ISACfA《インフィニット・ストラトスAnd Counting for Answer》 作:傭兵No41
※警告※
ここから先には、ひょっとしたら特定の方やそうでない方にとっても非常に不快な表現が、多分に含まれている可能性があります。
なにぶん、キャラがキャラですので納得して頂きたいですが、もう無理!ダメゼッタイ!と思われたかたは、頑張らずにブラウザバックすることをお勧めします。
…どこだ、ここは?
私は…生きているのか?
…くそ、頭が割れそうだ。何だ、この痛み…AMSに負荷がかかりすぎたか?
何だ、この知識は…インフィニット・ストラトス?
篠ノ乃束?
白騎士?
織斑千冬?
――
そんなもの、私は知らない…クソ、やめろ!
なんだこの情報は! 一体、何が起こっているというのだ!?
私はあの場で、リンクスとして死んだはずだ!
これ以上、私に何をさせるつもりだ…
そこで、意識は途切れた。
ある日、某国某所にあった研究所が何者かに襲撃され、
そして後日。某所にある研究所、所内。
「――ね―ま。どう―ら目を――れた――――」
こ…え? 声…か?
誰の…?
「おおぉ!? ホン――くー――ん? たば――んもすぐ――チいくよ!」
二人…? ここは…どこだ?
そうして、私はゆっくりと目を開けた。眩しい――それが最初に感じた事だった。
……何だ、これは? 液体?
今、私は液体の中にいるのか?
ゆっくりと手を前に出す。差し出した手はゆっくりと水の抵抗を受けながら前に進み…見えない何かに阻まれた。恐らく、ガラスか何かか――そして、もう一度当たりを見回すと、私は液体の満たされた円筒形の容器――カプセルの中で、仰向けに寝かされている事を理解した。口元にはマスクなようなモノを装着させられ、そこから一本のチューブが私の頭上へと延びていた。恐らく、これで私に酸素などを供給しているのだろう。…しかし、どこだ、ここは?
円筒形の容器の外を、注意深く観察して見れば、いくつもコードやらパイプやら配線の類いが縦横無尽に部屋を埋め尽くしている…研究所か。しかし何処の研究所だ?
しかも、私を治療し、奴等に何の得がある…?
プシュッ
突然研究室の扉が開いた。入ってきたのは二人の女。
無表情な銀髪の方は取り合えず置いておくとして……なんだ、この頭から触覚を生やしたイカれた格好の女は?
馬鹿なのか? 羞恥心と言うものがないのか?
『おぉー! 起きてる起きてる! ねぇねぇ! 皆のアイドル束さんだよー! キミ、束さんのことわかるなー? ねぇねぇ、なんか言おうよー。折角、束さんがキミのこと助け出したんだからさー』
イカレ女は私が収容されているカプセルに近付くと、一人で勝手に喋って捲し立てている。鬱陶しい。しかし、今コイツはコイツが私を助けたとか言わなかったか?
と言うか、答えられる訳がないだろう。少し考えれば、私が喋れない事にも気付くだろうが。貴様、考えることさえ放棄したか、このやかましいイカレ女め。
私は黙って口許に指を持っていき、口に装着されているマスクを指差した。
『おお、ごめんごめん。流石の束さんもソレには気付かなかったよ。すぐ出してあげるからちょっと待っててね~♪』
何が流石だ。貴様、脳ミソまでカビたか?
……ちょっと待て。貴様が今、その手に持っているのはなんだ?
私にはハンマーか何かのように見えるんだが?
普通、こう言ったものを開ける場合、スイッチ一つで中の液体を抜いてから、ガラスが開いていくものでは……おい、何を思いっきり振りかぶっている?
まさか貴様、それでこのカプセルを叩き壊すつもりではないだろうな?
冗談では…! おい馬鹿やめ――
バキッ!バシャァアアアア…
「ハァ、ハァ…ば、馬鹿か貴様は? どこに医療用カプセルを物理的に壊して開ける馬鹿がいる! 脳ミソまでカビたか、貴様!?」
「いやー、ゴメンゴメン。なんか、キミの顔を見てたらイライラしてきちゃって…普通に開けるのが嫌になったから叩き壊しちゃった、ぶぃ♪」
なんだ、コイツは…予想以上のキチ○イ女ではないか!
つい私は頭を押さえる…本当に頭が痛い…二つの意味で。
取り合えず…何なんだ、このキチ○イ女は…何故私を助けたか…ソレだけでも確めなければ。
「それで…貴様は一体何者だ? 何故私を助けた? 放っておけば私はアルテリアで勝手に死んでいただろう。何故、私を助けた…貴様達企業連はまた私を利用するつもりか?」
「……………」
「何故、助けた? 何故、あのままリンクスとして死なせてくれなかった…。――――まて、そうだ。クローズ・プランは? クローズ・プランは、成就したのか? …アサルト・セルは取り払われたのか? 人類は…宇宙への道を切り開けたのか?」
イカレ女は何故か黙ってこちらを見ている。それも興味深そうに。一体、何を考えている?
「……ねぇ?
ようやく返ってきたのは全く意味の分からない質問。そんな名前、私が知るはずが――。
「――待て。今、貴様は確かに篠ノ之束と言ったな? 知らないが――確かに知っている。……どういう事だ? 篠ノ之束などという名前、私の記憶が確かならば会ったことも聞いたこともないはず――インフィニット・ストラトスの開発者? 無限の成層圏とは……大層な名前だがそんなもの聞いたことも………いや、待て。なんだこれは? 大気圏外での運用を想定したパワードスーツ…女にしか扱えんこんな欠陥品が、何故軍事利用されている? ネクストやアームズ・フォートの方が遥かに性能は上だろうに……いや、
次々と脳内で再生される知らないはずの言葉の数々。それだけではない。私が知る歴史とは違う――いや、似かよった部分もあるが、確かに違う知らない歴史。
まるで無理矢理詰め込んだ様な……自分のモノである実感がまるでわかない、他人のモノである様な知識。
「なんだ……? 一体、何が起こっている?」
「脳への直接的なデータ送信による短期強制学習システム……全く、不細工な発明だけどまさか成功してるなんてね~………やっぱりアソコは潰しておいて正解だったねー」
「貴様………一体、何を知っている?」
「あえて言うなら…何もかも? 」
「貴様が私に何か施したのか!?」
「いやー? 束さんがやったのは精々、キミを
この女……今さらっと飛んでもないことを抜かしたぞ。私の記憶を覗いただと?
イカレているとは思っていたが予想以上のイカレ具合だな。
いや、それ以上に――。
「今――貴様は、研究所を抹殺したと言ったな? 私を造った研究所を―と、確かに、そう言ったな?」
イカレ女……篠ノ之束は、私の言葉を聞くと不敵に笑った。
「言ったねぇ。確かに言ったよ。じゃあ、何処から説明しようか?
そうして、篠ノ之束から聞き出したのは、目の前のこの女以上にイカレた事実。私は
もっとも、私の場合は付け加えて過剰なナノマシンの投与などで最早遺伝子強化試験体と呼ぶのすら生温いらしい。
具体的に例を挙げるなら…肉体の最適化および変質、脳への致命的なダメージと大幅な欠損以外はほぼ再生可能な再生能力。活性化された脳細胞による驚異的な記憶力、人間の限界を超えた反応速度、病気(細菌及び精神的な疾患含むほぼ全て)・薬物全般に対する耐性と肉体の劣化の克服。しかも、そのナノマシンの一部には自己進化機能が搭載されている――らしい。
まぁ、早い話が体の良いモルモットと言うわけか、私は。
ただ当然デメリットもあり、この肉体はかなり燃費が悪いそうだ。何よりも過剰に投与されたナノマシンが暴走した場合、何が起きるかはこの女も、私を製造したもの達でさえ想像がつかないらしい。ふん………造れたからからと何でもぶち込めば良いというものでもあるまいに、変態科学者供め。
――しかし、まぁ最早どうでも良いか。
そう、この世界での私の出生など、もはやどうでも良い。
私にとって、もっとも重要であることは――言うまでも無く、最後のORCAへと託したクローズ・プランの成否。そして、あの世界の人類は、果たして――宇宙への途を、切り開けたのか。
その結果は、最早私には知るよしも、知るすべすら無い。
この世界へ、転生してしまった私には………。
全てが、空虚だ。他に言い表しようがない。
私を造り出した者達を嫌悪し、侮蔑する事はあろうと憎悪も、一片の怒りすら抱けない程には。
「……どんなに取り繕おうと、所詮は大量虐殺の扇動者か。ならば――これは私に対する罰か」
「さぁ? それは流石の束さんにも分からないよ。それで、キミはこれからどうするつもり?」
私の独り言を、この女はどう受け取ったのか………どちらでもありそうで、どちらでも無さそうなその返答。
――それこそどうでも良い話か。
私は篠ノ之束に視線すら向けず、ただありのままに、素直に無感情に自分のこれからについて答える。
「……別に。何もするつもりはない。貴様の好きにすれば良い。貴様の話によれば、私はこの世界で偶然、奇跡的な偶発で造られた『三人目の
「え? ホントに良いの!?」
答えを聞いた篠ノ之束は、子供のように目を光らせて私を見つめている。やはり、所詮科学者など何処でも同じか……この下衆め。
――だが、まぁ良い。リンクスとして逝けなかった事は心残りだが…最早、自身の命などに未練はない。
だが、次に篠ノ之束の口から発せられたのは、予想外の言葉だった。
「じゃあ、じゃあじゃあ、キミには束さんが宇宙に行くのを手伝って欲しいな!」
「は……? なんだと?」
今――この女は宇宙へ行く手伝いをしろと言ったのか?
この――私に?
最悪の反動勢力ORCA旅団の団長にして、最低の扇動家である、この私に?
「束さんはキミを助けた。かつての絶望的な世界で宇宙への途を切り開こうとしたキミを。そう、宇宙に行きたい束さんが! これはもう、運命ってヤツじゃないかな?」
そう言って手を差し出してくる篠ノ之束。私は、この手をどうするべきか――。
「ならば、結果も知っているだろう。世界を敵に回したあげく……結局、私は最後に敗れ――結末すら見届けられずに託す事になった。その最低の結末を」
「分かっていないねぇ~。束さん、キミはもうちょっと賢いと思ったんだけど………
「ならば、私など貴様には必要ないだろう?」
「そんなことない。世界に一度負けたキミだからこそ、束さんを手伝うのに相応しいんだよ。……良いかな? 束さんにはキミが必要なんだよ。人の事を理解できない私にはキミのその知識と、何よりもその経験が。篠ノ之束では決して得がたい、その敗北の経験が」
決して得がたい、敗北の経験とはな………。どれだけ自信過剰なのだ、この女は。しかし、この女の言うことはあながち嘘ではないのかもしれない。しかし、だからこそ脆い。そう感じる。
――そして、私はフン…と鼻で笑う。
宇宙――か。そう言えば………何処かの戦闘狂が言っていたな。
『アンタら人類の黄金の時代のため、とか御大層な 事を抜かしてるけど、語ってる時はまるで、夢に恋するガキ見たいに目を輝かしちゃってさー♪』
まさか――私もあの時はこの女の様な目をしていたのだろうか?
だとするなら、確かに彼女が言っていた言葉にも頷ける。確かにこれは――夢見る子供のソレだ。
「ククク…そうか。随分と恥ずかしい顔をしていた訳か、私は」
「ッ!? へぇ……キミはそんな顔も出来るんだね? 束さん、ちーちゃん達に会ってなかったらイチコロだったかも。で、ソレはなんの話?」
「なに……随分と昔の話だ。気にするな。それよりも貴様……いや、束。分かっているだろうな? 私がその手を取ることの意味を。下手な悪魔との契約より質が悪いぞ?」
「アハハハハ、キミは冗談も上手いんだねぇ~♪ 悪魔? ソレはキミと束さんどっちがかな? ちなみに悪魔程度とは、束さんは契約なんて結ばないし、結ぶつもりはないよ?」
「悪魔程度とはな。悪くない認識だ。つまり、私のことを悪魔以上には見てくれている……という訳か。気に入ったぞ、
「うふふふふ~♪ 束さん、誉められちゃった~♪ ソレで? キミのことはなんて呼んだらいい? カラードのランク1? それとも史上最悪の反動勢力の団長?」
そう言って笑っている束の手に、私は手を伸ばす。
これで――契約は成立だ。かつてのランク1でも、ORCA旅団の団長でもない、ただの一人のリンクスでしかない私と。
「オッツダルヴァも、テルミドールも既に死んだ。ここにいるのは―――」
そして、私は私の新たな名前を告げ、束の手を取る。
「そう、ここにいるのはただのリンクス……レナード…レナード・ベルリオーズだ」
暫くして。
「く………なんだこれは!?」
「何って…くーちゃんの手料理。美味しいでしょ~♪」
「束……貴様、イカれてるイカれてるとは思っていたが、味覚まで腐って居たか、貴様!」
私たちは食卓を囲っていたのだが………だが。
「クロエ・クロニクル、貴様もだ! 貴様はこれを旨いと思っているのか? 見た目からして可笑しいだろう! そもそも、どう調理すれば味から素材の原型すら無くせる。天然食材を使って、よくここまでのモノを作れたな、貴様。調理場に迷い混んだ素人か、貴様? 貴様には下働きが似合いだ。料理人を名乗るなよ、クズが」
全く、なぜこんなモノを…平然と食える二人の味覚はさぞぶっ壊れていることだろう。これを完食だけはした自分を褒め称えたいところだ。
「全く……酷いよね、くーちゃん。くーちゃんが端正込めて造ったものなら、束さんは何でも食べられるからね~だから束さんはどんな味でも平気だよ~♪ くーちゃんの愛情が最大の調味料だから、な~んて言ってみたり♪」
おい、さりげなく止めを刺したな貴様。クロニクルが泣き始めたぞ。
「フンッ………貴様の味覚に巻き込まれるのはごめんだ。明日からは調理場には私が立つ。クロニクル、貴様は手伝いでもしながら勉強してもらうぞ。……まぁ、手伝いなど、空気でも構わんがな。貴様には料理の現実ってヤツを教えてやる」
しかし、その後。結局私はクロニクルに家事全般を叩き込むことになった。
turn 01
『家政婦 の 生まれた日』
END
はい、外伝です。まさかの彼まで転生とか………やり過ぎたか、私?
しかし、最初から誰も転生者は絆と織歌の二人だけ――とは言ってないし!
けれど、本当に彼は登場させる予定でしたので、このタイミングで。
まぁ…本編に絡んでくるかどうかは秘密ですが。
彼が名乗った名前に関しては………各自のフロム脳を総動員してください。
名前は本当に悩んだ………OTZ