東方氷異伝   作:城が猫

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どうも、最近ブギーポップがアニメ化していることを知って、(というか実際に視聴して)テンションとやる気が充実している城が猫です!!
というわけで張り切って今回も駄文を書き連ねていこうと思います!!

この回で紅魔編は終わると思うのですが……終わるよね?と、とにかく 
それでは、本編に参りま~す。


第十三話 氷争(紅魔 其の弐

 あの後、みんなで異変解決を誓って直ぐに

、皆それぞれの役割を果たす為に散会した。

紫は単独でリグルを探し、霊夢と魔理沙は神

社に残って結界で封印中の影を見張り、あた

いと大ちゃん、藍と橙は境内に寝かせていた

七人(妖精6+天狗1)を神社の中の部屋へ

と運び寝かせた後、藍と橙の影に対する()()

を頼りに、二人に案内してもらい、それにあ

たいと大ちゃんが付いていく形で、影の元へ

と飛び立った。

 

紫「じゃあ霊夢、魔理沙。ここは頼んだわ…

…藍と橙、それにチルノに大妖精……お願いね

…」

霊「そう、何回も言われなくたってわかって

るわよ……早く行って来なさい」

魔「ああ!早くしないと、勢い余って私たち

が解決しちまうぜ?」

藍「私にお任せを!紫様!」

橙「私も準備万端です!!」

チ「まぁ、こっちの心配は要らないかな」

 

 そう言いつつ大ちゃんの方を見ると、大ち

ゃんも

 

大「はい!心配して頂いてありがとうござい

ます!でも、私たちなら大丈夫ですから!」

 

 

 紫は自分の言葉に返ってきた言葉たちを耳

に入れると底知れぬ微笑みを浮かべ、スキマ

の中に消えていった。

その顔はどこか、頼もしさを感じているよう

な雰囲気も同時に感じさせた。

 

霊「じゃあ、あんたたちも行って来なさい!

!ここは引き受けたわ!せいぜい気をつけな

さいよ!」

藍「ああ、そっちも気をつけてな」

 

 その藍と霊夢のやり取りを最後に私たち四

人は気配を辿って進み始めた。

まだ夜は始まったばかりだ。

それを示すかのように山は黒く陰り、星は瞬

き、月は浮かんでいる……これからの暗く長

い夜の訪れを予感させるように。

 

 

 

 

 

レミリアside

 

 

 突如、爆発音とともにこの館全体が軽く揺

れた。

その音を聞き、先ほどまでの弛緩していた雰

囲気は急に張り詰め、私が頭を撫でてあげて

いたフランのその顔にも怯えとともに緊張が

走る。

私はフランを胸元に抱き寄せ、すぐさま思考

を巡らせた。

 

レ「!!(何!?敵襲?規模や人数は……分

からないか。でも、この方向には確か、パチ

ェの部屋があったはず……)」

 

 あの魔法使いの部屋から爆発があったとい

う事から、考えられるのは二つ……一つは何

かの魔法実験の失敗で起きたというもの。

あの友人はとても優秀な魔法使いではあるの

だが、ごく稀に実験が失敗し、事故が起こる

ということが過去にもあったので、今回もそ

んななんてことのない日常の一コマであると

いう可能性。

もう一つは考えたくないが、自室で休んでい

たあの子が何者かによって襲われ、戦闘に入

り、今なお苦戦を強いられているのか、それ

とももう敵を倒したのか、優勢だが戦闘は続

いているかのいずれかである。

この場合は私としては敵が倒れていて欲しい

と願いたいが、最悪を想定しておくべきだろ

うと考える。(本当の最悪は友人が倒されて

いることだったがそれは考えられなかった)

よって敵が侵入し、かの友が劣勢に立たされ

ていると見て、加勢に行くべきと判断し、フ

ランをその場に残して私は現場へと向かうこ

とにした。

 

フ「お、お姉さま……今の音は…」

レ「大丈夫よフラン……何も心配しなくてい

いわ…だから、少しここで待っていてくれる

かしら……すぐに用事を済ませてくるから」

 

 そのままその場から去ろうとする私の腕を

掴み、フランが問いかける。

 

フ「嘘よ……お姉さまは今、万全の状態じゃ

無いでしょう?私も一緒に…(ドゴォッ!!)

……っ!!」

 

 フランが自分も一緒に行くと言おうとした

ところで、二度目の爆発が生じた。

これにより、ますます事態が最悪のものであ

ることを確信する。

最早一刻の猶予も無いと思われたのでフラン

に掴まれていた手を静かに解き、再度断りを

いれ、その場を後に爆発のあった方へと向か

う。

 

レ「(ここまで入って来ているとなると、既

に咲夜と美鈴も……!)」

 

 状況は最悪と思われた。

しかし、これ以上敵に好き勝手させてなるも

のか……!

私は全速力で廊下を飛行した。

 

 

 

 

パチュリーside

 

 

 

 全く!一体なんなのよこいつは!!

私、パチュリー・ノーレッジは今、敵と交戦

中だ。

その経緯は以下のとおりである。

まず私が調べ物の疲れを取るために自室で休

んでいた所、部屋の前に仕掛けておいた対侵

入者用の魔法に敵がかかり、目覚め、辺りを

警戒する。

それとほぼ同時に部屋の扉が吹き飛ばされ、

その粉塵の中から白い着物姿の者が現れ、い

きなり攻撃してきた。

索敵にも引っかかっている事からこれは敵だ

と判断し、今に至る。

 

パ「もう!せっかく休めると思ったのに……

!!」

 

 

 

~回想~

 

 

パ「すぅ~~~……すぅ~~~……、むきゅ~~…

…っ!!誰!?バッ!!

 

 その自身の声とともに布団を剥がして飛び

起きる。

それとほぼ同時に扉も真っ二つに斬り裂かれ

て、こちらに吹っ飛んだ。

だがこちらにぶつかる前にその扉自体が粉々

になったようで、辺りに()()の粉塵が舞う。

その煙の中から全体的に少し翳りを持った白

い着物をきた少女が敵意を向けていた。

その少女の手から多数の氷の槍が放たれるの

に対応し、こちらもスペルを唱える。

 

パ「土符「レイジィトリリトン」!」

 

 すぐさま自身の周りを六角の黄色い水晶が

取り囲み、自身に降りかかるはずの氷結の槍

から己の身を守ってくれた。

 

パ「………っ!!」

 

 しかし、それは水晶に取り付き、徐々に水

晶を侵食していっていた。

そして、気付いた私を逃がすかとばかりにそ

の氷が私に先の尖った氷柱(つらら)を伸ばして突き立

てて来た。

その前にで空中に逃げることで回避する。

先ほど私が居たところには何本もの氷柱が通

り過ぎていた。

そこで自身を見る相手に気付き、その者と対

峙した。

 

 

~回想終了~

 

 

 

パ「火符「アグニシャイン」!」

 

 唱えるとともに目の前の敵に炎の渦が襲い

かかる。

だが相手は事もなげにそれらを躱し、自身に

かかりそうな炎は氷剣でいなしていく。

━━今私と相手は自室よりも広い、廊下に出

ている━━と、相手が壁を蹴り、私の弾幕の

ない空間に出ると、氷で作ったナイフをこち

らに投げてきた。

それは真っ直ぐ私の元へ飛んでくるが、魔法

で障壁を作りだして対処した。

そのナイフが勢いを失って地面(した)に落ちて、刺

さる……と柄の部分が急成長し、上に向かっ

て突きあがってきた。

 

パ「っ!?」

 

 咄嗟に後退し、躱す………が、そこにナイ

フほどの幅の氷の長い針が聳えていた。

更に敵が別の角度から二本、三本のナイフを

放ってくる。

それに対し、こちらもスペルを唱えて対処。

 

パ「火金符「セントエルモピラー」!」

 

 したから電気を纏った強大な火柱が私とそ

のナイフを隔てるように上がり、その氷のナ

イフと、先の氷の針をも溶かし、蒸発させる。

更に、相手の方へ向かっても火柱は次々と上

がり続けた。

相手はその火柱を躱すが、そこに私が追撃を

加える。

 

パ「金木符!「エレメンタルハーベスター」

!」

 

 幾つもの歯車の形をした刃が相手に向かっ

て飛んでいく。

それらは相手と同様に火柱を避けながら相手

に迫る。

相手はその刃を凍らせて止めようとするが、

周りにある火柱が氷を溶かし、刃自身も炎で

熱され、燃えているので、上手くいかない。

止むを得ず相手は氷で作りだした武器で歯車

を弾くことにしたようだが……それも計算済

みだ!

 

パ「捉えた……!」

 

 相手が氷で大鎚を作りだしたのと同時に、

歯車に火柱を纏わせて、相手の周りを囲ませ

る。

すると、火柱を纏った歯車が火の尾を引きな

がら相手の周囲を回り、

()()()()()()()()()()退路を断つ。

その開いた穴の部分に自身の中でも高火力を

誇るスペルを叩き込む。

 

パ「これでとどめ!日符…「ロイヤルフレア」

!!」

 

 叫ぶと同時に目の前に展開された魔法陣か

ら全てを焼き尽くす高熱を伴った光の砲撃が

相手に向かって複数殺到する。

それらが着弾すると館を揺るがすほどの大爆

発を起こし、その爆風が私の服をこれでもか

とばかりにはためかせる。

これで終わった……かのように思われたが……

 

パ「う、嘘でしょ?まさか……あの攻撃を耐

えたというの………?」

 

 爆発の煙が晴れるとそこには、直径が私の

身の丈の二倍ほどの氷の球がその空間に固定

されたように浮かんでいた。

と思えばそれは真ん中から溶けるように消失

し、中から例の白装束の少女が現れる。

 

(チルノ)「冷防「絶対冷域」………」

 

 とだけポツリと相手が呟いた。

恐らくそれが技の名前なのだろう。

それにしても、あれだけの規模の爆発を受け

て無傷とは……一応、建物に被害が及ばない

ようにと威力を相手のところに集中させるの

も兼ねて相手の周りを歯車で囲ったのだが…

…それでも、倒れるどころか無傷?この敵は

未だに未知数で限界が見えない…そんなこと

を考えていると相手の方からこちらに突っ込

んできた。

遠距離戦では埒が明かないと思ったのだろう

か、相手は手に氷の鎌を持ちながらこちらに

迫ってくる。

 

パ「はっ、速い!!」

 

 今までのは小手調べだったのだろうか、急

に動きが段違いに速くなった。

その余りの速さに私は反応することが出来無

かった。

 

(チルノ)「………」

 

 そこで、無情にも相手が私を間合いに入れ

て鎌を振り被ったその時、その足元から魔法

陣が展開した。

 

(チルノ)「…………!!」

パ「勝ちを急いだわね……もう逃がさない…」

 

 そう、相手が接近してくることを読んで、

その対策に自身の周りまで敵が来ると発動す

るように、既に魔法を仕込んであった。

目標の少女が罠に気を取られた隙に距離を取

ると魔法陣から大量の水が噴き出て、対象を

拘束するべく覆いかぶさる。

ザザァ…と水音が廊下に響いたかと思うと、

相手を中心に据えた大きい水の球が出来上が

っていた。

それを確認すると相手からゆっくり距離を取

る。

 

パ「水符「ベリーインレイク・バインド」、

成功……」

 

 これは水の属性魔法…つまり静寂と浄化の

働きがある。

これは本来は拘束には向かないかもしれない。

しかし、今回に限ってはこれで問題無いはず

だ。

何故かというと、冷気に対応できるはずの火

が全く意味を成さ無かった上、火を燃え盛ら

せる木と火の影響を受けやすい金で、相手の

周りを囲み拘束して、能動と攻撃の日を叩き

込んでも、無傷だったことや、水を吸収する

効果の土の結晶に対して氷が成長していた事

━━これは、土は水を吸収するが冷気が水を

凍らせるので吸収率を上回ったのだろう(現

に取り付いた表面から周り込むように成長し

ていた)━━から後は防御と受動の月か静寂

と浄化の水だけしか無くなったのである。

月は防御と受動なので発動の式には組み込ん

だが、これは水だけである。

でも、十分のはずだ。

なぜなら……

 

(チルノ)「……?――――.。o○!!」

 

 相手は少し首を(かし)げたあと、すぐに氷を作

ろうとし始めた………それはそうだろう。

それがただの水であれば、敵に塩を送るよう

なものだ。

氷は水が凍ることで生まれる。

だが、それは()()()()()()という話で、もち

ろんそんなわけはない………

その水には()()の効果がある。

その水球の中は水分子同士が氷に成るほどの

結合も蒸発するほどの運動もさせない一定値

になるよう、術式が組まれている。

よって、その水中で氷を作ろうとした相手は

水を凍らせることができずに、泡だけが生じ

た手のひらを見てその無表情が一瞬、驚愕に

染まり、次いでこちらを睨みつけてきた。

そしてまた自らの手のひらを見て今度は、先

ほどよりも強く力を注いで氷を作ろうとした。

そのことにより小さな手のひらサイズの二分

の一ほどの氷の結晶ができるが、直ぐに水に

(ほぐ)される。

次はその手にブクブクと気泡が生じ始めるが

、すぐに収まり、静かになる━━━やっぱり

………

パ「無駄よ…?その水は蒸発も凝固もしない

……凝固しようとする限り分子は動き続け、

蒸発させようとすれば、静まるようになって

いるの。先ほどの強烈な熱に耐えた時、まさ

かとは思ったけど…()()()()()()()()()()()

熱まで操れるとはね……」

 

 それならば囲まれる前に熱をある程度制御

して逃げられたのではとも思ったが、手札を

少しでも隠して置きたいならそれも不自然で

はない。

武器で刃を弾けばいいだけの話だったからだ。

まぁ、確信したのはさっきスピードを出し惜

しみしていたことがわかった時だが……保険

をかけておいて正解だった……という訳だ。

次に相手は動くことでそこから抜け出そうと

試みたが、無駄に終わる。

その水球は相手を核として形成されているの

で相手がどこに動こうと、それに合わせて水

も動く。

ならばと相手は私に向かって水球ごと接近し

て来る。冷気はコントロール次第では水も生

み出せるので、その関係で水を操り、逆に私

を閉じ込めるつもりなのだろう……

しかし、それも無為に終わる。

相手がある一定のところまで近づいた時に私

が右手を前に出すと、その水球は動きを止め

た。

 

(チルノ)「――――――ッ!?」

 

 相手はまた少しの驚愕の後こちらを見つめ

てくる……もう気付いたようだ。

そう、当然、水球(コレ)は私が生み出したもの

なのだから私に主導権があるので自在に操れ

る。

水と自身を反発させて距離を取ることもでき

るし、今のように水とその中の相手を進ませ

ないこともできる(敵が水球の核である

のに対し、水球の方も敵を核としている為だ)

つまりは距離を一定に保つよう調整できると

いう事だ。

さて、ではそろそろこの戦いに幕を引くこと

にしよう。

実は先ほどの高火力を()()()凌いだこの侵入

者に研究者として深く興味が湧いていたとこ

ろだったので少し惜しい気もするが、これ以

上放って置くとこちらに害を及ぼす事が明白

なので、流石に手に終えない判断して()()()

ることにした。

 

パ「じゃあ、そろそろ決めさせてもら━━━

っ!?」

 

 私は言いかけた言葉を飲み込み咄嗟に後ろ

へ飛んだ。

その私の目の前の相手が水球に囚われながら

も手を身体を抜刀の形に構えていたからだ。

何故そうしたのか自分でも分からなかったが

、とりあえずそうしなければならないと己の

中の危険信号という名の本能が全力で警鐘を

鳴らしていたのでそれに従った形だ。

そして、それは正解だった。

後ろに大きく飛び退いた後、前を見ると、相

手が刀を抜き放った後のようなポーズを取る

その手に氷の長刀が握られている。

刃渡りが6mはあろうかという実際にはあり

えないであろう超長物だ。

無論水球からは刃が飛び出している。

(大太刀は最高で90㎝とその手の本で読ん

だことがあるのを記憶しているので絶対にあ

りえない)

鞘に納めようとしたら確実に四苦八苦するこ

とだろう。

尤も、その得物は持ち主の氷で、自在に生成

も消滅もできるので、関係ないのだが………

故に存在している代物だった。

何故?どうして……そう考えるうち一つの答

えが頭に浮かんだ。

そうか……盲点だった。

そこまで考えて、遅れたように今頃、自身の

服のスカートが膝より少し上のところで、は

らりと重力に従う。

辛うじて無事だった後ろの布も重さで破れた

のかビリッと裂ける音がした。

そして、少しかすってしまったのか、太もも

の切れた部分から血が流れている。

 

パ「油断した……それに、今のは惜しかった

わね……まさかその(ぞくせい)の性質を逆手に取るな

んて……そんなことまでできるなんてね……

今ので更に興味が湧いたわ……でも、勿体

無いけど、ここまでよ」

 

 今起きた事を説明すると、次のようになる。

まず熱を発生させ、それを鎮静化させようと

する反動を利用し、熱を直ぐに冷気に変換し

て氷の長刀を生み出す。

先ほど、強く冷気を込めればほんの少しなら

氷にできたことと、氷を散らすのにタイムラ

グがあったことから、思いついたのだろう。

しかも、近づこうとしてすぐに止められるこ

とも計算づくで、ただ闇雲に近づこうとして

いると見せかけるためのフェイクだった可能

性まである。

そのことに冷や汗を流しつつ、先程よりも距

離を取って止めを刺しにかかる。

その距離を取る間際、相手の刀が手元の柄の

先から水球の淵までの部分が解けてなくなる。

それに伴い支えを失った残りの刃が地に落ち

て刺さり、虚しくも儚く、割れるように消え

た。

相手から充分に距離を取り、相手がたとえ詰

め寄ろうとしても、距離を保てるように調整

すると、相手の水球の中に五つの本が設置さ

れる。

 

パ「さようなら……。火水木金土符「賢者の

石」!」

 

 宣言と同時にそれぞれの本から、属性に合

わせた五色の結晶弾が放たれる。

それらは普通の弾幕ごっこならば只の脆い石

だが、今は頑丈なだけでなく、それぞれに属

性も併せ持っている。

火の石に当たれば焼け、水の石に当たれば削

れ、木の石に当たれば力を吸われ、金の石に

当たれば鋭く斬られ、土の石に当たれば余り

の硬さに骨を砕かれる。

しかも水の石に至っては水中なので威力が増

す。

更にあの水球の中から外に出ることはなく、

淵まで行くと内側に跳ね返り、どんどん埋め

尽くされ、最終的には…………

 

 

 

ドドドドドッブゥォォォンッッッ

━━━━━━━━━━………!!

 

 

 

 と、またも館中に響くほどの爆音を伴い、

水球が爆散………一滴残らず蒸発した。

これには、流石に水の静の作用も間に合うわ

けが無い(というか吹き飛んでいる)し相手

も一溜まりもないだろう。

だが、許されるならあの者を使って、もっと

色々と実験や研究をしてみたかったものだが

……それが許されない理由が一つ、存在して

いた。

この紅魔館に仇なす()()であるという、その

ただ一点だ。

その、一点のみだが理由としては十分過ぎる。

囲って手元に置くにしても、あれは手に負え

ない……余りに強すぎる。

今も平静を装ってはいるが正直魔力も━━━

()()()()()()()

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━━━━━━そう、ギリギリ

だったのだ。

そのことに気付いてさえいれば、もう少しく

らいはマシな結末に辿り着いていたかもしれ

ない………

 

 

 

 

チルノside

 

 

 

 

 捜索を始めてからどれくらい経っただろう

か……あたいたちは、煌めく星空のもと、妖

怪の山の麓を飛行中だった。

 

チ「あのさ……疑うわけじゃないんだけど…

あとどの位で着くの?」

 

 あたいは前を行く藍にそう問いかける。

 

藍「まぁ、そう思うのも無理はないか……

実際、私も歯がゆい思いをしているしな。や

はり、その場を離れてから時間が経つと気配

は薄れていくようでな。確かにここを通った

ようなのだが、それが散漫になっていて、ど

うにも辿りにくい…なので、注意深く探って

いかないと、見失ってしまう……さっきまで

はな」

 

 あたいはその言い回しに違和感を覚える。

 

チ「()()()()()………ってことは……」

藍「ああ、待たせたな!今、漸く捉えた!…

橙、お前もだろう?」

 

 そういって隣で飛んでいる橙を見やる藍。

それに橙も元気よく答えた。

 

橙「はい!!えぇーっと……この方角は…紅

魔館です!」

チ「よし!急ごう!……大ちゃん」

 

 あたいは大ちゃんに手を差しだす。

 

大「うん、行こう!チルノちゃん」

 

 それに大ちゃんもあたいの手を取って答え

てくれた。

 

そこからあたいたちは一直線に紅魔館へと向

かった。

 

 

 

 

レミリアside

 

 

 

レ「━━━━━!!パチェ!!大丈夫!?」

 

 遠くにこの館の居候兼司書の友人の姿を見

止めると、声を掛けながら近づいていく。

 

パ「あら、レミィ……まぁ、なんとかね……さ

っき迄はそうでもなかったけど、今は、まぁ

…見ての通り……━━━━ッ!?」

 

 こちらに気付いて顔を向けた友人は幸い、

見たところ左太もものところが少し浅く切れ

ているぐらいで、大したことは無いようだ。

(あと、これは関係無いが、スカートが短く

なって少し艶めかしい)

このくらいなら軽傷だろう。

しかし、心配だったから急いで見に来たもの

の、どうやら杞憂に終わったようだ……そう

思ったが、ついさっき視線を元に戻してから

のパチェの様子がおかしい……思わずその友

人の視線を辿る…………そこに何かあるのか、

まさか、まだ終わっていないのか……と緊張

と共に友人の見ている方を見たが………そこ

には別に何も無かった。

 

レ「なに?どうしたの、パチェ……って何も

ないじゃない……脅かさないでよ」

パ「違うのよレミィ……だって、おかしいわ

……こんな、()()()()なんて……」

レ「だから、あなたがさっき跡形もなく吹っ

飛ばしたんでしょう?」

パ「そんなはずない……あの敵はあの程度で

()()()()()()()()()敵じゃない!!………レ

ミィ、気を付けて!きっとまだどこかに!」

 

 そのパチェ(ゆうじん)の言葉はズバリ的中した。

何とかその言葉のおかげで最悪は避けられた

と言っても過言ではないだろう。

私は目の前の友人を抱きつくような形で全力

でその場からずらすことで、敵の攻撃からそ

の命を守ることに何とか成功した。

 

パ「っ!!レミィ……!!」

レ「くッ……」

 

 相手の凶刃がパチェの顔をギリギリで空振

りするも髪の毛を何房か切り裂き持って行く

のがスロー再生さながらに自身の目に映る。

そしてそのスロー再生は、現実に追いついて

通常の速度に戻る。

私は彼女を抱えながらその場から急いで距離

を取って後ろを振り返るとそこには、今抱え

ているこの子から今さっき切った髪を握った

ままこちらを見る白い着物をきた、髪も服も

肌も全体的に翳りのある少女の姿がそこにあ

った。

 

レ「ねぇ、パチェ……敵ってあいつ?」

パ「ええ、そうよ……やっぱり生きてたわね」

レ「あなたの言葉でまさかと思いつつも周り

の気配に探りを入れてて良かったわ……これ

は感謝しないとね」

パ「それはこっちの台詞よ。とにかくこれか

らどうするか………ね」

レ「そんなの決まっているじゃない……この

紅魔館は私の所有物。それに手を出す輩は誰

であっても容赦しない…!」

パ「まさか、倒すつもり!?今、あなた本調

子じゃないし、あいつはやばいわ……どうに

か逃げて、助けを呼びましょう」

 

 そう言う彼女の体はぐったりとしていて、

とても逃げられるだけの魔力が残っていると

は言い難かった。

こんな様子では逃げたところですぐに捕まっ

てしまうだろう。

それに敵前逃亡は自身のプライドの高さ故に

激しく抵抗のある行為だし、先ほどの動きを

見る限り、敵は相当の手練れで動きも速い。

それに、気になるのはさっき感じたあの感覚

……こいつは………もしかして…そこでふと

相手の方を見ると、そいつは先ほどのパチェ

の髪をむしゃむしゃと食べているところだっ

た。

 

レ「………っ!!……?」

 

 その行為に怖気が走ると同時に、なにか今

一瞬、私に抱かれているこの魔女と同じよう

な気配を目の前のそいつから感じた。

その気配に疑問を抱いていると、そいつは髪

を食べ終わり………

そこからは全ての事が瞬く間に終わった。

 

 

 

 

 

チルノside

 

 

 

 

 目的地が定まり、急いでみんなと紅魔館に

向かっているとその問題の建物が前方に見え

てきた。

その館は全体が血のように赤く、湖を背に聳

え立っており、時計塔の先端付近には満月が

浮かび、それが異様な迫力を演出している。

そして、近づいていくとその館の門は人一人

が入れる分だけの隙間が開けられ、そこの横

にいつもいるはずの門番の姿が無かった。

 

チ「あれ?ここでいつも美鈴が門番をしてい

るはず……もしかして、やられたのか…?」

藍「その可能性は大いにあるだろうな、なぜ

なら気配はもう、館の中からするのだから」

 

 そう言いつつ館の方を睨みつける藍。

 

大「そんなっ……!」

チ「くそっっ!!」

美「あの~~~~………」

一同「「「「……!?」」」」

 

 さっそく出してしまった一人目の被害者が

出たことについて全員で嘆いていると、後ろ

の方から声が聞こえた。

それは幻想郷にいた当初(まえ)のあたいと馴染みの

深い、そして、つい最近も聞いたことのある

声だった。

 

美「助けに来て頂いたのは有難いのですが、

勝手に殺さないでいただけますか?」

 

 若干、呆れの入ったようなその声は、あた

いたちのいるところから少しだけ離れたとこ

ろに横たわる「華人小娘」紅美鈴、その人か

ら発せられていた。(その声にはまぁ、無理

もないかというような響きも持っていた)

 

藍「そうか、そんなことが……」

美「はい……ですから、ここで援軍として来

て下さるのは心強いです」

 

 美鈴に付けられていた枷を解除し、ある程

度の事情を聞いたあたいたちは、館の方へ駆

け出していた。

話の中で美鈴は、自嘲気味に自分の不甲斐な

さを嘆いていた。

全くなんの足止めにもならなかった……どこ

ろか、自分のせいで敵を勢い付かせてしまっ

たかもしれないぐらいだと。

だがそんなことはあろうはずがない。

彼女はこの紅魔館にとって必要な者のはずだ。

誰がなんと言おうとそれだけは絶対に揺るぎ

ない、そう伝えると少し元気づけられたよう

に微笑み、ありがとうございます。

とだけ言って、その瞳に光を取り戻した。

 

大「…………っ!?みんなっ!あそこに誰か倒

れてるよ!」

チ「えっ!?」

 

 皆で広い庭の真ん中に一本通った道を駆け

ている途中、大ちゃんが誰かが倒れているの

を庭園の中に見つけた。

それを見て、最初に叫んだのは美鈴だった。

 

美「咲夜さんっ!!!」

 

 そこには、体中にナイフが刺さった状態で

倒れる、「紅魔館のメイド」十六夜咲夜の姿

があった。

最初に叫んだ彼女に続き、全員がそこへ駆け

寄る。

またも、最初に彼女の元へ付いた美鈴が上半

身を抱き起こし必死に呼びかける。

その目尻には涙が浮かんでいた……次いで藍

が咲夜の体を診る。

 

美「咲夜さんっ!…咲夜さんッッ!!しっか

りしてください!!咲夜さん……っ!!」

藍「待て…まだ息はある。気持ちは分かるが

、今は下手に動かさない方がいい」

大「………ッ!!ひどい……!!」

橙「ひ、ひぇぇーーーっ!!」

チ「…………」

 

 藍が焦る気持ちを抑え、冷静に咲夜の体を

診ていく。

咲夜の状態を見た面々も各々の反応を示した。

すると、一通り診終わった藍が皆の方を向い

た。

 

藍「ふぅ……どうやら、幸い、どれも急所を

外れている。これなら応急処置をして休ませ

れば問題はないだろう……だが、それにはま

ず、体中に刺さったナイフを抜く必要がある

。それとここに何か治療に使えるようなもの

はないか?無いならないで、持って来ている

から別に良いのだが……」

美「それなら…咲夜さんは人間だからと、も

しもの時の為に自室に備えがあると、聞いた

ことがあります!」

藍「うむ、それなら丁度良い……そこから物

を持ってきて処置した後、本人の部屋に寝か

せよう」

 

 それを聞いて全員が胸をなで下ろした。

特に美鈴は、良かったぁ……と、心底安心し

た様子だ。

彼女…咲夜の体はナイフによる出血こそある

ものの、全て急所を外れており、急激な痛み

とショックで一時的に気絶しただけだのよう

で、幸い大事には至っていなかった。

そこで、藍からあたいに向けて提案があった。

 

藍「チルノ、すまないがここからは大妖精と

二人で行ってくれないか?」

チ「それは別にいいけど…何で?(まぁ、大

体辺りはついてるけど…一応ね)」

藍「ああ、実はここは例の影の気配が一段と

強い。強すぎて逆にわからない程にな……

だから私と橙はもうここまでだろう……それ

に、咲夜(こやつ)の手当てもしなければならないから

な……ついでにそのまま見張りもしようかと

思う。怪我人を放っては置けないからな……

そういうわけだ。では、大妖精!チルノ!

後は頼む」

大「はい!」

チ「うん、頼まれた」

 

 大ちゃんが頷くのに合わせてあたいも返事

を返す、とそこで館の方から誰かの悲鳴が聞

こえてきた。

 

橙「い、今の悲鳴は?」

チ「………急ごう、大ちゃん!!」

大「…うんっ!!」

 

 あたいと大ちゃんは館の方へと急いで入り

、橙も咲夜の部屋へと応急用の道具を取りに

入ったがすぐに別れ、あたいと大ちゃんは悲

鳴が聞こえた方へと廊下を飛んで行った。

 

 

 

 

 

フランside

 

 

 

 

 ……お姉さまには、ここに居なさいって言

われたけど、やっぱり心配だな……行こう。

 

私は、二度目の爆発のが聞こえた方向へと飛

んで行ったお姉さまを追いかけて、紅魔館の

広い廊下を飛んでいた。

そして、しばらく進むとパチェと話すお姉さ

まの姿が見えた。

なにやら話しているが、パチェの顔を見る限

り、どうやら終わったようだ。

そのことにホッとする反面……なんだか物足

りない、ツマラナイと感じている自分がいる

ことに驚く。

そんな考えを振り払うように私は激しく頭を

横に振った。

 

フ「っ!!(こんな時にっ!!……変なコト

考えちゃダメ!!!)」

 

 その不謹慎極まりない思考を頭から追い出

そうと必死に目を瞑り、頭を抱える。

そうだ、もう終わったなら良いじゃない。

これで、騒動は終わり………しかし、何故か

今日はその()()()()()が纏わりつく虫のよう

に中々頭を離れてくれない。

 

フ「(お姉さまにはそう言ったけど、最初に

感じていた不安のようなものは本当にそうだ

ったの……?本当は何かが起きることを………

()()()()()()んじゃ………ん?)」

 

そうして、少しの間うずくまり、ふと顔を上

げると事態は急展開を見せていた。

先ほどまで誰もいなかった空間に白い着物の

少女が現れ、その少女がパチェに切りかかっ

ているのをお姉さまがその身を挺して、躱さ

せているところだった。

不意にパチェの声が響いた気がしてそっちを

見たら今の光景が広がっていたのである。

それを見た私は、助けなければ!と思うと同

時にもう一つの感情が首をもたげているのも

確かに感じていた。

……ダメだと思いつつも、口

の端が釣り上がって行くのを止められない。

顔が凄惨性を帯びて行く。“……やったぁ!

これで壊せるっ!!心ゆくまで!!!”

今、私は己の中の破壊願望と必死に戦ってい

た。

 

 

 

 

影チルノside

 

 

 

 眼前の魔女(たいしょう)の姿が水中の乱反射により絶え

ず歪曲するのを視覚により認識。

敵戦力を誤認するが誤差の範囲であり、問題

は皆無。

この対象者の能力の最大値の見極めには好都

合であると判断。

命令内容の確認。

出来る限り効率的に動き、敵の能力が有効的

且つ、取得可能であれば直ちに実行する。

尚、行程は予定通り進行中。

この水の球体からの脱出を試行するが失敗。

原因はこの身体が核とされていることが要因

であると思われる。

手法を変え、対象への接近を試行。

失敗。

既に予測済みの事象を確認。

即座に次の行動に移行する。

身を左に捻り抜刀の構え。

……その体勢から、抜刀のモーションを取り、

寸前に氷による規格外の長刀を精製しつつ振

り抜くも対象は衣服及び薄く肌を切られたの

みで回避。

想定内事項。

その時点で殺害できた場合の予定を破棄。

対象は自身の刀の切っ先(こうげきはんい)外の位置まで後退し

、(範囲よりも推定3m外の位置)この水球

内に弾幕の発生点を合計五ヶ所に設置後、そ

れぞれの発生元に対応した属性の結晶型弾幕

を展開。

弾幕はこの水球内に蓄積、反射し水球内部の

者に壊滅的ダメージを与えるのが目的と思わ

れる。

よって、この場は先の戦闘により獲得した━

メイド(たいしょう)の「時間操作」━━能力を行使。

時間停止後、結晶弾の一つを取得。

当物体の時間の進行を確認。

前回の戦闘記録から自身が触れている物体及

び人物(推定)に対し、能力は解除される模

様。

極めて自然であると認識。(触れたものを動

かせないのであれば時間停止中は移動しか行

えないため)同時に能力の欠点を確認。

同時に、同系統の術者を破るのに有効である

と思われる。

続いて自身の周辺の結晶を全て氷の刀で切断。

この空間内においては、氷の精製が可能。

水分子自体も時が止まることによって停止し

ているからであると予測。

以降、氷による武具の不滅も確認。

さらに切断した結晶を誘爆可能な位置へ再配

置し、自身を氷の球体で、包囲し氷級内の水

を全て吸収し、妖力へと変換。

時間停止を解除。

爆発による氷球の粉壊を確認。

再度時間停止、脱出口を確保し脱出後、廊下

の窓より館外へと離脱。

離脱後、再度解除。

自身への能力の順応を確認。

未使用の能力の試行を開始。

自身の時の速度の上昇、それに伴う周囲の時

の速度の下降による行動の高速化。

対象目標の咽頭部へと高速化した状態での氷

刃による斬擊。

失敗。

新たに出現した別の対象者によって阻害され

た模様。

(便宜上、対象Aとする)代替として対象の

毛髪を数本入手。摂取することで自身の体内

に取り込み能力を取得。

………新たに出現した対象A(吸血鬼)については、既

に影内部に蟲が付いているのを認識。

能力の取得可能条件を満たしていることを確

認。

ただし、それは禁則事項であり、その場合「

蟲の支配力強化」が最優先課題。

実施するには対象Aの影に直接触れる必要性

があるため、効率を優先し、対象Aを誘引す

る手法が最適と判断。

その行動に必要と見られる要素を自身の後方

4m地点の()()()()()()()にて発見。

潜伏中の新たな対象(吸血鬼)を誘引に使用し、同時に

その対象(便宜上対象Bとする)の能力を取

得することに決定。

目標を詳細に認識する為、対象Bの容姿を以

下にまとめ、参照とする。

肩程まである金色の毛髪を側部に纏め枝のよ

うな物体に多彩な色の宝石が接着した翼のよ

うなものがある少女)、を時間停止を発動し

背後から羽交い絞めにて、拘束。

対象Aの挑発、誘引が目的の為、視認が可能

な地点まで移動する。

移動の最中、対象Bは叫喚しつつ、抵抗する

も無為に帰す。

そこで同位体同士が対面後、会話を開始。

以下、会話内容を列記する。

 

対象(パチュリー・ノーレッジ)「フラン!?」

対象A(レミリア・スカーレット)「な、なんであなたがここに!

?……あの部屋で待っていなさいと言った

でしょう!?」

対象B(フランドール・スカーレット)「ごめんなさい……お姉さま

…でも私、お姉さまが心配で…いや、違う

わ。本当は何かが起こる予感がしてそれ

が楽しそうだから、危険を承知で来ちゃ

ったの……でも信じてっ!!私でも何か

力になれるかも知れないって思ったの

も本t………っ!!!」

対象A(レミリア・スカーレット)「フランっっ!!!」

 

 プランを実行。

自身の口腔内の上顎の犬歯におよそ2cm大

の長さの犬歯を上から氷で精製。

対象Bの首筋に歯を突き刺し吸血する。

 

対象B(フランドール・スカーレット)「あ、あぅっ・・・・・・っ!

!ゔぁ"ぁ"あ"あ"あ"あ"っっ!!!………ハ

ァッ……ッ!…ハァッ…ッ!!」

 

 対象Bの目尻から体液の流出あり、涙であ

ると思われる。

同時にに過呼吸と見られる発作も確認。

これにより対象Bの興奮状態を確認。

目標の扇動に成功し、誘引は確実であると判

断。

 

対象A(レミリア・スカーレット)「キ…サマァァァァァァァァァー

ーーーーッッッ!!!!!!!!!」

対象(パチュリー・ノーレッジ)「あっ、待って!レミィ!!」

 

 対象Aの誘引に成功。

突撃を確認する。

隣に控えていた者の引き留めにも応じないほ

どの興奮状態にある模様。

尚、吸血中の対象Bの能力を取得完了。

放棄する。

こちらに直線的に突進する対象Aに対し横回

し蹴りを左側面より当身し、窓から差し込む

()()()()()()()()へと叩き付ける。

即座にそこまで飛んで頭を押さえ、相手の手

の上に膝を乗せ、馬乗りの姿勢になり、最後

に対象Aを氷で固定する。

 

対象A(レミリア・スカーレット)「っっ!!がはっっ!!!……っ

っ!!……あぁっ!!」

 

 その隙に床にある影に触れ、当初の予定を

実行する。

影の支配力を高め……そこで、とある考えが

浮かぶ。

何のことはない。

ちょっとした精神内のバグようだ。

だが、特に計画に支障はないと判断し、実行

する。

その時の自身の顔は、何かの悪戯をする時の

子供のような無邪気さと悪意に満ちていて、

どこか妖艶だった。

影に接触した部分が水面のように波紋を起こ

し、レミリア・スカーレットを飲み込み始め

た。

 

 

 

パチュリーside

 

 

 

 私はこれまでの人生でこれ程混乱したこと

はないと胸を張って堂々と言えるほどに混乱

していた。

状況はほぼ一瞬で決した。

突如、フランが捕まったと思ったら、そのフ

ランの血が吸われ、それに激昂したレミィが

冷静さを欠いて相手に突っ込み、床に叩き付

けられ、そうかと思えば相手はレミィの影に

触れ、そこから波紋が起こり、その影にレミ

ィが飲み込まれていく。

 

パ「い……いやぁぁぁっっ!?レ、レミィ!?」

 

 館の外まで響きそうなその声に反応したの

か、その現象の張本人が私の方を向いた。

思わず、ひっ!と情けない声が漏れる。

もう魔力もほとんど残っていない。

何故か、先ほどから飛ぶことすらおぼつかな

いほどだ。

()()()()()()()()()()()()()()()()・・・・

・・・・・・・・・思い当たることと言えば

さっきこいつに髪を切られた所くらいだろう

か。

恐らくその時にあいつが私の髪を食べていた

のと何か関係があるのだろう。

……それはそうと、こいつは最初から全く本

気などではなかったのだ。こいつは開始当初

から、私の能力の底を測る為だけに私と競う

振りをしていたに過ぎないのだろう。

そうでなければ、説明が付かないほどにこの

状況は理不尽で、そう仮定すれば残酷なまで

に辻褄が合うのだ。

そう考えると途端に悔しさが込み上げるもの

の、すぐにそれは収まった。

悔しさを感じることが馬鹿馬鹿しく思えるほ

どの、途方も無く圧倒的な実力の差が相手と

自分の間に横たわっていた。

そして、相手が用は済んだとばかりにこの場

を後にしようとした…………

その時、

 

 

    

 ━━ガキィィッッィィンッ!!!

 

 

 

 突然、そいつの背後から、長大な炎剣が振

り下ろされたと思うと、そいつの背中から生

えてきた氷の分身が氷の大剣で炎剣を受け止

めていた。

そう、その炎でできた剣はこの我らが紅魔館

の主の、その妹君、「悪魔の妹」の二つ名を

持つ、フランドール・スカーレットの、禁忌

「レーヴァテイン」だ。

 

フ「アハハハハハハハハハハッッッ!!アハ

ハハハハハハハハハハハハハハハハッアハハ

ハ!!…ハハハ……ハァ……っ!!」

 

 狂ったように笑いながらその顔に狂気の笑

みを浮かべ、敵に炎の剣を押し付けるフラン

の姿が目に映る。

そこには敵に囚われてから捨てられるまでの

健気で可愛い親友の妹の姿はどこにもなかっ

た。

 

フ「マったク!!!ヨクもマぁワタシのチを

ちゅウちゅーと吸ってクレちゃッテ!!蚊か

ナにカかよ!!オかげで、首すジにアトガノ

こッちゃッタじゃナイかっ!!マァすグにナ

オるんだケどサァ……」

 

 そこにあるのは遊びに餓えた子供が玩具を

見つけたような残酷かつ残虐な無邪気さと、

破壊衝動に身を任せる本性を剝き出しにした

憐れな悪魔の姿だ。

 

フ「アハハッッ!!ホんトサぁ、キュうケつ

きガ、吸血サレルなンて、ワラいばナしニモ

ならナいヨォッ!(きゃ)ハハハッ★!!」

 

 そんなことを楽しそうに、狂おしそうに、

実際狂ったように喚き散らしながら、子供が

そうするように乱暴に力任せに相手に炎剣を

叩きつける。

ただの子供と圧倒的に違うところはそれが途

轍もない怪力であるということ。

一体その細腕のどこにそんな力があるのかと

疑問を抱かずには居られないが、莫大な妖力

と吸血鬼という種族としての特性がそれを可

能にしていた。

 

(ぶんしん)『ダまってきいてレバ、イイき二なりヤ

がって……そんナにコわされタイノか。コワ

されナキゃだマれナイのカ?アア?』

(チルノ)「━━━━━━!!」

パ「えっ!?」

     

 突如、炎剣を受け止めていた背中の分身が

喋りだしたと思ったら、本体が急に頭を押さ

えて苦しみ出した。

だが、それも数秒で収まり、それに伴って分

身が本体からズルズルと抜け出てきて、完全

に自分の足で立っていた。

その見た目は本体であるそいつを多角形の物

体で表したような見た目で無色透明だった。

━━まるで硝子細工の人形のようだ━━

そして、今度こそそいつはこの場から去って

行った。

 

(ぶんしん)『ホラホラホラッッ!!ドうしタっ!!

モウおワりか?』

 

 そこで、私の視線は再び、そこで争う二人

に向き、次にはっと我に帰ったように、敵に

何かをされたレミィの元へ飛ぶ。

そこで見た光景に思わず息を飲んだ。

 

パ「━━━━━っ!!!」

 

 そこには、レミィの形をした黒い何かが横

たわっていた。

いや、本当は分かっている…それは黒い影が

レミィを覆っているだけで、紛れも無くレミ

リア本人だ。

そう頭では理解していても、最早別の生き物

に見えるほどに、変り果てた友人の姿に絶望

せずにはいられなかった。

そうして、しばらく声もかけられずにいると

、突然その友人が起き出し、直後にこちらに

火の魔法を放ってきた。

 

パ「っ!!!」

 

 既に身構えていたので何とか躱せたが、そ

の隙に友人の姿をした()()は玉座のある部屋

へと一瞬で飛び去って行った。

 

フ「イイね!イいネっ!!さイっコーだねェ

!!!」

(ぶんしん)『はァWww!?いッてロよカスがッ!

!!………でモ、コレはスコしおもシロいかも

ナァ……ナンせ、ワたしが目ノ前にイてシカ

も、わタシはベツのスがタにカわっていル…

…コんナにおもしロいコトもホかにナイだロ

ウさ……あハハハっ!』

 

 見ると、まだフランと奴の分身が戦闘中だ

った。

加勢したいが、生憎先ほどの戦闘で使い果た

してしまって魔力は残っていない……いつも

のスペカ戦ならば力をそんなに使わないので

余裕なのだが、今回は相手が相手だったので

、それぞれのスペルに全力を投じてしまった

ことで、魔力が底をついていた。

まぁ、結局、それでも相手には傷一つ付かな

かったわけだが………今の私には、この状況

を打破してくれる者の存在を待ち望むことし

かできなかった。

━━━━━それにしても、あの分身が語った

、「目の前に私がいる」とはどういう意味だ

ろうか……あれは、あの白い着物の少女の分

身であって、フランの分身ではないはずなの

に……。

そして、フランも分身を作り出し始めた。

本体のフランの他に三体のフランを作り出し

て、計四人での攻撃を行うスペル。

禁忌「フォーオブアカインド」である。

 

フ「「「「ホラホラぁ~~っ!!スこしでモ

ユだンシたらつぶレちゃうヨ~~~~っ?ア

ハハっ!!」」」」

(ぶんしん)『まっタく……ムレなキャコウげキデキ

ないノか?……ソンなんじャイツまでタって

もカスりキず一つつカナイよっ!!』

 

 戦いは激しさを増していき、館に被害が出

始める。

そこで最早、祈るような心境になり、二人が

何合目かわからない打ち合いになろうとした

そこで唐突に救いの手が舞い降りた。

 

?「冷体「スーパーアイスキック」!!」

(ぶんしん)『っッッッ!?』

フ「「「「うわッ!!」」」」

 

 突如として現れた何者かの乱入によって、

自分たちの間に割って入られたフランと、奴

の分身が呻きを上げる。

乱入者は戦闘の中心で激しく回転した後、徐

々に回転を弱めていき、止まった。

そして、辺りを見回した後こう尋ねた。

 

パ「ッ!?」

?「ねぇ…そこのあんた、これってもしかし

て、そこのお嬢さんは暴走中で…そこのあた

いに似てる奴がぶっ飛ばすべき敵……ってこ

とでOK?」

 

 確かに似ている。瓜二つとみてもいいほど

に……だからこそ最初はまた奴が戻って来た

のかと身構えたが、奴はほとんど一切喋らな

かったし、何より色も雰囲気も違う……なん

というか、冷たさの中にある暖かさのような

気配を感じる、寒いのではなく涼しいといっ

た印象だ。それに比べ奴の方は身が凍てつき

そうになるほど冷たく、どこまでも極寒の土

地が続いているかのような力の波動だった。

なので最初こそ戸惑ったものの、その質問に

答えることにした。

 

パ「ええ、そうよ……私は今、魔力が尽きて

いるから、手を貸してくれるととても有難い

のだけれど……」

?「ああ、もちろんそのつも…(チルノちゃーー

ーっん……!!)」

チ「あっ大ちゃんだ……大ちゃーーっnっ!

!!……っとと!!」

フ「「「「あハハハハッ!!こンどはおねぇ

さンガアイてシテ (あそんで)くれるノ?」」」」

(ぶんしん)『オまえハ何モノだぁッ……!!なゼわ

たシと同質ノよウりょクを……ハっッ……!

ソウか…おマエが!ワたしのフクせイもとカ

!!』

 

 廊下の奥から連れの者と思しきこちらに飛

んできながら目の前の人物の名を呼び、それ

が遠くから響く。

その呼びかけに目の前の者が応えて手を振ろ

うとしたときに、思い出したかのようにフラ

ン(とその分身を合わせた四人)と奴の分身

が、乱入してきた彼女に一斉に挑みかかった。

四人のフランの声と、まるでエコー(反響)

がかかったかのような氷の分身(以下氷身)の

声が廊下に響く。

フラン四人分の炎剣が、氷身の大剣が、彼女

の元に殺到する……が、それは難なく空を切っ

た。

 

チ「……っと…ふぅ……まずそこのあんた…協

力はするよ?その為に来たからね……あとそ

このあたいの氷像みたいな奴、正解だよ……

正確にはあんたの()()の、だけどね。それか

らお嬢さん、今はあんまり遊んでる暇はない

かな」

(ぶんしん)『(いッシュんでイドうした!?)』

フ「(ふふふ、オモしろソウ……!!!)」

フ「だったラ!」「いヤデモ!」「あイテせ

ザるをエナいよウに……」「シテアげルまデ

だヨッッ!!」

(ぶんしん)『きサまは、コロす!!』

 

 フランは四人のリレーでそう叫ぶと、チル

ノに手のひらを向けてだした。

一方氷身は機会を伺っている。

 

パ「逃げてッ!!フランの破壊の能力よ!!」

チ「いッ!?うそっ……!!」

フ「「「「キュっとして……ドカーンッッ!

!」」」」

 

 実に四人分のフランの「ありとあらゆるも

のを破壊する程度の能力」が彼女、チルノと

呼ばれていた少女を爆散させるかと思われた

………その時、突如彼女の姿が忽然と消え、

フランの能力は彼女の後ろにあった天井と壁

の取り合いを代わりに爆発させた。

急ぎ、空間に浮遊することで飛び散った瓦礫

を回避する。

氷身は大剣で難なく弾いて見せていた。

 

大「もうっ!!チルノちゃん!無理しちゃダ

メだってば!!」

チ「ごめん……大ちゃん、分身も用意してな

かったや……」

 

 声が聞こえたところを見るとそこには彼女

が"大ちゃん"と呼ぶ少女が増えていた。

恐らく先ほどの声の主だろう。

そういえば、彼女が消える瞬間…隣に緑髪の

少女が一瞬見えていたような気がする。

 

チ「……って!!大ちゃん、ヤバいよ!!あ

れあれっ!!」

フ「「「「あッハハハハハハハハ!!!ふっ

とべぇ!!」」」」

大「う、うわぁッッ!!」

 

 フランが二人に向けて能力を乱発していた。

それを先ほどのように瞬間移動で避けていく。

すると突如、二人の背後に例の氷身が現れ、

切りかかった。

 

(ぶんしん)『チョッとチョッとォ……なに、そっチ

ダけデあそンでルんダヨ……ワたしモまゼナ

よぉWW!!ハハッ!!☆』

チ「っ!!ったく……邪魔っ!!(今、一瞬で

移動したよね……何て言うか、()()()()……

ああ…そういうこと)」

 

 しかし、それにチルノが反応して相手の大

剣を同じ大剣でいなし、大妖精が(恐らく彼

女のものと思われる)能力で瞬間移動してフ

ランの破壊の能力を免れる。

そこで、躱され続けて痺れを切らしたフラン

が勝負に打って出た。

 

フ「もォ……ジレったイナぁっ……!!わタし

がちョくせツコわシ二いっチャお……!!」

「ソうダね……」「そウシよウ……」「ソれに

ケッてーーーいッ!!」

 

 四人のフランが互いにそれぞれ相槌を打ち

、全力で二人を潰しに掛かる。

 

フ「オフタリさン!タのシかっタよっ!デモ

……」「コレで」「おしマイ!」「禁忌「レー

ヴァ()()()」ッッ!!」

 

 フランがスペルを叫ぶと同時に、四人のフ

ランの持っている炎剣が二つに増える。

そして、合計八本のレーヴァテインが今まで

と段違いのスピードで二人に襲いかかった。

 

チ「終わり、か…それはコッチの台詞だよ、

お嬢さん……これで、遊びは終わり(ゲームセット)だ!!」

 

 その言葉の直後、一瞬で勝負は決した。

見るとそこには、楽しそうな表情のまま氷漬

けになったフランが氷塊の中で固まっている。

全く何が起きたのか分からなかった。

一体今の一瞬に何が……と混乱にしばらく固

まっていると、下から驚愕したような声が聞

こえてきた。

 

(ぶんしん)『ナ、なゼだっ!?ナんでウゴけル!!』

チ「……あんた、時間を操ってたんだろ?そ

れはあんたのさっきの動きで分かったんだ。

()()()()()()()()()()()()速さで、何の予備

動作も無く、始めからそうだったかのように

移動してたんだから分からないほうがおかし

いよ。それに、それを利用した攻撃方法も直

ぐに想像できたよ……水の緒をお嬢さんと

その分身たちにつけておいて、時間停止の影

響を受けないようにして時間を止める……

そして、そのまま切りかかるとあたいたちは

まとめてズバッ!!……如何にも面倒臭がり

なあたいの考えそうな事だ。でも、それを読

ん出たあたいは影響を受けていないお嬢さん

の分身の一人にあんたと同じように水の緒を

付けておいたのさ……まぁ、あんたに直接つ

けても良かったけど……それだと勘づかれそ

うだしね」

(ぶんしん)『っっっ!!!ぐぅ……だガっ!!ナぜ

、わたシが触レてイルとエイきょウをウケな

イとワかッた……!!』

チ「それはだって……………そうじゃなきゃ、

()()()()()()()()()大剣(それ)、どうやって

持って動くのさ?」

(ぶんしん)『……ッッ!!!』

チ「それじゃ、説明も終わったことだし…行

くよっ!!!」

(ぶんしん)『くっ……くソォォォオっ!!』

 

 そして、またも()()()()()()()戦いは直ぐ

に決着した。

 

 

~時間停止の空間~

 

 

チルノside

 

 

 

(ぶんしん)『な!?コンどはナんデうゴケるッッ!

!サっキノヨウな繋がリなド…ドコにもナイ

とイウノにぃッッ……!!!』

チ「悪いんだけどさ…さっきのでもう()()

ちゃったから、あたいにも時間停止(これ)使えるん

だよね……それに・・・大ちゃんッ!」

大「うん!行くよっ!チルノちゃんッッ!!」

(ぶんしん)『…ハッ・・・!!?』

チ「あたいは…一人じゃないッ!!」

(ぶんしん)『ッ!!しマッ…!!グあぁぁァァっっ

!!!』

 

 それがそいつの断末魔の叫びとなった。

大ちゃんの能力で相手の背後まで瞬間で座標

移動し、相手の胴を太刀で真っ二つにした。

その直後、相手の体が瓦解し粉々になってあ

たいに吸収された。

氷の微細な結晶があたいの周囲を舞う。

 

チ「これで、ゲームオーバー(あんたの負け)だ……聞こえて

ないか…」

  

 そして、静かに時間停止を解除した。

 

 

 

パチュリーside

 

 

 

 本で読んだのだが、映写機というものが外

の世界にはあるらしく、それはフィルムと呼

ばれる光を通す素材に絵を写して、裏から光

を当てることで、スクリーンとよばれる幕に

映像を映す機械なのだが、そのフィルムは同

じようで少しだけ違う絵が何枚も連なってお

り、それを回すことで動いているかのように

見せるのだ。

それをコマ送りというのだが、今目の前にあ

る光景はまさにその、コマ送りのコマを何枚

か飛ばしたような、そんな光景だった。

その手品か何かのようなそれは咲夜がやって

いたので見慣れているはずだったのだが……

他のものがやっているのを見るのとではわけ

が違う。

確かに最初に出会った時には咲夜にも驚いた

が、それを当然の様にできる人間がやってい

るのを毎回見るのと時間停止(それ)()()()()()()

()()がやっているのを見るのとでは、同じ

見るのでも衝撃が段違いだ。

本来できるはずのない者がやってのけている

という事と、他にもできるものが居たという

二つが重なったことで驚きは二倍になった。

今にして思えば幻想郷はそんな者ばかりが居

るところであるし、不思議はないのかもしれ

ないが、それでも幻想郷(ここ)でも珍しいはずの咲

夜の時間操作を()()()()がやったということ

に驚きを隠せなかった。

そう、「チルノ」という名前を聞いて漸く私

は思い出した。

それは確か、門番である美鈴によく相手をし

て貰っていた氷の妖精の名前━━だったはず

だ。

━━━━その氷精はそんなに力もなく、頭も

良くなかったはずなのだが━━━━

そして、隣にいる妖精はそのチルノの親友で

、大妖精だったと記憶していた(廊下を通り

掛かった時に仲良く遊ぶ様子を窓から見たこ

とがあったので間違いない)。

親友…私とレミィの関係と同じ……そこまで

考えて、現在自分の親友が置かれている状況

のことを思い出す……その直前に相手が話し

かけてきた。

 

チ「……っと、ふう…ここは何とか片付いた

ね……で、えーーーっとぉ……確か、あんた

がパチュリー?」

パ「!!……どうして私の名前を?」

チ「ああ、それは……幻想郷縁起に名前と

か容姿とかが載ってたからね」

パ「あれを読んでいるのね………ええ、私

がパチュリーよ。パチュリー・ノーレッジ」

チ「そう…あたいはチルノ。それでこっち

が大妖精の大ちゃんだよ」

大「初めまして!パチュリーさん!」

パ「ええ、初めまして。大妖精」

チ「それで、この子がフラン……だよね」

 

 言いながら、氷塊のなかに閉じ込められて

いるフランを見やるチルノ。

 

パ「ええ、その通りよ…それと、さっきは危

ないところを助けてくれてありがとう……

感謝するわ。その、助けてもらっておいて何

なんだけれど…もう一人助けて欲しいという

か、急いで欲しいというか……」

チ「うん、この紅魔館の主人…レミリア・ス

カーレットだよね。正直、影と出くわさなか

ったし、(まぁ、分身は居たけど)あとここ

でそれが憑いているとすれば、その人しかい

ないからね」

パ「影?」

チ「ああ……その辺の事情は後で説明がある

と思うからその時にして、まずはその人のと

ころに案内してもらおうかな」

パ「え、ええ…わかったわ。……こっちよ」

 

 そして、あたいたちはパチュリーを先頭に

だだっ広い館の廊下を暗がりの方へと飛んで

いった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




な、ナンダト……っ!?何時もの倍の文字数がかかった上にまだ終わらないだと……?
つ、次こそ…次で終わりのはずだ!!
(これはこれから何話終了とかの宣言しないほうがいいかもナ……)
というわけで、次こそ終わり?の次回、またお会いしましょう。それでは~~~。
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