リーリエ、カムバック!   作:融合好き

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とりあえず今話で第一部は終了。次回からはUB編に移ります。いつになるかは不明ですが。

また、アクジキングは例外中の例外なのでノーカウントです。


じんせいは あたえられた カードでの しんけんしょうぶ

──僕にとっての「勝利」とは、望めば手に入るレベルのものでしかなかった。

 

 

思い返してみれば、この世に生まれ落ちたその瞬間から、僕の成功は約束されていたのかもしれない。素質・才能・環境・状況・仇敵にまで恵まれ、その全てを奇跡的に乗り越えた。何度も挫折したし、天運が味方していたとはいえ、これが恵まれていなければなんなのか。リーリエは否定したが、僕にはどうも自分の人生そのものが何かの後押しを受けていた気がしてならない。

 

何の理由も、陰謀も、それ相応の努力もなしに、両親が長年で培ったトレーナーとしての才能は余すところ無く僕に受け継がれていた。伸び率とはどう考えても不釣り合いな鍛錬で、僕の力は成長と共に膨れ上がっていった。勿論、だからと言って修行を疎かにしたことは一度もないのだけど。

 

困難を乗り越えるため、友との約束のため、そしてなにより僕個人の意地として、流されるまま強大な敵を屠り、厳しい戦いの中にその身を投じていた。同年代の友達とは比較にならない経験を積んできた自負は、確かにある。

 

しかし、それでも僕は、幾度も疑問に思ったものだ。じゃあ、僕以上に小さな頃から努力していたであろう彼は、どうしてこれを手にできないのだろうか、と。

 

心情的に言い出せず、倫理的にも外道で、けれども決して消滅できなかった根源的な疑問。自分のことを心底から軽蔑しても、僕はいつまでもその疑問を割り切れず、ずっと痼りとして内に抱え続けていた。

 

それに対する答えが出たのは、果たしていつのことだったか。しまキングに挑んだ時か、リーリエを救った時か、チャンピオンに至った時か、それとも──僕が負ける、その直前か、その後か。

 

いつしか、自分の人生を振り返って思ったのだ。思ってしまったのだ。そう、それは、決して誰かが悪い訳ではなく───自分が異常であるが故に生じてしまった歪みなのだと、自分がその立場に堕ちたことで、ようやく僕はそれを悟った。

 

頂点とは、才能無くして至れず、その才能に家柄なんて仰々しい付加価値は必要ない。強いトレーナーだって、知識も、前提も、理由もなく、あくまでその個人が至れるのか否か。それだけのものでしかないのに。

 

───ああ、最低だ。僕は最低な人間だ。だって僕は、彼の苦悩も、夢も、その理由までもを知り得てなお、こんな疑問を抱くのだから。

 

でも。

 

『流石はヨウさんです! わたしにも、貴方ほどの力があれば……』

 

瞼に浮かぶは、眩いばかりの輝く笑顔。僕だけに向けられた、リーリエの特別な顔。

 

彼女に良いところを見せるためにも、僕は決して負けるわけにはいかなかった。最低な理由だと、不純な動機だと笑ってくれてもいい。それでも僕は僕なりに真剣だったし、必死だった。彼女のためなら何でもやるつもりだったし、実際に彼女の要望に応えるために何でもした。自分の命すら顧みず、だ。

 

いつか、さりげなく毒舌なハウに、僕のことを『リーリエの護衛』だと揶揄られたことがあるが、それは限りなく正しい。そして、そんな自分が一時とはいえチャンピオンになったのも今を思えば不思議なことだ。いくら才能があったとしても、誰かの下に付くことを望んでいるような人間が、誰よりも上位に立ってしまったのだから。

 

『あははー、さすがだねー。

楽しいのとー、悔しいのがー、混ざって、なんかもうよくわかんないや!』

 

『また俺は、守れなかったのか………?』

 

『ヨウ。君は最高のポケモントレーナーだぜ!』

 

チャンピオンに至ってからも、僕の中身は変わらなかった。リーリエとの約束を守る。ただその一点だけに囚われて、あらゆる希望を摘み取り続けた。どうでもいいが、ハウはもっと緊張感を持ってグラジオは挑むたびに変な『すてゼリフ』を吐かないで欲しい。

 

いつしかリーリエが戻ってくるまで、僕はこの座をひたすらに守っていくのだろうと根拠もなく確信していた。否、当時はそうなんだろうと過信していた。自惚れていた、のかもしれない。よくわからない。自己の分析は苦手だ。

 

しかし、僕がこの場で停滞しようと、時間は平等に過ぎていく。世俗への関心も薄いこの僕だが、何故かザオボーさんがいつのまにか失脚していたことを聞いた。だからどうしたって感じだけれども。

 

そう、いつだってその時は唐突に訪れる。真の意味での永遠など存在せず、まして僕が望んでいた展開など、現実逃避かただの惰性でしかない。

 

──あの人が現れたのは、そんな時だった。

 

 

『──初めまして。チャンピオン』

 

 

最初は、何か事件が発生したのかと疑った。

 

トレーナーなら誰しも見覚えのある顔の人が、一目で登山用とわかるゴテゴテした服装をして、険しい顔でこちらを見つめてくれば、普通はまず麓で異常があったことを疑う。

 

けど、違った。あとでわかったことだが、その人は驚くべきことにそんなちぐはぐでいろんなトレーナーの服装をごちゃ混ぜした何が何だかわからないような格好が常であり、表情に至っては険しい顏のほうがむしろレアだったという、かなり異質な人だったのだ。

 

そして、少なくとも只者ではない雰囲気の通り、その人の強さは想像を絶した。

 

 

『思ったよりも呆気なかったわね。あと、これは忠告だけど、貴方もトレーナーなら、害悪対策はしっかりした方がいいわよ』

 

 

今にして思えば、この時の台詞は彼女が僕に見せた善意だったのだろう。『害悪』については未だによくわからないが、対策しないとどうしようもない相手というのを、その時は僕は初めて思い知った。

 

また、同時に僕は、これまでの全てが崩れていく錯覚に陥った。当然だ。それまで淡々と積み上げてきた功績という名の城が、突然まるごと消滅したとなれば呆然もする。

 

でも、それでもまず最初に浮かんだ感想が「悔しい」ではなく「リーリエが」だった辺り、僕はその時にはもう既に、ポケモントレーナーとしては歪だったのかもしれない。わからない。

 

どうすればいいかわからなくなった僕は、気づけば自宅のベッドで横になっていた。あの後何があったのか、自分がどうやって家に帰ったのかさえ覚えていない。ただ、後日僕のそんな様子を見ていたらしい友人達に心配されたため、僕はどうやら徒歩かそれに近い方法で家まで戻っていたようだ。

 

そんな精神状態でどうやってか島を跨いでいたことには流石に疑問が湧いたが、その日は何も考えたくなくてふて寝をした。いつ眠ったのかもわからない。起きた時、やたら豪勢な朝食を携え、笑顔で僕を迎え入れた母親の姿が印象的だった。

 

 

『やぁ、ヨウ! 久しぶりだね!』

 

 

その日のうちに、博士が訪ねてきた。何でも、僕を倒した女性は博士の古い友人らしく、他人を気遣う性格でもないため、子どもである僕をメタメタにしてもロクにフォローをせず玉座から引き摺り下ろしたのではないか、と危惧して来てくれたらしい。その時は流石に「なんて言い草だ」とも思ったが、あの人の人となりを知る今はこの対応にも納得の一言しかない。

 

『いや、彼女ならいつか、とは常々思ってはいたけど、まさかヨウが負けただなんて今でも信じられないな。

 

でも、同時に彼女ならやりかねないとも思ってた。結果が出てしまった以上、ボクにはどうしようもない』

 

『僕は──』

 

『おっと、自分を責めても始まらないぜ? なにせ君は、僕と違って若いんだ。これからいくらでも挽回できる。まさか君も、一度負けたらそれで終わり、なんて思ってはいないだろう?』

 

『………』

 

『それに、彼女の戦い方はかなり特殊だからね。いきなり視界を妨げられて毒連打、とか面食らっただろ?

 

彼女曰く、「力比べじゃ勝てないから」だそうだが、正直それも怪しいものさ。よほど切羽詰まってない限り冗談を言うような性格じゃないんだけどね』

 

『……はい』

 

小さな同意と共に頷く。まともにその動作ができたかはともかく、少なくとも僕はそう動こうとした。

 

特殊。そう、その言葉が一番しっくりくる。彼女との戦いは、何もかもが特殊すぎた。

 

力比べで勝てないから、力比べができないようにする。帰結としては単純でも、あれほど徹底した戦術を僕は見たことがない。目の前の博士を代表に、これまでの戦いの中でも強者と呼べるトレーナーはたくさんいたが、どうしようもないとまで感じたのは、僕のトレーナー人生で初めてのことだった。

 

『さて、本題だ。ボクは君に、彼女の対処法を伝えるためにここへ来た。彼女が確立した『害悪』と自称する戦法の土台は、ちょっとアングラなトコロに行くとそれらしい原型は各所に見られるんだけど、あれだけの完成度となると中々無い。

 

これの厄介なところは、対策が必須だということだ。何故、彼女が仮にも自分の戦い方を『害悪』などと称するのか。それは、彼女にもわかっているからだよ』

 

『……でも僕は、そうは思いませんでした』

 

『それはそうさ。ボクだって最初は感心したんだぜ? ああ、こんな戦い方があるのかって、こんな素晴らしい戦術があるんだって、目を輝かせていたさ。

 

『やどりぎ』や『どくどく』による遅延戦術は知っていても、単純な回復や回避以外で粘る方法なんてそうそう編み出せるものじゃない。生半可な力量差を凌駕しうる可能性の塊だ。

 

だけど、その上で。僕は彼女の戦い方はあまり好ましいとは言えない。それはなんとなくわかるだろう?』

 

『………』

 

どう、なのだろうか。よくわからない。僕には何も。

 

不快感は感じなかった、と思う。博士が言うほどの忌避感も、僕の内には湧くことはなかった。僕の感情は、その全てをリーリエに奪われてしまったから──いや、そんなグラジオみたいな表現はやめよう。

 

僕が何を思っているか。それは僕にも分かっておらず、理解しようともしていない。苦手だからと誤魔化続けて、その考えから逃げ続けて来た。

 

そしてそれは、おそらくこれからも変わることはない。先ほどこそ茶化したが、彼女に対して僕が何も感じなかったのは事実だからだ。

 

誰が、よりもまず自分が。負けたのは自分が至らなかったからであって、彼女が悪いわけじゃない。何事に対しても感心が薄い僕は、他人に対しての感情を表に出すことはない。

 

(これでも、改善はしているはず、なんだけどね……)

 

そう、間違いなく改善はしている。それこそ昔では考えられないくらいに感情豊かになった自覚がある。リーリエに出会う前の僕は、今より殊更に酷かった。それこそまさに、駆動前の機械のように淡々とした毎日を過ごしていた。

 

電池どころかゼンマイすらない、からくり仕掛けの壊れた人形。それに命を吹き込んだのはリーリエだ。彼女は僕に感情を、生きる目的を、そのための欲望を与えてくれた。だからこそ僕は、そんなリーリエに執着しているのかもしれない。なお、中身が割と不純な動機であることにはノーコメント。

 

(果たしてこれは、一目惚れになるのかな?)

 

わからないし、どうでもいい。重要なのは、僕が今どう思っているのか。さらっと思考を放棄している時点で僕の脳はまだだいぶアレなのかもしれない。でも、それこそ本当に結論を投げ捨てても問題はないだろう。

 

(それに、リーリエって可愛いしね!)

 

正直、容姿だけでもパーフェクトだと素直に思う。贔屓目無しに誰もが惚れそうな要素があるのなら、僕の内情なんかどうでもいいことだ。そういうことにしてしまえばいいのだから。ちなみに、これは当然思考放棄ではない。誰が何を言おうとも。

 

『ヨウ、聞いてるかい?』

 

『ええ、もちろんです博士』

 

『そうかい? まあ、ボクも今あれこれ言ったけど、結局勝負を別つのは君の努力次第だ。ボクのこれは、お節介以外の何者でもない。

 

頑張れ、未来のチャンピオン。結局ボクにできるのは、こうして応援することだけだ』

 

『………ありがとうございます』

 

考え得る限り最高の支援に、僕の心は揺れ動く。

 

他と共鳴する心、生まれる無数の感情が心地よい。まだ僕は、その分析や表現が苦手だけど、リーリエ以外の人が相手なら、それも別に大したことじゃない。

 

(…………全く、難儀だなぁ)

 

他人事のように内心だけで呟いた台詞は、果たして誰に向けられたものか。そもそもどういう意図で紡がれた言葉なのか。

 

流されるままに揺られるままに生きてきた僕には、到底理解できないモノだった。

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

「ドミノ、『ドラゴンダイブ』!」

 

「ほしぐも、『メテオドライブ』!」

 

指示は全くの同時。巨大な質量のぶつかり合いが莫大な衝撃を生み出す。

 

縦横100の広大なフィールド、その中央。距離にして50メートル近くは離れた場所からも吹き飛ばされそうになる衝撃。ならば、その中心で発生するエネルギーとはいかほどのものなのか。想像するだけで気が滅入る話だ。

 

『アクジキィィィイイイ!!』

 

『ラリオーナ!!」

 

(全ポケモンが共通して極端な能力を持つ……そんな評価だったはずなのに、明らかにあのポケモンは違う……)

 

博士の見立てが間違っているとは思えないし、思わない。異様な素早さに反比例するような低耐久を持つヤトウモリを筆頭に、能力全てを耐久に振り切ったようなレジロック。いっそ清々しいくらい妨害に特化したワタッコと、彼女のポケモンは見るからに色々と突き抜けている。

 

しかし、今まさにフィールドで暴れまわるあのウルトラビーストは違う。耐久に振った、という言葉の意味はよくわからないが、全体の水準が非常に高く、明らかに器用貧乏というレベルの能力ではない。陳腐な表現を承知で言うなら、器用万能、とでも呼べばいいのだろうか。

 

(火力や耐久は言わずもがな。あんな体格の癖に敏捷も平均以上はある。

 

そして、技量や機転は彼女が底上げする。元より極端なポケモンを自在に操っていた彼女だ。その手の能力は桁違い──少なくとも、小細工が苦手な僕よりも上。

 

ただ、トータルではそう能力値に差はないように見える。なら、後はそれらを扱うトレーナーの腕次第………)

 

「………やっぱり、やりにくいわね」

 

「え?」

 

僕が今後の運びについて考えていると、不意にチャンピオンが誰に聞かせるつもりもなく呟く。

 

しかし、つい反応してしまったが、するべきではなかった気もする。実際、どう考えても彼女のアレは独り言、乃至は愚痴か悪態だ。それが向けられるべき対戦相手たる僕が彼女の言葉に触れたところで、彼女の『いかりのつぼ』を刺激するだけだろう。

 

だが、彼女も彼女でそんなことを気にするような人間ではないようで、普通なら言い難いであろう事実も遠慮なく告げる。

 

「思考が読み辛い。だからやりにくい。そう言ったわ。

 

これでも私は、読唇術や読心術ができるくらいには視力も洞察力も自信があるのだけど、それでも貴方からはほとんど意図を読み取れないわね」

 

「………」

 

貴女には言われたくない。そうは思ったが、事実であることも間違いないため、反応に困り沈黙で返す。

 

コミュ症気味で感情に疎いのも、その表現が苦手なのもそのまま僕に当て嵌まる。彼女の場合はわかっていて無視してそうだが、結果は同じだ。表に出すことができない、またはする気がないのなら、表情としては扱われない。文字通りに。

 

「でも、そうね。今回に限ってはそれでもいいのかしら。

 

貴方、見たところその子の扱いにあまり慣れていないでしょう?」

 

「ッ──」

 

「そうよね。貴方が如何に優れたトレーナーであっても、伝説のポケモンなんて流石に手に余る。私も同じ。罷り間違って対戦相手を害してしまったら──そんなことを気にしてばっかりで、ゼンリョクを出すことを躊躇っている。いえ、いた、かしらね」

 

「………そうですね」

 

 

鍛錬相手の調達に苦労したのは間違いない。人員についてはなんだかんだと付き合いのいいグラジオがいたからいいにせよ、だからといってゼンリョクを出せるかどうかは別の話。

 

残酷なことを承知で言うと、既に僕と彼との力量はかけ離れてしまっている。そしてそれは、ハウや博士が相手であっても同様だ。だから過剰になるゼンリョクわざの練習に躊躇ったし、実際、ぶっつけ本番まで実行はしなかった。

 

今でもそうだ。無意識だろうとなんだろうと、あるいはほしぐもを気遣っていたにしろ、僕はいまいちゼンリョクを出し切れない。それも、他でもないゼンリョクのほしぐもにさえ優位を確保したチャンピオンを相手にしてだ。馬鹿にされても、軽蔑されても文句は言えない。

 

ああ、この戦闘に限っていうなら、本当に僕の感情表現が不得手で助かった。でなければチャンピオンにはすぐに見抜かれて──彼女ならばその隙を、嫌らしいほど的確に穿って来たであろうから。

 

「んー、やっぱり読めないわね。ククイはこういう時すごく分かりやすいのだけど、息子じゃないって言われた以上はそうなんでしょうし、そんなところまでは似たりはしないか。

 

ま、それが分かっただけでも収穫はあったと考えましょう。それに、ドミノに限れば、いちいち戦略を用意する必要はないし──あ、『隙あり』」

 

『ドカグィィィイイ!!』

 

『ラリオーナ!?』

 

「なっ……!?」

 

唐突に尻尾を『ぶんまわし』て来たアクジキングの攻撃を、既のところでほしぐもが躱す。

 

完全に油断していた。油断も隙も、とかいう以前に、勝利に対する姿勢が貪欲すぎてもはや冗談としか思えない。何が彼女をここまで掻き立てるのか。そうまでして得た勝利に価値はあるのかと激しく問い質したい……!

 

「それで、なんだったかしら。ええと…………あ、『もう一回』」

 

「『ハイパーボイス』で弾くんだ、ほしぐも!

 

──って、いやいや。何事もなかったかのように会話しようとしてしかも追撃とかやめてください」

 

「すーぐに対応できてるくせに何を。しかし、慣れてないはずなのにその連携。羨ましいわね。

 

私もドミノに関しては使用すら躊躇っているけど、それでも年単位で鍛錬を積み立ててる。いざという時に使えない切り札なんて、お話にもならないからね」

 

「………」

 

はっきり言おう。それはこっちの台詞だと。

 

リーリエのおかげか、僕とほしぐもの信頼関係はとても高いレベルで築かれている自覚はある。だが、彼女が羨む連携は拙いなんてレベルではない。今だって、ほしぐも自身の判断や彼女の性格から読んで事前に指示に備えておいていなければ、攻撃を避けることは叶わなかっただろう。

 

加えて、彼女が発言した通り、僕と言えど流石にほしぐもクラスは手に余る。扱うだけで手一杯、まして彼女のように手足の如く操り、その上範囲外のわざ2つとワードによる小細工まで仕込むなんて、どれだけ時間をかけても出来る気がしない。

 

「つまり、何が言いたいんですか?」

 

「いえ、何も? ただ色々と話してるだけ。だって貴方、私があれこれ話す度にその挙動を意識しているでしょう?

 

なら、苦手でもやるしかないじゃない。幸いにも、貴方との会話は苦にならなさそうではあるしね」

 

これほど有効なら、これまでもやるべきだったわね──などと嘯きつつ、なおも手を緩める様子のない彼女に頭を抱える(実際には抱えていない)。

 

この前の発言からして、他者を蹴落とすのにも余念がないようであるし、本当に厄介な御人だ。

 

しかし、その割には僕は、彼女が狡い真似をしても、卑怯な真似をしているのを見たことがない。これもいい機会か、と意趣返しのつもりで僕がその旨について尋ねてみると、

 

「その卑怯って、つまりは人質とか、財団がやったような根回しのことよね?

 

それについては否定しないけど、私にとっては意味がないわ。私の望みは、誰もがこの世界において私よりも格下であると証明すること。でも、それだけでは意味がない。

 

ただ証明を求めるだけではグズマと同じ。私は違う。私には、その理由、その先がある。

 

つまり、何のためにそうするのか。いえ、したいのか。だから、私は勝負において『イカサマ』は好まないし、するつもりもない。

 

だって、それをしてしまったら───わたしがその人に対し、そうでなきゃ敵わないと、私よりも上であった(・・・・・・・・・)と認めてしまうから。それだったら、何の意味もないのよ。

 

腐り落ちるならいい。破滅するならいい。逆に成長することも、その手助けだってある程度なら許容する。

 

だけど、私が蹴落とす真似はしない。盤外戦術はいい。でもルールを根底から覆すなんて以ての外。それはすなわち勝者の否定を意味する。例えば私がリーリエちゃんを人質にして解放条件に君の敗北を願い、君が負けたら君が利を得るようにしたところで、それは君が勝利をしていることになるでしょう?

 

私が上だと私自身が納得できなきゃ意味がない。愉悦をするには、それが純粋なものであってこそ。痼りを残さないようにしないと、ただ私が気持ち良くないのよ」

 

「…………」

 

(…………確か、この人は)

 

いつだったか、彼女の目的についてライチさんから聞いたことがある。

 

ククイ博士の助言の中に、彼女の友人の一人として良く挙げられたのがライチさんだ。他にも博士、バーネットさん、マーレインさん、あとグズマさんがそうだと聞いている。

 

ある意味では誰よりも純粋な願いだよ──ライチさんはそう告げた。また、本人だけで満足して、誰にも迷惑をかけていないんだから別にいいじゃない?とも。

 

まあ、ライチさんが「そっとしておこう」とする気持ちもわかる。僕だって、実際にチャンピオンの座を奪われなければ「どうぞご勝手に」とむしろ推奨していただろう。それか、そもそもの関心を持たなかったかもしれない。

 

しかし、何かの参考になればと思って聞いたが、あまりに特殊すぎてまるで役に立たない情報だった。逆にやる気がみるみる減衰していくのを実感する。彼女のことだから、そういうのも見越して明け透けに語っている気がして更に恐ろしい。

 

いやしかし、だがしかし。良くも悪くも、気分の切り替えにはなった。じわじわとではあるが、ほしぐも達も疲弊をして来ている。ここは先んじて仕掛けて、一息に終わらせる!

 

「ほしぐも!」

 

『ラリオーナ!』

 

僕だってトレーナーだ。で、あるからには彼女ほどじゃないにしろ小細工の一つや二つは用意している。そうでなくても、膠着した戦況を塗り替えるには、トレーナーとしての腕が決め手になる。ここは──

 

(たいりょくは互いに半分ほど。敵の力量はおそらく9割強──6割すら珍しいのに、どうやってあれだけの強さを………いや、それはいい。

 

火力、耐久はあちらが上。だけど敏捷なら優位に立てる。でも、あちらはそれを誤魔化せるわざをいくつか持つ。適用わざはバークアウト・でんじふゆう・ぶんまわす・ドラゴンダイブの4つ。

 

『りゅうせいぐん』の威力を見た限り、適用外は実用範囲にはない。つまり考慮する必要はない。となると──)

 

 

「ほしぐも、『がんせきふうじ』!」

 

『ラリオーナ!』

 

 

色々と考えたが、はっきりとわかるほしぐもの優位性は機動性だ。そも四脚の獣と肥大化した怪獣ではその差を比べるまでもない。相手は『でんじふゆう』によって機動性を誤魔化してはいるものの、そもそもがあまり素早いポケモンではないのだろう。こうして互角での戦いを冷静に俯瞰すると、いくつか隠せないボロがそこかしこに見受けられる。

 

なら、まずは機動性を潰す。『うちおとす』は流石に覚えてはいないけど、妨害を主たる効果とした『がんせきふうじ』なら似たようなことはできる。

 

彼女からしても、あのポケモンの機動が潰されるのは痛手のはず。そうすれば、彼女はおそらくあのポケモンの口か尻尾を『ぶんまわす』ことで対応するだろう。──そこに隙が生じる。

 

(──そして、彼女は一つだけ勘違いをしていた。『あさのひざし』が範囲外なのは本当だけど、それだけがそうとは言っていない。

 

天候わざを代表として、『ほごしょく』や『たがやす』、『みずびたし』のように、範囲外であったり練度が低くとも最終的な結果(・・・・・・)が変わらないわざはいくつか存在する。

 

彼女はそれに気づいていなかった。それこそが、僕が狙える唯一の勝機)

 

文字通りのわざ(・・・・・・・)だからこそ、四天王戦でも使う機会はなかったが、だからこそ彼女はこのわざの存在を知らない。

 

命中精度に関しては気にしていない。今のあのポケモンは巨体で鈍足。外す方が難しいだろう。耐久面についての不安は残るが、これまでの削りに伝説のポケモンとしての力が合わされば、ほしぐもなら決めてくれると信じている。

 

彼女の口が、僅かに動く。紡がれた言葉は、予想通り狙い通りの『ぶんまわす』。その瞬間に狙いを絞り、指示に合わせて振るわれた尻尾に敢えて肉薄したほしぐもは、僕の宣言と同時にそのわざを全力で放った。

 

 

「ほしぐも、『とっておき』!」

 

『ラ、リィ──ォォオナ!!』

 

「──ッ!?」

 

 

目を見開くチャンピオンと、無防備な躰に『とっておき』の一撃を受けるウルトラビースト。いざという時のために備えておいた、『きしかいせい』の強襲。

 

『とっておき』というわざは、その名が示す通りに扱いが非常に難しい。威力命中効果性質ともに全てが安定せず、同じポケモンが使ってもその時々でわざの内容が変わるようなモノだ。

 

しかし、僕にとってはそういうムラのある一撃こそ、保険としては扱いやすい。ああ見えて堅実一直線のグラジオには悪態を吐かれてしまったが、その辺りはトレーナーとしての資質の違いであろう。

 

放たれた『とっておき』の一撃に、どんな効果が含まれていたのかは僕にも分からない。ただ言えるのは、その一撃は、停滞した戦況を覆すには充分なものだったという事実だけだ。

 

ゆらり、とアクジキングの巨体が揺らめく。明らかに精彩を欠く覚束ない動作は、すなわち作戦の成功と同義。鍛えに鍛えた大切なポケモン達を十把一絡げに倒すような恐怖の権化も、ここまですれば──

 

 

「──無視して振り切りなさい、ドミノ」

 

『ドカ、グ──ドガグィィイイイ!!!』

 

「なっ……!?」

 

 

瞬間。

 

正しく致命傷。『ひんし』級の一撃を『きゅうしょ』に受けたはずのウルトラビーストが、トレーナーの指示に忠実に従い、動作を未然に妨げられた尻尾を強引に『ぶんまわし』、その質量差でほしぐもを『ふきとばす』。

 

フィールドの端、つまり僕の側まで転がり続け、ぐったりとしてほしぐもは動かなくなる。不意の一撃、あくタイプのわざによる相性。そして何よりただでさえ不慣れな戦いのダメージが嵩んでいたのだろう。むしろこれまでよくやってくれたと、褒め称えたい気持ちで一杯だった。

 

 

(だけど──え?)

 

「まさか、だったけど。

 

まさか、本当に耐えるなんて──たまには、無謀な賭けも悪くはないわね」

 

 

──ズズゥゥウン。

 

 

相応の質量が崩れ落ちた衝撃で、リーグ全体に振動が駆け巡る。さながら簡易の『じならし』にも匹敵するもので、また同時に、それだけのものが戦線から離脱したことへの証左でもあった。

 

(これは、さっきと同じ───でも)

 

「ありがとう、ほしぐも。

 

──あと少しだ、ガオガエン!」

 

「お疲れ、ドミノ。思いの外…………いえ。

 

じゃあ、いつも通りに。アナ、よろしく」

 

過ぎり掛けた思考を一時放棄して、畳み掛けるように最後のポケモンを呼び覚ます。

 

ガオガエン。ほのお、あくタイプを持つ悪役(ヒール)レスラーのようなポケモン。僕がトレーナーとして最初に手にした一体で、僕の相棒とも呼べるような存在だ。

 

そして当然、こいつはそれ相応の力を持っている。見た目通りに小細工を不得手とし、その分再び現れたワタッコに対してあっさり負けてしまうのでは、という心配は無くもないが、彼ならなんとかしてくれるだろう………たぶん。

 

(…………いや、でも、不安だ…………)

 

仮にも相棒に対して酷い言い草だが、実際に彼のワタッコ相手の戦績は全敗(・・)であるからこそ、どうしても不安が募る。

 

(でも、これしかない)

 

そのための対策は用意した。しかし、その手の奸計に僕が敵うはずもない。故に、勝負は一瞬。初球に全振りの一発勝負。失敗すれば全てが終わる、一世一代の大博打だ。

 

 

「アナ、『ねむりごな』」

 

「──ガオガエン、『ねごと』だ!」

 

 

チャンピオンの指示に僅か遅れるようタイミングを調整し、追加の指示を妨げるような大きい声で、新たに覚えさせたそのわざを指示する。

 

ねごと。ねむり状態になっていても自身のわざを繰り出せるという、一風変わったわざ。わざとして成立しているものの寝言であるからにはランダム要素が高く、望んだわざを発動してくれる保証はない。

 

しかし、ランダム要素があるわざというのは、基本的に使用するポケモンの嗜好などで偏るもの。特に寝言のような無意識化で使うことになるわざとなれば、自ずと繰り出すわざはそのポケモンの得意技に限られる。

 

そして、僕のガオガエンの得意技なら誰よりも知っている。その燃え盛る闘志を身に纏い、敵にゼンリョクを以って立ち向かう必殺の一撃。その名も──

 

「まさか、『フレアドラ──」

 

僅かに聞こえたそんな声も、衝突の際に生じた轟音に掻き消される。

 

望んだわざが出るかどうかの次に、そのわざが当たるのかどうかも心配ではあったが、上手くハマればタイミング的に避けられないだろうことも想定はしていた。眠っているから『ひかりのこな』に惑わされないとも。

 

実際に、確かな手ごたえを感じた。故に、残すポケモンは、互いにあと一匹──!

 

「かつて、ずっと疑問だったことがあるの」

 

「………え?」

 

もうもうと舞う土煙の中から、聞き覚えのある声が聞こえる。

 

否。聞き紛うはずもない。それはチャンピオン。僕が知る限り、最強のポケモントレーナーのものだ。

 

徐々に煙が晴れ、その姿が明らかになって行く。煙を上げて倒れ臥すワタッコと、それを労る彼女の姿。彼女の顔立ちも相俟って、ポケモンセンターの一角で繰り広げられているような光景。

 

「ライチ、マーレイン、カヒリ、ハラさん。そして、グズマ………どうして彼等は、彼女達は、要らぬ制限を課してるんだろうって」

 

「何を………」

 

「ククイが違ったから、そういうものはないんだと思っていた。ベストメンバーより力量の落ちるいわゆる二軍を扱うトレーナーもいるから、ますます疑問は膨れ上がった。

 

──ねぇ、ヨウ君。才能って、何だと思う?」

 

「才能──」

 

 

才能。僕を示す言葉として、よくその単語が挙げられた。

 

才能の塊。トレーナーの申し子。神童、天才。酷いものだと怪物、化け物と、呼び方そのものは様々でも、意味は同じ。

 

羨む気持ちも分かる。持たざるものの苦悩も、その煩悶も、僕は直ぐそばでずっと見続けた。欲しくなかった、とは言わない。僕にその才能があったことで、僕が得をしたのは確かだからだ。

 

だけど時々、思うことはある。もしも僕なんかではなく彼女に、あの強靭い少女にそれが備わっていたならば。もっと素晴らしい未来を掴めたんじゃないかって。

 

 

「私が持っている才能は、バトル施設のトレーナーとしての才能。

 

タワー、フロンティア、サブウェイ、ハウス、そしてツリー。それらの廃人施設において、理想的なポケモンが育てられる、というもの。

 

ずっとそれだけに傾倒していた私は、それ以上の才能を一欠片も持たなかった」

 

「…………」

 

「4匹。それが私の使用できる(・・・・・)ポケモンの限界。

 

ダブルバトルを過不足なく行える数。そして、私のトレーナーとしての底でもある」

 

「…………まさか」

 

 

ここまで来て、ようやく彼女が言わんとしていることが掴めてきた。

 

まさか、とは思う。僕を倒してチャンピオンに至ったような女性が、そんなところでハンデを背負っていたなどと。しかし、ゆっくりとワタッコをボールへと戻した彼女は、そのまま新たにボールを取り出すことはせず、静観したままだ。

 

そう。まるで、その言葉を証明しているかのように。

 

「私は負けるのが嫌で、チャンピオンの座を目指した。キャプテンやしまキング、ジムリーダーや四天王は負けるのが仕事。私は、そんな中途半端な座に居座るのは勘弁だったから。でも。………でも、そうね。貴方ほどのトレーナーが相手なら、素直に負けを認めるのも吝かではないわ。

 

──おめでとう、チャンピオン。貴方こそ、私が知る限り最強のポケモントレーナーよ」

 

いつの間にか側にまで近づいて来ていたチャンピオン………否、元チャンピオンの彼女が、満面の笑みを浮かべて手を差し伸べる。

 

勝負師としての彼女の姿しか見ていなかった僕が、これまで一度も見たことがなかったその表情に一瞬惚けるも、僕はなんとかその手を掴み──思い掛けない圧力に、流石に驚き声を漏らした。

 

「──ッ、痛、いたたたたた!?」

 

「ただし。次は絶対に負けないわ。覚悟しておくことね、チャンピオン」

 

慌てて手を振り払い、思わず彼女を『にらみつける』。気持ちはわかるが、これは流石に八つ当たり以外の何者でもない。

 

「………僕だって、負けるつもりはありませんよ」

 

「そうね。ククイから聞いたけど、貴方はリーリエちゃんとの約束があるのだものね。

 

──まあ、その約束を果たすのは、まだまだ先になるだろうけど」

 

「──どういうことです?」

 

ぽつりと呟かれた聞き捨てならない言葉に、返答の語気がやや強めになってしまったのを自覚する。

 

だが、仕方ない。僕の理念、僕の理由、僕の全てとも言えるリーリエとの再会。それがようやく叶う位置にまで再び登り詰めたというのに、「それができない」などと発言されて動揺しない人物はいるものか、いやいない。

 

「ルザミーネさんが引き起こしたウルトラビーストの事変からしばらく、つまり最近のことだけど、島の一部からウルトラビーストの目撃証言が出てる。

 

ルザミーネさんが妄執したウツロイドを始め、マッシブーンやテッカグヤ、カミツルギ、デンジュモク、フェローチェにアクジキング。そして何故かズガドーンやツンデツンデまで現れて、今もこの島に潜んでいる」

 

「──は?」

 

「そして、それらの捕獲、乃至は殲滅の依頼が正式に協会からここアローラのポケモンリーグに届いてる。

 

──残念だけど、これは殆ど強制でね。市民を脅かすポケモンを放ってリーグ戦とか、協会傘下にあるポケモンリーグでは不可能なの。だから、少なくともそれらの問題が片付くまで、貴方はリーグ戦を開けない」

 

「…………え」

 

リーグ戦を開けない。それはそのまま、挑戦者が現れないことを意味する。となるとリーリエは? リーグの頂点でまた逢う約束をした彼女はどうなる?

 

必然、約束を果たすことは出来ず、再会までにまた無駄な時間を費やすことになる。

 

「私は、久しぶりに実家にでも戻って、一度自分を見つめ直してくるわ。次にリーグ戦を開けるのがどれくらい先になるかはわからないけど、それまでには貴方に勝てるよう頑張るから、その時はまたよろしくね」

 

「いやいやいや! ウルトラビーストって、それこそそれは貴女が適任ではないんですか!?」

 

「ここで問われるのは適任かどうかじゃない。その理由があるかどうかよ。──私はね、私が良ければそれでいいのよ。私がそういう人間だなんて、分かりきっていたでしょう?

 

だから頑張ってね、小さなチャンピオンさん?」

 

あ、これウルトラビーストについて纏めたレポートだから、などとすれ違いざまに紙束を渡して言い残し、そのまま本当に何処ぞへと去っていった彼女を呆然と見送る。

 

翌日、本当にポケモン協会から送られて来た文書を拝し、彼女の発言が全て正しかったことを知った僕は、ますます遠ざかっていく最終目標を想い、頭を抱えながらポケモン協会が指定した『協力者』とやらに会いにいくのだった。







ゲームじゃないので、「『とっておき』のわざ」に発動条件はありません。ちなみに効果的にはギガインパクトと相違ないです。反動もしっかりあります。

ただ、ドラゴンだったら『げきりん』っぽい何かになったりほのおタイプなら『オーバーヒート』的なサムシングだったり作中みたいにそのポケモンが窮地なら『きしかいせい』になったりとポケモン毎にわざの中身が違う結構面白いわざになっています。要するに、そのポケモンがその時にできる文字通りとっておきの一撃という認識で構いません。

ただしとっておきの一撃なので一発限りである。じゃなきゃ『とっておき』にならないし。

あとヨウくんは色々と考えていますが、『はねる』なんてZわざを使えなければ即座に切り捨てるべきわざなので結果がどうこうとか気づくわけない。そもそもはねるの結果って何?とかそんなレベル。なお作者にも謎である。癒し効果かな?
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