む特撮番組をソウルライザーの配信アプリで随時チェックしていた。
「なんだ?このガマラマンって…妙に政治色が強いな」
「スポンサーに関係省庁が絡んでいるらしいけど…妙に深いエピソードもあってマニアックな支持層がいるらしいよ」
 『海洋戦士ガマラマンシリーズ』はテレビ東都系列にて毎週土曜日22時から放映中である。
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