コンビニ店員が物申す 作:アンリ
「いらっしゃいませー」
さて、今日は2人しかいないしレジしながらだと品出しが進まないかもしれないからスピード町歩をするしかない。まぁ、3人目として社員はいるけれども事務仕事をしているという体でスマホを弄ってサボってるし、全く戦力にはならない。
ただ、そんな状態でもイレギュラーというものは唐突に、突然に何の脈絡もなくやってくる。
それはこれから品出しに戻ろうとした時にやってきた。
「おーい、ライターくれー」
レジに立っていたのは70、80ほどの老人。私はあわててレジに向かった。
「ライターですね? 売り場にありますのでこちらにどうぞ」
うちの店はなぜかライターを聞かれることが多い。といっても他の店を経験したこともない自分のイメージだからもしかしたらほかの店も同じなのかもしれない。
「こちらにライターがございますよ」
「これ有料?」
……? なんでそんなことを聞くんだ? 当り前じゃないか。売り場にあるものは大抵のものは有料だ。
「はい。そうですが……」
「いや、有料のものじゃなくて無料のライターがあるでしょ? そっち頂戴」
あ~……。なんとなくわかった。このおじさんはライターを買いに来たわけじゃなくてカートンを買ったお客さんに対してのサービスとして付けているライターを欲していたわけか。でもあれはカートンを買ってもらったお客さんに対してのサービスだ。
「申し訳ございません。あちらのライターはカートンを買っていただいたお客様のものになります。お客様がたばこをカートンで買っていただければお付けするのは問題ないのですが……」
「そんなことはいいからあるんだから出してよ。カートンを買う金もライターを買う金もないんだからいいだろ。少し借りるだけだから」
何を言っているんだ? 金がないのにライターを要求してきたと言うことか? なんでここに来た?
「それは出来ません。それはしっかりとお金を出してライターを買っているし、サービスのライターもカートンを買っていただいているお客様のものになります。それを何もしていないあなたなんかに渡すのはフェアではありませんのでできません」
「いいから出せって言ってるんだよ!!!」
あ、ダメだ。コイツは言葉が通用しない。しかもこいつが怒鳴るから事務所にいたクソ社員まで出てきたじゃねぇか……めんどくせぇな……。
……あ。こいつはライターを欲していて、この社員も出てきた……。よっしゃじゃあこうするしかねぇよな!!!
「すいません。このお客様ライターを無料でよこせと話にならないので外で少し時間稼ぎをしてもらってもいいですか?」
「あ、イイですよ」
そう言って社員にクソを外に引っ張り出してもらい私は自分のお金でライターと油を一つずつ購入した。
そして買ったライターをもって外に出る。すると入り口付近でまだ口論をしているクソじじいとクソ社員がいた。
私は買った油を開けじじいに向かってかける。その際に隣にいた社員にかかってしまうがそんなことを気にしている暇はない。
「おい!! 何をする!!」
そう言って私に駆け寄ってくるクソじじい。
「あ、貴方はライターというより火が欲しいんですよね?」
そう言って私はライターの火をつけてクソじじいに向けて着火した。すると炎まみれになったクソじじいは当たりを転げまわる。そうすれば地面にある油を伝って、クソ社員にも火が燃え移った。
2人の断末魔のなか自分は使ったライターを捨てて店内に戻っていく。
「この世からのご退場どうもありがとうございました~」