コンビニ店員が物申す   作:アンリ

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番号だけ/傘をペットボトルだと思っている精神異常者達/年齢確認不要演説者

"番号だけ"

 

今日も今日とてバイトを頑張っていくぞー。給料日後は忙しいし、だらけてたら余計に忙しくなっちゃうから気を付けないと……。いつもと同じように、レジをメインにしてるからお客さんの対応をしていきますか。

 

「いらっしゃいませ」

 

「42番」

 

「42番ですね?」

 

少し間を開けて個数がお客さんの口から出てくるのを待つ。けど、個数を言う気配はなくまたこの手の客か……と思いながらも私は言われたタバコを手に取ってお客さんに確認してもらう。

 

「こちらでお間違いないでしょうか?」

 

「あぁ、2個ね」

 

……だからこういう言葉が足りない客は嫌いだ。

 

「だったら最初から個数を言えよ!! 俺は人の考えていることが分かるようなエスパーじゃないの。分かる? 超能力者でもなく、ただの人間なの。それなのに言わないことを察せるようなことできると思う? 常連でもないくせに自分勝手に言いやがって……。少しは接客を受けるっていう自覚を持った方がいいんじゃないの? それとも取引をまともにできないような困った社会人なのかな?」

 

「はぁ!? 個数いうのを忘れてたくらいでそんなに言うか?」

 

「言いますよ。だって最初から言ってくれれば作業効率も上がりますし、今頃後ろで並んでるお客さんの対応をできてたんですよ?」

 

「はぁ……だったらもういいわ。もう二度とこないからな」

 

「どうぞご勝手に♪ 二度と来ないでくださいね。振りじゃないから本当に来ないで?」

 

お客様は掃除中で電源が切られている自動ドアに激突しながらも、お店を出て行きました。……その後ろ姿に店内は大爆笑。おもしろさだけは作ってくれたみたいでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"傘をペットボトルだと思っている精神異常者達"

 

コンビニ店員の仕事は何もレジだけではない。店内の掃除、ごみの交換、品出しなどなど実は結構な量の仕事がある。だからせめてごみ交換だけはてきぱきと終わらせたいんだけど……。

 

「はぁ……。なんでこうもごみを捨てるのが下手な人がいるんだろうな……」

 

目の前に広がるのはごみ箱に入りきらない量が詰め込まれた山盛りのごみたち。中には燃えるごみにダンボールが入ってたりする。……けど、それよりも衝撃的なことがこのゴミ箱周辺に存在した。

 

なんで……。

 

「なんで、ペットボトルのごみを入れる場所なのに傘がぶっ刺さってるの!? 傘立てあるよね!?」

 

取り出してみるとどうやら傘の親骨から露先部分が外れてたみたい。……これくらい直せるでしょうに。

 

次に缶のごみの場所を見てみる。

 

「なんでスニーカーが入ってるんだよ!? 分別する気あるの!?」

 

どうやらごみがちゃんと捨てられているこの店のごみ箱を見ることはしばらくできないようです。……注意できない分、直らないんだろうな……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"年齢確認不要演説者"

 

 

「年齢確認をお願いします」

 

タバコを買ったお客さんに対して私はお客さんの見える画面を指しながらそう言った。

 

「あ、はい」

 

素直に押してくれるけど、まだお金を払っていないタバコを勝手に開けないでくれるかな……。まぁ、お金も出してるしいいや。

 

「丁度お預かりします。こちらレシートになります。お確かめください」

 

どうせ捨てるんだろうけどレシートをお客さんに渡す。だけどなかなかお客さんは出ていこうともしない。

 

「あのさ、年齢確認って意味あるの? 見ればわかるでしょ? 俺が成人してることくらい」

 

……急にこいつは何を言ってるんだろうか? さっさと帰ればいいものを。

 

「一応、警察の指導があるんでそこは飲み込んでくださいよー」

 

これで引き下がってくれるか……?

 

「いやね、そういうことはわかってるんだけど、このシステムってあなたが……店員さんがね、年齢確認をしましたよってアリバイのためにやってるわけでしょ? もし未成年にタバコを売っても年齢確認したって盾にできるように」

 

「……ちょっとごめん。何言いたいのかわからない。あのね? 未成年にタバコを売った場合は結局売った店員にも前科が課せられるし言い訳には使えないんだよ」

 

「だとしてもだよ。あのさ、腕が使えない学生にね、ノートを無理やり書き取らせる? やらないでしょ? それと同じだよ。無意味なことをさせる意味がない。だから無意味だって言うんだよ」

 

「……それはあなたの都合ですよね? コンビニ店員の全員が全員プロじゃないんですよ? 行っても分からないとは思いますけど、新人さんだっているの。その人が初めて間もなく前科持ちになっちゃ意味ないでしょ? だから2重の確認のため最初に自称成人を名乗ってもらってからこっちで確認するってことをしてるの。タバコや酒を買う者としての義務くらい面倒くさがらずにやってみろよ」

 

「む…………」

 

なぜか、演説を始めたお客様はそのまま出て行きました。面倒だから本当にもう来ないで……。ガチで……。

 

 




義務くらい果たせる成人が多い中、こんな人がいるのです。
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