東方氷異伝   作:城が猫

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この物語は、チルノを強化したらどうなるかという作者の独断と偏見と、
妄想の世界によって成り立っています。なお投稿時期やキャラ崩壊等に関する
発言は自由ですが、それらは作品に必ずしも反映されるというわけではないということを
ご了承のうえでご覧ください。
キャラ等に関するアドバイスはいただけるのならば作者としてはありがたいと思っています。
今作品は、以下の成分を含みます。
・茶番、作者の駄文
・キャラ崩壊
・妄想の世界
・説明不十分
・ご都合解釈
・独自解釈
・独自設定
以下の内容でも問題ない(かんけーない!!)という方はゆっくりしていってね


第八話 氷鳴

チ「え・・・・なに・・これ・・・・・影が

・・・・・繋がってる・・・」

 

 夜の博麗神社の地面に立っていたあたいは

、これまでの違和感の正体に今更ながら気付

いた。

思えばいつからだっただろうか、そう、あれ

は稗田邸の廊下を渡っていた時だった・・・

朝食を取ろうと、廊下を歩いていた時に、不

意に己の影が不自然に揺らめくような感覚が

した。

あの時は見間違いか気のせいかとあまり気に

止めなかったが、その時からすでに、この異

変は始まっていたんだ。

何で、今の今までそれに気づかなかったのか

不思議でたまらない上に己の配慮の足りなさ

が悔やまれた。

影が違和感の正体であるそれは、普段空を飛

ぶものならば、そうそう気にならないし、飛

んでいる間は己の影など目立たない。

それ故に、今の今まで気付かなかった。

他の皆が気付かなかったのも恐らくそれが理

由だ。

そして、その違和感の原因であった影は今活

動している四人・・・・クラウンピース、リ

リーホワイト、エタニティラルバ、そして・

・・・大ちゃんのそれぞれの影がつながった

状態であたいの目の前にあった。

いまだに弾幕が夜空を照らし、その場にいる

全員の影を形作っており、その影に変化が見

られた。

あたいや霊夢、魔理沙、など今動いている四

人以外の影は独立していたにもかかわらず、

その四人の繋がった影へとまるで繋がりたが

るかのように、動き始めた。

それを見て、霊夢に叫び、警告しようと口を

開きかけたところで、その霊夢の方から悲鳴

が聞こえてきた。

それは他ならぬ、本人(れいむ)からの叫び声だった。

 

 

霊「う・・・うあああぁぁぁぁぁ!!!!!

・・・はぁ・・・は・・ぁ・・はぁ・・・・

しまっ・・・・ぐぁぁぁ・・・!!」

 

 何やらしきりに頭を押さえ、うめき、地面

に倒れ伏している。

急いで傍に駆け寄るも、なにがどうなってい

るのかわからない。

まさか、これも影の影響・・・・・?

そんなことを考えていると、今度は反対側か

ら誰かの体が落下する音が響いた。

見ると魔理沙が、身じろぎするのがやっとの

様子で地面に倒れている。

 

チ「・・・・っ!!! 魔理沙ッ!!」

 

 急いで霊夢を背中に自身に寄り掛からせる

ように、背負うと魔理沙のもとに走って行っ

た。

急ぎ、霊夢を魔理沙の横に寝かせ、周りを絶

対冷域で覆う。直後、その氷の壁を弾幕が雨

のように叩きつける音が聞こえる。

そして、なるべく負担にならないよう二人か

ら話を聞こうとした。

 

チ「霊夢・・・・いったい何が・・・・・ま

さかこれも影の影響?」

 

 しかし、さっき、ちらと見たけどまだ、影

は霊夢につながっていなかったよね・・・・

そんなことを考えていると、霊夢から返答が

あった。

 

霊「し、しくじっ・・・たわっ・・ぁ・・・

あいつの・・・・ク・・・クラウンピースの

・・・・・能力を・・・・もろに・・・うあ

ぁ・・・!!」

 

 なるほど、大体の事情を察することができ

た。

おそらく、何らかの方法でクラウンピースの

「人を狂わせる程度の能力」をその身に受け

てしまったことが原因だ・・・普通ならその

松明の明かりで狂わされてしまうのを霊夢の

中に眠る博麗の血がそれを拒むので苦しんで

いるのだ。

その時、魔理沙の方も苦しげではあったが、

動きがあったので急いで呼びかける。

 

チ「魔理沙っ!!・・・おい、魔理沙しっか

りしろ!!・・・一体何があった!?」

魔「そんなに・・・怒鳴らなくても聞こえて

るぜ・・・っくっ・・・私のほうは・・・ど

うやら、毒を吸わされた・・・みたいだ・・

・・体が痺れて動けん・・・!! 多分・・

・ラルバの鱗粉に毒性が・・・・・ち・・く

しょ・・!!」

 

 確かに、戦いの最中、魔理沙の方から鱗粉

のようなものが風に乗ってこちらにも少し来

ていたような気がする。

魔理沙はそれを吸い続けてしまったが故に影

響が出たらしい、あたいのところには気付く

のがやっとなくらいしか飛んでこなかった。

恐らく文と戦っている時に文の風で鱗粉が飛

ばされるなどして、あたいには影響がでなか

ったのだろう。

一方魔理沙はもろに吸い続けて、毒が回って

しまったようだ。

そこまで考えて、あたいは外に向かうため、

立ち上がる。

そして、横たわっている二人に告げた。

 

チ「ごめん・・・・もう少しだけ、耐えてて

!!・・・・戦闘(これ)を終わらせてすぐに休める

ようにするから・・!!」

 

 外の脅威を収めない限り、何度でもこうな

る可能性がある以上、あたいに選択肢はなか

った・・・とくに、霊夢の方はピースを倒せ

ば、能力が解け、苦痛から解放されるはずな

のでなおさらだ。

この氷壁の中にいる限り、襲われることもな

いとは思うが、早くに終わらせてしまうに越

したことはない。

二人にそれだけ告げると、あたいは氷球の外

に足を向けた。

 

 

 

 

霊夢side

 

 

 

 まさか、この私が・・・・

いま、私はクラウンピースから受けた「人を

狂わす程度の能力」の影響で苦しみのなか、

動けずにいた。

それにしてもわからない・・・・なんで?

チルノには油断しただけだと伝えたが実はそ

うでは無かった。

まさか自身の究極の技である「夢想天生」が

、破られるなんて・・・・。

私が一番驚いていたし、そんなことを知られ

たくなかったから口が裂けても言えなかった。

 

・・・・それにしても、さっきから頭が割れ

そうに痛い・・・・そのせいか、考えがまと

まらない・・・く・・・・・。

 

~回想~

 

 あの瞬間までは実に順調だった、どの技も

次々と決まって、相手の弾幕や能力は掠りも

しない。

このまま押し切れることを手ごたえで感じて

もいた……

 

霊「よし・・・このまま押し切ってやる!!」

 

 私は、追い詰めつつある妖精二匹を見なが

ら、そう意気込んだ。

光を屈折させることが出来るサニーが居なく

なったおかげで、クラウンピースの松明の光

は届かないし、挟まれてさえなければ、リリ

ーの春の暖気による催眠攻撃もあまり意味が

無く、眠くなりかけたら封魔針用の針で眠気

を飛ばしつつ、距離を取ることで対応もでき

る。

なおこの方法は挟まれた状態では距離を取る

ことが出来ず、使えなかったが、挟撃状態に

ない今なら簡単に使うことが出来た。

しかし、このままでも相手を落とすのはもう

時間の問題だけれど、出来るなら早く終わら

せてあげたい。

なので私は自身最高のスペルで決着を付けに

行くことにした。

 

霊「さあ、これで終わりよ!! 『夢想天生

』!!!」

 

 「夢想天生」とは、私のラストワードにし

て究極奥義。

私の「空を飛ぶ程度の能力」の本質であり、

空だけでなく、ありとあらゆるものから浮く

ことで、相手からの攻撃がすり抜けると言う

、魔理沙曰く反則的な技。

本来はスペルカード戦で使う技では無かった

のだが魔理沙から名前を与えられて(弾幕ご

っこの)遊びになった。

なのでスペカ戦なら

制限時間やその他もろもろ、いろいろ決めら

れているが、この場はスペカ戦でもなんでも

無いので、全く関係ない。

最初からこれを使っても良かったのだけれど、

相手は妖精だし、少ない力で勝てるならそれ

に越したことは無いと思っていた。

しかし、思いの他手こずりそうなので、押し

ている今のうちに早めに決着を付けようと使

用に踏み切ったのだ。

これにより、相手の弾幕は全て私を透過して、

私の背後へと流れていく、それにクラウンピ

ースの松明の光も、リリーホワイトの春の暖

気も今の私には効かない。

そして、相手にとどめのお札を投げようとし

たその時、急に全身にだるさを感じたと思っ

たら、なぜかピースの松明の光が私を照らし

た。

しまった!!と思った時にはもう遅かった。

私は頭の痛みに絶叫しながら、そのまま落ち

ていった。

 

~~~~

 

 ・・・・・あれは一体何だったのか、

あの時感じた妙なだるさは?何故、夢想天生

の発動中に関わらず松明の光に当ったのか?

今わかることは何もないし、身動きできない

ほどの激しい頭痛で思考も纏まらないまま、

チルノの氷のドームの中でただ呻き続けるし

かなかった。

 

 

 

 

チルノside

 

 

 

 ・・・・あたいは一瞬、なにが起きたのか

わからなかった。

気がつくとあたいは後ろの氷壁にもたれかか

っていて、そして胸のあたりからは血を流し

ていた。

その傷口は刀傷のようだった。そして、横に

真一文字に少し左から右に斜め上に傷が走っ

ている。

これは一体?いま、こんな事が出来る奴はこ

の場には一人もいないはず・・・・

あたいが凍り漬けにして保護・拘束している

一人を除いては・・・・・・・・・・まさか

、そんなことあるわけ・・・・・

と考えていると、あたいに傷を負わせたその

張本人が空中から悠々と地面に降り立った。

そして、その人物の影は他の四人とも繋がっ

ていた・・・・・・

 

チ「な・・・!? あ・・・や・・・?どう

・・して・・・・はっ!」

 

 そこには、あたいが氷漬けにしたはずの烏

天狗、射命丸文が感情の抜けたような無表情

であたいを見据えていた。

 

 

 地面にドーム型に立つ氷球の外に出たとほ

ぼ同時に、あたいは斬り裂かれ後ろの壁にも

たれかかった。

傷をかばうようにしながら、相手を睨み、思

考を巡らせた。

馬鹿な・・・・あれを破れるはずが無い!!

外からならまだしも、内側からは絶対に・・

・・・そう思いながら先ほどまで、文が氷漬

けになっていたはずの場所に目をやると、そ

こには文が捕えられていたであろう氷塊が内

側から割られたように穴が開いており、

氷の層が穴に近ずくにつれ薄くなっており、

その下には水たまりが出来ていた。

その隣にもうひとり誰かが居る。

そこに目を凝らすと、そこにいたのは━━━

春告精・リリーホワイトだった。

 

チ「まさか・・・・」

 

まさか、リリーの「春を告げる程度の能力」

の春の暖気で氷を溶かされた?

でも、あの氷はリリーの能力を警戒して、リ

リー程度の出力じゃ解けないように厚く張っ

たはず。

しかも、リリーは春の訪れを告げるだけの妖

精なので、自らが暖気を出すことなんて出来

ないはず…………

そして、その考えを助けるようにあたいの目

に答えを示すものが飛び込んできた。

 

チ「・・・!!あれは・・・・!!!」

 

 リリーの氷に向けた方とは反対の手に何か

が握られている。

その何かは、あたいが今日、リリーに貸した

「放出」の妖力結晶だった。

それはいま小さな手の中で静かに空色の輝き

を放っていた。

 

チ「(そういうことか・・・・・!! 今ま

で相手の弾幕が強かったのは!!)」

 

 あの妖力結晶はいわばあたいの妖力の塊で、

10個存在する内の一つ………よって、単純に

あたいの全妖力の10分の1。

例え10分の1でも得られる妖力が大きすぎ

る・・・・・

その力はあの影を通じて、全員に分配してい

た…………相手の弾幕の強さはそのせいだ。

しかもあの結晶は放出に特化し、出力の調整

も思いのままであり、弾幕の強さも結晶(それ)で底

上げされたのだろう。

……………そう言えばそうだった。

あまりに皆が操られたことで頭が一杯で気付

かなかったが、今日はこんな事ばかりだ。

気付けたはずの事に気づけないなんてあたい

はやはり馬鹿のようだ。

しかも相手は妖精の特性を理解しているのか、

死なない程度に手加減されてしまい(死ぬと

一回休みでここでは無いどこかで三日後くら

いに復活…………あたいの場合は結晶のすぐそば

、リリーの持つ結晶のところにすぐさま復活

出来る)、怪我を負わされただけで後は見張

られてしまっている。

先ほどから何もして来ないが、妙な動きを見

せようものなら何時でも取り押さえられるよ

うに監視しているのだろう。

そこに追い打ちをかけるようにあたいの目の

中に絶望的な光景が映り込んだ。

あたいと霊夢と魔理沙が戦闘不能にしたはず

の光の三妖精までもが他の妖精たちによって

復活し始めていた。

縄で縛られていたものは縄を解かれ、結界で

囲われていたものは、結界を破られ、あたい

が凍らせたものはそれを溶かされて完全に自

由の身となり復活を果たした。

(影に操られた状態を自由というのならね)

怪我に関してはもう完全に完治したが、依然

として文が睨みを効かせている。

 

━━うかつだった…………出る直前、弾幕の雨

が止んでいたことにおかしいと感じたので警

戒はしていたが、まさか………仲間の拘束を解

くとは………今、氷壁の中に置いて来た二人の

事を考えても、もうすぐにでも決着を付けな

ければならないのだが、なぜかさっきから体

が重い・・・・・

しかし意を決して飛び出そうとしたその時に

は、既に文の下駄があたいのみぞおちの辺り

を捉えてあたいを壁に叩き付け、そのまま踏

むように押しつける。

 

チ「っっ!!!・・・・がはっ・・・!!」

 

 その足を掴んで凍らせようとするも、それ

もすぐに見切られ、掴むよりも先に手を刀で

貫かれた。

 

チ「うあっ!!・・・・はぁ・・はぁ・・・

・・・・!!」

 

 痛みで動きが止まっているうちに、みぞお

ちを踏んでいた足を離し代わりにもう片方の

手を踏みつけられ動けなくされる。

そうこうするうち、他の者たちが氷の壁を背

にしたあたいを囲むように集合した。

その状況にあたいを取り押さえる必要を感じ

なくなったのか、足をどけ、刀を容赦なく引 

き抜くと一旦後ろに下がった。

乱暴に引き抜かれると同時に鋭い痛みが手に

走る。

そして、ふと自身に起きた異変に気づく。

 

チ「(おかしい・・・・何故か、さっき斬り

付けられた辺りから、能力を上手く使えない

し体の動きも鈍い・・・・?)」

 

 先ほどは相手を凍りつかせようと相手の足

に手を伸ばしたが、本当ならそんなことをし

なくても相手から触れられていれば凍らせる

ことが出来るはずなのにそれが出来ない上、

動きも見きられてしまっている。

なんとなく、誰かの手のひらで踊らされてい

るような気持ちの悪さを感じた。

一度不審感を持つと、そこからどんどん疑問

が沸き上がってくる。

なんで、文の刀をまともに受けてしまったの

か? 何故氷の能力が落ちているのか? そ

もそも、()()()()()()()()()()()()()()()()

()()()()は?

あたいは浮かぶ疑問を解消出来ずに、ただ周り

を取り囲む、敵の駒となってしまった仲間を見

ているほかなかった。

 

大妖精side

 

 意識が朧気ではっきりしない・・・・

ここは、どこ・・・・? 私は、どこかわから

ない暗闇かのような、それでいて、今起きてい

ることの詳細ははっきりとわかって、一つの物

事として捉えていて、なのにどこまでも他人事

のように気持ちが現実と分離していた。

自身の技や妖力も私が使っていると言うより誰

かに使わせられている、といった方が正しいよ

うな気がする。

誰?誰が使っているの?

そして今起きていることに対しても自分がして

いることに対しても感情を放棄するように強制

されているかのようでただ状況をありのまま認

識し、言われた通りにだけ動けと言われている

かのようだ。

そして、それに逆らう術は今の私にはなかった。

そんな状況に私は置かれていた。

そんな中で、ある一つの事象が私の中に流れ込

んできた。

目の前で自身の友人(と認識している存在)が

自分を含めた8人によって取り囲まれていて、

(その者たちも自分と同じように操られている

ようだ)今まさに、集中的に攻撃を受けている

ところだった。

そこで、その友人の苦痛にゆがむ顔を見た時に、

なぜか心がざわつくような感覚を覚える。

それと同時にその友人、いや親友に関する記憶

が次第に展開されていく………まるで、水面に浮

かんでくる泡のように次々と蘇っていく……………

すると、不意に自我が芽生え始めた。

この子をもう傷つけたくない、こんな事は間違

っている。

いつまでも言いなりで良いわけがない。

そんな感情が心を埋め尽くして溢れそうになる

といつの間にか行動に移っていた。

 

 

 

チルノside

 

 状況は最悪だった。誰ひとりとして取り返

せないどころか自分達も劣勢に追い込まれて

いる。

そして、最初の攻撃があたいに襲いかかろう

としていた。

まずは、リリーホワイトの「春を告げる程度

の能力」による暖気と、文の風との熱風。

通常ならば、周りに春を呼ぶ程度でしかない

暖気があたいの妖力結晶によって底上げされ、

強化されている。

何故だ………熱量を吸収できない…………

しかも、先程から上手く他の能力を制御出来

ない。

収納も、探知も、制御も、消失も、思わず、

うう・・・、と呻く声が漏れる。

続いて、エタニティラルバの恐らく妖毒の鱗

粉があたいの周りの空気中に舞う。

普通、自然界の鱗粉には毒のあるものは無く

、毒があるのは鱗粉程の極小の毒針のほうで

、鱗粉自体に毒は無い。

しかしこの鱗粉の毒性はエタニティの妖毒が

鱗粉となって飛んでいるのでそんなことは関

係無かった。

その鱗粉があたいの周りに充満していた。

更に、クラウンピースの松明の光がサニーの

能力によってあたいに強く照射され、あたい

の精神の中にクラウンピースが入り込み、内

部からあたいを狂わせ苦しめる。

 

チ「う、うああああぁぁぁっっっっ!!!!

・・・・・・くっっあああ・・・!!!」

 

 逃げ場などどこにも無かった。

熱風にも似た強い暖気を送りこまれることで

冷気を封じられ、妖毒でしびれて動けず、仮

に動けたとしても、衆人環視の中であり妙な

動きでもしようものなら簡単に取り押さえら

れる。

とどめはクラウンピースの「人を狂わす程度

の能力」で弱らせられるという完全な八方塞

がりだった。

そこであたいは溜まらず地面に倒れ、そこを

文に踏まれることで押さえつけられる。

とそこで終焉を覚悟した時、かすかな声があ

たいの耳を打った。

 

大「チ・・・ルノ・・ちゃ・・・・ん・・・

!!う・・ううっ・・・・・!!」

 

 声のした方に眼を向けると、そこには敵に

まわっていたはずの大妖精(だいちゃん)の姿があり、明ら

かに様子がおかしかった。

しきりに頭を押さえ、苦しそうにしている。

と思った次の瞬間には、あたいは大ちゃんに

抱えられ、()()()()よりも遥か上空にいた。

一瞬のことであまり理解が追いつかないが、

兎に角、敵から距離を取ることが出来た。

そして、その敵は考える余裕をくれそうには

無かった。

見ると猛スピードでこちらに接近してきてい

る。

あたいは今は大ちゃんを信じて、あることを

叫んだ。

 

チ「大ちゃん!!! あの氷のドームの中に

座標移動(とんで)!!お願い!!!」

 

 そう叫ぶと同時に、大ちゃんがその空間を

認識できるようドームの氷壁を一部、中が見

えるほどまでドームの頂点に穴をあける。

すると今度は魔理沙や霊夢が居る、自身の作

った氷壁の内部に大ちゃんと共にいた。

 

チ「よし!!! これでとりあえず・・・あ

とは入り口を塞げば・・・」

 

 入口を閉ざすため上を見上げる、がそこに

はまたしてもこちらに急接近する影が幾つも

見えた。

こちらも手をかざして入口を塞ぎに掛るが、

ここで急激がな体の重さを感じ、下を見ると

驚くべき光景が眼に入ってきた。

自身の影が自分の体を呑みこもうと上がって

きている。

 

チ「・・・・っっ!!!?(嘘でしょ!? 

霊夢に魔理沙・・・それに大ちゃんまで)」

 

 そう、影に飲み込まれそうになっていたの

は自分だけでは無かった。

他の全員も、正体不明の影に飲み込まれかけ

ていた。

このままでは全滅する、と思ったその時、自

身と霊夢、魔理沙のそれぞれ背後の空間に切

れ目が生じたかと思えば、その両端にリボン

のある切れ目が広がり中は数多くの目が存在

する空間が広がった。

その中から、あたいの背後のものからは金髪

にリボンの付いたモブキャップに八卦の萃と

対極図を描いた中華風の服を着た、今ではい

つもの胡散臭い顔の代わりに珍しく焦りを前

面に出した表情の者。

霊夢の所には金髪のショートボブに二つの尖

がりの付いた帽子を付けた、ゆったりとした

長袖ロングスカートに青い前掛けの者。

そして魔理沙の所には緑のドアカバーのよう

な帽子にそこからはみだした猫耳と茶髪、リ

ボンの付いた赤と白の長そでワンピースとい

った姿の者が出てきた。

 

?「さぁ!!行くわよ、藍!!!」

 

八雲藍=藍

 

藍「はい、紫様!!・・・橙も用意はいいな

!?」

 

橙=橙

 

橙「はい!! 了解です!! 藍様!!」

 

 出てきた人物達は互いに言葉を交わすと、

目の前のあたいたちをその両手で掴んだ。

その者たちは、せ―のっっ!!の掛け声とと

もにあたいたちをその自分達のいる空間の中

に引っ張りこんだ。

その時、あたいはとっさに大ちゃんの胴に手

を回し、大ちゃんと一緒にその空間の中へと

消え、他の二人もその場から消えた。

 

 

~異界某所~

 

???side

 

 その場から四人が消えるのと、影に縛られ

()()の手の者たちがその場に到着

するのは実に紙一重だった。

すんでのところで、獲物を逃がしてしまった

か………それも、恐らくはあの魔女が関与をし

ているのだろう。

このような()()()()瞬間を狙える者など、あ

やつくらいのものだからだ。

しかし、あちらも干渉出来る度合いは限られ

ているはず、どちらにせよ計画を先に進める

だけのこと。

その場はうす暗く、目の前の強大な鏡のよう

なものが映し出す映像の光だけがその空間を

淡く照らしていた。

その鏡の中では、今や自身の手管によって、

手駒と成り下がった者たちが、主の命じるま

まに標的を探すように首をまわし、辺りを探

っていた。

その様子を見ながら、わずかに口元に笑みを

浮かべ、一人で座るには大き目のソファに腰

掛けながら次の段階へと思考を巡らせた。

 

??「準備が整いました。いつでも次の段階

へ進めます」

 

 その声に頷き、すぐに始めるよう促すとそ

の者はすぐに持ち場に戻って行った。

獲物を取り逃がすなど想定の範囲内のこと。

手中にある者たちだけでも実は十分であり、

得られるのなら得れば良いと言う程度でしか

ない。

しかし、ただただ見過ごすにはあまりに膨大

な力であることは確かで、獲得を試みるだけ

の価値はあった。

 

??「さぁ、幻想郷()の地は私に何をもたらす

のか・・・若しくは、何ももたらさぬか・・

・・・たまにはこのような寄り道も悪くはな

い・・・私のシナリオ(筋書き)を盤石たらしめるのな

らば」

 

その者は胸元に蝙蝠のような紋様があしらわ

れた黒衣を纏っていた。

 

 

 

~スキマの空間~

 

 あたいたちは今、無数の目が存在する闇と

も言える空間の中にいた。

しかし、そこは闇であるにも関わらず、互い

の姿だけははっきり見える不思議な空間だっ

た。

その空間の中には、まずあたいと、霊夢、魔

理沙、大ちゃん、先ほどその全員をこの空間

に引っ張りこんだ三者を合わせて、合計で七

人いた。

 

八雲紫=紫

 

紫「あらあら、嫌ですわ。そんなに警戒しな

いでくださるかしら」

 

 最初に口を開いたのは、先ほどとは打って

変わって、胡散臭い、底の知れない笑みを浮

かべその口元を扇子で隠した、いつもの八雲

紫だった。

言わずと知れた「境界の妖怪」にして、「妖

怪の賢者」八雲紫その人である。

そして、その言葉はあたいだけに向けられた

ものではなく、自身の配下以外の全員に向け

られたもののようだ。

大ちゃんはあたいの後ろに若干隠れ、魔理沙

にこやかながら相手を油断なく見つめ、霊夢

は先ほどの頭痛から解放されて間もない頭を

振り紫の姿を見止めると、またかと言う雰囲

気を出しつつ、いつも通り、今度は何を企ん

でいる?という目つきで紫を見ていたからだ。

かくいうあたいも危ないところを助けられた

とはいえ、相手をまったく警戒しないという

わけにはいかなかった。

それほど迄に強大な力を、「境界を操る程度

の能力」などというもはや神のそれに等しい

力をこの目の前の人物は持っているからだ。

境界、それはあらゆる物に存在する・・・・

それがなければ破綻してしまう。

水面がなければ湖は存在せず、稜線がなけれ

ば山も空も存在できないようにだ。

もしも全ての物に境界が存在しなければ、そ

れは一つの大きな物、ということになる。

それらを操ることが出来るということは、最

早この世の全てを思うままにする事と同義だ

ろう。

 

霊「全く・・・何をもって安心しろってのよ

・・・・不安しかないわよ、その胡散臭さの

おかげで」

 

 次いで言葉を発したのは霊夢だった。頭を

ガシガシと掻きながら面倒くさそうに、緊張

感の欠片も無いそぶりを見せながらも、その

眼はしっかと紫に向けられていた。

 

魔「ほんとにな・・・毎度毎度、怪しい登場

か意味深な登場しか出来ない病気にでも罹っ

てるんじゃ無いのか?」

 

 次に発言したのは魔理沙で、相手をからか

うような口調ではあるが、先ほどと気配は変

わっていなかった。

 

紫「ちょっと、失礼ね・・・そんなこと・・

・・あるわけないじゃない」

魔「だから、()()()()()ってちゃんと言った

ぜ・・・・ってなんだ?今の間は?」

大「え、ええと・・・・あ・・あの!!」

チ「どうしたの・・・?大ちゃん?」

 

 ここまであたいの後ろにいた、大ちゃんが

あたいの横まで出てきて何かを言いたそうに

声をあげた。

あたいはどうしたのかと問いかける。

すると、その言葉は本題を進めるもののよう

だった。

 

大「あの・・・何故、私達を助けてくれたん

ですか? それと、何故あのタイミングだっ

たんですか?」

霊「そうよ!来るならもっと早く来なさいよ

!」

紫「良い質問ね・・・」

 

 その質問を受けた紫がまた口元を扇子で覆

いながら(霊夢は無視)、微笑し、その質問

を待っていたと言わんばかりの返答をした。

 

紫「それを話すのには、少々時間が要るのだ

けれど構わないかしら?」

チ「出来ることなら、早く済ませてあの子た

ちを取り戻しに行きたいんだけど? こうし

ている間にもどうなってるかわからないし」

紫「ああ、それなら心配いらないわ。この空

間はここでの30分が元の場所の1秒くらい

に時間の流れに境界を引いて調整してるから

ここでどんなに過ごそうと、向こうでは大し

た時間にはならないわ」

チ「・・・・なら、初めから答えはわかって

るようなもんじゃん・・・」

紫「一応、確認のためよ。一応♪」

 

 あたい以外は特に異論は無いようで、むし

ろこのわけのわからない状況を一刻も早く抜

け出したいが故に、情報を少しでも集めよう

としているようだった。

あたいもそれは同じ気持ちだ。

なのでここは大人しく聴く事に決めた。

 

紫「それじゃあ、話すわね・・・・そうね、

あれは丁度今日の朝の事だったわ・・・・い

つものように、藍が朝食に呼びに来るまで布

団で・・・・は、ゲフン、ゲフン・・・藍が

朝に呼びに来るまで机で調べ物や幻想郷で異

常が無いかを監視しながら・・・」

 

チ「ねぇ、今明らかに呼びに来るまで布団で

寝てたって言いかけたよね?」

霊「朝が弱いのはわかるけど、ほどほどにし

なさいよ・・・」

魔「そんなに立ち位置やキャラが大事か?別

に無理しなくても良いんだぜ? というか言

い直すのが遅すぎたな・・・・やっぱり内心

余裕無いんじゃないか?」

紫「う、うるさいわね・・・(震)。ほっと

いてもらえるかしら?」

大「い、いやでもほら!!いくら時間がある

とはいえ、先に進めないと! そこはあんま

り重要じゃないですし、で、ほら!!朝の出

来ごとだったって所からでしたよね!?」

 

 大ちゃんが少し強引にだが、脱線した話を

元に戻してくれた。

本当にあたいには勿体無い程の親友だ。

しかし、紫の方は大ちゃんに重要じゃないと

切り捨てられたことを気にしたのか「重要じ

ゃない・・・・」と少ししょぼくれていた。

(面倒くさいな)だが、切り替えたようです

ぐさま本題に移った。

 

紫「・・・・・じゃあ、気を取り直して行き

ましょうか。そう、今朝の事でしたわ・・・」

 

 その次の言葉にあたいたちは総毛立つのを

止められなかった。

 

紫「摩多羅隠岐奈・・・・彼女からの使者、

彼女の配下でもある、丁礼田舞と爾子田里

乃の二人が全身ぼろぼろになりながら主で

ある隠岐奈の身に起きている危機を知らせ

にきたのは」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 




いや~~やっと、異世界要素を取り入れられたーーー。
あれ、どこに異世界の要素があるんだって?
あの、謎の人物の所ですよ~~~!!
まぁ、わかる人にはわかると思いますが、ツバクロに出てくる例の敵のおっさんですwww
後々正体も明かされ、名も明かされると思いますが、今では有りません。
というか、情報不足、勉強不足で完全にキャラ崩壊まっしぐらですが、
タグに付けてあるから安心ですねww
そして、これからも至極自由に筆もとい、キーボード(の上に指)を走らせて行く所存ですので、温かく見守る自信のある方はそうして頂けると非常に有難いです。
それでは今回はここまでとさせていただきます。
それでは次話でお会いしましょう!!
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