とある男の冒険譚   作:ランチア

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明けましておめでとうございます。
大幅に遅れてしまい申し訳ございません。
今回から(第1部)第1章スタートです。
仕事が忙しくて、執筆する暇がありませんでした。
それではどうぞ!


第1章 秋山駿
龍宮城


2010年3月1日

アジア最大の歓楽街ーー神室町。

亮一はとある用事でこの街に来ていた。といっても修行しかないのだが。

この日は平日なので人だかりも夜に比べればまばらで、仕事帰りのホストやキャバ嬢、通勤通学の人達が多く見られる。そんな光景を見ながら亮一は目的の場所であるビルに向かっていた。

本来亮一は平日にはちゃんと学校に登校しているが、この日は振り替えであり、学校は休みであった。なので朝早く起きて準備をし、家を出たのである。

 

亮一(土曜に卒業式の練習をなんでやるのかねぇ〜。そういうとこ意味分からんわ、うちの学校。)

 

そうボヤきながらも慣れた道を自転車で駆けていく。

チンピラを始末した後に声をかけられてから、もう一年近くが経った。あの時よりもパワー、スピード、テクニックが上がった。そして何より武を志す者に必要な心構えも教えて貰った。ただ相手を倒すのでは無く、何の為に倒すのか、それを常に考えろと。とにかく無闇矢鱈に力を振りまいてはただの暴力になるので、何かを守る時や何かを救う為に力を使おうと亮一は思った。まあ、それでも売られた喧嘩は買うつもりだが。

そう考えてると目的のビルに到着した。其処は何の変哲もないただの廃ビルである。しかしこのビルは知る人ぞ知る場所である。

 

『龍宮城』

 

このビルはそう呼ばれてる。元々は只の廃ビルであったが、4年程前からこの街のホームレス達が住み着き、彼等の溜まり場となった。やがて賭場やカジノといった非合法のものまで出来始め、現在ではホームレス以外の人達もそこに通いつめている。亮一の師はこの龍宮城の一角で道場を開いてる。亮一は学校が休みになると決まって道場に通っている。

 

今日も目的の階のボタンを押し、エレベーターに乗る。

 

チーーーン

 

目的の階に着き、エレベーターの扉が開く。そして道場がある場所まで歩き、ドアを開ける。

 

亮一「よろしくお願いします!」

 

挨拶と共に一礼をして、周りを見渡す。亮一以外にも老人の弟子はおり、先に来ていた者達は各々の練習をしていた。そして亮一はその弟子達の挨拶もそこそこにし、自分の師である老人に挨拶をした。

 

亮一「古牧(こまき)師匠。今日もよろしくお願いします!」

 

古牧「うむ。」

 

古牧宗太郎(こまきそうたろう)

この人物こそ亮一に話し掛けた老人である。普段はホームレスをしているが、剣術や体術、ケンカ殺法に精通してその全てを極めた伝説の格闘家で、戦国期より伝わる古牧流古武術の正統継承者である。また老齢を感じさせない俊敏さに加えて独自に古牧流を現代風にアレンジして発展させた現代版古牧流古武術を生み出している。なので巷では『格闘技界の人間国宝』と呼ばれている。現在はこの龍宮城で道場を開き、主にホームレス達に技などを教えている。

 

古牧「では早速始めようかの。」

 

亮一「はい!」

 

基本的にここでの修行は、古牧流の動きの型や初歩的、応用的な技などを繰り返すものだ。体力や筋力は普段から鍛えておけと古牧に言われているので、筋トレやランニングなどはもちろん欠かさずやっている。また古牧から教えて貰った鍛錬法も実践している。それらをした上でここに通っているのだ。

 

古牧(ふむ…弟子入りしてから技のキレや体捌きも良くなっておる。地盤が固まったというところかの。そろそろ奥義を授ける時かもしれん…)

 

古牧は内心そう思っていた。というのも亮一がメキメキと力をつけてきたのは明らかで、他の弟子達と比べても贔屓目なしで亮一の方が実力は上回っていた。それも僅か1年足らずで。これも幼少の頃から自己流で鍛えた賜物であろう。

それに古牧自身も亮一の事を気に入っている。礼儀もしっかり出来ており、教えた事も自分のものにしようと努力を惜しまない。それに彼の人と為りを知って、彼は古牧流を悪用する様な人間では無いと感じたからだ。だから古牧も全力で教えるのである。

 

そして数時間後ーーー

 

外が暗くなり始めたので、今日の修行はここまでと言われ、亮一は帰りの支度をしていた。するとーー

 

古牧「亮一、ちょっと良いか?」

 

亮一「はい、何ですか?」

 

古牧に呼ばれたので、来てみると何故か神妙な顔をしていたので亮一は妙な緊張感を感じた。

 

古牧「お主が良ければの話じゃが…」

 

亮一「?」

 

少し言い淀んだが、古牧は告げる。

 

古牧「お主に古牧流の奥義を伝授する!」

 

亮一「えっ!?本当ですか!?」

 

流石の亮一も驚いた。何故ならーー

 

亮一「でも俺弟子入りしてから1年も経って無いんですけど。早くないですか?」

 

古牧「うむ。その疑問は当然じゃな。じゃが儂の目から見れば、お主は現時点で伝授しても良い段階なのじゃ。これはお主の強さだけでなく人と為りを見た上での判断じゃ。どうじゃ?後はお主が決める番じゃ。無論、無理強いはしないがの。」

 

亮一はそう言われ、考え込む。だが、あまり時間を置かずにーー

 

亮一「ではよろしくお願いします!」

 

古牧「うむ、よく言った。では早速じゃが、明日伝授する。」

亮一「えっ!明日ですか!?明日は普通に学校があるんですけど…」

 

古牧「大丈夫じゃ、すぐに終わる。とにかく今日は休んで明日に備えよ。」

 

亮一「はあ、分かりました。とにかくまあそういう事にしときます。古牧師匠、今日はありがとうございました!明日もよろしくお願いします!」

 

古牧「うむ!明日は必ず来い!待っておるぞ!」

 

そう言い、亮一は龍宮城を出た。

 

亮一「おっ、雨止んだな。」

 

タイミング良く雨が止み、少し上機嫌になりながらも自転車に跨る。奥義を伝授されると聞いて若干の不安はあるが、それ以上に期待をしてしまっている自分がいた。亮一は逸る気持ちを抑え、ペダルを漕いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亮一が帰路に着いている頃

とある事務所にてーー

 

 

 

その事務所には、1人の男がいた。

平日にも関わらず、ソファに寝そべって週刊誌を読んでいる最中である。傍から見ればダラダラしていると言われても仕方ない光景だ。

 

???「ふーん……」

 

ペラペラとめくり適当な相槌を打つ。そしてしばらく時間が経ち、ある一面のページを見て一言告げる。

 

 

 

 

???「連続殺人か…怖いねぇ…」




あまりの文才の無さに自分で情けなくなった…
時間を置いたら何事も下手になるんすかね。
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