「──はいっ、おはのーむです!今日から朝活週間で雑談と考えていたんですが、今日は特別にゲームもやりますよっ」
連日の忙しさに生活リズムが崩壊していたので、自分を律するべく朝に配信の枠を取ったのが一昨日。
昨日はチャルさんとスタジオで公式配信で実況して、深夜に帰ってきてゲームの続きして……、いつの間にかこんな時間。
「カーテンを開けると、ほら……朝日が目に染みますねっ」
『曇りやぞ』『深夜テンションやめろ』『起きれて偉い』『酒飲むな』『海外説あるぞ…あるか…?』『虚夜宮でしょ』『夜まで配信してたのに朝早くない?』『一緒にカーテン開けたので実質同棲』『顔洗った?』『おはよー!チュ(笑)』『徹夜やんけ』『Foo↑』
「こういう企画は毎日少しずつ、体内時計を合わせていくんです──たぶん。だから最初は無理するくらいが丁度いいんですよ」
週末には見てくれているノー民もまとめて超絶優良健康児になっている……はず。
本当は眠い人を起こすために銅鑼とか準備したかったんだけど、間に合わなかったので今日は割愛。
「そう、これが本当の朝
『は?』『初めての炎上理由』『おつのーむ』『\ドッ!!/ \ワハハ!/』『失望しましたチャルさんのファン辞めます』『同接減ってて草』『今年の残暑がない理由』『二度とするな』『ワイは好き』『法廷で会おう!』『気でも触れたか』『今日は休め』
渾身のギャグに対するあまりの不評さに少し心にダメージを負うが、めげるわけはいかない。
なぜなら、やられっぱなしでは終われないから。
今日のゲームはリベンジ対決。
「──と言うわけで早速、クマのホームランダービー……トラを再攻略していきますね」
『は?』『家でも戦うのか……(困惑)』『オイオイオイ』『朝からはちみーをキメるな』『平日の午前7時23分から?』『諦めてなかったんかい』『胃もたれするわ』『【悲報】ノーム狂う』『剛速球すぎるだろ…』『プニキに日和ってる奴いる?』『いねぇよなあ!』『俺もうね、逃げる』『助けてチャルネキ』『じゃあノームは俺が貰っていきますね』
数多の子供に地獄を見せ続けてきた鬼畜ゲームの代名詞。
全8匹の刺客が投げる球を目標数ホームランにすればクリア。
一聴すると簡単に聞こえるが、その実、打たせる気がサラサラ無い魔球の連続。
特にフクロウのグネグネボールは分かっていても打てない魔球。
昨日の公式配信で、私とチャルさんは裏ボスのロピンと戦うことすらできず、タイムアップで終了になったのだ。
いくら難易度が高いと言ってもたかが子供用ゲーム、そう舐めていた時代が私にもありました。
自分のパソコンで再チャレンジするためにやり直しの作業を裏で始めて……、配信開始ギリギリで6匹目のフクロウに勝利。
公式配信の終了時点と同じところまで帰ってきた。
ゲームの感覚を忘れる前に決着をつけたい、ならば今からやるしかない。
「チャルさんの仇、私がちゃんと取ります!」
『いや死んでねえけど』『星になったもんな…』『やってみせろよ!』『何とでもなるはずだ』『ステ振りがガチで草』『脳筋のクマはいなかったんやなって』『徹夜で戦ってたのか…』『https://ykids.kuma.org/homerun_06』『ハランデイイ』『これにはロピカスもにっこり』『ほんとかなぁ』『それは別のクマ』
相手──7匹目のトラは消える魔球の使い手。
それもリリース直後から最後まで消え続けるとかいう初見殺しも良いところ。
40球中28球をホームランにしなければクリア失敗というのも高い難易度に拍車を掛ける。
唯一の弱点として、消えるだけで物理法則を無視したボールは投げてこないこと。
「私は公式配信と合わせて10時間近くボールを見てるんですよ。敵じゃないですね。……はっや!」
『内角詰まってますよ』『懲役10時間』『恵体糞打』『リズムゲームだと思え』『昨日よりは上手くて草』『単純に速い』『昨日はチャルネキが下手だったのもあるし』『フ ァ ー ル』『職場から応援してます』『1回目にしてはいけてる』『横浜に来ないか』『HIT、許されません』
初見の相手で40球中15本……まぁ上々かな。
ボールが見えないので、一度リズムが崩れるとそのまま修正できずに連続で失敗してしまう。
速いボールはクマが追いつけず、遅いボールはタイミングを狂わせる。
ボールが見えない以上、大切なのは相手のリズムを掴むことだろう。
フクロウの内角のような全く前に飛ばない球があるわけでもないし、ミスショットをしても動じず淡々とホームランを繰り返す。
相手と、そして何より自分との戦いなのだ。
たぶんe-sports。
……深夜テンションも切れかけてきて、目がチカチカしてきた。
「26……27、……28!!っもう十分!後は流して大丈夫なはず!やったっ」
21回目の挑戦で上振れに付く上振れ。
36本目にして既にノルマの28本達成、圧倒的じゃないか。
昨日よりも進められたのも嬉しいし、トラが表ボスなのでクリアと言い張れる……はず。
んなぁ、喜びに思わず気が抜けて欠伸が出る。
『うおおおおお』『キタ━━(゚∀゚)━━!!』『第三部完!』『数字読み上げ使うから助かる』『上級者やめろ』『トラカス死亡確認!』『二度とその虎面見せるな』『その声は…我が友、李徴…?』『ここを立ち去れ』『山なら三合目』『今から峠』『ここで終わろう』『眠そう』『ロピカスまで倒せ』『仲間になりたそうに見てるぞ』『全く取り合わない』
「──ラスボスの顔だけ拝みに行きますか……。あっ、絶対にクリア耐久はしませんからねっ」
このゲームのラスボス『ロピン』、通称ロピカスは全球種だけは飽き足らず緩急、内外までも操る最強の5才児、森の
8割以上ホームランを打たないと負けを認めない不屈の精神、投げる間を変えてタイミングをズラす狡猾さを持ち合わせており、一つも死角がない。
……難易度だけじゃなくノルマの数も増えていくあたり、設定を間違ってませんか?
「加速球投げてからの、消える魔球……はいグネグネっ!グネグネーっ。──無理すぎるでしょっ」
銅鑼がなくて良かった……怒った拍子に叩いていたかもしれない。
50球も集中力が続かないし、ヤマを張ったところで球種は多いし速すぎて対応できない。
ホームランになったのも擦ったような当たりがほとんどで、真芯で捉えた当たりなんてあっただろうか……。
「というか、擦った当たりで120メートル飛ばしてる方もおかしいですよね……?あれ?普通だっけ…………」
次の挑戦で終わろう……布団で寝……。
『ロピカス何わろとんねん』『声に疲れが…』『分からせたい』『こ無ゾ』『親の声より聞いたBGM』『うんち!w』『もっと親の声聞け』『こんなんガキ泣くだろ』『おっ、そうだな』『重力仕事しろ』『強すぎる』『ロピンくん!横浜に来ないか』『対ありだわ』『プリコネの方もやれ』『反応ないけど大丈夫か?』
「………………んぅ…………」
『!!?』『ミュートできてない』『寝た?』『のーむ寝てない?』『BGMが邪魔すぎる』『ロピカスそこをどけええええ』『眠るまでが早すぎるバブちゃんかよ』『パッパはワイらだった……?』『えっっっっっ』『ヌッ!』『世界平和』『ここをキャンプ地とする』『永久保存版』『退社した』『今日を記念日にしよう』『●REC』『天啓を得た』『者ども出会え!』
Twitterで#ノー産物で調べると可愛い絵が沢山見れます。