ISACfA《インフィニット・ストラトスAnd Counting for Answer》 作:傭兵No41
前回のお話を投稿後、10件くらいお気に入りに入れて下さった方が増えた事に驚きを隠せない作者です。ええ、ビックリです。驚きです。ありがとうございます。
箒の過去捏造&キャラ改編に対する反応に心身恐々でしたが…このまま暴走を続けて良いものか…はてさて。
さて、それでは今回もお楽しみ頂けるよう願って…始まります。
さて、オルコットさんが授業前に襲来したけれど何事も無く授業は始まった。…いや、本当はあった。
オルカは気にしてないようだけど、俺は気にする。授業前にクラス中の注目を集めてしまった。俺もオルカも似てると言われれば即座に否定するが、外見だけで言えば非常に似ていると思う。
違いと言えば髪の長さと身長位か。俺は長めのショートヘアー、オルカは腰辺りまで自慢の黒髪を伸ばしている。身長は俺が175cm位で、オルカは同年代の女子に比べて高めの171cm。この間一夏に抜かれた事を大いに悔しがっていた。………お前は本当に女の子か?
兎に角、注目を集めたのは不味い。授業中で千冬さんが目を光らせている事もあって、表面上は静かだが………なんかチラチラ視線を感じる。
全くもって失敗した。ちょっと考えれば分かることだと思うが、『ISは女性にしか扱えず』、ここは『IS学園』なのだ。そして俺と一夏は『世界でただ二人の男性IS操縦者』だ。
では、それが導き出す答は?
そう、クラスどころかIS学園で男子は俺と一夏の二人だけ。簡単に言えば突然女子校に放り込まれたと考えてくれれば良い。幼馴染みの五反田弾であれば、『楽園』とか『お前ちょっとそこ代われ』とか言い出しそうだが…冗談じゃない。この珍しいモノを見るような視線は結構きついぞ。双子で見た目オルカと一緒だったから、年中割と視線感じたけれど、これはその比じゃない。『ほぼ女子校』×『世界で二人だけの男性IS操縦者』×『そっくりな双子』で乗算だ。
…あれ、そうなると一夏はそっくりな双子が、『
しかも、俺も一夏も自分でISを操縦することを決めたから、冗談でも代わってくれとか言えないし、言うつもりもないんだよ!
「……ずなくん? 烏丸絆くん?」
「は? は、はい。何でしょう山田先生?」
いけない。思考に没頭しすぎた。気が付いたら山田先生に名前を呼ばれていた。しかもどこか不安な表情をしている…失敗したかなぁ?
「絆くん? 何か分からないことでもありました?」
「あ、いえ。そう言う訳では…今のところは理解出来てないところはありません。山田先生の授業は分かりやすくて助かってます」
分厚い教科書が何冊も揃って家に届いたときは、流石に辟易したが、随分前から
ただ、最後の部分も嘘を言ったわけじゃない。純粋にISに対する知識で欠けている部分を埋める上で、山田先生の授業は確かに分かりやすい……のだが、何故そこで顔を赤らめる必要が? てか千冬さん…なんですか、そのまるで「コイツもうダメだな」って、あきれた視線は。俺はあなたの弟の一夏とは違いますから! こんな天然フラグファイターと一緒にしないで下さい。
って、あれ? いち…か?
見れば、一夏が此方を見て驚愕している…何があった?
その顔は、まるで…そう、まるでドン・カーネルみたいな『こ、コイツがリンクスだと!? だ、だったら俺は、いったい何だってんだよぉ!!』って、感じの…どうした?
「そ、そうですか! そうですか♪ でも、分からないところがあったら、遠慮無く先生に聞いてくださいね! なにせ、私は先生ですからっ!」
山田先生…随分テンション上がりましたね。
「は、はい…分からないところがあったら遠慮無く聞きますので、その時はよろしくお願いします」
はぁ…また、無駄な注目を集めてしまった…。
「他にも今の段階で、どこか分からないところがある人はいますか?」
「ハイッ!」
お、一夏が勢いよく手を上げたな。なかなか潔いな一夏。聞くは一時の恥じ、聞かざるは一生の恥じって言うしな。何よりここで分からないところが出て来ると、後々に響くからな。んで、何処が分からないんだ? 何だったら後で俺も勉強手伝ってやろうかな。
なんて、甘いことを考えていた俺を本気で殴り飛ばしたい。
「あ、織斑くん。それじゃ、どこがわからないんですか?」
「ほとんど、全部わかりません!」
「ブッ!」ガタタタタタッ!!
…………………。
はっ! い、いかんいかん。ついポカーンとしてしまった。…気が付けばクラス中がひっくり返ってる。…無理もない。これが粗製か…。オルカはオルカで、また笑いを堪えるので必死だ。
「え…ぜ、全部…、ですか……?」
さっきとうってかわって、山田先生のテンション駄々下がり。完全に顔がひきつってる。
「ハイッ! 全部ですッ!」
こぉの馬鹿一夏…なに言い切ったってスッキリした顔でハッキリ答えてるんだよお前…いや、お前に羞恥心とか色々期待した俺が馬鹿だったか…。
「織斑……入学前の参考書は読んだか?」
「古い電話帳と間違えて捨てました」
ズッパァーーーン!
今日一番の良い音だなぁ…織斑一夏、馬鹿な男だった…。
馬鹿だ馬鹿だとは思っていたけど…入学前必読ってデカイ字で書かれていたものを、普通捨てるものかね…?
「ぷっ…クッ! クク…」
「必読と書いてあったろうが、馬鹿者が! 後で再発こ…「ブッ…く、アハハハハハハハハハハハ、ヒヒヒヒ…も、もうだめ! お、お腹痛い。げ、限界…し、死んじゃう…ぷっ、ククク…アハハハハハ! 馬鹿だ馬鹿だとは思ってたけど…あ、アンタやっぱり馬鹿だわ、それもとびっきりの大馬鹿だよ、アハハハハ…」
スパァーン!
「いたぁっ!」
「笑うな、馬鹿者…一応、今は授業中だ」
「い、いや、無理だって、ぷっ、く。ち、ちーちゃん…それ無理…ぷっく、ククク…」
スパン!
「だから笑うなと言っているだろう、織歌。それと何度も言っているが、今は織斑先生だ」
ああ…馬鹿ならもう一匹いたな。怖いもの知らずの馬鹿が。まぁ、今まで耐えただけでも立派なほうか。
「……ゴホンッ。ともかく、再発行してやるから織斑はあと一週間以内に覚えろ。…良いな?」
「は、ハイッ! 全力で覚えます!」
流石の一夏も今の千冬さんの剣幕には下手なこと答えられないよな。
「はぁ………いいか。他の者もよく聞け。ISはその機動力、攻撃力、制圧力。どれをとっても過去の既存の兵器を遥かに凌ぐ。そう言った『兵器』を深く知りもせずに扱えば必ず事故を起こす。そうならない為の基礎知識と訓練だ。理解出来なくても覚えろ。そして守れ。規則とはそう言うものだ。事故で死んでもつまらんだろう」
圧倒的な正論。その言葉にクラス中が息をのみ、一夏が気を引きしめたのを感じた。…この中でそれを聞いて平然としているのは、俺とオルカ位か…いや、もう二人いたか。
ただ、国家代表候補生のオルコットさんはともかく、何で箒まで?
…謎だ。
「え、えっと、織斑くん。分からないところは授業が終わってから放課後教えてあげますから、頑張って? ね? ね?」
山田先生が一夏の両手を取って、見つめあげるその姿はなんと言うか…。ちょ、箒さん? 殺気駄々漏れですよ!?
怖い、怖いから! 気に食わないのは分かるけど、少しは隠す努力をして、お願いだから!
「はい。それじゃあ、また放課後によろしくお願いします!」
そして、一夏はそんな箒に気付いてない…凄いよ、お前。山田先生は山田先生で「放課後に生徒と二人っきりで…」とか「でも織斑先生の弟だったら…」とか、千冬さんに授業の続きを催促されるまで呟いていた。…山田先生で本当に大丈夫なんだろうか……。
「ちょっと、よろしくて?」
「ん? またどうしたの、オルコットさん?」
一限目も、終わり。一息つけると思ったら、またオルコットさんに話しかけられた。そう言えば、さっきは話の途中で授業が始まったっけ。随分高圧的な印象をさっきは受けたが…まぁ、それだけ実力に自信があるんだろうな。好奇の視線を向けられるよりマシか。
「まぁ! なんですの、その態度は? わたくしに話しかけらるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度と言うものがあるのではなくて?」
「…誰? 知り合いか絆?」
一夏、お前の記憶の中に、俺が一度でもこんな金髪碧眼で髪に縦ロールのかかった見るからにお嬢様然とした人と知り合う機会があったと思うのか、友よ。
しかし、今見るとこのクラスも凄いな。かろうじて日本人はクラスの半分で、残りは世界の人種の見本市みたいに多岐に渡っている。
ああ、しかし。一夏よ、お前はまた厄介ごとを…場をかき回す天才か、お前は。さっきのオルカの時みたいにプルプル震えてるよ、オルコットさんが。
「まぁ! あなたもわたくしを知らないと、ご存知無いとおっしゃるの!?」
「あー、一夏。さっきの自己紹介聞いてなかったのか? この人はセシリア・オルコットさん。イギリスの代表候補生で、オルカと同じ専用機持ちの入試首席らしい」
何で俺がオルコットさんの自己紹介をしなきゃならないんだ…いや、面倒なことになるよりずっと良いけど。
「そう!わ・た・く・しは、代表候補生で学年首席のセシリア・オルコットですわ! …あなたはこちらの方と違って、多少は見処があるようですわね? 」
「お褒めに預かり恐悦至極…って、言いたいところだけど、一夏と比べられても嬉しくない…」
「おま、ソレちょっと酷くないですか!?」
「あら? 謙遜しなくても結構ですわ。この私が誉めているのですから! あなたにはその至福をその身全てで受け止め、幸福に浸る義務があるのです! 何故なら、そう! このわたくし直々に誉めて差し上げているのですから!」
ここまで来ると逆に感心するな。何て言うか、今まで回りにいなかったタイプだ。オルコットさん、結構面白いな。けどまぁ、オルカが居なくて良かった。オルカは休み時間開始と同時に箒のところにいってる。仲良いな、あの二人。
「はぁ、良いよもう……なぁ、絆。ついでにもう一つ教えてもらって良いか?」
「なんだ?」
「今、さらっと言ってたけど、代表候補生ってなんだ?」
「「………はい?」」
俺もオルコットさんも揃ってポカーンとしている。いや、流石にこれは無理だ。俺はこれから一夏を何て呼んだら良いんだ? 馬鹿や大馬鹿ではまだ足りない気がする。そうだ、確かBFFにこいつにぴったりのがあった。今度から、一夏と書いてグレート・馬鹿と呼ぼう。そうしよう。
「……ほ、本気で、言ってますの……?」
「……ごめん、オルコットさん。信じたくない気持ちも分かるけど、コイツ本気で分かってない。………なぁ、一夏。お前の姉さんの織斑先生は、昔なにやってた?」
「お前…流石にソレは俺のこと馬鹿にし過ぎじゃないか? 日本のIS操縦者国家代表だろ? そんなこと、家族である俺じゃなくっても分かるくらい常識だろ」
…言いたいことはあるが、ここは我慢だ。我慢。
「じゃあ、一夏? その国家代表に候補をつけたら?」
「あ…そう言うことか!」
「そう言うことか、じゃねぇ! この馬鹿、大馬鹿、グレート・馬鹿! ちょっと頭働かせて考えればすぐ分かるだろ! 人にものを訪ねる前に考えるって事を知らんのかお前はぁっ!」
「あ…その、悪い」
「……極東の未開の島国とは思っていましたけれど、まさか…ここまで酷いとは思いませんでしたわ…まさかここまでとは…もしかして、この国にはテレビも新聞も無いのではなくて…?」
オルコットさんが怒りを通り越し呆れさえぶっ飛ばして、一夏にとても残念なものを見る様な、憐れむ様な視線を向けている。もう、俺も一夏をフォロー出来ない…だけど、せめて………オルコットさんの誤解だけでも解いておこう…。
「……オルコットさん。気持ちは分かるけど、ソレは違うから。一夏だけだから。一夏と同列に俺達を見ないで…」
「はぁ……稀少な男性操縦者だと言うから、多少は知的な方だと思っていたのですが…期待外れですわ。烏丸絆さんあなたも…本来ならばわたくしのような有能な人間とクラスを同じくする事だけでも奇跡………幸運でしてよ。その現実をもう少し理解して頂きたいのだけれど?」
幸運…ねぇ。さて、なんて答えるべきか…なるべく波風はたてないようにしたいな。
「おう、そいつはミラクルラッキーだな」
一夏、何でお前はそういつも…いや、分かってる、分かってるんだ。こいつとも付き合いは長い。悪気がないってことは分かってるんだ。
「……馬鹿にしていますの?」
「オルコットさん、コイツはただ単に素直なだけなんだよ。だから悪気があった訳じゃないから誤解しないでやってくれ」
「まぁ、庇いあって随分と涙ぐましい友情ですわね。良いでしょう。わたくしは優秀ですから、あなたがたのような方相手でも優しくしてあげますわ。ISで分からないことがあれば……まぁ、泣いて頼まれれば教えて差し上げてもよろしくてよ? 何せ、わたくしは入試で教官を倒したエリートですから!」
「ん? 入試ってあれか? 教官を倒すやつ?」
「それ以外に入試などありませんわ」
……なんだ? 嫌な予感が…?
「それなら俺も絆も倒したぞ」
お前のあれは倒したって言うのか? いきなり突っ込んできたのをかわして、壁にぶち当たって勝手に自滅しただけだろう?
もっとも俺も――一夏の時の失敗が元で、動きに精彩の欠けた殆ど動く的状態の教官を倒しただけだから、実力とは言えないだろうけど…今重要なのはそこじゃない。
一夏…頼むからさらっと俺も巻き込まないでくれ…。
「わ、わたくしと織歌さんだけと聞きましたが?」
「女子では、って事じゃないか?」
「あ、あなたも倒しましたの!?」
えー…どうしよう、これ。
「え~と…」
「目を泳がせて居ないで答えなさい!」
「……はい。俺も、その…一応?」
「一応? 一応ってどういう意味ですの!?」
「えーと、落ち着けよ、な?」
「そ、そうそう。オルコットさん、ちょっと落ち着いて…ね?」
「こ、これが落ち着いていられ――」
そこで次の授業を開始するチャイムが鳴り響く。一夏はほっとした顔をしているが……一夏、オルコットさんの性格を考えてみろ。
「――っ! また次の時間も来ますわ! 覚悟しておきなさい!」
覚悟って………何を覚悟すれば良いんだか…と、ため息をつきながら教科書やノートを並べ、授業の準備を終えると視線を前に向ける。
「それではこの時間は実践で使用する各種装備の特性について説明する」
教壇には今度は千冬さんが立っていた。山田先生は…教室の隅でノートをとる準備をしている。ああ、山田先生は教師に成り立ててで、教師見習いみたいな感じ何だろうか?
教えるのは上手かったから、後は自信がつけば良い教師になれるんじゃなかろうか。
「ああ、その前に再来週行われるクラス対抗戦に出場する代表者を決めるとしよう。クラス代表者とはそのままの意味だ。対抗戦だけではなく、生徒会の開く会議や委員会への出席………まぁ、クラス長だな。ちなみにクラス対抗戦は、入学時点での各クラスの実力推移を図るものだ。今の時点で大した差は無いが、競争は対抗心を生む。一度決まると一年間は変更できないからそのつもりで」
……あれ? なんだ、物凄く嫌な予感が…例えるなら不明ネクスト二機を撃破しに行ったら実は四機だった時みたいな。
待てよ。今、クラスで誰が一番強いとか良く分かってないよな? って言うことは立候補者がいない場合、皆専用機持ちのオルカとオルコットさんを推薦するんじゃないか?
……オルコットさんは兎も角、オルカがクラス代表になることだけは阻止しないと…コイツの事だから面倒臭がって絶対録な事にならない。
「はいっ。織斑くんを推薦します!」
「じゃぁじゃぁ、私は絆くんを推薦します!」
「私もそれが良いと思います!」
「では候補者は織斑一夏と烏丸絆……他には居ないか? 自推他薦は問わないぞ」
「お、俺!?」
「な、なんで!?」
つい俺も一夏も立ち上がる。いや、予想外過ぎだろう。普通、こういうのは専用機を持ってる実力が確かそうな奴を推薦するべきじゃないか?
集まる視線が痛い。皆『世界でただ二人の男子だ。期待している』みたいな勝手なこと考えてるんじゃないだろうな。冗談じゃない。
「二人とも席につけ…邪魔だ。まぁ、それだけクラスから信頼され期待されていると言うことだ。で、他には居ないのか? 居なければこの二人で決選投票に移るぞ」
相変わらず、千冬さんは一夏の操縦が上手いなぁ…コイツなら、期待されてるとか信頼されてるって言えばやる気を出すだろうし。まぁ、オルカじゃ無いだけましか…後は俺にはならないよう天に祈るしか無いか。
「待ってください! 納得がいきませんわ!」
……そうだ。まだ逃げる道があった。バンッと机を叩いて立ち上がったのはオルコットさんだ。プライドが高く自分の実力に自信を持っている彼女が、どこの馬の骨とも分からないことが俺達が自分の上に立つ事を許せる筈がない。
「そのような選出は認められません! 大体、男がクラス代表なんて良い恥さらしですわ! このセシリア・オルコットにその様な屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか!?」
……なんだろう。オルコットさんはプライドが高くて今時にありがちな、男に大して優越感を持ってるだけだと思ってたんだが…なんか違和感を感じるな。
「実力から行けば、私がクラス代表になるのは必然。ソレを物珍しいからといって極東の、それも雄猿にされては困ります! わたくしはこのような島国までIS技術の修練に来ているのであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ!」
うーん…男を見下してると言うか……嫌ってる?
しかし雄猿ってのは流石に酷いな。
「良いですか!? クラス代表は実力トップがなるべき、そしてそれはわたくしですわ!」
不味い。やる気もなく話を聞いてニヤニヤ笑っていただけのオルカが、今の話を聞いて反応しやっがた。不味い。このままだと余計話がややこしくなる。一夏も見ればだんだんとボルテージが、上がっていってる。
くそ、しょうがない。不本意だけど矛先を変えるか――。
「大体、文化としても後進的な島国で暮らさなければならないこと自体、私にとっては耐え難い苦痛で――」
「ストップ。オルコットさん。流石にそれ以上は聞き捨てならないな」
「あら? 本当の事を言われて怒るとは、やはり知性の欠片も持ち―――」
「
「ッ! ……そ、それが何か?」
「他人と他国を貶めて優越感に浸る――それが高貴な者の責務か。全く、生きやすそうで羨ましいよ。貴族って生き物は」
はぁ…嫌われたかなぁ? 見ればオルカが驚いた顔をしている。誰のせいだと思ってるんだ、誰の。
「なっ………!? あ、あ、あ、あなた! わたくしを侮辱しますの!? わざわざ、わたくしの祖国の言葉まで使って!」
「本当の事を言ったまでだろ…これ以上言い合ったって仕方ない。そっちの流儀に合わせるよ。――決闘だ、セシリア・オルコット」
決闘。その一言でオルコットさんの纏っていた空気が――変わった。
先程の怒り心頭といった感じで取り乱していた姿からは想像も出来ないような、静かな怒りと冷徹さを持った――戦士の顔に。
先程と怒りの質は違うが、本気で怒っているんだろう。さっきの侮蔑し侮る様なモノではなく、自分と祖国を侮辱した敵に対する怒り。憎悪といっても良いかもしれない。
――俺はもしかしたら早まったかもしれない。困ったことになった。だが、もう止まれない。止められない。
だって――そんな
「……あなた。それは本気でおっしゃっていますの?」
「ああ、本気だ。一夏もそれで構わないか?」
「良いぜ。四の五の言うより分かりやすい。何より俺だって自分の国馬鹿にされて、腹が立ってたところなんだ。丁度良い」
「……意気込みは結構。ですが、わざと手を抜いて負けたりしたら――あなた方には先程のわたくしへの無礼を謝罪し、わたくしの小間使い…いえ、奴隷になって頂きますわ」
「なんだって良いさ。こっちは勝って、面目が保たれるなら、それで」
「ああ、その通りだ。それと、侮るなよ? 俺も絆も真剣勝負で手を抜くほど腐っちゃいない」
全く……一夏も良い表情をするようになったな。俺はオルカとは違うってのに。余計決闘が楽しみで仕方無くなって来ただろうが。
「そう? 何にせよ、丁度良い機会ですわ。このわたくし、セシリア・オルコットの実力を示すまたとない機会ですわ!」
「さて、話は纏まったな。それでは一週間後の月曜。放課後第三アリーナで行う。クラス代表は勝者が決定する――異論はないな? 三名はそれぞれ準備をしておくように。それでは授業を始める」
一週間後が楽しみだ。何せ、ISを使った初の実戦だ。それもこの代表候補生と、この幼馴染みが相手なら――不足は無い。
……しかし、千冬さん。オルカはまだ分かりますが、あなたまでそんな楽しそうな顔で俺と一夏を見ないでください。
さて、如何でしたでしょうか?
うちでのセシリアさんの扱いはこんな感じです。
だんだん絆と一夏がキャラ被ってきてないか……むしろ一夏の扱いはこれで良いのか…?
などと暴走の挙げ句に迷走もしておりますが、その辺りも生暖かい目で見守りつつ、楽しんでいただけたら幸いです。
今だ拙い文章、構成とは思いますが…よろしければ次回も楽しみにしていただけたらと思います。
ご意見、ご感想お待ちしております!