赤目のヒーロー   作:ささやく狂人

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なんか…カゲプロの歌詞を勢いで入れちゃったので、暇な方は探してみてください。趣味全開過ぎる。書いてて楽しかったので後悔はないですが。

歌を知らない方でも問題は無く構成したつもりですが、無理やり感あったら申し訳ない。


既視感

ーーこの夢は、終わらない。

 

夢の中での僕は、無力であり強力だった。僕の意に反して動く『醒ます』の身体は僕の親友の首元を掴み、そのまま引きちぎる。『醒ます』の力なら余裕だろう。赤いジャージを着た親友の首元から出る血が辺りに散らばるのも気にせず、僕は周囲を見渡す。

 

そこには、僕の憧れのヒーロー達が、ただ僕を睨みつけている姿があった。それを見た僕は、さらに不気味な笑みを深くする。

 

また、光景が変わる。

 

猛スピードで現れたトラックが、目の前にいる2人の少年少女を襲う。僕の身体なら助けられるのに、身体が動かない。少年少女はお互いに庇い合い、必ずどちらかは死ぬ。何度も見た光景だ。前回は少女が少年を突き飛ばしていたが、この夢では少年が少女を突き飛ばす。その一瞬後、小さな体はまた飛び散った。

 

「ーーーーーーー」

 

少年が小さな声で呟いた言葉は、聞き取る事が出来ない。

 

ーーーーーー少年が何故か笑っている事に気付いた僕は、ただ彼の視線を追い、そこに立ち揺らめくカゲロウを見る。

 

カゲロウに向かって僕は言う。

 

「ーーいつか彼らを、救ってみせる」

 

僕の言葉は、届かない。カゲロウはこちらを見ない。

 

カゲロウから目を逸らし、泣き叫ぶ少女を『目醒めない』は見ていた。空に暗雲が立ち込め、雨が降り出したころ、僕の夢は終わるだろう。けど、この世界は終わらない。また僕は親友を殺し、少年少女は繰り返す。『カゲロウデイズ』という真っ白な世界で、繰り返される。

 

そこで夢が終わる。少年少女を取り残して。

 

 

目を覚ました僕は体を起こして、顔を洗おうとベッドから抜け出す。

 

洗面台の前に立った僕は鏡の中の自分の姿を見る。

 

ーーーいつも通り、表情は最悪だ。

 

『目を覆いたくなる』程の悪夢だ。こんな事が僕には不定期にある。夢の内容は僕の記憶している前世の通りだったり、不思議な事に微妙に変化しているものもある。ただ、夢の中の僕は、必ずヒーローを殺す。その事実だけは変わる事は無かった。

 

悪夢のおかげで早く目が覚めてしまった僕は、学校に行く準備も程々に、パソコンを立ち上げる。シンプルなガンシューティング、敵を倒pt数で世界の猛者達と競うオンラインゲームだ。ちなみにこれにはレスキューポイントなど導入されていない。

 

『ヘッドフォンアクター』

 

この世界に来て、僕が作ったゲーム。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

時計を見た僕はパソコンの電源を切り目の疲れをとる。そろそろ家を出るべきだろう。朝食を済ませて親に「行ってきます」と伝える。初めて着る制服を身に纏い、高揚感を隠さずに歩き出した。

 

今日は、雄英高校の入学式。

通学路には雄英の制服を着た少年少女が緊張しながらも雄英高校へ足を運んでいる。季節は春。そんな春に相応しい、微笑ましい光景だった。

 

 

雄英高校の門前に辿り着くと、緑色の髪のくせっ毛な少年が目に入る。既視感を覚える光景だが、彼は以前とは違い、僕と同じ制服を着ている。それを見た僕は嬉しくなって小走りしながら、彼に声をかけた。口元がちょっとニヤッとしそうだ。

 

「…合格したんだね!緑谷君!」

 

僕の存在に気づいた彼もまた、笑顔で返す。

 

「…うん!よろしく、九ノ瀬君!」

 

僕はそのまま緑谷君と並んで歩き出す。太陽の光に目を細めながら、校舎を見上げる。

 

ここから始まる。僕のヒーローアカデミアが。

 

そんな事を考えるとやはり笑みが溢れて、緑谷君と笑い合った。

 

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