東方氷異伝   作:城が猫

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 やっと、まともに戦闘に移行できる・・・・かもしれない。
所まできました。いや、絶対に入れてやる・・・絶対にだ!!
ここでやっと魔改造に魔改造を加えたチルノの本領がついに発揮される!!!
・・・・・・あ、尚この作品におけるキャラ崩壊が苦手という方
にはブラウザバックを推奨します。それでも良いと言う方は
どうか温かい目で見守ってください。


第四話 氷始

 ━━━━何故こうなったのか、全く以って

理解不能だ。

 

?「さあ、始めましょうか!!!スペルカー

ド戦と言う名の独占取材を!!! この私が

直々にその実力、量って差しあげましょう!

さ、手加減してあげるから本気で掛ってきな

さい!!!!」

 

 目の前の相手が声高に開始と宣戦布告を言

い放つ。

━━━━━周りは開けており、青空が眼前に

広がる。

下を見やれば、魔法の森や人里などが小さく

まるで模型のようだった。

上からは昼下がり頃の夏の太陽が容赦なく照

りつているが、時折吹く風がその陽の熱さを

和らげている。

・・・・・・そう、ここは人里の遥か上空。

何故、このようなところにいるかというと……

 

チ「・・・・・・・・はぁ・・・」

 

 ・・・・・・本当に、なんでこうなってし

まったんだろうね・・・・

━━━━━それは遡ること数時間前。

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

数時間前

 

 早朝頃、あたいは、かき氷屋とは別に副業

を思いつき、それを実行に移していた。

この時期は水田にとって厄介な、雑草の多く

生える季節である。

それはこの幻想郷における人里の水田も例外

では無かった。

しかし、今までもそうだったけれど、お米は

問題無く取れていたし何とか雑草も全員で取

れば、手間はかかるものの処理できないこと

もなかった。しかし、中々手の回らないとこ

ろというのは出てくるようで、雑草の生い茂

っている所はやっぱりあちらこちらの水田に

見受けられた。

そしてやはり、雑草の生えているところとそ

うでないところでは、収量に差があるようで

、早めに除去してしまいたいのだそうだ。

そこであたいが、この冷気を操る程度の能力

で雑草だけを凍らせ、粉々にしてしまうか、

冷気で枯らせてるか、氷であたいの分身を作

って手伝おうと思ったのだ。

実質、里の住人としては新参者であるが、里

の有力者の説得に成功しているあたいは、比

較的穏やかに受け入れられたのだろう。

今、説明をしたようなことをやらせてくれる

農家がほとんどだった。

なかには訝しみながら断る人もいたけれど、

それは大抵里の変わり者というような少数の

ものだった。

そして、雑草の除去をさせてもらった農家か

ら他の野菜などの農作物をくれるところもあ

り、それを報酬、収入にすることにした。

・・・・・・まぁ、それが目当てだったから

もらえ無ければ、困るわけだけど、こちらか

ら言うのは少し気が引けるというか、下心を

あまり見せたくなかったというのもあって、

言えなかったので、もらえるかどうかは不安

だったものの、宣言した助け合いが早速その 

通りになり、ほっと胸をなで降ろしていた。

因みにその手伝いは早朝であり、かき氷屋に

支障はきたさない。

―――――早朝なのは時間の兼ね合いと共に、(

比較的にだが夏は意外に朝も暑い)涼しい時

間帯なら力の節約に繋がるため━━━━あたい

は、頂きものである野菜を結晶内に収納する(

約10件中6件の農家から野菜をもらえた)と

家路についた。

 

チ「まさか、初日にもらえるとはね・・・・・

・・・まぁ、もらえなきゃ困るわけだけど、そ

れでも初日だし、駄目もとだったんだけどな…

・・・・・これは助かる」

 

 道すがら、最後に回ったところの野菜をわけ

てくれた老齢の、優しい雰囲気の女性の事を思

い返していた。

 

老女「本当に、手伝ってもらえるのかい?」

チ「はい!!どんなことでも構いませんよ?も

のを運ぶでも、雑草を取り除いてほしいででも

・・・」

老女「それじゃあ・・・・・・お願いしてみよ

   うかねぇ・・・・・・」

チ「はい!!任せて下さい!」

 

 その後は、野菜の収穫、雑草の除去、いろい

ろなものを運んだりをした。

それだけのことをしたのにも関わらず、能力を

駆使したためか、そこまで時間は掛らなかった。

 

チ「・・・・・・っとこんなものかな?」

老女「おお!!ありがとねぇ・・・この年にな

ると作業も辛くて・・・・跡取りはまだ半人前

でね・・・・・もう少ししたら継いでくれそう

なんだけどね」

チ「へぇ~~~・・・・でも、それなら安心で

すね。後を託せる人がいるんだから」

老女「それでも、まだ今は自分の仕事をやるの

で精一杯みたいだから、あなたがこうやって手

伝ってくれるのは助かるよ」

チ「・・・・そうですか・・・・」

 

 それからいくつか話しをした後、収穫した野

菜を何種類か頂いた。

 

老女「今日は本当に有難うねえ。手伝ってくれ

たお礼にこれを持って行っておくれ」

チ「こんなに・・・・・本当に良いんですか?」

老女「これくらいあげても、うちにはまだ全然

あるから心配ないよ。むしろ持って行ってくれ

なけりゃ申し訳ないくらいさ」

チ「・・・・・・それなら、有難く頂いておき

ます。主にこの時間帯ですが、また時間があれ

ばこうしてお手伝い出来ますし、その時またお

伺い致しますんで、何でも言って下さいね?」

老女「うん、ありがとう。それじゃ、その時は

またお願いするよ」

チ「それじゃ、あたいはこれで失礼します」

老女「うん、またね」

 

 

 

 かき氷屋に戻ると、あたいは自身の能力で冷

気と氷を操って氷でかき氷機を作り、収納して

いた純粋な氷を取り出す。

その氷はほとんど不純物が無いため、微妙に青

く透き通っている。

それを適当な大きさに切り、かき氷機にセット

し、氷で器を作りかき氷機の下に入れ、セット

した氷を削る。

すると、中から削られた微細な氷が器に落ち、

山になる。

更にその器を取り出し四角く中が透明で見通せ

るように凍らせ店頭に置く。

 

チ「うん、ここなら良く見えるし、日は当たら

ないね」

 

 そして、それを人目に付きやすいように店内

のカウンターにおいた。

別に、陽に当っても融けはしないのだが、わざ

わざ外に置くよりも、

良いと思ったし、かき氷屋であると言う目印は

、既に店の外で『氷河屋』『氷』と涼しげに筆

で書かれた布看板が時折吹く風になびいている

ので必要はないはずだ。

・・・・・・そんなことを思っていると、早速

この暑さに音をあげたような話し声と足音が聞

こえて来て、その気配がこの店の暖簾をくぐり

入って来た。

見るとどうやら、若い男性の二人組のようだ。

すぐに出て行き対応する。

 

チ「いらっしゃい! お二人さん、何にしまし

ょう?」

二人組の片方「あーーっと・・・とりあえず、

このイチゴのかき氷をひとつもらおうかな」

チ「イチゴが一つ・・・・そこのお連れの方は

?」

もう片方「・・・・・それじゃ、このレモン味

とかいうやつで」

チ「はいよ!それじゃ、イチゴとレモン一つず

つね」

 

 因みに客の対応はこのスタンスで行こうと思

っている。

気兼ね無く話しあえる間柄というイメージのつ

もりだ。

若者二人の注文に応えるべく今朝、仕入れた野

菜等のもらいものの中から、イチゴとレモンを

取り出し、凍らせ、粉々に砕き、器に入れ解凍

する。

そして、それをかきたてのかき氷の上にかけて

、完成。

匙も氷で造りそれを最初の客に持って行った後

に後の客への対応をする。

そうしていくうちに店内が客で埋まりかけてい

た。

どうやら、今日の暑さにはこの里の多くの人が

参っているらしい。

通りに面した店の入り口ら辺から、あつい~~

だの、死ぬ~~だのと暑さを訴えるうめき声が

聞こえたかと思うと、の店に入った瞬間、生き

返る~~~とか、涼しっ!と言う声に変わって

いく……とその中に見知った顔が居るのを発見す

る。

・・・・・・あれは阿求と慧音先生?

━━━━━良く見ると、それはやはり阿求と慧

音先生のようだった。

二人はこちらにやってきたので、こちらからも

二人に近ずく。

するとあちらから声をかけて来た。

 

求「おはようございます。チルノさん」

慧「おはよう、チルノ。 ずいぶんと盛況だな

・・・・・宣言通りとはやるじゃないか!!」

チ「おはよう、阿求。それと慧音先生、これは

今日が猛暑日でたまたまお客さんが多いだけで

すよ」

 

 それだけ言うと、あたいは二人にもお品書き

(メニュー)を渡した。

 

チ「お二人もなにかどうぞ、なんならお安くし

ときますよ?」

求「いえ・・・正規の料金をお支払いします」

慧「私もだ。この流行りっぷりを見れただけ

でも十分なくらいだよ・・・・・・私も何か

頼もうかな」

 

 それならと二人の注文を受け付ける。

━━━━ところであたいのかき氷の種類はと

りあえず十個程あって、苺、檸檬、西瓜、蜜

柑、桃、葡萄、梨、無花果、林檎、サクラン

ボなどだ━━━━━そのうちで二人はそれぞ

れ、阿求は桃で、慧音先生は蜜柑の味を選ん

だ。

 

チ「はい、それぞれ桃と蜜柑のかき氷お待ち

どうさま!!」

求「有難う御座います」

慧「ああ、ありがとう。おお!!これはとて

も美味そうだし、涼しくなれそうだ!」

求「あっ、!涼しいと言えば、この店内は何

故か程良く涼しいですが、これもあなたが能

力で?」

チ「良く気付いたね。それでも半分正解で半

分ハズレだけど」

 

 その言葉に興味深そうにそして半ば察した

ように阿求が問いを寄こした。

その隣(慧音)を見ても同じだった。

 

求「・・・・・・どういうことですか?」

チ「その様子を見るに既にわかってそうだけ

ど?」

求「まぁ、答え合わせですよ。外れているか

もしれませんし」

 

 微笑みながらそんな風に返されたあたいは

答えることにした。

もしも食い違っていたら微妙に気持悪いから

し。

 

チ「あたいの妖力は今莫大にあると言っても

、そんなにバカバカと使いたくないからさ、

この店自体が涼しくなるように、また、涼し

くしやすいような造りにしてあるって……まぁ

、言っちゃえばそれだけだよ。と言うかそも

そも、木造建築って乾燥すれば縮んで、湿気

を含めば膨らむからそれで夏は涼しく、冬は

温かいからさ…それを建て方を工夫して助け

ているだけ」

求「なるほど!!やはりそうでしたか・・・

道理で私の屋敷きと似たような感じがしたわ

けですね」

慧「うむ、なかなかに客に対する気遣いが行

き届いているな。店内も掃除が行き届いてい

るようだし…………」

 

 そう褒めて貰えるのは悪い気はしないが、

ここはそもそも、そんなに汚れる所ではない

ので、そう褒められるほどではないのだが、

ここは礼を返すところだろう。

 

 

チ「そう言ってもらえて何よりです。ここに

来て下さった方にはゆっくり気分良く休んで

欲しいですからね」

 

 慧音先生からそんな風に褒められてから、

ふとあることを思い出し、それを頼もうと思

っていた相手が目の前にいることにちょうど

いいと思いあたいはその人物に話しかけた。

 

チ「ねえ、ちょっと阿求に頼みがあるんだけ

ど良いかな?」

求「はい。何でしょう?わたしに出来ること

 はなら良いのですが・・・・」

チ「それなら、心配ないよ。あたいが頼みた

いのは幻想郷縁起を見せて欲しいだけだから」

求「そんなことでいいのですか? それなら

、是非どうぞ。あれを読もうと思うかたはそ

うそういなくて、少し困っていたくらいで」

 

チ「そうなんだ。あ、この間も言ったけど、

敬語………無いと嬉しいかな」

 

 そういうと、あっと口を手で抑える阿求。

そして申し訳なさそうに一言。

 

求「すみません………つい、いつもの調子で

………」

チ「まぁそっちの方が話し易いなら別に無

理にとは言わないけどさ」

求「………ううん、気を付けるわ。私も気兼

ね無く話せる相手が居るのは嬉しいです……

嬉しいし」

チ「いや、別に言い直さなくても………まぁ

良いけど……」

 

 まぁ、それはそれとして……阿求のその悩

みも納得できる。

確かに、既に過ぎ去った異変について興味を

示す者は少ないし、それに妖怪たちに対する

危険度なども里の中にいる限りほぼ安全なこ

とを考えればあまり関係無い。

それは理解出来るし無理も無いと思うんだけ

ど・・・しかし、それも()()そうなのであっ

て、全くの零と言うわけではないというとこ

ろ(実際に里に出入りする妖怪もいるし)が

阿求が幻想郷縁起(これ)を皆に読んでおいて欲しい

理由なのだろう。

なぜなら、いざという時に対処法を知ってい

るかいないかでは、天と地ほどの差があるだ

ろうからだ。

 

チ「それなら良かった。是非見させてもらう

よ。この後、()()()()()夕方ごろ、この店を

閉める予定だからその頃にお邪魔させてもら

うよ」

慧「ということは、この店の営業時間は、日

照時間に合わせると言うことか?」

チ「そのつもりだよ? 涼しくなってからか

き氷を食べに来る人もいないでしょう?」

慧「まぁ、確かにな・・・・・・(では昼休

みにでも来るとするか、生徒たちを誘って…)

・・・・・だが、仕事終わりの客などはどう

するんだ?夕方頃に仕事が終わる客も居るだ

ろう?」

チ「そこら辺も込みで考えた()()なんで大丈

夫です。ご心配には及びませんよ」

慧「ふむ、そういうことなら……」

チ「それじゃ、そんなわけでしばらくゆっく

  りしていきなよ。まだ外は暑いからね」

 

 そしてあたいは他の客の対応のため、その

場を後にした。

すると、その場から背を向け離れる時に、二

人の話声が聞こえて来た。

―――それにしても涼しさはあり且つ、湿気は

ほとんどないな。

それがここのかき氷の美味しさとも関係して

いるのかもしれませんね―――

それをあたいはふっ、と口角を少し上げなが

ら聞き流し、接客に向かった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 それから、閉店した後、幻想郷縁起を閲覧

するため稗田邸を訪れ・・・・・・

る予定のその日の昼休み中(店番は氷であた

いの分身を造って任せてある)、店の裏にあ

る樹木のその枝と幹の間で休んでいると、思

いがけない来客・・・・・・いや、ある程度

予想していたし、そしてどうせならこのまま

・・・・・・

 

チ「・・・・・・来なければいいのに」

 

と考えていた者が、あたいの前に風を巻き起

こしながら現れた。

その者の姿は、黒髪ショートの赤い瞳で、赤

い山伏の帽子、赤い天狗下駄、フリル付きの

黒スカートと半袖の白いシャツを着ており、

「風を操る程度の能力」を持った、『人里に

最も近い天狗』の異名を持つ

・・・・・・・

 

文「どうも!!毎度お馴染み!!!幻想郷の

伝統ブン屋!!清く正しい射命丸文ですっ!

・・って言うか『来なければいいのに』って

!思わず本音が漏れちゃってますけど!?」

 

射命丸文=文

 

チ「いや、それわざと。それに馴染みたくな

いし、清く正しいかどうかも怪しいし、実は

幻想郷の伝統ブン屋って言うもガセネタじゃ

ないの?」

文「まさかの全否定!? っていうか拒絶強

すぎません? 私に対して」

チ「ま、ブン屋のクダリまで含めてどうでも

いいけど。で?用件は?」

文「ああ、その用件はですね・・・って!ど

うでもよくありませんよ!! 私は清く正し

い幻想の伝統ブン屋でお馴染みと定評がある

射命丸文です!」

チ「もう一度言う・・・・・用件は何だって

言ったんだよクソカラス!! 」

 

 苛立ったあたいはどこかの某忍の物語に登

場する兄に復讐するために対面した弟のセリ

フのように言い放った。

━━━まぁ、その忍の物語が何なのか、Nか

ら始まりOで終わるアルファベット6文字な

のかどうか知らないけれど(因みに貸本屋で

読んだ)━━━すると、相手は更におどけた

ように返してきてイラッと来たが、一応話は

進んだので良しとすることにした。

 

文「━ッ!特に意味のない罵倒が私を襲う!

?━━っと茶番はこのくらいにしてそろそろ

本題と行きますか」

チ「できればもっと早くにそうして欲しかっ

たけれど、まあいいよ。で?急に力を持って

頭がマシになりだした氷精に何か用でも?」

文「そうそう!!そうなんですよ!実はその

取z・・・・って私が言おうと思ってた事を

先読みして言わないでください!?・・・・

どこぞのさとりですかあなたは」

チ「って言うか、このタイミングであたいに

取材しに来るなんてそのこと以外になにがあ

るのさ?」

文「まぁでも・・・それは話が早くて助かり

ます。じゃあ改めて、あなた(氷精)のこと

を取材させて下さい」

チ「だが、受けるとは言っていない」

文「そんな………嘘でしょ!?Σ(Д゚;/)/」

チ「まぁ嘘だけども」

 

 そう言ってやるとほっと胸を撫で下ろして

安堵する射命丸。そして、ボソッと実力行使

は面倒しかありませんし……と呟いていた。

こいつ、やっぱり叩き帰そうかな……

 

チ「そうだね、やっぱ知名度はある程度は必

要だし、あたいも店が繁盛するならそっちの

方がいいかな・・・・・」

文「そうでしょう!そうでしょう!」

チ「だが、断る」

文「バカ野郎!!」

文「な・・・なんで!?」

チ「うん、いや・・・めんど………やっぱり信

用できないし、いま、昼休み中なだけでまだ

営業時間中だし」

文「明らかに今、本音を建前で隠しましたよ

ね!? 面倒くさいだけですよね!?・・・

・・・信用できないのはともかくとして、昼

休みって言っても分身に店番任せてる時点で

関係ないじゃないですか!絶賛サボタージュ

中じゃないですか!」

 

 チッ!やっぱり分身の件はバレてたか。

となると別の手を・・・・・・と考えていた

ところで相手から思わぬ提案があった。

 

文「わかりました!!・・・・・・それでは

スペルカード戦をしましょう!!」

チ「・・・・・・スペカ戦?」

文「そうです!!やはり、幻想郷でもめ事が

起きたらこれでしょう!」

 

 スペルカード戦とは、お互いに制限時間付

きのスペルカードと呼ばれる、その人特有の

パターンの弾幕を放つカードを三枚用意し、

(用意するスペカの数に制限は無く、互いの

同意の上ならば別に被弾数もスペカの枚数も

自由に決められる)互いのそのスペルカード

(以下スペカ)を(三枚なら)三回使い切る

か、そのスペカ戦中に(三回被弾なら)三回

相手の弾に被弾すれば負けと言う、至ってシ

ンプルなゲームでこの幻想郷に於いて、人が

妖怪などの強大な存在にも勝ちうる可能性を

もたらすためのルールである。

そして、主に被弾は相手からの攻撃であれば

なんでもありで、殴打や蹴り、斬撃などでも

良く、それで被弾扱いになる。

そして、相手が死ぬもしくは重傷を負わない

程度に手加減することも求められる。

まあ、身代わりを用意出来るなら関係無いけ

ど……もちろんスペカ発動中も自身で弾幕を放

つことが出来る。

そしてこれはルールには無いが、このスペカ

戦には主に美しさや派手さなどが求められて

いる。

……以上がスペルカード戦…通称、弾幕ごっこ

とも呼ばれているもののルールと遊び方であ

る。

あと、幻想郷での争いはこれに置き換えられ

るので、揉め事の際にはよく持ち出される。

説明終了。

要は文はこれでどちらの主張を通すか決着を

つけようと言うのだ。

 

文「それに、あなたの実力も是非知っておき

たいと思っていましたし、これはもはや取材

は始まっているといっても過言ではありませ

ん!!」

チ「ふーーん、じゃあ、あたいが勝てばおと

なしく引きさがってくれるってことだね。

・・・・・・確か、天狗って格上にはそんな

風に出しゃばらないよね?それに、同等の相

手にも滅多に仕掛けないはず……ってことは

結構ナメられてたりする? いくら強くなっ

たって言っても氷精は氷精………毛が生えた程

度だろう……と?」

 

 面倒なことは嫌いだが、ナメられるのは癪

だし、放って置けない。

それに、ナメられて敵が増えるのもごめんだ

しね。

それにもうこれ以上、個人的(プライベート)な時間を邪魔さ

れるのもいい加減限界だ。

とか考えていると、文は厭味ったらしいほど

礼儀正しい笑顔の裏に相手をあざ笑うかのよ

うな感じを混ぜた何とも絶妙な顔で言った。

さも、それが当然の(ことわり)のように……………

 

文「当たり前でしょう。どれだけの力を付け

たか知りませんが、氷精が天狗に勝つなど、

天地がひっくり返ってもあり得ませんね。ち

ゃんと教わったでしょう?」

 

 その如何にもこちらをおちょくっています

と言わんばかりの声に若干イラッとしながら

、あたいも言い返す。

 

チ「教わったかって? 生憎あたいは自分の

のんびりとスローライフを送るのに忙しくて

学舎に通う暇なんてなくてね………だから………

鬱陶しく飛び回る羽虫のことなんて知らない

んだよ………興味無いしね」

 

文「いえ、そうでは無くてですね………私の仲

間から力の差を教えらなかったか?って意味

なんですよ。………まぁ、仕方ありませんよね

………妖精の知能なんて、上がっていたとして

も…………ふっまぁ、そんなものでしょう(笑)

チ「…………今日はやけに()が五月蝿いなぁ……

まぁ夏もこれからが本番だし、弾幕で打ち落

とせば少しは静かになるかなぁ?」

 

 そこからは売り言葉に買い言葉の応酬だっ

た。

 

 

 

 

―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―

・―・―・―・―・―・―・―

 

 そして、話は冒頭に戻る。

 

 

文「さぁ、始めましょうか!!!スペルカー

ド戦と言う名の独占取材を!!! この私が

直々にその実力、量って差しあげましょう!

 さ、手加減してあげるから本気で掛ってき

なさい!!!!」

 

 ━━━━本当に、何故こうなってしまった

のだろう?・・・・・・いや、本当はわかっ

ている。

あんな見え見えの挑発にまんまと乗ってしま

った自分が悪いと。

しかし、やはり言わせたままでは我慢できな

かったことと、ナメられたままでは静かに暮

らせないかもしれないと思いつい受けてしま

った。

いや、別に勝てない訳じゃない、むしろ自信

はある・・・・けど、万に一つと言うことも

あるし、そもそもやってしまってもいいのだ

ろうかと思うのだけど、相手は本気で来いと

言っているしなぁ・・・・(セリフ上のもの

とはいえ)ま、適当に相手をしたらお引き取

り願うことにしよう。

っとそんなことを考えているあたいのすぐ傍

を文の弾幕が通り過ぎていく、

 

文「ほらほら!!よそ見してると、あぶない

ですよっと!!」

 

 とか言いながら、あたいに向けて風の妖力

弾をその天狗の団扇を扇ぐようにして打ち出

してくる。

それを受けてあたいも動き出した。

冷気を操り、氷の武器を生成する。

造り出した武器の種類は日本刀。

そう、今は戦闘の真っ最中だ。

しかし、途中で考え事をしていても全く被弾

する気がしない。

まぁ、手加減してるって言うしこんなもなの

かな?。

━━━今のこのスペルカード戦はスペカ数三

枚の被弾三回━━━

 

 と、避け続けている内に相手が痺れを切ら

したのか、こちらの動きを見切った(と思っ

た)のかはわからないが━━文なので恐らく

後者━━スペルを宣言してきた。

 

文「・・・・・・突風『猿田彦の先導』!」

 

 そのスペルを宣言した直後、凄まじい勢い

で急加速し、こちらに突撃してき━━・・・

いや、もう突撃し終えていた。

あたる前に何とか横跳びに飛んで躱し、そし

て後ろを見ると少し遠いような距離で減速し

旋回しようとしているところだった。

な、なんて・・・速度だ!!

いまはなんとか躱せたけれど、これを制限時

間一杯(30秒間)か・・・・・

などと、軽く戦慄していると、旋回を終えた

文がまた、こちらに突撃してくるところだっ

た。

━━━あーあ、そう言いやそうだったね・・

・・・・おちゃらけた雰囲気とかでごまかさ

れてたけどこの天狗、幻想郷最速なんだった

・・・。

そして、次の瞬間にはほぼ全て決着した。

 

 

 

 

 そして、数分後・・・・・・両手と両足に

翼を凍りつかされ、悔しいような、それでい

て驚いていたような、新たなネタに出会って

嬉しいようなそして信じられないものでも見

るかのような感じが混ざった絶妙な表情をし

て、最後には嘆息する・・・・・・・・・・

そんな天狗の姿がそこに転がっていた。

スペカ戦の結果はこのあたい、チルノ(ひょうせい)の勝ち

だ。

 

文「まさか、最初のスペカ(あれ)が見切られていた

なんてね・・・・・・そりゃ、勝てないわよ

ね・・・はは・・は・・」

 

 などと、乾いた笑いを口にした文に対して

、得意げに言い放ってやった。

ちょっと追い打ち気味だが別に気にしないこ

とにした。

それだけ業腹だったということだ。

実はあたいがバカにされるくらいなら、そこ

まで腹は立たなかっただろうが、あいつは妖

精全体を嘲笑った。

それは種族の性質上仕方ないものと言うのは

理解はしていたが、それでも抑えられなかっ

たのは、妖精がバカにされることで、あたい

の大事な親友まで貶められた気がしたからだ

ろう。その事があたいの琴線に触れたのが今

回のこの結果だ。

 

 

チ「まぁ、手加減してたんでしょ?だったら

しょうがないんじゃない?・・・まぁ、限度

ってものがあると思うけど。どれだけ手を抜

いたらあたい(氷精)相手にあんな結果にな

るのやら・・・・・。ところでさぁ、あたい

の実力を量るとか言ってたけど、どう? 量

れた?・・・ふ………いや、聞くだけ無駄か」

 

 また再び悔しさと驚きと、興味や好奇心と

言った感情を綯い交ぜにしたかのような複雑

そうな表情に戻りながら、その感想を口にし

た。

 

文「ええ………それはもう、悔しく情けないこ

とこの上ない限りですが、あなたの実力を思

いっ切り見誤りましたよっ!!!まさか、こ

こまでとは………全く、手の抜き甲斐がありま

せんでしたよ………ははは……本当に……まさか

ここまで、とは………ふむ………」

 

 それは、心の底からの紛れもない本音のよ

うだった。

・・・・・・手加減をして、更には相手に本

気で来いなどと言うからこのような目に遭う

んだ、とそんなことを思いながら、先ほどま

での戦闘と、その結果を改めて振り返る。

これほどまでに(嬉しさはともかく)、相手

が悔しさを感じているのは、ただ単に負けた

からでは無く。

完封試合だったことが原因だ。

つまり、あたいは被弾もスペカ使用も0で、

通常弾幕と近接戦だけで勝利を収めたのだっ

た。

しかもわずか数分程の出来事だった。

・・・・・・でも、決着の早さでいうなら相

手が速かったからというのもあるかも知れな

いが、美しさや派手さ等が求められる中で、

それとは対極に位置するような一戦だった。

圧倒的過ぎて、冷めていて、派手さも無けれ

ば美しさもない。

強いて言うのならば、まっさらで何もないと

いう意味での美しさだけが存在し、まさに無

味乾燥と言う言葉がふさわしい一戦だろう。

 

 

・スペルカード戦

 

それは、呆気無い幕切れだった。

あの、スペカ宣言の後で文が音速に届こうか

と言うような突撃をしてきたときに、なんと

なくまずい気配を感じて横に跳び、何とか初

撃を避けることが出来た。

一度避けることができれば、その後は余裕を

持って見れる。(驚いたのは予想外だったた

め)しかしそれだけスピードがあり、勢いが

付いていれば、すぐに戻ってくることは難し

いだろうとわかっていた。

事実、そのスピードのまま旋回してこちらに

向かってきた。

いったん止まって折り返すよりもその方が負

担が少なく、且つ勢いも速度も殺さずに済む。

ただ、それはそのまま旋回することを余儀な

くされる事を意味する。

つまり旋回する分の隙が出来る。それでも速

いものは速かったけども。

(あれだけ勢いがあって旋回にたったの2秒

って・・・)その旋回する余白が空けば後は

注意していれば目で追うことが出来る。

だが、初撃を躱す事に失敗していた場合、逆

にこちらがストレート負けしていただろうこ

とは、想像に難くない。なぜなら直撃してい

ればこちらはその衝撃でしばらく動けず、そ

うでなくとも隙が生じるからだ。

その隙に次の突撃を喰らってしまえば、次は

動けずそれで三回被弾で終わっていたことだ

ろう。

だが、その後は難なく相手の動きを見切り、

手足を刀で切って凍らせ(あたる瞬間に刃の

部分が冷気に変わるように調整している)、

まさか見切られ攻撃を当てられるとは思って

いなかったのか、驚いていた隙に更に片翼を

凍らせ(凍った箇所は後で解凍され元に戻る)

動きを止めたところで、最後に額にでこピン

をくらわせ被弾数が3になった。

ん?それじゃ、4発じゃないかって?ああ、

言い忘れてたけど、それは一度被弾させてか

ら3秒間は被弾しても被弾した扱いにならな

いからだ。

つまり手足は3秒以内にほぼ同時にあてたか

ら被弾1にしかならない。

と、まぁ何とも味気ないけれど、それでも勝

ちは勝ちなので特に気にはしない。

そこでふと隣を見やると、もう凍らせた手足

や翼が元に戻り、伸びをする文の姿が目に入

った。

もう治ったのか・・・・・・あと10秒くら

いはあのままのはずなんだけど。

 

文「いやーーーー!、珍しい事もあるもんで

すね!! まさか()()()()()とはいえ、氷精(あなた)

に完封されてしまうなんて思いもよりません

でしたよ!!」

 

 先ほどまでの悔しげな表情とは打って変わ

ってまた元の、どことなく距離を感じさせる

、裏の読めない満面の笑顔を貼り付けて文が

言う。

それについては、あたいも同意見だ。

勝てるとは思っていたがまさか完封してしま

うとは。

それ以外に方法が無かったとは言え、これで

必要以上に目立ってしまう恐れがある。

それは避けなければならない。

さもなくば面倒が舞い込んでくるだろう。

よってこれを記事にされるのはまずい気がし

た。

 

チ「それはあたいもそう思う。まさかこんな

結果になるとは・・・・・・これを記事にさ

れるとまずそうだからそれはナシね。ほら、

勝負はこっち勝ったんだから、従って貰うよ

?」

文「それもそうですね、私もこんな自分の醜

態を敢えて記事になんてしたくありませんし。

ではお約束通り、今回は引き下がりますよ」

 

 そう言うと、何かを企むような悪戯をする

前の子供のような輝きが文の目に一瞬宿った

。それと同時に、狙った獲物を逃さないとば

かりの顔をその笑顔の奥に潜ませながら次の

事を言った。

 

文「まぁ、()()()引き下がります。ええ、私

も約束は守るほうでしてここは引き下がりま

す。なので、次回にまた、お会いした時には

よろしくお願いしますね!」

チ「え、ええ!?これで終わりじゃないの?

ま、また来るってどういうこと? って言う

か取材はお断り何だって!!」

文「えっ?でも、今のこの取材を断られただ

けで、この先もずっとしてはいけないとは明

言されなかったじゃないですか?」

 

 したり顔でそんなことを(のたまう)心翼共に真っ

黒な捏造カラス。

 

チ「じょ、ジョウダンじゃナイ!!! そん

なの聞いてないよ!!? って言うかそんな

風に都合よk 文「それじゃ、またの機会を

楽しみにしてますねーーーー!!」」

 

 こちらのセリフの途中に被せながらそう言

うと、風と共に飛び去ってしまった。

これが、ほんとの風と共に去りぬってやつか

・・・・・・はぁ・・・・・面倒が一つ増え

た。

 

 

 

 ・・・あのバカなようでいて、狡賢腹黒い(ずるがしこはらぐろい)

烏天狗が一方的に次回の取材の約束を取り付

けて飛び去っていって二十分ごくらいに、あ

たいは店に戻り、分身と入れ替わって店を、

涼しくなりだす夕暮れ頃まで営業させ、閉店

の作業をして店に閉店の看板を立てたあと、

阿求の元へ幻想郷縁起を閲覧しに行く前に、

みすちーへの付けの代金と朝にもらった野菜

を持って、あの夜雀の屋台へと(くれない)色に染ま

る空に飛んで行った。

 

 ・・・・・・そして、その夕焼け空に夜の

帳が下りる前、通りを行く人々の影が不自然

に揺らいでいるのに気付いている者は━━━

━とある者を於いて外には誰もいなかった。

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




さて、お分かりの方もいると思いますが、ここでは様々なことが始まっています。
チルノがかき氷屋を本格オープンさせ、新たに副業も初め、戦闘も始まり・・・・と
まさに始まりの回となっております。
そして、あからさまにしているのでお気づきの方もいるでしょうが、
次回くらいに異変が始まります。それでは、皆様次の話でお会いしましょう。
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