過去に戻ったと思ったらなんか違う 作:クソザコブロッコリー先輩BB
珍しく連日投稿!(っても前話のを切り離したり加筆修正したりしたものですけどね)
これも夏未パゥワーのおかげ!この調子でドンドンいこう!
「よっ亜嵐」
「ん、円堂か」
「鬼道たちもいるぜ」
円堂が言うように後ろには鬼道と豪炎寺がいた。
「全員で来るのは病院側に悪いと思ってな」
「いや、その判断は間違ってないよ豪炎寺」
「まぁ座れよ」とオレは3人に促し、椅子に座らせた。
「……」
「どうした鬼道?」
「いや、なんでもない」
オレのことをジッと見てたかと思ったが思い違いか? まぁいっか。
「それで、理事長に呼ばれたって聞いたけど?」
「それの事だが……」
何やら神妙な面持ちだ。珍しく円堂も難しい顔をしている。
「まぁだいたい予想はつく。昨日のバルセロナオーブとの試合のことだろ」
「そうだ。オレたちの……いや、今の日本のサッカーでは世界のサッカーには太刀打ちできないと世に知らしめた」
「世界との差が広がりすぎているんだ」
鬼道と豪炎寺が順にそう言ってくる。
それはそうだろう。本来ならエイリア学園との戦いを経て世界との戦いだ。その間に経験したものが全てすっぽり無いのだ。このままではエイリア学園のジェミニストームにすら勝てない状況だ。
「世界のサッカーとの差を縮めるためにも日本のサッカーを強くしなければならない……と少年サッカー協会の人に言われてな」
「ふむ。つまりはオレたちに協力しろと?」
「流石は白撫だ。理解が早いな」
「いや、けどどういった形で協力するんだ? そこまではわからん」
オレがそう言うと、鬼道がバッグの中から封筒を取り出した。
それをそのままオレに渡してくる。
開けていいのかという視線を送ると、鬼道は無言で頷く。
「……なんじゃこりゃ」
封筒を開封するとそこには書類が入っており、その書類には学校名であろうものがリスト化されていた。
「……おい、まさか」
「あぁそのまさかだ。オレたちが日本のサッカーを強くするためにサッカー強化委員として各学校に転入し、日本のサッカーのレベルを押し上げてほしいと言われた」
「なるほど」
豪炎寺の説明に耳を傾きつつ、リスト化された学校をチェックしていく。
白恋、陽花戸、大海原といった知っている学校もあれば、永世、星章と言った全く知らない学校もあった。
一通り見たあと、気になったことを円堂に訊いた。
「雷門はどうなる?」
「一旦解散だってさ」
「そうか……。それで、どうするかは決まったのか?」
聞くまでもなさそうだが、一応。
「勿論やるさ! 日本のサッカーを強くして、今度こそバルセロナオーブに、いや世界に勝つんだ!」
「だよな、そう言うと思った。てか円堂、ここ病院」
「あっ、ごめんごめん」
声量が大きくなったことに対し注意する。
オレも一瞬病室だってこと忘れてたけど……。
「んで、行く所は決まったのか?」
「オレは木戸川清修に行こうと思う」
「古巣に戻るのか。ということは鬼道も?」
「いや、オレは考え中だ」
「あれ、そうなの? まぁでも態々戻る必要もないのか帝国は」
元々あそこは日本ではTOP10に入るくらいの強豪校だ。世宇子中とかち合ったせいで全国初戦敗退なんかしたが、それさえなければ準々決勝まで残っているだろう。
「これ、期限は?」
「1週間だ」
「そっか。じゃあ早めに決めないとな。とりあえず面会時間終了も近いし、今日はお開きにしないか?」
「そうだな。じゃあ帰るか」
「お前たちは先に行ってくれ。少し白撫と話がある」
「そうか、分かった。じゃあ先に行こうぜ豪炎寺」
「ああ」
そう言って2人は病室を後にした。残った鬼道をチラリと見て、溜め息を吐く。
「もしかして様子がおかしい?」
「まあな。何かあったのか?」
そう聞かれ、オレは思わず枕の下に隠したメモを触った。
「お前たちが来る前にバルセロナオーブの10番、クラリオ・オーヴァンが来てな」
「クラリオ・オーヴァンが?」
「ああ。それで話をして、ちょっと珍しく考えてるんだ」
「そうか。……これ以上は聞かないでおいた方が良さそうだな」
そう言うと鬼道は荷物を纏め、立ち上がる。
「オレはお前の選択を尊重する」
「そうか、助かるよ」
「どちらに転んでも日本のサッカーへのプラスにはなるからな。じゃあな白撫、学校で会おう」
「おう」
ほどなくして、鬼道も病室をあとにした。
オレ以外いなくなった病室で、改めて枕の下に隠したメモを触り、今度はそれを取り出す。
そのメモには『クラリオ・オーヴァン』と名前が、そしてその名前の下には電話番号が綴られていた。
『オレが? バルセロナオーブに?』
『そうだ』
『つまりスカウトってことか。しかしまたどうして……』
『昨日の試合を通し、君に世界のレベルを体験してほしいと思った。それに、良い選手をチームに引き入れたいと思うのは当然だろう』
『確かにそうだが……』
『すぐに、とは言わない。もし決断したならばこの番号に連絡してくれ。私のケータイに繋がる』
そう言われ、渡されたのがこのメモだ。
そのメモとサッカー強化委員の学校リストを交互に見比べる。
「あーもう!」
バンッ! と音を立てながらメモとリストをタンスの上に置く。
「どうしたもんか、知るもんか! とりあえず寝る!」
今日はちょっと予想もできないイベントが盛り沢山すぎた。そのせいで頭がパンク寸前だ。
だからオレの頭がパンクする前に、やけくそ気味に寝に入った。
恐らく、次話で亜嵐くんがどうするか決まります。
なのであと少しでアレスの天秤に入れるかと!