ISACfA《インフィニット・ストラトスAnd Counting for Answer》   作:傭兵No41

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予定よりはやく執筆できました。

新たな出逢い、と銘打ってはいますが、再会の方が比重が大きいです。

そしてあんなことを言っておきながらいきなりモノローグですが…どうぞ暖かい目で見守りください。


mission5 IS学園入学、再会と新たな出逢い

さて、それからも色々あったなぁ~。

幼なじみの箒――もとい篠ノ之一家が政府の重要人物保護プログラムで、転校して…あの時は大変だった。

 

 

 

「姉さんが…姉さんさえ居なかったら…こんな…!」

 

私は箒を抱き締めて、優しく頭を撫でてやっている。私達と――いや、一夏と別れるのが嫌なんだろう。一夏にぞっこんだからね、この子は。

はぁ…こんな風に慰めるとか…私のキャラじゃ無いんだけどなぁ…。

 

しょうがない。

 

どうせなら、ついでにもう一肌脱いでやるか…!

 

 

「ていっ!」

 

「いたっ…な、何をするんだ織歌!」

 

撫でていた手を離して、代わりに箒の脳天にチョップをプレゼントしてやった。箒は恨みがましそうにこちらを見ている…ま、理由が分からなきゃしょうがないね。

 

「そこまでにしときなよ、箒。この件じゃ束は悪くないよ」

 

「な、なん…なんだと…!」

 

 

まるで、信じていたものに裏切られたような、絶望と憎悪が籠ったイイ眼を箒は私に向けて来る。

でも…残念。その程度で、動じるような修羅場を潜ってきてないんだ。悪いね、箒。

 

 

「私からしたら…今のアンタは自分の弱さまで束のせいにしてるように見えるよ。…全く、情けないったらありゃしない」

 

 

本格的に泣きそうだが…今ここで止める訳にはいかない。

 

 

「だってさ…離ればれになるのが嫌で、箒。アンタは今なにしてんの?」

 

 

箒の表情が固まる…まぁ、良いか。憎まれ役はなれてるし。一気にいこう。

 

 

「何もしてないよね? やってる事と言えば…私に甘えて慰めて貰ってるだけだよね? 悲劇のヒロインぶった挙げ句に、自分の弱さまで他人のせいにするな」

 

「な…なんだと…お、織歌に、織歌に私の何がわかる! たかが子供に! 子供の私に何が…」

 

「分かる訳無いじゃない…何言ってるの箒。そんな当たり前なこと、聞かないと分からないの? それに子供がどうとか関係ない。弱くて、何も出来ないのは全部、箒自身のせいだよ。箒自身の、弱さのせいだ」

 

「ッ! だ、だからどうした!確かに弱いんだろう、私は、強い織歌からしたらな! でも、でも! これは政府の…政府の命令だぞ!? それに対して、何が出来るって言うんだ!」

 

「その、何も出来ないのが弱さなんだよ、箒。仮に聞くけど…例えば、政府が下らない理由で一夏を抹殺とかしようとしたらどうするの?」

 

 

自分でも思う。この質問は卑怯だと。それでもしなきゃいけない。箒の逃げ場を無くす為に。

 

 

「ッ! あ、あり得るものか、そんな事! 国民を守ってこその政府だろう! そんな馬鹿げた事があるか! 第一、その質問になんの関係がある!」

 

「あるよ、関係。それにあり得ない? 悪いけど、世界は割となんでもあり得るんだよ。経験あるでしょ、四年前に。じゃあさ、この国の政府でなくても良い。他国の政府からの要請とか、非合法の犯罪組織でも、なんでも。そうなってもアンタは泣いて、誰かに慰めてもらうだけのつもり?」

 

「ッ!」

 

「違うでしょ? 多分、助けようとするでしょ? ()()()()()の事は何も分からないけど、少なくとも私の知ってる、私の幼なじみの篠ノ之箒は、幼なじみを見捨てられるほど、情けないヤツじゃない、弱いヤツじゃない………ねぇ、箒。今は、弱くたって良いじゃない。自分の弱さを人のせいにするんじゃなくて…さ。今は自分の弱さ、受け入れてさ。ソレで強くなれば、良いんじゃないの? 誰よりも強く、国からの保護なんて要らないくらいに…さ」

 

 

そうして呆然としている箒を抱き締めて、もう一回頭を撫でてやる。

 

 

「だから…さ。今はたっぷり泣いてさ…悔やみなよ、自分の弱さを。そんで強くなろう…誰よりもさ」

 

「お、おる…おるか…おるかああああああああ!」

 

 

先程よりも優しく撫でながら、私は続ける。

 

 

「それと…話が戻るけど、束は何も悪くないよ。確かに、原因を作ったのは束かもしれない…けどさ、束がISを作らなかったら、もしかしたら私達は今、いなかったかもしれない。アイツは…束は、アンタの姉さんは、ただ純粋に宇宙に行きたかっただけなんだよ。だから何も悪くない。本当に悪いのは、束が頑張って折角作ったISを、兵器としてしか利用価値の見れない、世界が悪いんだよ」

 

「世界が…?」

 

「そう、世界が。歪んでるんだよ…世界も、アンタたち姉妹も…ホントはさ、好きなんだろ? 束のこと。…見てられないんだよ、自分の幼なじみが、本当は好きなものを、嫌いだって言って、傷付くのは…さ?」

 

 

暫く箒は泣いた。思いっきり。お陰で服はベトベトだ…全く、キャラじゃないことなんて、やるもんじゃない。

 

 

「す、すまない、織歌…情けないところを見せた。ソレで…その」

 

「良いって事よ。それと、私は誰にも言うつもりはないよ」

 

「す、すまん…ありがとう、織歌」

 

 

まぁ、たまには悪くない。幼なじみのこんなにスッキリした顔が見れるんだったら。

私は返事を返さずに、手をヒラヒラさせて箒の部屋を後にした。

 

――さて、あともう一仕事。

 

 

「束、入るよ」

 

「わっ! ちょちょっと待って、おーちゃん! 束さん今、取り込みちゅ…」

 

「うっさい。どうせ全部聞いてたんでしょ。…まぁ、良いや。いっぺん、アンタも箒としっかり話をしなよ。そんだけ」

 

 

それだけ扉越しに伝えると、私は篠ノ之家を出ていった。

まぁ、後はあの姉妹次第だ。私の…知ったことじゃない。

 

 

 

 

 

 

「なんて事もあったなぁ…」

 

と、しみじみ呟く私は、今は花の高校一年生。

なんの因果か、キズナと幼なじみの一夏…世界で今のところただ『二人だけの例外』とクラスが同じとか………うん、楽しみで仕方ない。一夏なんか自己紹介で早速やらかしてくれたし。これから二人には頑張って貰いたい、二つの意味で。

 

まぁ、私だってうんざりしてるんだよ、今の世の中の風潮ってヤツには。『女にしか操縦できない』ISが浸透してから、世界は今じゃ女尊男卑一色だ。頼りになる男性像なんてのは何処へやら、今じゃ男なんて女がその気になれば、三日もあれば殲滅できるみたいな事を評論家が恥ずかしげもなく平気でメディアで喋ってる。そして、ソレをそのまま鵜呑みにしてる有象無象共。力も無く、闘って勝ち得たって訳でもないだろうに。

 

 

それじゃ、今度は二人の例外について説明しよっか。

今、キズナと一夏は現状『世界でただ二人だけ、男性でありながらISを起動できるIS操縦者』として、ここにいる。

じゃあ、何で二人がISを起動できる事がわかったかと言うと、キズナいわく。

 

 

『一夏と一緒に藍越学園の入試に行ったら、迷った挙げ句にどこかの馬鹿が人の制止も聴かずに試験会場に突入していって、気がついたらその馬鹿がISに触れて起動させていた。その流れで俺もISを起動させてみる流れになって、めでたくIS操縦者の仲間入り。この僥倖には一夏に感謝したけれど、間違えて突撃した理由を聞いて一夏を一発殴らずにはいられなかった。『IS(アイエス)学園と藍越(アイエツ)学園って似てるよな?』この言葉を聞いたと思ったら、既に拳は一夏の頭にめり込んでいた。何を言ってるのか訳が分からないかも知れないが、後悔はしてない』

 

そのキズナの言葉には、流石の私も死にかけた。まさかORCAだった私の今生の死因が、笑い死ににならずに本当に良かった。

 

 

 

で。そしてここは公立IS学園。IS学園ってのは、

ISの操縦者育成を目的とした教育機関であり、その運営及び資金調達には原則として日本国が………あー、メンドくさい。平たく言っちゃえば、日本の発明したISが世界を混乱させてるから、責任もって日本でIS操縦者の管理と育成しろってこと。さらに運営資金の調達も自分でやらせておきながら、技術情報の開示だけは協定に参加してる国家全てに無条件に教える必要があるとか。かつ、加盟国に所属している人間への入学は無条件に認めないといけない上に、日本での生活の保証までしなくちゃいけない。どんだけ厚顔無恥なのよ。

つーか、一ヶ所にIS操縦者とか集めて、IS学園主導で反乱とか起こされたら対処できるのかな、世界は。

まぁ、そんなことよりも今は――

 

 

「……おい、聞いてるのか織歌?」

 

 

つい昔の事やら最近の事を思い出していたら、折角懐かしの幼なじみが声をかけてくれてるのに放置しちゃった。

 

 

「ゴメンゴメン。ちょと考え事してたら集中しちゃって…久し振りだね、箒。見た感じ、変わらないねー、あの頃と」

 

 

自然と顔が緩むのが分かってしまう。全く、私は何時からこんなキャラになったんだか。

目の前にいるのは、黒髪を白いポニーテールで纏めた女の子。身長は…私の方が高いかな。

で、胸は…な、なんだと…? クソッ! あり得るのかこんな事…!

私だってそれなりにある方だが…この年齢でそのサイズ…くぅ、負けた!

別にでかくても嬉しくないけど。動くのに邪魔になるし。でも、なんか負けた気がして悔しい。

でも、昔の面影がしっかり残ってる。全く、機嫌悪そうに見えるのも相変わらずだなぁ。

あれから、中身はどうなったかな?

 

 

「ふん…そう言う織歌の方こそ相変わらず見たいだな。内面も…その様子では、一夏とキズナに相当苦労させて来たんじゃないか?」

 

 

言うようになったじゃない。その言葉にニィっと笑ってしまう。

 

 

「いや、全く。昔から狂暴で、手が付けられないんだよコイ…ツッ!」

 

 

パシンッ!

ち…防がれたか。キッチリ私の裏拳止めて…そのドヤ顔やめろ。

 

 

「幼なじみとの感動の再会に水を差すのがアンタの流儀…? そのうち後ろから刺してやろうか? あと、訂正入れなかった一夏も同罪と見なす」

 

「やめてくれ。オルカが言うと冗談に聞こえない」

 

「ちょ、それって流石に酷くないか織歌!?」

 

「…本当に変わらないな、お前たちは」

 

 

そう言って笑ってる箒の顔は、どこか嬉しそうで。まぁ、気持ちは分かる。久し振りに出会った幼馴染みが変わって無いのは嬉ことだろうし。

 

 

「だが――私は変わったぞ。織歌、あの時より――多少は強くなった。お前に負けないくらいには」

 

 

へぇ…良い表情するようになったじゃない。こりゃ、ますます楽しみだ。

 

 

「そう言う意味なら――私も強くなったよ。あの頃よりズット」

 

 

私も箒も、お互い楽しそうに笑って拳を合わせる。

さて、それじゃあ…久し振りに再会した幼馴染みのために、実益と趣味が多分に含まれたお節介でも焼いてやりますかね。

 

 

「ところで…箒ぃー? 本当は一夏に用事があるじゃなかったっけぇ~?」

 

「ん? そうなのか、箒?」

 

「な、ななななな…なんて事を言い出すんだ、織歌!」

 

「あっるぇ? 無いのぉ~?」

 

「ッ! い、いや、ある!」

 

 

全く、昔から分かりやすいとこも変わってないなぁ。顔真っ赤にして…まぁ、それでもこのスピリット・オブ・朴念仁は分かってないんだろうが。

 

 

「じゃあ、さっさと廊下にでも行ってきなよ。ここじゃ目立ちすぎるし」

 

「す、すまんな、二人とも。では、一夏は借りていくぞ!」

 

 

それだけ言うといそいそと一夏を連れて、箒は教室を出ていった。うまくやれると良いんだけど…ま、無理だろうな。

 

 

「……オルカは良い趣味してるよ、全く」

 

「最高の誉め言葉だと受け取っておく」

 

 

私もキズナも二人してニヤニヤして…全く、アンタも充分良い趣味してるよ。

 

 

「ちょっと、よろしくて?」

 

「うん? 誰?」

 

 

声がしたので振り返ると、そこには金髪をなびかせた見るからにお嬢様な女の子が。パット見、プライド高そう。こういうタイプ苦手なんだよなぁ…。てか、なんなのよ。そのポーズは。腰に手を宛てて胸に手を添えて…しかも無性に様になってるのが余計腹立たしい。

何より胸のサイズが…私より少しデカイのが気に食わない。

 

 

「ま…まぁ! このクラスのたった二人の専用機持ちで、イギリス国家代表候補であり、入試首席でもある、このわたくしをご存知ないと!? そうおっしゃるのですか、織歌さん、アナタは!」

 

「あー、ごめんウォルコットさん。オルカは実力も分からないヤツにあんまり興味ないんだよ。で、オルカ。この人はセシリア・ウォルコットさん。聞いての通り、イギリスの国家代表候補でお前と同じ専用機持ちで、入試首席らしい」

 

 

私が不機嫌になってきたのを察したのか、キズナのヤツがウォルコットとやらを宥めながら説明してくれた。しかも然り気無く毒を吐いて…良い趣味してるよ。

 

 

「ふぅーん…って、え? ウォルコット?」

 

「そう、ウォルコ…」

 

 

バシン!と、教室内にウォルコットさんとやらが勢いよく机を叩くのが響いた。

 

 

「違います! わ・た・く・しの名前はぁ~セ・シ・リ・ア・ウォル…………セシリア・オルコットでしてよ!」

 

「「うわっ、説得力がない」」

 

 

ウォルコ…もう紛らわしいしセシリアで良いか。

セシリアが瞬間、身体をビクッと、震わせて一歩引いた。どうしたの?

 

 

「アナタ方…本当に兄妹でしたのね…息ピッタリですわ」

 

バシシッ!と、今度は私とキズナが同時に机を叩いて立ち上がる。

 

 

「「誰が!? 誰と!? 」」

 

「あ、アナタ方二人ですわ…」

 

「「冗談じゃない! コイツと兄妹なんて御免だね!!」」

 

 

セシリアが…と言うか、クラス中が一歩後ずさった気がする。何でだ?

 

 

「そちらの方こそ説得力ありませんわよ…?」

 

 

どこが!?と、反論しようとした直後、廊下から小気味いいパァーンという音と、「とっと席につけ、織斑」と言う魔王の言葉が聞こえ、全員席に戻って静かに着席。二限目の授業が始まった。

 

 

 

 

 

 




没案

「なんて事もあったなぁ…」

と、しみじみ呟く私は、今は花の高校一年生。私もISのお陰でIS学園に入学する事が出来ました。そして、そんな私がキズナに贈るのも、もちろんこのアライアンス製の特別なIS。
何故なら、彼も私と同じ、特別な例外(イレギュラー)だからです。


さて、ようやく登場したセシリアさん。初登場はこんな感じですが…オルッコ党の皆さんいかがでしょう?
なるべくチョロリアさんにはならないよう気を付けたいですが…
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