「最悪な目覚めだ。」
テーブルの前でそう言い放つと、下を向き顔をテーブルに乗せる。
これは仕方ない。なんせ昨日は世の中の理不尽さに泣きながら布団に入り、しかも今朝は宅配便が鳴らした呼び鈴で飛び起きたからだ。
「しゃーない。ここまで来たら腹決めるか。くぁ~」
欠伸を噛み殺して右を向き、今朝方受け取った荷物を見る。
「しっかし、俺なんか頼んだっけ?中々重いしデカい、しかも送り先の住所も書かれてなかったし…怪しいけど、とりま開けるか。」
近くに置かれたスーツケースに手を突っ込み、ペン入れを取る。
その中からカッターを取り出してガムテープを切っていく。
「じゃあ、オ~プン。」
阿呆な事を言いながら開封する。
するとそこには
「ジェラルミンケース?」
横に1つ、縦に5つ。計6つの綺麗に収まっているジェラルミン製のケースが入っていた
「まず横長のやつから開けてみるか。」
横に入っていた横長のジェラルミンケースを取り出し、ロックを外して開ける。
「あっ!これかぁ!」
中には、エボルドライバー、石化したエボルトリガー、トランスチームガン、スチームブレード、コブラフルボトル、バットフルボトル、コブラエボルボトル、ライダーエボルボトル、ラビットエボルボトル、ドラゴンエボルボトルがクッション材の間に丁重に収納されていた。
「おぉ!頼んだ物が全部揃ってる!ありがとうございます。」
特典で頼んだ、エボルトが使っていた変身アイテム(ボトルも含む)が1式揃っていた。
だが、ここで一つだけ疑問がある。
ダンボールに入っていたケースは6つ。そしてその中から取り出したのはこれ1つのみ、残りの5つのケースの中身は?
「…嫌な予感しかしない。」
エボルト関連ならそれはもう間違いない。白龍はそう覚悟し、箱の中から5つの内1つのケースを取り出し、開ける。
ソレはさも当然の如く入っていた。
白龍の悪い予感は的中した。
「ウッソだろお前……」
なんと中身はあの、
パンドラパネルだった
「なぁぁぁぁぁぁぁんでお前が居るかなぁぁぁぁぁぁあ!」
予想通りの諦めと絶望感が入り交じった声を上げた。
その後、渋々残りの4つを開けるとやはり、それぞれ色の違うパンドラパネルが入っていた。
「後で組み立てるかな…」
そんな事を言ってると、スマホが突然けたたましい音を立てる。
『ー!ー!ー!ー!』
「ん?電話か、誰からだ?」
画面には、【タナトス】と表示されている
「えっ(困惑)いつの間に。まぁいいや、これは出よう。言いたい事めっちゃあるし。」
パンドラパネルとかパンドラパネルとかパンドラパネルとか
コールが鳴り止まない内にさっさと電話に出る。
「はい、白龍です。」
『ごきげんよう、無事転生出来たようですね。よかったです』
声のトーンは変わらないが、転生が成功した事にホッとしていた。
だが、その事より白龍は聞きたい事があった。
「あのー、タナトス様?」
『タナトスで構いません。なんでしょうか。』
「特典の物は無事に届いたんですが…」
『要望の物も届いたんですね。』
「なぜ、パンドラパネルが5つも入ってるんですか?」
『ああ、それですか。オマケです』
なんの悪びれもなくそう言った。
は?オマケ?
俺はあえて口にしない。それが正解だと思ったからだ。
「オマケ…ですか」
『はい、オマケです』
こ れ は ひ ど い
『そうそう、IS適性検査の実施される日にちの事で電源をしたのですが来週の月曜日に行われます。』
「あ、やっぱり受けないといけないんですね。」
『はい。勿論です。良かったですね、もう一度青春が味わえますよ?』
クスクスと、電話越しから笑いが聞こえる
この女神、楽しんでやがる…
『そして、入学は火曜日になっています。』
「それはまたハードスケジュールですね。」
『こういう事は早めが良いですので。』
まぁ、そうだろうな。
『あと一つ報告する事があります。』
先程より真剣さが伺える。なんだろう?と思っていると、
『明日、冥界とリンクしている特別製のISコアを送ります。朝には届くかと』
…え?なんと仰ったこの女神。ISコアを送る?
なんだろう。自分愛されてるの?女神の寵愛ほど厄介なものは無いよ?
『えぇ、貴方は愛されています。今回のパンドラパネルだって、明日に届く特別製ISコアだって、貴方のために用意した物なのだから。』
「もしかして、思考読めたりします?」
『勿論です。女神なので』
もう訳が分からないと、白龍は諦めた。
『それでは、私はまだ仕事があるので失礼します。』
「アッハイ」
【通話終了】と画面に表示され、自動的にホームに戻る。
「……百均でなんか買って物干し竿でも作ろうそうしよう。」
現実を逃避するため、物干し竿を作る為の材料を買いに行く白龍であった。
その後、帰ってきた白龍は一心不乱に物干し竿を作った後、パンドラパネルを静かに組み立てるのであった…
「なんか…うん、頑張ろう。」
その日の晩御飯は、オムライスだった。おいしかったなぁ…
そして今日も不貞寝する。
時は遡りお昼頃~
場所はIS学園。そこには、いつもは無い緊迫感が漂っていた…
ある1箇所を睨む学園の教職員達、その目線の先に立っているのは、
『初めまして、だなぁ!IS学園の諸君。』
赤いスーツに身を包み、首元から胸部に装着されたパイプらしき物、胸部の中央には緑色のコブラのの意匠が施され、顔は全体を隠すフルフェイス。こちらには緑色のバイザーがあり、その上から伸びた煙突。右手には小型の銃を持ち、肩に乗っけている。
声は変音機で変えているらしく、少々年期の入った男性のような声で喋る。
職員達は突然の出現で戸惑っており、警戒が緩まない。
そんなピリピリした空気の中、それはおちゃらけた声でその場をゆっくりと歩く。
『今日は君たちにそうでも無い事を報告に来ただけさぁ。』
「そうでも無い事だと?巫山戯るな!」
1人の職員が声を上げる
『まぁまぁ落ち着けって、な?カルシウム足りてないんじゃないのか?ともかく人の話しは最後まで聞くもんだぜ?』
『その前に、自己紹介といこう。俺の名前は…』
『ブラッドスタークだ。以後お見知りおきを』
そういい、ボウ・アンド・スクレープと言われるお辞儀をする。
その名前を聞いた教職員の中の一人、第1回モンド・グロッソ優勝者【ブリュンヒルデ】の異名を持つ織斑千冬が反応を示した。
「ブラッドスターク…だと?」
その名を口しに、顔をしかめる。その場にいた他の教職員達も、さらに警戒を高める。ブラッドスタークという名は、裏の社会等で脅威とされてきた。ISの関連者は嫌でも耳にする。特に、織斑千冬のようなIS委員会や政府に影響を与えられる人物は尚だ。
『ああ。そうだがそれがどうした?まぁ、そんな事はどうでもいい事だ。』
両腕を大袈裟に広げ、話を続ける。
『さて、そうでも無い報告の事だが…"2人目の"男のIS操縦者が現れた』
スタークが放った言葉にその場が凍りつく。
「2人目のIS操縦者だと!?有り得ん!まだ適性検査は行われていないのだぞ!」
千冬の声がスタークの言葉を否定する。が、
『おいおい…俺を誰だと思っている?そんな安い情報ぐらい幾らでも持っているんだぞ?適性検査なぞ、知られずに出来るさ。』
呆れた声で千冬を見る。
『それと、最後に1つ。織斑千冬、IS委員会と政府にこう言っておけ「2人目の操縦者に手を出して見ろ、立場が消えるだけで済むと思うなよ」とな。』
そう残し、スタークは後ろを向き歩く。
「待て!お前はどこまで知っている!」
声を荒らげる千冬。しかし、スタークは振り返らずに歩いて行く
『さぁてな、後、待てと言われて待つ馬鹿はいないぞ。じゃぁな、IS学園の諸君。Ciao。』
そう言って持っていた銃のトリガーを引き、蒸気を振り撒く。
蒸気が晴れた後スタークがいたはずの場所には、奴は姿を消していた。
「何がそうでも無い報告だ…何がそんな安い情報だ…」
織斑千冬は先程の言葉を呟くと、悔しそうに打鉄の近接ブレードを握りしめた。
お気に入りが1週間も経たずに10をこえている…?
ん?何っ!?今週は終業時間が19時だと!?うーん(失神)
だったら睡眠時間を削れば良いじゃないか(名案)
みなさんはからだをだいじにしましょうね