東方極楽伝   作:一向一揆

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改訂作業に予想以上に時間がかかる・・・


第五話 危険人物に留守番させるべからず

  Side 慧音

 

 今日は信孝さん(様付けはやめてほしいと言われました。 不比等殿以外の方々も同様)、妹紅(呼び捨てで良いと言われたので)、輝夜姫、房前さん、宇合さん、麻呂さん、私、そして保護者として不比等殿の9名で近江国(現在の滋賀県)の淡海の湖(琵琶湖のこと。 以後、琵琶湖と表記)へ水遊びに来ました。

 

 折角なので新九郎も連れてこようかと思いましたが、母上が「孫の面倒を見るのが私の夢だったんだよ!!」と言い張り新九郎を手放さなかったので、母上に預けて一人でこちらに来ることとなりました。

 

 

 

 態々大和国から近江国の琵琶湖まで遠出することとなったことには、先日不比等殿の邸宅で行われた「第3回 藤原一家大身体検査」のことに遡ります。

 

 その日、偶々妹紅に呼ばれて藤原家を訪ねていた私と輝夜姫の姿を見た不比等殿が、突然「よし! 今日は皆が揃っていることだし、2年ぶりに身体検査を行うこととする!」と言い出し、どこからか取り出した謎の器具を大量に姿を現しました。

 

 その結果、武智麻呂さんがあまりにも肥満の度が過ぎることと、最近一族の方々が体を動かす機会がなかったため、両者を一気に解決するために今回の企画が誕生しました。

 

 ・・・身体検査の方ですか?

 身体検査の詳細は記録係の信孝さんが保管していましたが、小さな声で、

「慧音がGで妹紅がCだと・・・!? 慧音のデカさは体験しているし、出産後更にデカくなったのは知っている。 だが、妹紅ってこんなに大きかったのか・・・。 まぁ、輝夜の辛うじてBは納得だが」

 と呟いていました。 “じー”やら“びー”とは一体何のことなのでしょうか・・・?

 

 そして、この計画を打ち出した時、輝夜姫はとても嫌そうな顔をしながら「ぜっっっっったいに嫌!!」といきり立ち、そのままや都の外れにある屋敷へと帰って行きました。

しかし、│あの《・・》不比等殿がこの程度で諦めるわけがなく、「姫が行かねばこの計画は無しだ!!」と断言し、信孝さんと妹紅に「今すぐ姫を誘って連れてこい。 もし連れてこなければ、父上(藤原鎌足)から授けられた中臣家秘伝の拷問術の餌食となるだろう・・・」と脅して強制的に連れてこられたらしいです。

 ・・・中臣家秘伝の拷問術も気になりますが、それ以前に不比等殿、あなた既に妻が6人いるのにまだ増やすつもりですか?

 

 そんなこんなで、不比等殿、房前さん、宇合さん、麻呂さん、信孝さん、私、妹紅、そして輝夜姫の総勢7名で琵琶湖へ向かうこととなりました。

 

え? どうして武智麻呂さんがいないのかって?

あのお方、「日に当たるのは嫌じゃ!! 俺は父上や弟達、信孝が不在となって手薄な屋敷を守るという大切な使命があるのだ!」と言って部屋から出てこなかったので、置いていくことになったそうです。

 

今回来るべき人物の片割れである武智麻呂殿が行かないと意味がないのではと思い、「武智麻呂さんを連れて行くべきでは?」と提案したのですが・・・、

 

信孝さん:「アイツのことは放っておけ。 奴の姿を目の当たりにしたら目が腐る(醜い脂肪的な意味で)」

妹紅:「そうだぞ、あんな太った豚を見ても幻滅するだけだ」

房前さん:「ああなった兄上は決して来ませんよ」

宇合さん:「それ以前に女性の前にあの体を見せるのは相当無礼ですからね。 いない方がマシです」

麻呂さん:「・・・・・・・・・肉達磨」

不比等殿:「太った醜い豚が水着姿で水辺を遊び回る・・・。 それだけで寒気がするだろう?」

輝夜姫:「ちょっと不比等! おぞましいこと言わないでよ! 確かにあんたの意見には賛成だけど」

 

 

 と言われてしまいました。

 

 

 

 武智麻呂さん、貴方どれだけ嫌われているのですか?

 

 それに不比等様、自分の息子を豚扱いはさすがにどうかと思います。

 

 

 

 

 

~同刻 藤原京 藤原不比等邸~

 

 

「へくしっ! 風邪か?」

 

「武智麻呂様、お食事をお持ちしました」

 

「ああ、ありがとう」

 

「(1人で9人前食べるのはどうかと思います武智麻呂様。 それだから皆様に豚扱いされるのですよ)」

 

「いや、もっと持って来い」

 

「はい!?」

 

「今日は俺以外誰もいないからな。 俺が満足するまで食べる」

 

「(あれでまだ足りなかったのですかー!!)」

 

 

 

 

 

 

 ・・・何やら武智麻呂さんが洒落にならないことを仕出かしているような気もしますが、気のせい・・・・・・ですよね?

 

「よし、到着だ」

 

「うおっしゃあーー!! 麻呂、行くぞ!!」

 

「・・・・・・(コクリ)」

 

「待てよ信孝!! 私も行くぞ!」

 

 着くや否や、信孝さんと麻呂さんと妹紅が真っ先に湖へ飛び込んで行きました。

 

 

 

 

 

「あいつらは相変わらずだな」

 

「そう思うなら止めなさいよ!」

 

「何を言うのだ輝夜姫! そんなこと言ったら俺は麻呂に殺される!」

 

「・・・あんたの子供たちってホントに何者なの?」

 

「分からぬ・・・。 ただ1つ言えるのは、房前を除いて全員キチガイなのだ」

 

「(あんたがキチガイ筆頭格でしょうが・・・・・・・・・)」

 

「どうした?」

 

「いえ、何も?」

 

そう言って、輝夜姫は不比等様から視線を外しました。

 不比等様、貴方がその諸悪の根源だというのを自覚しているのでしょうか? ・・・自覚してないでしょうね。

 

 

 父上がいつも「不比等の野郎・・・、朝議の前に必ず帝の御前で延々と筋トレしやがって!

  おかげで朝議は毎回汗臭いにおいの中でやらなければならないのだぞ!?

 それに、朝議が終わって不比等が帰ると俺は必ず帝に呼び出されて、「不比等を止めなさい。 あの暑苦しい空気のせいで妾や朝臣がどれだけの被害を被っているかそなたも存じておろう?」何て命令してくるんだぞ!?

 俺があの筋肉バカを実力で止めれるわけないだろうがあのババア!!」

 と毎日呟いていたのですから。

 

 

 

 

 但し父上、貴方も自重してください。

 

 今上帝であられる持統陛下に向かって「ババア」というのは、いくら父上が先代陛下であられる天武帝の長子とは言え即刻死刑にされてもおかしくないのですよ?

 

 

「さて房前兄上、私たちはどうしましょうか?」

 

「そうですね・・・、2人で釣りでもしますか」

 

「分かりました。 では行きましょう」

 

 そして、打って変わって平和な雰囲気を出しているのは房前さんと宇合さんの2人。 どうやら、お2人で船釣りを楽しむようです。

 

 正直宇合さんが絶対なんかロクでもないことをすると思ってたのですが、どうやらその心配は稀有のようですね。

 

 

 ただ宇合さん、その釣り道具どこから出したのですか?

 さっきまで貴方何も持ってませんでしたよね?

 

それに、その左手に持っている謎の道具は何なのですか?

先程からその謎の道具をしきりに覗き込んで全く釣竿に目をくれません。

すると突然、謎の道具が音を発し、表面に大量の光る点が現れました。

よく見ると、その道具は上から「壱」「弐」「参」と書かれた横線が10本程入っており、その光る点は一番下の線の上下に集中して現れていました。

 

「・・・ム? 魚群がこの船の真下にいるな。 兄上、魚はこの船の真下の湖底付近に大量にいます」

「そうか・・・。 なら糸を限界まで伸ばせば魚が釣れそうですね」

 

その報告を聞いた房前さんと宇合さんが釣竿を持つと、次々と魚を釣り上げ始めました。

・・・やはり、宇合さんには不思議なことがまだまだ沢山ありそうです父上。

 

 

 

 

 

「慧音ーーー! おまえも一緒に来いよ!」

 

 次々と魚を釣り上げる房前さんと宇合さんの姿を唖然として見ていたところ、いつの間にか戻ってきていた妹紅からお誘いがありました。

 

「慧音姫、行ってきなさい。 今日は思いっきり楽しむためにこれを計画したのだから」

「わかりました。 では私も行ってまいります」

 

 あの3方と比べると体力には自信がありませんが、こうして思いっきり羽を伸ばして遊ぶまたとない機会なので、私は不比等殿の後押しを受けて信孝さんたちの下へ走り出しました。

 

 

  慧音 side out

 

 

 

 

 

  Side 信孝

 

 

 俺たちはそれからおよそ半日、琵琶湖で遊び倒した。

 

 具体的には、麻呂と竹生島まで往復遠泳をしたり、妹紅や慧音たちとビーチバレー(ボールはなぜかあったゴム製のもの。 ボールに貼ってあった「神からの粋な贈り物」と書かれていた紙はとりあえず破いておいた)をしたり等、やれることは全てやったという感じだった。

 

 正直琵琶湖往復を2時間というありえないスピードでやれた俺も大概チートだが、それにずっとついてきた麻呂や、大分遅れて「俺も負けてられぬわ!」と叫んで参加し、俺や麻呂と同着だった不比等のおっちゃんはさらにチートだと思う。

 

 

 

 

 

 

 しかし、そんなことをやったにもかかわらず体力的にはまだまだ大丈夫なんだが、一部分とてもまずい状態となっている。

具体的には精神面、特に俺の股間が限界なんだ。

 

 慧音の水着姿:何故あるのか分からないが、ビキニタイプ。 正直慧音の胸のサイズがデカくて(G)直視できません。 直視したら俺が出血多量で死ぬかも・・・。

 

 妹紅の水着姿:こちらもビキニタイプ。 胸こそあまり大きくないが、最近第二次性徴期が来たのか、再び膨らみだして希望が出てきた。(俺目測では以前Aだったのがいつの間にかDに近いCだ!) さらに、全体的にすらっとしていながら付くべきところにしっかりと肉が付いている理想的なプロモーションなのだ。

 

 輝夜の水着姿:こちらはワンピースタイプ。 はっきり言って妹紅よりも胸は小さい。(A)   だが妹紅と同じく全体のプロモーションは素晴らしく、体のしなやかさ妹紅を上回っている。

 

 しかも3人揃って自身の格好に無頓着なものだから、ホントどうすればいいんだよ!

 

 

「ねぇ信孝・・・、私の水着どうかしら?(私の水着姿を見て顔が赤くなっちゃって、かわいいんだから♪)」

 

 輝夜が俺の左腕にくっつきながらそう問いかけてくる。

 起伏は少ないながら、それを補って余りある柔らかい肌や、すらっとした足を擦り付けてくるのは最早反則だと思う。

 

 後は、そのいかにも何か企んでいますみたいな顔をしていなければ確実に俺は危険水域だっただろう。

 

 

「信孝・・・・・・・・・、どうだ? 私の水着?(輝夜や慧音にもこれに関しては負けるわけにはいかないんだよ!)」

 

 妹紅は逆に俺の右腕にくっついてきた。

 最近発育著しい胸や、輝夜ほどではないがあれだけ運動しているにしてはあり得ないくらい柔らかい肌は・・・いいですとも!!

 

ただ、こっちは顔を赤らめながら腕に抱きついている点は素晴らしいが、腕を締め付ける力が半端じゃない。 よく見たら肘のあたりが内出血起こして若干青黒くなってるし・・・。

出来ればもう少し力加減というものを学んでほしかった・・・

 

 

 

「の・・・、信孝さん。 あの・・・どうですか? 私の水着?(恥ずかしいです・・・)」

 

 両腕に向かうことの出来なかった慧音は、あろうことか俺の胸に飛び込んできた。

 言葉の割りに行動はかなり大胆だな慧音・・・。

 

 慧音の胸はもはや反則的で、新九郎を生んだからか前よりもさらに大きくなったと思う。

 子供を1人生んだというのにそのプロモーションを維持しているのは・・・・・・大変結構!!!

 

 

「(胸に飛び込むなんて意外と慧音って大胆なのね。 それにその胸!! 反則よ反則!! 私なんて蓬莱の薬飲んで以来全然大きくなったりしないのに・・・」

「(子供を生んでいるのに、そんな体型を維持している慧音が正直うらやましいよ。 私もそうなれるかな・・・・・・?」

 

 

 

 

 声駄々漏れだぞ輝夜に妹紅。 妹紅は未来はあるどころかすでに十分だが、輝夜は・・・なぁ?

 永琳にでも豊胸薬でも作ってもらうよう頼んどけ。

 それでもダメだったら、俺もそのうち胸を本当に大きくさせる術覚えてやるから泣くな輝夜・・・。

 

  

 

 あと、そろそろ俺のあそこが限界に近い。

 水着姿で俺にくっついている3人を直視して我慢できる漢がいるだろうか、いやない(反語)。

 (股間的に)限界が来た俺は、一足先に切り上げて帰宅準備を整え、なるべく3人に顔を合わせないようにしながら帰っていった。

 

 

 

 

 

 

  ~藤原不比等邸前~

 

 

「今日は皆思いっきり楽しめたと思う。 だが、これだけは忘れるな。 自室に入るまでが旅行だ! 以上、解散!!」

 

 

おっちゃんが小学生の修学旅行の時の先生みたいな一言を告げ、慧音と輝夜は迎えの牛車に乗り帰っていった。

 

しかし、改めて自分たちの姿を見るとすごい状態だな・・・。

 麻呂はあれだけ遠泳したにもかかわらず全く肌が焼けず、房前と宇合はあり得ない量の魚を釣り上げたせいでかなり魚臭くなっている。 極めつけに、おっちゃんは唯でさえ焼けている肌がさらに黒光りするくらい焼けていた。

 

 妹紅と慧音と輝夜もそれぞれ楽しめたみたいだから、今回は大成功だな。

 お互い和気藹々と談笑しながら屋敷内に入ったとき、事件は起こった。

 

 

 

 

 

 

「ああ、やっと帰ってきたのか。 遅かったな」

 

 

 

 武智麻呂が屋敷にあった食料をわずか1日でほぼ食いつくし、どこから調達してきたのか分からないほど大量の魚を焼いていた。

 いや、武智麻呂一人を残したら何かしら騒動を起こすことは分かっていたが、一人で食料庫にあった食料全部食い尽くすとか、本当にコイツは人類か・・・?

 

 

だが、一つだけ分かることは、俺を含め武智麻呂以外の全員がコイツに対して例えようのない怒りを感じていることだ。

 

 

「「「「「「「「武智麻呂ぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」」」」」」」」

 

「どうした皆? そんなキレて?」

 

 ・・・・・・取り合えずこいつは制裁しよう。 話はそれからだ。

 

 

 

 その後、武智麻呂(ゴミ)への制裁を終えた俺たちは、奴の給料を9割5分食料の買出しに割り当て、それが終わるまで武智麻呂の食事は毎食その辺で取ってきたどじょう1匹と粟大さじ3杯という罰則を制定した。

 

 

 結局それは1ヶ月かかり、武智麻呂の体重は60kg痩せて55kgとなったが、罰則が終了して再びどか食いをした結果、リバウンドして5kg増の120kgとなった。

 

 

 

 だめだこのメタボ野郎・・・・・・。 早く何とかしないと(藤原家の食料的な意味で)危険な存在になる。

 

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