TITANUS‐THE TITAN MONSTRAS‐ 作:神乃東呉
GIRLS日比谷支部
銀座や新橋に割と近しい距離に位置するGIRLS日比谷支部は東京支部のようにそれまでの本営運用とは違い事務作業メインを目的とした支部であるため一般オフィスと何ら遜色のない1室で事務作業が出来る怪獣娘たちのみを選出したGIRLS日比谷支部大事務処理会として集められた大量に溜まり切っている書類を整理するためだけにイカレるメンバーが揃いも揃っていた。
「――ブゥウウウゥゥゥゥッ……――」
数多の疲労困憊によりオフィスデスクの上で奇声を上げながら書類に埋もれるのは怪獣娘アギラこと宮下アキ。
「書類が1枚…書類が2枚…書類が3枚、書類が…あれ今、何枚目?」
番町皿屋敷方式の数え方をしてゲシュタルト崩壊を起こしているのは怪獣娘ガッツ星人こと印南ミコ。
「よいしょ、よいしょ、へ~イッ、書類追加デース!」
膨大な書類を片手で持てるだけ持ってきたのは怪獣娘キングジョーことクララ・ソーン。
「ふえぇえぇ~ッ…おわりまぜぇ~ん…全然おわりまぜぇ~ん…ヒョォロロロロ~o~○」
「ジャッパァ~ッ!戻ってこぉおおいッ!!」
口から魂が抜けかけている怪獣娘マガジャッパこと竜波ユカとそんな彼女の身体を揺すって無理矢理引き戻す怪獣娘マガバッサーこと風巻ヨウ。
「…あぁあ~~~~~~~~ッ」
「レッドンッ!?お茶こぼしてますッ、こぼしてるのです!?」
心が今この場のどこにもなく普段からのしっかり者が完璧に呆けると口に含めているつもりのペットボトル飲料すら床にぶちまける、怪獣娘レッドキングこと歌川ベニオとその足元をタオルで拭く怪獣娘ピグモンこと岡田トモミ。
以上がこのオフィスで死屍累々のカオスを渦巻かせる書類作業の無限地獄に囚われ続ける怪獣娘たちであった。
「じゃなぁああああああああああああいッ!!」
「ウワッ!?どうしたの…ガッツ…」
「もう、埒が明かないわよ!終えても終えても終わらないこの書類の山…気分が変んないッ!気分が変わらな過ぎるッ!!」
とうとうこのカオスに耐え切れないミコがとうとう発狂に近い大音量を口から発し始めた。
「よしよし、ガッツはナイスファイトですヨー」
「ウウウッ…おジョーォオ~…もう書類は見たくないよぉお~、気分が乗らないよぉお~ッ!」
「頑張ろう、ガッツ…ボク達もみんなも頑張っているんだから…」
左右から発狂寸前で心のダムが決壊目前に迫っていたミコをアキとクララは左右から彼女の頭を撫でまわして励ました。
「私のことはいいけどさぁ…一番心配なの、アッチじゃない?」
ミコが指をさす先で心ここにあらずのベニオの奇行の方が一番目立っていた。
「レッドンッ!それは御菓子じゃないのですッ!消しゴムなのですぅッ!!」
「へぁ?…あぁ…ほんとだ…」
今にも筆記用具の消しゴムを食べようとしていたベニオを静止させるトモミが今一番の苦労人だった。
「レッドキングさん…一体どうしちゃったんっすか?」
「GIRLSの活動停止がそんなにショックだったのでしょうか?」
「うっ…う~んッ…と言うよりかボクのお兄ちゃんとお兄ちゃんの彼女さんのアイカお姉ちゃんが原因の大半を占めていると思う…」
しっかり者のベニオがここまで精神的な呆けを繰り返す最たる事とはユウゴとその交際相手のアイカに他ならなかった。
「ウワッ、出た出た! 聞いたわよ、その話ッ!」
「ワッツ?アギラチャンのビッグブラザーのガールフレンド? それがどうしてレッドキングをあのような事にリンクするんデスカ?」
「そっか~、おジョーは詳しい話…聞いてないわよね 私はミクラスから聞いてたけど、アギのお兄さんに彼女さんがいる事は周知の事実なんだけどね それがよりにもよってレッドの中学の同級生らしいのよ~」
女子の噂話はあっという間に伝わっていた。若干ミコのおばさん口調での伝え方は井戸端会議の正にそれであった。
「ええ~ッ!?それでレッドキングさんここ最近ずっとあんな感じなんっすかッ!?」
「ハワワッ…それはその…かなりショックなものなんでしょうか?」
会話に参加してきたヨウとユカも皆と年頃変わらない者同士であるのにベニオに置かれた状況がどんなことなのか理解できていなかった。
「そりゃ、そうよ…私だってマコが知らない内に彼氏いました~とか告げられたらショックよ なんなら自分が取り残された気分にだってなるわよ」
「…そんなに深刻な事なの?」
「当事者のアギが一番理解できていないじゃん…ショックもショックよ! いい?これから先に待ち受けるのは交際発覚なんて序の口…次第に『結婚しました』の結婚式への招待状とか届いたり、子供が出来ましたとかの絵葉書までお子さんが生まれる度に送られ続ける孤独の無限地獄が待ち受けているのよ!」
「やけに具体的すぎない?」
年頃を近しい筈のガッツとは思えぬ経験高めな考え方に全部は理解できずともなんとなく言わんとしている事は分かるような気がしたが…
――ガラガッシャァアアンッ!!
「レッ、レッドンッ!?どうしたんですかッ!?」
とうとう足を滑らせて抱えていた書類を床にぶちまけ、身体を机にぶつけた拍子に溜まっていた机の上の書類の塔が一気に崩れてベニオの上に覆いかぶさる書類の雪崩と化してベニオを埋もれさせた。
「…重症っすね…」
「…さすがにもう見ていられないわ、ここまで来ると軽くコントみたいに面白いんだけど何度も見過ぎて心配になって来たわ」
見かねたミコがその場から立ち上がって書類の中から埋もれるベニオを救出中のトモミに声を掛けに行った。
「ピ~グッち、一旦休憩にしよう これ以上はレッドの身が持たない気がしてきたわ」
「う~んッ、そうですね…御茶菓子を持ってくるので一先ず休憩にしましょうか」
ミコの提案を受けてトモミたちはオフィス部屋の片隅にある休憩室に設けられた部屋で一時の休息を取る事となった。
休憩部屋は三人掛けのソファーにクッションや座椅子などそれぞれが座れる分の場を設けて改めて雑談交じりのベニオへ精神ケアが開始された。
「アムッ…ほれで、なんでレッドはそんなにも深刻なご様子なのかしら?」
「あぁ?…別にオレはいつも通りだろう」
「ノーゥ!!レッドキング、先ほどカラ様子がバッドセンスなのデス」
「なっ、なに言ってんだよ…オレは別にどこも異常は…」
頑なに自分のおかしな様子を認めないベニオだが…
「レッドキングさん…もしかして、ボクのお兄ちゃんのせいで何かレッドキングさんの気分を害するようなことがあるなら遠慮なく仰ってください」
「ぶふぅ――ッ!?ゲホッゲホッ!!」
アキの唐突な気の使い方に驚いたベニオは口に含んでいたお茶を思いっきり噴出してむせ返った。
「べっ、べべべっ、別にッアギラのお兄さんがどうとかそういうアレとかじゃなくて…ほんっと何を言ってるんだよ、この寝ぼけまなこはッ!!」
「??」
なぜ気を使ったのにベニオの更なる動揺がアキをますます首を傾げさせた。
「ウソでしょ…アギ、あんたそれワザと言ってんの?」
「ふえっ?何が?」
「オウッ、これがジャパニーズボクネンジンと言うのデスネ」
「アラアラッ…よしよし、アギアギはもう少し大人の事情を理解できるといいですね」
「えっ?何がですか?」
なぜベニオよりも自分が励まされているのか理解出来ていなかったが…
「じゃぁ…アイカお姉ちゃんのこと…ですか?」
ベニオの心ここにあらぬ原因がユウゴではなく、先ほどミコたちとの話題に上がった彼女の中学時代の同級生でもあるアイカ側にあるのかを尋ねた。
「……否定はできないけど、まぁ確かにそれも一抹分あると思う」
大方の間違いは無い問題点はベニオ自身も認める所ではあれ、それは同時に中学からの同級生を責めてしまうのではと内心に葛藤があったようだ。
「別にアイちゃんが悪いと言うつもりは無いんだけど…GIRLSの活動や大怪獣ファイトに打ち込む内にどこか疎遠になっていた自分が…今更同級生のそういった事情を聞いたら素直に喜ぶべき事なのはわかっているんだけど…なんて言うか、そのぉ……もっと早く知りたかった、の、かなぁ~…」
改めて打ち明けて見てもベニオには心の中でモヤモヤする感情の正体をどう説明して良いのか、あるいは悪い事なのか、自分自身では整理がついていなかった。
「…レッドン…」
「……あのさぁ、レッド…それってさぁ、アンタが無意識に道徳的正当化しているだけに過ぎないんじゃない?」
「どっ…道徳的…正当化?」
ベニオはミコから助言された言葉に疑問府が浮かんだ。
「お相手の…その…アイカさん…だっけ? 本人だって言いにくいと思うよ 本人もアンタがそんなナーナーな性格だってこと知っているから傷つけないように配慮していたと思う」
「そっ…そうなのか?」
「そうよ、きっと…それなのにアンタときたら知りたい、知りたくないで揺れ動いているとか言っているけどさぁ 知ってしまってよろしくない感情を無理に正当化して心をガードしているに過ぎないの」
驚くほどに的確な模範解答にベニオはミコの言葉一つ一つに目を大きくさせて聞き入ってしまう。
「良いッ! アンタは世間一般では力自慢で男にも負けぬ劣らぬの怪獣娘なんだろうけどさぁ、れっきとした女子なの、乙女なの、女の子なんだからさぁ! もっと素直に喜んであげるべきよ、その人の為にも、自分自身のためにも」
ミコの正論通り、痛い所は図星としてよく当たっている。確かにベニオが思うかぎり自分自身の女子らしい側面をこれまで否定したり、悩んだり、挙句の果てには常駐カウンセラーのメトロン星人の怪獣娘である百地メルに相談しても『自分で考えなさい』と言われたことを思い返せば自分自身が悩みすぎていた証拠であった。
「そんな…この気持ちって…単なるオレの考えすぎだったのか?」
「まぁ、そういう事にもなるわね」
「ううっ…でも、心では祝福しているつもりなんだけど…オレ、今思えばアイちゃんのこと…深くは理解してやっていない気もする」
「お話の腰を折るようで恐縮なのですが…その時はきっと、今よりも長く時間を掛けてでもよいのでご本人さんとお会いして話し合ってみてはいかがでしょうか?」
「おっ!ピグっち、いいこと言う~ まぁ、今の私らみたいにこうして何か物を摘まみながらでもいいから会話の場を設けて見るのも手ね と、いうワケで~」
ミコは会話の流れを急転回させて指先をアキに向けた。
「アギ、あんたからお兄さんの彼女さんで何かいい話題事なぁ~いぃ?」
「なんでいい感じにまとめておいてボクにシフトチェンジするのさぁ」
「まぁまぁ、これもレッドのためを思って…その彼女さんについて何か唯意義な御話、聞かして聞かしてぇ~」
ベニオのためと言っておきながら本音はただミコ自身が知りたいだけな気がするアキは納得の行かない表情であった。
「…とは言われてもなぁ~…何を話せば……あっ!」
アイカのどんな話をするべきかと悩むアキにパッと閃く1つの出来事が頭に浮かんだ。
「おっ?なになに~なんかあるのぉ~?」
「そんなに期待されても…う~んッ、コレ言うべきなのかなぁ?」
「アギラ、頼む…もうこれ以上はオレも変な感情を抱きたくないんだ どんな事であっても驚かないから言ってみてくれ」
ベニオも覚悟を持って耳を傾け、皆も興味津々の様子にアキの口から話さざるを得なかった。
「ハァ…わかりましたけど…――」
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――アレはみんなの前でアイカお姉ちゃんがお兄ちゃんの彼女さんだって知られた後のことなんだけど…――
数日前 アキたちの住むマンション
「う~~んッ…う~~んッ…う~~んッ…」
「さっきから何を唸り声上げながら歩いてんだよ、鬱陶しい…」
「唸り声もあげたくなるよッ!今日がアイカお姉ちゃんの御家族さんたちとの初顔合わせなんだよッ!」
アキが緊張のあまりリビング内を行ったり来たりを繰り返すその行動の目的は気持ちの緩和であった。
この日、ユウゴが交際する木城アイカとその家族をアキの家に招いて双方の家族同士による顔を見合わせると言う重大局面を迎えつつあった。
「大丈夫かな…ボク、変な事になっていないよね」
「安心しろ、元からお前は変だ」
「そういう余計な一言は今日だけ無しだからね、お兄ちゃん!!」
いつも以上に身だしなみに拘るアキだが、まだこの家には懸念点が残っていた。
「ミオさんたちも変なことしないでよ!」
「失礼ね、私がいつからそんなおかしなことをしていると…――」
そう言いつつもミオの格好は普段のだらけきった生活様式とは一変して諸に白装束に額ハチマキの燃え盛る蠟が2本に背後にチラつく藁人形が既に普通ではない。
「なんでこんな時に丑の刻参りみたいな格好しているのさぁッ!?」
「失敬な!ウチの地元の由緒正しき正装ぞッ!」
どう見ても閉鎖的な村のよろしくない因習な類の格好にしか見えない。その姿は確実に相手を呪いに行こうとしているようにしか見えなかった。
「さてさて、ミオさんが地元に伝わる郷土料理でも作って進ぜよう」
そう言って普段ユウゴしか立ち入らない台所へと入って行ったミオはどこからともなく取り出した出刃包丁を怨念込めて研ぎ始めた。
「ケヒヒヒヒッ、ネコがキャットフード抱えてやってくるとはこの事だよッ! 今宵はまとめてネコ汁にしてくれるわッ!!」
到底客人を迎える構えではない。確実に仕留めにかかる気満々であった。
「ちょっと、ミオさん!変な事しないでよッ!?ボクたちが変な集団だと思われるからッ!!」
不穏な要素を抱かせるミオなどまだ序の口である。他にもまだ不安要素はアキの後ろにいた。
「…君は一体なにをしてるんだい」
【ベーコン・イズ・パワーッ!!】
こちらもまたおかしな白装束にベーコンのネックレス、ベーコンのブレスレット、ベーコンを頭に巻きつけるベーコン狂信者の具現化のような出で立ちをしたビーコンこそが輪を掛けて異常の塊だった。
「もぉ~おッ!!みんないい加減にしてよ、このままだとこの家にはおかしな人たちしかいないって思われちゃうじゃん!!」
「今に始まった事でもねぇだろう」
アキの懸念はますます深まる中…
――ピンポォオンッ!
「うわぁああ!来ちゃった!!」
悪夢のような現実はドアの向こうからやって来てしまった。
「わわわッ、どうしよう!どうしよう!!頭のおかしな人と諸悪の根源と変な生き物がちゃんとしてくれないって時にぃいッ!!」
「あらッ、もう来てくださったの…えらく御早い到着で、まとめてミンチにしてくれるわッ!」
【フングルイ・ベーコンッ!!】
相手を待たせるわけにはいかないという時に今ここに真面なのは1人も居ない最悪の状況である。
「くだらんことしてないで入れればいいだろうが…」
「わぁーー待ってよ、お兄ちゃん!!まだ心の準備が!!」
決心つかぬ間にユウゴがアキの意も介さずに一人で玄関までドアを開けに行き、外から客人を招いた。
「おっ…お邪魔します…」
我が家のイカレる面々とは打って変わってわざわざ足を運んで訪れて来てくれた木城アイカの格好は“大人の女性”そのものの清楚で汚れなき出で立ちにアキは度肝を抜かれた。
「あっ、ああっあぁっ…ようごぞおこしぐだざいました…」
それに比べこちらの異常性には涙が止まらなかった。
「ええ、ええ、ようこそおこしやす…この泥棒ネコが!」
【イヤ・イヤ・ベーコン・フタグンッ!!】
各人それぞれの出迎え方にアイカは苦笑いで愛想よくするも…
「えっ、ええっと…お招きいただき…ありがとうございますぅ?」
「何処がだ…」
ユウゴの目から見ても招く側が明らかに敵意丸出しであった。
「それよりも、アイカお姉ちゃんのお母さんとお兄さんはどちらに?」
しかし、家に招いたアイカ以外に他の者は見当たらなかった。
「その事なんですけど、ごめんなさい…母は急患が立て続いていて、兄も事件でしばらくは帰れないらしいので…」
「へっ、へぇ~…そうなんですね、残念です」
アイカの御家族に会えないことにアキは今日ほど胸をなで下ろすほどに『よかったぁ~!こんな恥ずかしい所を見せずに済んで』と安堵する…が…
「代わりにウチの母と兄の代わりに…と、連れて来た子がいるんですけど…」
「ふえっ、誰です…か?」――ガブッ!!
その瞬間、アキの目の前が真っ暗になり頭から妙な痛みが走って来た。
「イダダダダッ!?なにッ何ッ!?何が起きているの!?」
「コラッ、スイカちゃん!!アキさんになんてことをしているの!?」
「ギャァアアアアアアッ!アギちゃんに悪魔みたいなのが取り憑いているぅうう!!悪霊退散ッ!!五穀豊穣ッ!!」
【クワバラ】【クワバラ】
何が起きているのか分から無いのに痛みだけがアキの頭に襲い掛かる中…ユウゴがソレの首根っこを掴んでアキから引き剝がすと獰猛な表情でアキたちを睨み威嚇する少女だった。
「ええっと、ウチで預かっている子の…スイカちゃんです」
「ガルッウルルルルッ!!」
首根っこを摘ままれて吊るし上げにされている預かり子のスイカにアイカが手を回して抱えると…
「よしよし、怖くないから安心してスイカちゃん…」
「グルフゥン…」
「おっ…おとなしくなった」
あれほどまで凶暴な顔つきが安心しきったネコのように唸りながらアイカの身体にしがみついていた。
「よしよし…まったく大きな赤ちゃんだわ」
その光景はどこか見覚えのある女性としての完成形の様でもあった。そこにユウゴと2人で並ぶと交際者同士と言うよりも別の一線超えた者同士にしか見えなかった。
「なんかお兄ちゃんたちって付き合ってるって言うより夫婦すぎない?」
「隠し子ッ!?」
アキも認めざるを得ないほどに似合いすぎる二人と間にスイカと言う少女を挟んでの光景がミオの精神にさらなる油を注がれる。
――ジュゥウウウウ……
独特な凹凸の鉄板の上でビーコンが北海道土産で買ってきたと思われる羊肉が自肉の油をパチパチと弾かせながらこんがりと焼け始めていた。
「じぃぃぃいいいい――…」
独特の香ばしい香りを漂わせながら横目でスイカは涎を垂らしながら見つめるが…
「…そう言えばボク、ジンギスカンとか初めてだ…」
「俺は羊肉ならモンゴルで喰ったぞ」
各々が初めての経験に肉だけなら食べた事のある記憶を思い出しながら…
「まぁ、まぁ、良ければ我が家に伝わる秘伝のタレでお召し上がりよ…ケケケケケッ!」
「あっ…ありがとうございます…」
秘伝のタレと称して差し出して来た禍々しい壺から取り出されたドス黒い粘性の液体は明らかに焼き肉のタレのそれではないことなど明白であった。
「ほいで、ほいで…御二人さんはいつからの付き合いなのじゃ…ケヒヒヒヒッ!」
若干、邪悪な魔女口調でアイカとユウゴの馴れ初めを嫉妬に歪んだミオは聞き出そうとする。
「えっ、ええっと…3年前の…夏の…終り頃だったかしら?」
「まぁ、そんぐらいの時期だな」
「ほえぇ~ッ、夏の終わりに青春うぉ~!!」
「ミオさん…誰もそこまで言っていないよ」
聞けば聞くほどにミオの表情は嫉妬の炎を絶やさぬほどにさらなる歪みが現れる。
「会話にならないから、ミオさん元に戻って…」
「ンンッ!…それもそうね…いい、ソコのバカップル共々よ 何もミオさんはチミたちの御付き合いを否定したいわけではないッ!」
「はっ……はぁ…」
「回りくどくあれらこれらと聞くのも面倒だから改めてお聞きするけど……二人は…どこまでイッたの?」
指を重ね合わせて顔に陰影が覆うミオから意味深いことを聞かれたアイカは顔を真っ赤にさせて赤面する。
「ミオさん…どういうこと?」
「何が言いたいんだ、お前は…」
ミオの質疑の意をよくわからないアキとユウゴは再度ミオに聞き返すと…
「決まってんでしょ! 男女の一線超えた先にヤる事…すなわち、セッ――!!」
次の瞬間、ミオの顔面に黒い丸太のような何かが彼女の顔面に激突して…後にミオはそこから先の記憶はなかったのであった。
「…次にくだらん質問したら同じ目に合わせるぞ」
そのように忠告するユウゴの背後で黒い丸太の様な尻尾が臀部より収縮して消えた。
「えっ…ええっと…二人はこの先、どうして行きたいの?…ボクとしては、この先も末永い幸せを掴んで欲しいなぁ~って思うんだけど…」
「そっ…そうですね~…出来ればそうありたいかなぁ~」
意識を失ったミオを背後から脚掴んで引きずるビーコンを余所に苦し紛れの質問をするアキだったが、一先ずその質問を糧にアイカと互いにテーブルの上の飲み物を継ぎ合った。
「あぁん?…ンなもん、12月くらいに籍入れればいいんじゃねぇか?」
サラッとトンデモないことを口にするユウゴの発言にアキとアイカは乾いた喉を潤す為にジュースの入ったコップを口に付けるも…飲み込んだ飲料を思いっきりブゥウウウッ――!?と吹き出すほどの衝撃を受けた。
「ゲホッゲホッ!?…エッ!?どういうことッ!?おっ…おっおおおっお兄ちゃん…けっ、結婚する気…あるのッ!?」
「あぁん?……ああ」
「かっるいよッ!軽すぎるよッ!!もっとこう…なんて言うかその……プロポーズとかはッ!?」
今まさに軽めのプロポーズが起きているが…あまりにも軽すぎてもはや衝撃的なカミングアウトであった。
「別に必要ねぇだろう…俺達の間に…」
「そういう身勝手な取り決めは何なのッ!?お兄ちゃんがよくてもアイカお姉ちゃんは…――」
「けっ…けけけっ結婚…式?…費用?…キャパシティ…新婚旅行先…挨拶回り…」―ガタガタガタガタ…
あまりの唐突な事態にアイカ自身が動揺し過ぎて結婚に必要なことは何か頭の中をフル回転させすぎて震えが止まらない様子だった。
「しっかりして、アイカお姉ちゃんッ! 今のナシッ!全然ナシだからッ!!早まっちゃダメだよ!!」
「えええッ!?けっ、結婚は…ダメ…何ですか!?」
「違うよッ!そういう意味じゃなくて…あ~も~、なんでややこしくさせるのさぁッ!!」
「しらん」
「お兄ちゃんだよッ!元凶はッ!!自覚してッ!!」
ミオが嫉妬に狂うのであれば、アキは憤怒に狂いそうになって来た。
「うるせぇええ!!」
「ブベラッ!?」
何故か突然、アキの頬をひっぱたく強い力が真横より理不尽に飛んできた。
「えっ?…えっ!?…なんでボクが引っ叩かれたの!?」
「さっきから聞いてれば…ベラベラッベラベラッと…お前に姉御の何がわかるってんだ?ヒグッ…」
理不尽な腕力で訴えかけて来たのは…意外にもアイカが連れて来た謎の少女スイカがなぜか顔を真っ赤にして呂律の回らない言動でユラユラとアキに近づいてくる。
「すっ、スイカちゃん?…一体、何を?」
なぜ今になってアキに凶暴な側面を向けて来た彼女がやけに理性的な言動を発しているのか…その正体は、彼女が手に持つミオの常用酒『黒桐島』の酒瓶であった。
「酔っぱらっているんだッ!この人ッ!!」
「ヒグッ!」
それはミオの酒を零したテーブルの上を見る限り、ソコを少し舐めたと思われて今に至るのだろうが…たった一舐めで酒乱と化して酩酊した状態でアキに迫りくるスイカの目つきは鋭かった目線がどこか蕩ける様にしてその瞳の中にアキを捉えていた。
「ヒグッ…そんなに姉御が気に食わないってんなら…オレがお前に…エンドマークを打ってやろうか…ヒグッ!」
「いや、何を言ってるのか分かんないよ!…ちょっ、待って!?こっちに来ないで…うわぁああああ!!」
迫りくる酩酊したスイカの小さくも凶暴な身体がアキの身体を覆いかぶさるように重なり合って有無を言わさずにスイカの小さな口先がアキの首筋を舌で嘗め回し、歯と皮膚が触れ、そのまま唇が咥える首筋の皮膚を口の中で強く吸い付くようにして嚙みつく。
その噛みつき方は痛々しくもありながらどこかアキの生気を吸い出すように…それでいて粘着質なまでに舌で嘗め回してくる…まさにアキの中の何かを終わらせにかかるエンドマークをアキの首筋に付けていた。
「何やってんだ、お前ら…」
「見てないで助けてよッ!!うわぁああああ、そこはやめて!!ヒャウッ!?…ヒィグゥッ!!」
何度逃げようとしても胴体をガッシリしがみつかれて離れようとしない。それはまるで獲物を意地でも放そうとしない捕食者の様であった。
「はぁ…まったく……―――」
―――ゾワァアアアアアアアアアアアアアアアッ―――
「結婚式用のドレス…ブツブツ…―ヒャッ!?」
「はッなッれッてェッ…―ギョワッ!?」
「ブルルルルッ…―ンナァアアッ!?」
【オウ キルズセンスッ!?】
「Zzz~Zzz~…フゴッ!?…Zzz~ッ」
ユウゴの放つゴジラの強い殺気に収集の付かないこの場を収めた。
「キシャァアララアルルアアッ!!」
「どうした?…何を恐れる事がある…」
立場が逆転して今度は自分自身が追い込まれる立場に陥ったスイカは壁際まで追い込まれ…その目に映るユウゴの姿なぞ自分よりも強大な上位存在だと認識させられた。
「もうッ、スイカちゃん! あれほどユウゴ君の妹さんにちょっかいかけちゃダメって言ったでしょ!ご迷惑かけた罰として反省しなさい!」
するとアイカの指先から繊維状の糸がスイカの身体を巻きついて来てスイカの全身は見る見る蚕の繭状に首以外の身体が楕円の糸繭に包まられた。
「ひぇえええ~!!姉御ォオオ~ゆるじでぇえ~~!!」
「ダメですッ!言う事を聞かない子はお姉さんがキツく仕置きますからねッ!…―まったく、ちょっとユウゴ君も手伝って…」
「んっ…」
そう言って今度はアイカの手先より細蔦が形成し始め、糸繭に包まられたスイカにその細蔦を縛り付けてユウゴの手伝いもあって縛り上げられたスイカを持ち上げて宛らショルダーバッグの如くアイカの身体に撒きつけた。
「よいしょっ…と、今日の所はここで御暇させていただきます」
細蔦と糸繭にくるめられたスイカを抱えるアイカのその姿を見てアキは思わず『妊婦さん…?』と意識してしまいそうになった。
「おう、気を付けて帰れよ」
「ええっと…アイカお姉ちゃん…いろいろあったけど、お兄ちゃんとは末永くお願いします……アイカ…“お義姉さん”…」
「ウフフッ…ちょっと気が早いかもしれないけど、言われてしまってはなんだかんだで吹っ切れた気もします 一度、ウチに帰って母と兄にも伝えてみます」
「うん、その方がいいと思う…こんな気分屋ドライモンスターとこの先も一緒に生活するなんて苦労が絶えないと思うから…」
「お前にだけは言われたくねぇ」
こうしてなんやかんやでアキの自宅にアイカ達を招いての付き合いの挨拶は思わぬ形で“交際”飛び越えて“婚約”と言う結果となったのであった。
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「…と言った感じで…お兄ちゃんとアイカさんが、婚約しました…」
数日前の出来事とはいえ今でも鮮明に忘れる事の出来ない出来事だったが…
「ええええッ!?ウッソォオオ!?マジでッ!?それはそれはおめでとうッ!!…―でも今、それ言ってどうすんのよッ!?」
会話の流れでうれしい報告のつもりで語った話なのにミコからビシッとツッコまれた。
「いや、ガッツが何か言ってって言うから…」
「よく見なさいよッ!!あんたのその超絶ハッピーニュースのせいでレッドの様子がさらに悪くなったじゃないのッ!?」
「けっけっ…けけけっ結婚ッ!?…アッ、あぁあッアイちゃんが…結婚ッ!?…ごっ、ごごごっ、ご祝儀ッ、祝電ッ、友人代表のスピーチッ!?」
あまりの衝撃的な事態にベニオは今以上に動揺が激しく結婚式に必要なものが何かまで頭を巡らせていた。
「レッドン、しっかりしてくださいッ!まだ式の日取りが決まったワケじゃないのです…あと、アギアギもお兄さんのご婚約おめでとうございますなのですッ!」
「アンビリバボーゥッ!?なんというグッドニュースですカッ!?」
「すっげぇ~!先輩のお兄さん、決める時はビシッと決めて下さるッスね!」
「ハワワッ…なんというおめでたいことでしょ――」
幸せなこと好きな怪獣娘たちはアキの口から聞かされたユウゴとアイカの婚約に心からの祝辞を述べては本人たちに代わってアキがその固い握手を交わされると言う歓迎ぷりであった。
「おっ…おっ…おおっ…おめでどうな…アギラ…」
「れっ、レッドキングさんッ!?」
もはやどんな感情なのか泣きすぎて顔が涙で濡れているベニオにアキは驚く。
「ほらほら、それだとアギが結婚するみたいになってるじゃん…正しくはアギのお兄さんよ、お兄さんの方 アギが結婚するわけ無いじゃない」
「さらっとお兄ちゃんと同じこと言わないでよ、ガッツ」
どさくさにアキの婚期まで否定してしまったガッツは『いっけねぇ』と半舌出しながら悪びれる。
「あの~…御話し中に失礼します…」
そんな幸せなご報告を余所に話に割って入って来る男性の声がアキたちの会話の輪の中にやって来た。
「あれッ、弁護士のレイさん?」
部外からやって来たのはGIRLSJapanの顧問弁護士を務める若手の弁護士の零門レイであった。
「お久しぶりです、皆さん…あっ、あと盗み聞きするつもりはなかったんですけれどお兄さんのご婚約おめでとうございます」
「えっ、あっ、いえいえ…どうもありがとうございます」
聞いてしまった話の内容に零門は丁寧にユウゴとアイカへの婚約の祝辞を述べてくれた。
「それよりもなんで弁護士先生がこっちに来てるの?」
ミコたち自身、今日に零門が訪ねてくるとは聞かされておらず、彼が何の用でここに来たのか興味は尽きない。
「ええ、実は例の怪獣娘に対する裁判の日程が決まり…尚且つこの裁判で新たに“弁護団”を設立する運びとなったためGIRLSさんにご報告に上がりに参りました」
「そうなのですかッ!?ではいよいよ…―」
トモミだけが詳しい事情を知っているようだが、皆には何の事なのか、特に“弁護団”とは何なのかが疑問点だった。
「あの~、弁護団って確か弁護士さんたちの団体活動のことですよね…あたし、名前は聞いた事あるんッスけどよくは知らないっす!」
知らないことを尋ねて聞いてみたヨウの質問に対して…
「大まかにはその通りです…弁護団とは事務所問わず様々な弁護士同士が共通の案件を弁護する集団的弁護活動のことです」
丁寧に説明を返してくれたが…
「へぇ~……んっ?そもそも何の事件がGIRLSと関わっているんっすか?」
ヨウの世代ではあまり認知されていない怪獣娘の事件の裁判と言われてもどんな事件なのか把握されていなかった。
「そういえば、以前ミオミオのせいで話そびれていましたね…今回、GIRLSが取扱うのは【怪獣娘事案第3号】別名…ガーゴルゴン事件、なのです」
それは初めて聞かされる怪獣娘の名を関する事件であった。
「世間一般では『城南連続仮死事件』として認知されているのですが…被告人は言わずもがな…怪獣娘なのです」
「ですが、この事件は冤罪の可能性もある為ウチの法律事務所を始め3名の弁護士を選出して弁護団を立ち上げる事になったんです」
事件の被告人として名が上がる『ガーゴルゴン』とは一体何者なのか…まだ会った事もない怪獣娘に対してアキたちは息を飲む。
「ガーゴルゴン…さん…ボクも事件の資料だけは見た事があるんですけど写真の一切も無く、名前だけしか聞いた事が無いですね」
「それはそうなのです…ガーゴルゴンさんは名前以外を記録に残すことはGIRLS東京支部が本部時代から秘匿性を高めて扱われてきたのです」
なにやら込み入った事情がそのガーゴルゴンに取り巻くらしい様子に同じ指導課の怪獣娘同士でもこれ以上ピグモンには聞き返せなかった。
「ただ、他2名の弁護士さんの内1人にはすぐに会えるですけどその方は今扱っている案件で手が回っていないようなので私と一緒にGIRLSさんの方でお手伝いできる方はいらっしゃらないかと先方からご相談を頂いている次第で…」
なにやら困っている様子の零門にベニオは『んっ?』と思い当たる節があった。
「おい、待ってくれよ…レイ先生、ソイツってまさか…」
「歌川さん……はい、そのまさか…です」
なにやら意味有り気な零門とベニオ同士だけにしかわからないことがある様子だった。
「ったく、友達の気持ちの良い報告を聞いた矢先に…わかりました、その代わりピグモン ちょっとアギラ借りてくぞ」
「ええ、ここは私たちで終わらせておくのでレッドンとアギアギはレイ先生と一緒について行ってあげてください」
「よっし!…いくぞ、アギラ」
「えっ?ぼっ、ボクもですか!?」
なぜ自分までも零門たちに付き添う事になったのか、アキにはますます疑問符が浮かび上がった。
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高津区内 向ヶ丘
神奈川県の川崎市内に位置する向ヶ丘のとあるビルに零門と共にベニオとアキが訪れた。
「ええっと…ここですね」
「…イエロー・グランデ…法律事務所?」
なぜ雑居ビルに存在する法律事務所をわざわざ訪れて来たのかアキにはますます疑問だがおおよそはくだんの怪獣娘の裁判で結成される弁護団の1人がこの事務所に所属している事だけは察しがつくが…
――ガチャッ…
「倉田先生、お電話いたしました ZAP法律事務所の零門ですッ!」
ドアを開けて中から例の弁護士を零門は呼ぶが…
「誰も…いませんね…」
しかし…
――パァアンッ!!――
奥の方で何か激しい破裂音の様な音が響いたが…直後、薄手の格好をした女性が事務所の奥のドアから出て来て何やら憤慨して出て行った。
「――ッうぅ~…あい?ご相談は…離婚調停?遺産相続?なんですか?」
すると、さらにドアから何故かバスローブ姿で顔を出して来た無精ひげの男性が現れた。
「せめて着替えてから出て来いよッ、倉田せんせいッ!!」
「あぁん?…あれ?歌ちゃん、なんでここに居るんだ?…それにレイ先生も…」
「倉田…せんせい…お電話…差し上げたでしょ…」
若干、不機嫌な顔つきの男性はふと我に返って思い出すと慌ててドアを閉めてバタバタと奥の方から物音を立てだして…ガチャッと再びドアが開かれて零門同様にスーツ姿に身だしなみ整えた弁護士が現れた。
「失礼しました、ご予定通り早速打ち合わせをしましょう」
「……アギラ、この不潔な弁護士が倉田キイロって野郎だよ」
「えっ…ええ~…」
先ほどの後もあって弁護士としての信用を疑いたくなる零門に次ぐもう一人の弁護士の倉田にアキは只ならぬ不安が押し寄せていた。
アンバランス小話
『海洋戦士ガマラマン その2』
「ぎゃぎゃぁ~!!おのれ、ガマラマン…貴様はそれでいいのかッ!?」
「なんだとッ、タガール男爵!?」
「海洋問題とは、広き海と同様に続く愚かな人間どもが繰り広げる底なしの欲望と願望の産物! たとえ余を倒しても人間どもがいる限りは静かな海は訪れんッ!」
――オクトパル帝国に…栄光あれぇえええッ!!――
―チュドォオオオオオオオオン!!―
ついに宿敵タガール男爵を倒したガマラマン、しかし男爵の残した『海洋環境問題』はタガール族だけの問題にあらず、人間の無秩序な産業と発展の代償である事がガマラマンの胸に暗く重い事実を突きつける。
「それでも私は…この海の安心安全を継続するためにも、戦い続けてみせるッ!」
そう決意を固めるガマラマンであったが、倒された男爵に続いて更なる強敵たちが現れる。
「タガール男爵がやられた様だ」
「所詮、ヤツは我がオクトバル帝国侵攻軍の中でも最弱ッ!軟弱な軟体は我が軍に不要なりッ!」
「なればいよいよ、我らの出番の様だ」
「我ら、タガール帝国侵攻軍が四天王こそ…」
次回 海洋戦士ガマラマン
第7環
『狂気のタガール四天王!
ポイント・ネモ危機一髪!!』
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――piriririri!
「はい、GIRLS東京支部ピグモンです…あっ、支部長 ご無沙汰しております……えっ?ゼットンのお気に入りの番組を録画し忘れた?またなのですか?」
GIRLS東京支部の代表代理を務めるピグモンは唯一海外勤務の支部長のゼットン(姉)と連絡を取り合える怪獣娘であった。
そして、ピグモンにいつも連絡が入る時は…大抵、妹のゼットンと喧嘩をして気まずくなる時である。