やはり一度死んだ俺とポンコツ魔王の青春ラブコメはまちがっている。   作:Seli

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3話

〈和樹 Side〉

 

 

 

「ただいま~!」

 

玄関の鍵を開けて、中に入り声をかけるとぱたぱたと4組の足音が聞こえた。

 

 

「おかえりなさい、和樹! ちょっと遅かったから心配したの......よ?」

 

 

「和樹お兄ちゃん! お帰りなさい! その人だあれ?」

 

 

「和兄お帰り! ってどちら様?」

 

 

「和くん、お帰り~! あー! 和くんが可愛い女の子連れて来てる!」

 

 

 

 

母さん→小町→八幡→いろはの順番で話かけて来たのだが、みんな一気に来るなよ。

陽乃が驚いて固まってるじゃないか。

 

 

「和樹が、女の子連れてきた...だと!?

お父さんに連絡して、赤飯炊かないと!

でもお母さん悲しいわ.... もう親離れするなんて。」

 

 

母さんは暴走し涙目になっていた。

おい、この母は何を勘違いしてやがるんだ?

ちょっとお話が必要かな?

 

 

「母さん? ちょ~っと落ちつこうか?」

 

 

俺は笑顔で母さんに言った。

すると、母さんは先ほどの慌てぶりが嘘のように落ち着き

 

「........はい。」

 

 

「よし。実はこの子転けて怪我してから、軽く手当てしたんだけど痛みで歩けないって言ってたから、家までおぶって来たんだよ。悪いんだけど、母さんに陽乃の親に電話かけてもらえるか? 陽乃、悪いんだけど家の電話番号を母さんに教えてやってあげてくれ。」

 

「そうなの? それは大変! 早く、リビングのソファーに座らせてあげなさい、和樹!

ほら、八幡達もこっちにきなさい。」

 

 

「はーい!」

 

八幡、小町、いろはの三人は母さんの言葉に従いリビングへ向かっていった。

 

 

何なのあの天使たち。

可愛すぎるだろ。

 

俺は陽乃を下ろし、靴を脱がせ再びおぶりリビングへと向かいソファーに下ろし、他の荷物をテーブルに置いた。

 

 

「大丈夫か、陽乃?」

 

 

「うん、大丈夫だよ。えっと、初めまして!

雪ノ下陽乃です。よろしくお願いします。」

 

 

 

陽乃は、俺と話していた時とは違う感じで母さんたちに挨拶していた。

この歳で仮面を付けてんのか....

 

比企谷 咲良(ひきがや さら)よ。よろしくね、陽乃ちゃん!」

 

 

「.......? 比企谷 八幡です。よろしくお願いします。」

 

「よろしく、お姉ちゃん! 私は比企谷小町です!」

 

 

「一色いろはです。よろしくお願いします。」

 

小町といろはは陽乃の挨拶にすぐに返していた。

母さんと八幡は、陽乃の仮面に気づいてどう対処するか迷っている感じか....

 

やれやれ、仕方ないな。

 

「おーい、カマクラ~?」

 

俺は我が家のペットである、ネコのカマクラを呼んだ。

 

するとペタペタという足音が俺に近づいてきて、

 

 

「にゃ~?」

 

という声が足元から聞こえてきた。

俺はカマクラを抱きかかえ、陽乃の顔に近づけて

 

「ただいま、カマクラ! さっそく一仕事だぞ。ネコパンチだ!」

 

 

と言うと、陽乃の顔をカマクラが肉球でふにふにし始めた。

 

 

「きゃっ! くすぐったいよ、ネコさん! それに急に何するの、和樹くん!?」

 

陽乃は仮面をつけてない顔で俺にそう言った。

 

「仮面を付けてないその顔で、母さん達にも接しろよ。俺も母さんも八幡も気づいたぞ。それに仮面つけていない顔の方が可愛いし、俺は好きだぞ。」

 

 

すると陽乃の驚いていた顔が赤く染まり

 

「........そっか。

先ほどはすみませんでした!

雪ノ下陽乃です! よろしくお願いします!」

 

仮面を着けていない満面の笑顔で言うのだった。

 

 

〈和樹 Side out〉

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