とある男の冒険譚   作:ランチア

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新元号である令和初の投稿です。
半年近くも投稿が遅れてすいません。
なかなかモチベーションが上がらず、執筆が進みませんでした。
ではどうぞ!


謎の金貸し

神室町ーー天下一通り

その道沿いのビルにその事務所はある。そのとある階の一室丸々事務所となっており、なかなか広く、また床や壁には目立った汚れ等は無い。

ただ机の上に乱雑に置かれている書類は酷いものだ。まるで整理整頓する気など無いといった様な置き方で、何処から手を出していいのかすら分からない程だ。しかも1つの机だけでは無い。全ての机の上がその様な状態である。よくこれで仕事が出来る、いやどうやって仕事をしているのかという疑問が出てきてしまうだろう。

 

そんな事務所に1人の男がソファに寝そべっていた。

身長は180前後。中背中肉。

顔付きは全体的に彫りがやや深めで少々ダンディーな印象を受ける。髪は黒でロングオールバック。服装はワインレッドに白ストライプのジャケット、黒のシャツ、黒のスラックスをだらしなく着用している。またシャツのボタンを2、3個開けているので少し胸が見えている。首にはきらびやかさが際立つ金のコインネックレスと手首には同じく金の腕時計を着けている。

 

この男の名は秋山駿(あきやましゅん)

職業は金融業を営んでいる。今秋山がいる事務所こそ彼の仕事場であり、自宅である。事務所名は『スカイファイナンス』。とある理由でこの街では名の通った消費者金融である。

因みに秋山はこのスカイファイナンスの社長でもある。

 

秋山はソファに寝そべりながら週刊誌を読み耽っていた。しばらくしてーー

 

秋山「連続殺人か…怖いねぇ」

 

そう言い、週刊誌をローテーブルに放り投げた。その週刊誌には一面にこう書かれてた。

 

『神室町で起きる連続殺人!殺人鬼は依然捕らえられず』

 

ここ最近、神室町では連続殺人が起きている。殺人自体は神室町では珍しくもない事だが、被害者はいずれも神室町の極道ばかりが狙われている。それ故に新聞や雑誌はこぞって事件を扱っていた。神室町の住人達の話題も専らこの事件についてだ。

 

そんな記事が書かれている週刊誌を放り投げた秋山はそのまま寝返りをうち、寝ようと思い、目を閉じた。するとーー

 

prrrrrrrrrr prrrrrrrrrr

 

事務所の電話が鳴り響き、秋山の睡眠の邪魔をした。一瞬顔をしかめたが、特に気にする事もなくそのまま寝ようする。すると幾度かのコールで電話は鳴り止んだ。

 

これで快眠ーーいや惰眠を貪れると思い、再び寝ようとした瞬間ーー

 

ブーー ブーー ブーー…

 

今度はローテーブルに置いてある携帯電話が振動し始めた。若干面倒臭いと思いつつ、携帯を取ろうと腕を伸ばす。しかし、顔をソファの背もたれに向けたまま取ろうとしているので、どこに携帯があるのか分からず、一向に携帯を取れない。

 

秋山「あぁ‥もう!」

 

不満を言いながら起き上がり、携帯を取り、そこに表示されている名前を見て、秋山は苦い顔をした。

 

秋山「花ちゃんか‥‥‥」

 

『花』というのはスカイファイナンスの女性秘書である。因みにスカイファイナンスの社員は秋山と花の二人しかいない。また秋山のズボラな性格により身の回りの雑務や書類整理等は全て彼女が行っている。秋山がやる事といったら顧客の対応くらいなものだ。

 

秋山は直ぐに携帯の通話ボタンを押して、通話を始めた。

 

秋山「はい、もしもし?」

 

花『あ‥‥‥出た。ちょっと!今どこにいるんですか⁉︎』

 

電話越しでも分かる程の叫び声である。どうやら彼女は相当怒っているようだ。

 

秋山「え?いや‥ちょっと出先だけど?」

 

花『絶対嘘ね。どうせ会社にいるんでしょう?‥‥もう!どうして電話に出てくれないんですか⁉︎』

 

あっさり嘘が見破られた挙句、そう聞かれた。先程の電話も花からのものだった様だ。秋山はさっきよりも苦い顔をしつつ、携帯を耳から一旦離し、どうしよっかなぁと思い、顔に手を当てた。

 

花『ちょっと?ちょっと聞いてます?‥‥あれ?電波悪いのかしら?秋山さーん?秋山さーん聞こえてますか〜?』

 

秋山が携帯を耳から離している間も花はそう言った。

仕方なく秋山は再び携帯を耳に当てた。

 

秋山「ああ、聞いてるってば。ごめん!ごめんって‥‥‥! ‥‥‥で何?何か用?」

 

取り敢えず平謝りし、用件を聞く事にした。

 

花『何言ってるんですか!用あるに決まってるじゃないですか!』

 

秋山「ああ、そうだよね。はいはい、おれが悪かったって。で‥‥‥何?」

 

花は尚も叫んだが、秋山は適当に謝罪し、先を促した。

 

花『あのですね。今日は何の日か知ってますか?』

 

秋山「今日?今日は‥‥‥君のーーー誕生日か何か?」

 

花『違う!』

 

花にそう聞かれて、ソファから立ち上がり、辺りをキョロキョロ見回したが、答えが解らず、結局はありきたりな解答をした。勿論、不正解で花から強く否定された。

 

花『いいから壁のカレンダー見てください!』

 

そう言われ、秋山は壁に掛けてあるカレンダーに近づき、今日の日付けの所を見た。

 

秋山「あ〜集金日」

 

そこには本日3月1日の日付けに赤い二重丸と同じく赤い文字で『集金日‼︎』と目立つ様に書かれていた。

 

花『忘れないでくださいよ!』

 

秋山「別に忘れてたわけじゃないよ。ただちょっと出かけるのをためらっていたって言うか‥‥‥何かさぁ‥‥‥」

 

そう言い訳を始めて秋山は窓に近づく。

 

花『何か‥‥‥何なんですか?』

 

秋山「今日さぁーーー」

 

ガラッ

 

秋山「ーーー雨なんだよね」

 

秋山は窓を開けながら、そう言った。

しかし、そこにはーー

 

花『雨ならもうとっくに止んでますよ』

 

そう。雨は既に止んでおり、道行く人々は誰一人として傘を差してはいなかった。これには秋山も『あ〜‥』という情け無い声を出すしかなかった。

 

花『じゃあちゃんと行ってくださいね!私は韓来の特撰カルビ弁当買ったら帰りますから。それじゃ。』

 

そう釘を刺し、花は電話を切った(因みに韓来というのは神室町にある焼肉屋の事である)。秋山はしょうがないと思い、携帯を閉じて事務所を出た。

 

 

かったるい、本当に面倒くさい。そういう気持ちを抱えたままダラダラと事務所に続いている階段を降りていく。そして階段を降り、そのまま裏路地からメインストリートの一つである天下一通りに差し掛かかった時ーー

 

ポツッ

 

不意に顔に何か当たったと感じ、空を見上げると、ポツリポツリと再び雨が降り始めた。

 

秋山「また降ってきちゃったよ‥‥」

 

そう愚痴っても止むものは止まない。秘書に釘を刺された手前、事務所に戻る事も出来ない。仕方なく秋山は集金に向かう事にした。




取り敢えずここまでです。
またモチベーションが上がったら執筆します。
ではご機嫌よう。
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