ISACfA《インフィニット・ストラトスAnd Counting for Answer》   作:傭兵No41

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さて、最初に謝っておきます。

無 駄 に 長 い で す 。

もう少しバランス良く投下できれば良いんですが…


プロローグ―chapter for answer―

「最後に敗れる…それが定めか。だが、心しておけ。お前たちの惰弱な発想が、人類を壊死させるのだと…!」

 

 

レイレナード系のパーツで組まれた黒い逆間接の機体――アンサングから、流れるテルミドールの無念…そして、憤りに満ちた、最期の呪詛。

向けられたのは中破した状態のレイテルパラッシュとナイトレイド。

 

 

「人類など…何処にもいないさ、オッツダルヴァ…」

 

「人類なんて、大層なモノに目が行き過ぎたんだよ…アンタ」

 

 

そう答える二人の言葉が持つ意味は、大体同じ意味を持つのだろう。

 

 

「ふん、人類の前に、そこに生きる人々を、思う、か…まぁ、良い」

 

 

息も切れ切れにテルミドールと呼ばれた男はそう呟く。既に機体は完全に停止している。呟いた言葉は誰にも届いていない。

そして、直にマクシミリアン・テルミドールとしてその人生を終えるだろう。

 

 

「人を、軽く見た報い…それは、私にこそ相応しいのだから。だが…」

 

 

全てを託す事になった少女の事を思い出す。彼女は彼とは違い、ヒトを甘く見てはいない。その上、人類の行く末など、どうでも良さそうに語っていたのを思い出す。

 

 

『は? ORCAに入った理由? なに、アンタ馬鹿なの? 間抜けなの? 死ぬの? 普通、誘った後に聞いてくるかね? まぁイイケド。

私は、汚染を拡げる金儲け主義な上に何かと直ぐに保身に走る企業の能無し連中も、汚染から逃げながら呑気に空を飛んで汚染を降り蒔いてる脳ミソお花畑な連中も、汚染に怯えて縮こまってる地上の連中も気に食わないだけ。ラインアークは見所あると思ったんだけどねー。ありゃもうダメだわ。

ドイツもコイツも救われない。闘うことから逃げてさー。闘わなきゃ明日なんて掴めないってのに。まぁ、自分の憤り晴らす為に適当に依頼受けてた私も私だけどねー。

と、話が逸れちゃったかね? まー、楽しそうだったから、かな。…オイオイ、何でそこで微妙な顔をするかね。これでも褒めてるんだけど。僅かな数のリンクスで企業に反旗翻すとか、良い度胸してるじゃん? まぁ、まずはそんなとこかな』

 

 

――まずは?

 

 

『そ、まずは。クローズ・プランだっけ、ORCAが目指してるのは。それを聞いたら余計に心踊っちゃってさ。宇宙への道を切り開くとか。馬鹿見たいって言うか…気付いてる?

アンタら人類の黄金の時代のため、とか御大層な事を抜かしてるけど、語ってる時はまるで、夢に恋するガキ見たいに目を輝かしちゃってさー♪ そう言う馬鹿は嫌いじゃないよ』

 

 

――ば、馬鹿?

 

 

『あははは、心外だって顔してるねー。ま、でも私も満更じゃないよ。宇宙への途を切り開くってのは。だって、絶対楽しいよ。宇宙へ行けるってなったら――キット()()()になる。ドイツもコイツも、躍起になって宇宙へいこうとするでしょ。本気になってね。それが楽しみでしょうがない』

 

 

――もしかしたら、争ってる余裕なんて無いかもしれないぞ? むしろ、クレイドルを地上に還すことで、人類は甚大なダメージを負う事になるだろう…。それでも、君は…。

 

 

『ハァ? 今さら何を言ってるのかね、この馬鹿テルミは。そりゃ、確かに少くない人は死ぬだろうし、闘う覚悟すら持ってない、持てない様な…ガキが死ぬのは、まぁ、後味悪いケドさ…それも踏まえて、それでも行動起こしてるんだろ、私達は。それに、まぁまぁ割かし生き残るでしょ。何だかんだで。人って意外としぶとくて生き汚ないし。苛酷な環境に放り込まれて、それでもしぶとく生き残った連中から、また面白いヤツも出てくるでしょ。…そ、それに』

 

 

――それに?

 

 

『乗り掛かった船だし。途中下車とかあり得ないし。ま、まぁ、それなりに感謝してるし? アンタらには…今まで殆ど独りでやって来たって言うか…まぁ…アンタらの事はそれなりに気に入ってるし』

 

『ほう? これは珍しいモノが見れたな。お前がそんなことを言うとは。…私の見識もまだまだといことか』

 

『ハッハー! ハッハハッハーッ! オメェ意外と可愛らしいところもあるじゃねぇか! まぁ、コイツの言う通り今さらだぜ、テルミドォオオオオール!』

 

『うるさい、この単純馬鹿! メルツェルもニヤニヤしながらこっち見るな!』

 

『おうおう、柄にもなく照れておるわ。お前さんのような小娘に、膨れっ面など似合わんよ。どれ、飴玉でもやるからとっとと機嫌を直すがよいよ』

 

『フフフ、飴玉とは…侮られたものだな、お前も。銀翁、飴玉よりも頭の一つでも撫でてやったらどうだ? キットその方が』

 

『このクソジジィ、子供扱いするんじゃねー! ジュリアスも調子に乗るな!』

 

『フフ…彼女も彼らにかかっては形無しということでしょうか。全く、彼女のギャップも恐ろしい』

 

『まぁ、たまにはこんなのも、悪くないかもしれねぇなぁ。なかなか良いぜ、首輪付き』

 

『彼女の戦闘狂ぶりにも飽きてきたところだ。ちょうど良い』

 

『よろしい。それでは今日はスィーツカーニバルと洒落こみましょう!』

 

『だぁああああああああああまぁれ! くそ、黙れ黙れ黙れェーーーー! こうなったらお前ら全員シュミレーターで纏めて黙らしてやる!』

 

『…くく、愉快…』

 

『『『『『『『『『真改が喋った!? しかも笑ってる、だと…!!』』』』』』』』』

 

 

――…君は何のために闘っている?

 

『うるせぇ、この馬鹿阿呆脳細胞死滅テルミが! テメェのせいで大変な事になったでしょうが…全く。私のため。ただ、私が生きる今のために。他に理由なんかあるわきゃ無いでしょ。私が闘う理由を、私以外の誰かになんて、くれてやるもんか…ぶっちゃけ、アンタもそうでしょ? テルミドール。さて、質問は終了? 満足した? じゃぁ、満足したところで…ちょっとシュミレーターでオハナシシヨウカ♪(ブ・チ・殺・し・確・定・ね)

 

 

(ああ、彼女なら…きっと叶えてくれるだろう。切り開いてくれるだろう。宇宙への途を、人類の未来を。ORCAの…夢を)

 

 

不安はない。不服もない。不足など、彼女にあろうものか、と…消え行く意識のなかでテルミドールは想う。

何故なら。

 

 

(もはや、彼女が、彼女こそが、ORCAだ。ORCAであり…)

 

「リンクス、その名は…彼女に、こそ、相応し、い…」

 

 

そして、テルミドールの意識は闇に沈んだ。

 

 

 

 

「テルミドォオオオオオール! 真カアアァァァイ!」

 

「ッ! やっぱり来たか…」

 

「…そうか…貴様も、人類のためには人の死を厭わないか。ならば自分で、死を実践して見せろ! テルミドールと同じようにな!」

 

突然、クラニアム中枢に響く声。

外部スピーカーから放たれた言葉を追うように、赤い鳥が翼をしまいクラニアム中枢に降り立つ。

ラインアーク防衛戦にて撃破されたホワイト・グリント、そして同ミッションにて手酷いダメージを受けたかつての愛機のパーツ。その二つを流用し構成された深紅のホワイトグリント。

名をグリント・リヴァイヴ。

 

 

「…そっかぁ。結局、テルミドールも真改も先に逝っちゃったか。そっかそっか。私を待てばよかったのに。大馬鹿だよねー、二人とも」

 

 

来たときが嘘のような静かな態度。嵐の前を思わせる静けさ。

 

 

「ああ、んで、何だっけ? 『死を実演して見せろ、テルミドールと同じように』だっけ? 残念。そりゃ、無理だ」

 

 

言葉と共にグリント・リヴァイヴに構えを取らせ、QB。グリント・リヴァイヴがいた位置を双発型ハイレーザーキャノンのレーザーが焼く。続いて、移動したグリント・リヴァイヴの後を追うようにナイトレイドが接近、右背部に装備された四連装チェーンガンと左手のオーメル制アサルトライフル、肩のスラッグ弾を発射する特殊兵装の一斉射。

 

(チッ! 流石に避けきれ無いか…なら)

 

戦闘に特化した思考は高速で判断を下し、回避するよりも前進、ナイトレイドの横を被弾覚悟で通り抜ける。

 

「ッ! …まずは…!!」

 

決して少なくは無いダメージを負いながらも、放たれた凶弾の嵐を抜ける事に成功する。彼女の狙いは…。

 

「まずはオマエからだ!ウィン・D・ファンション!」

 

更にQBを起動。レーザーライフルとパルスガンで迎撃してくるが無視。MOONLIGHT起動。左腕を振りかぶると同時に菱形のレーザーブレード発信装置から色鮮やかな紫光の刃が形成される。

一閃。

ブレードが命中し、レイテルパラッシュの装甲を大幅に抉り獲る。

 

「釣りは入らないよ!」

 

ブレードを受けて動きが硬直しているレイテルパラッシュに軽量グレネードを叩き込みつつ、レイテルパラッシュの側面に移動する様にQB。そこからMOONLIGHTでもう一閃。

 

「ッ!外した!?」

 

「あまり私とレイテルパラッシュを舐めるな、小娘!」

 

レイテルパラッシュは後退しつつQT、背部に装備したハイレーザーキャノンの砲身をグリント・リヴァイヴに向けている。狙われたグリント・リヴァイヴは直ぐ様横にスライドする様にQBを起動させ回避…。

 

「俺の事も忘れないでくれよ、赤いの!」

 

「くッ…ああ! もう!」

 

回避した先に吸い込まれる様に進む、殺意持った鋼の豪雨。流石にこれは直撃、PAを大幅に減衰させ、グリント・リヴァイヴの装甲に惨たらしい傷を残す。鋭い殺気と共にそれを叩き付けたのはナイトレイド。

 

「オマエの後だ! これでも喰らっとけ!」

 

左背部のスラッグガン、右背部の軽量グレネードをナイトレイドに向けて大雑把な狙いをつけ連射。

 

「要らね…おぶっ!?」

 

グレネードを回避…したのは良かったが、回避したところにスラッグ弾を全身に諸に浴びて硬直。そこにグレネード弾の追加を受けて、衝撃から完全に機体が硬直。無防備な状態で攻撃を喰らい続ける。

 

(グレネードは弾切れか…)

 

ナイトレイドは後回しにする予定だったが、ここを好機と見て、グレネードをパージして右腕の大容量マシンガンに切り替え、ナイトレイドの中心に時計回りに移動しながら斉射を続ける。

 

「それ以上はやらせん!」

 

ナイトレイドの周囲を回る様に斉射を続けるグリント・リヴァイヴの横合いから、ハイレーザーキャノンの直撃。グリント・リヴァイヴに甚大なダメージを与える。続けざまに好機と見たのか、レーザーの軌道を追うようにレイテルパラッシュが接近。ブレードで斬りかかる…だが。

 

「そんな浅い踏み込みで当たるかっ! こちとら、真改とタイマン張ったことだってあんだよ! 舐めるなぁ!」

 

高度を上げるだけでそれをあっさりと回避し、その背後にマシンガンの銃弾を浴びせかけつつ、背部スラッグガンを収納、QBで接近して斬りかかる。

 

 

「アイツの踏み込みは…もっと深くて、もっと鋭い! 私よりも!」

 

本来ならあるはずの手応えが無かった時に、ウィンは自らの失敗を悟った。彼を見捨てて、冷静にレーザーキャノンやライフル等で削っていけば勝てた…いや、勝てる見込みもあったかもしれない。

だが。

 

(自分で巻き込んでおきながら、彼を犠牲に生き残る…そんなこと、出来るものか)

 

それに、彼ならば。彼ならばきっと勝てるだろう。

何故なら、彼もラインアークの生き残りで、何処の企業にも属さないままに曲がらず、気高く、強く。それでいて、何者にも縛られない、今最も自由なリンクス。

そして、ウィン自身がいつしか弟の様に思っていた彼なら。

だが、それでもウィンが一つだけ悔やむことがあるとすれば。

 

「すまない…結局、あなた任せだ…」

 

レーザーブレードの軌跡が、レイテルパラッシュの胴をなぞり…そこから上下に分かたれたレイテルパラッシュはその機能を停止させる。

 

(…スラッグガンはもう使えないか)

 

ハイレーザーキャノンの直撃を浴びたスラッグガンは、溶解して辛うじて原形を止めている程度。このままではデッドウェイトにしかなり得ないパージする。

続いて、左腕を露払いする様に振って、調子を確認する。

 

(結構無理させたけど、まだ行けそう)

 

「で? いつまでそこで呆けてんの? 敵討ちするってんなら付き合うけど…闘う気が無いなら帰れ」

 

「…ク、クク…」

 

「…? なに、ショック過ぎて壊れた?」

 

「アハ、アハハハハハ! あー、悪い。でも、そう言う事か。…俺も相当壊れてるなぁ…ああ、ショックだったよ。ウィンさんが逝ったのに、()()()()()()()()()()…なぁ、アンタ。アンタは俺が()()()()のか?」

 

「え? アンタ馬鹿なの?()()()()()()()()じゃん」

 

「今、仇獲るチャンスだったろ?」

 

「ああ、そう言う事?だって仕方無いでしょ。アイツらはリンクスでORCAだし。私は闘わないヤツに興味ないし」

 

「そうか。なら、俺は()()()()だ」

 

グレネードの直撃で使い物にならない四連装チェーンガンをパージ。両手に持ったアサルトライフルAR-O700とMR-R102を構える。

 

「依頼は…完遂する」

 

「そう。なら、私は最後のO()R()C()A()

 

右手のMOTORCOBRAを構え、左腕はコアの後ろに隠すように半身になる。

 

「クローズ・プランは成就させる!」

 

二つの機体が()ぜた。

ナイトレイドは距離を維持して、マシンガンの斜線から逃れる様に左へ。

グリント・リヴァイヴはそれを追うようにジグザグの軌道を描きながら前へ。

交わる銃弾と銃弾。これまでの激戦により二体はどちらも満身創痍。地道な削り合いならばナイトレイドに利

があるもの、グリント・リヴァイヴはその機動性にモノを言わせて懐に入り込めれば、至近での一撃必殺(MOONLIGHT)がある。

故に、どちらも互角であり、戦況は拮抗。

ただし、ともすれば些細な事から一気にどちらかに傾く事も否めない。

 

「思えば…アンタとは何かと因縁があったねぇ!」

 

「始めて会ったのはラインアーク襲撃ミッションだったか!?」

 

「あの時はノーマルの余りの歯応えのなさにガッカリした!」

 

「俺は楽なミッションでホッとしたけど…なッ!」

 

ナイトレイドにグリント・リヴァイヴに接近、左腕を振りかぶる。ナイトレイドはそれに合わせて左手に持ったアサルトライフルAR-O700を叩きつけ、後方に…ではなく、前方に向かってQBを発動し、その水力と機体重量全てを使って、グリント・リヴァイヴのその動きを止める。

 

「嘘言うな!」

 

「オマエと一緒にするんじゃねぇよ、このッ!戦闘狂(バトルジャンキー)がッ!」

 

グリント・リヴァイヴの胴に蹴りを叩き込み、QBを使い距離を離す。

 

「ッ! 似た者同士でしょ、傭兵(マーセナリィ)!」

 

「それからもアンタの噂は聞いた。カプラカンを堕としたんだってな!」

 

両手のアサルトライフルから放たれる、正確で激しい濃密な火線を張る。流石にそれは避けるきる事が叶わないのかある程度被弾している。

そう、ある程度。避けられないものは無理に避けず、致命となるものだけはキッチリと避けて。

その技量の高さに舌を巻く。

 

「そう言うアンタはマザーウィルを堕としたんだってねぇ! 私がカプラカン潰したのと殆ど同じタイミングで!」

 

なるべく無駄な回避を行わず、最短距離を駆ける。先程はライフルで防がれた。

ならば、と。

マシンガンを乱射しながら接近、マシンガンを振りかぶる(・・・・・・・・・・・)

流石のこれには面食らったのか、ヘッドパーツに直撃、ナイトレイドはその体勢を崩す。

 

「貰ったァ!」

 

絶好の好機。

レーザーブレードの刺突をコクピットに向けて―――

 

「まだだ!」

 

アサルトライフル二つを重ねて犠牲にして、その凶刃をすんでの所で阻む。その隙にQBも併用して全力で後退。

 

「またッ!でも!!」

 

ナイトレイドを追いかけて前進、もう一太刀――!

 

「甘い!」

 

後退しながら、肩に装備した散弾を打ち出す特殊兵装を起動。この兵装はロックオン出来ず、機体の真正面にしか弾をばら蒔けない。だが、今はかえって好都合だ。

 

「しまッー!」

 

咄嗟にマシンガンを盾に、QBも使って後退する。

盾にしたマシンガンのお陰で被害は微々たるものだが、マシンガンはもう使え無いだろう。

グリント・リヴァイヴは使えなくなったマシンガンを放り捨て、ハンガーから小型のレーザーブレードを装備する。

見れば、ナイトレイドもハンガーからハンドガンを二丁取り出して装備している。

 

「…覚えてる?最後に会ったとき?」

 

「ああ、ラインアーク攻防戦の時だろ?あの時は俺はオッツダルヴァの僚機で」

 

「私はホワイト・グリントの僚機」

 

「あの時もこんな感じだったな」

 

「あの時はお互い、武器全部使えなくなって引き分けだったね」

 

グリント・リヴァイヴは前傾し、両手を翼のように拡げ。

 

「ああ、あの時はマジでビビった。怖かった。ソイツは今も変わらない」

 

ナイトレイドは重心を下げ、何時でも後退できるように。されどその銃身はグリント・リヴァイヴを捉えて

いる。

 

「へぇ…光栄だね。実は、私も怖くて仕方がない。今すぐ逃げ出したいくらいには」

 

「逃げてくれれば楽なんだけどな」

 

「また心にもない…」

 

「「………」」

 

「恐いなぁ…」

 

「ああ、恐い、ね…」

 

「「それ以上に、負けるのが!!」」

 

そして、場は再び動き出す。

グリント・リヴァイヴは今までで最も鋭く、速い動きで翻弄しつつ距離を詰める。

 

「ドイツもコイツも!闘う事から逃げて!明日を掴もうともしないで!今日をなぁなぁで生きてる奴等が、気に食わない!」

 

グリント・リヴァイヴのブレードをQBを併用したバックステップで回避。肩部兵装起動――右方向へのQBで避けられる。

 

「戦えない人間が、戦いに巻き込まれるのを嫌う。それを気に食わないって言うのか、オマエはぁあああ!」

 

「狂ってるんだよ!」

 

「「オマエも!()も!この世界も!!」」

 

QTを使い、横に逃げたグリント・リヴァイヴに銃口を向け、ダブルトリガー。グリント・リヴァイヴはQBで加速、左腕をコアの前で折り畳み、MOONLIGHTを盾にして真っ直ぐにナイトレイドへ突撃してくる。QBで後退しながら肩部兵装を起動――その時、彼の耳に届いた音。

まるで呼吸をするような、独特の起動音。

 

「オーバード・ブースト!?」

 

ナイトレイドのモニターに映るのは、その翼を拡げ、被弾して甚大な損傷を負いながらも、決して止まらず、なお加速しながら近付いてくる――グリント・リヴァイヴ(紅い鳥)

 

「う、お、ああああああぁぁぁぁぁァ!」

 

彼女は獣の様な咆哮を上げながら、残った右腕の軽量ブレードを全推力と機体重量の全てをのせて突き出す。

それは、ナイトレイドのコアに吸い込まれる様に命中し――

 

「わ、た、しの、勝ちだぁぁぁぁぁあああ!」

 

「俺の…負けだ」

 

突き出されたレーザーブレードはコア表面の装甲を貪り喰う様に融解させながら進み、彼の最後の言葉ごと飲み込んでいった。

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」

 

最後のOBを使った突撃はかなりの大博打だった。避けられたらそれまで。ぶっちゃけ特攻に近い。現に、グリント・リヴァイヴはナイトレイドを倒した後も勢いは止まらず、壁に激突して跳ね返され、2・3バウンドして漸く停止した。

我ながらよく生きてるものだと思う。生きてるって素晴らしい。

 

「うっ、ゲホッゲホッゲホッゲェッ!」

 

例え、あと少しの時間だとしても――。

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ…これで」

 

言うことを聞かない体を引きずって、どうにか全アルテリア送電施設のエネルギーを衛星軌道掃射砲、エーレンベルクへの供給が完了した。

流石はメルツェル印のシステムソフト、後は発射シークエンス完了まで勝手にやってくれる。…てか、あの衝撃で壊れないって、何気に凄いな。何製なんだ、か――

 

「ッ!ゲホッゲホッゲホッ、ゴボッ!」

 

口を抑えていた手の隙間から赤い雫が零れ、ビチャビチャと汚い音を鳴らしながら地面に落ちる。そろそろ、本格的にダメかな。

――まだ、まだあと少しだけ。

てか、さっきから何度も出してんだから、そろそろ出しきって、品切になってくれてもいいと思う。わりと苦しいし。痛いのは嫌いなんだよ。

 

『発射シークエンス完了。発射シークエンス完了…人類に、黄金の時代を』

 

ククク、アハハハ!

なぁんだ、アイツにもこんなお茶目な所がちゃんとあるじゃないか…分かりにくいっての。そういうのもっとだしゃ良かったのに。

あー、なんだか眠くなってきた。

もう寝てもいいよね?

 

「おやすみ―」

 

それが、彼女が()()()()に残した、最後の言葉だった。

 

 




これにてプロローグは終了です。
はい、IS要素まるで無いですね、すみません。

では、もう一機の主機のアセンでも。

AC名称
グリント・リヴァイヴ

WHITEGLINT/HEA
WHITEGLINT/COR
WHITEGLINT/ARM
WHITEGLINT/LEG
FCS
INBLUE
GEN
N-SOBRERO
03-AALIYAH/M
KB-JUDITH
AB-HOROFERNES
BB11-LATONA

03-MOTORCOBRA
07-MOONLIGHT
SAPLA
KAMAL

RH
EB-O600


※通常、ホワイト・グリントのパーツでは装備出来ない肩部パーツの記載がアセンにありましたが、ご指摘がありましたので修正しました。

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