過去に戻ったと思ったらなんか違う 作:クソザコブロッコリー先輩BB
諺調べないとね……。
少年サッカー教会からの協力要請を受けてから4日が経過した。
既に雷門サッカー部の半分以上は雷門中には居らず、強化委員として転校している。曰く、1日でも早くチームを強くしたいだとか。
例外として、一之瀬と土門はアメリカに戻り、夏未嬢は各国のサッカーレベルを調査するために海外へと発った。
「染岡は白恋中か。これも奇妙な運命か? それにしても吹雪士郎と吹雪アツヤねぇ……」
染岡が見してくれた白恋中の選手リストを思い出す。そこには過去に死んだはずの
確か吹雪から双子って聞いていたが、このリストを見ると吹雪士郎は2年で吹雪アツヤは1年だ。
(エイリア学園の襲撃が無い代わりにバルセロナオーブとの試合、そして吹雪アツヤの生存。どうやらただ過去に戻ってきたわけではなさそうだな……)
あまり詳しくはないが、バタフライエフェクトというやつだろうか? それとも世界線? とやらが違うのか……。
(ということは他にも色々と変わっていることがあるのかもしれないな。冬花の両親が生きてたり、ヒロトさんが生きてたり……)
そうと決まれば帰って親に聞かないと!
「おい白撫、どうするか決めたのか?」
「げっ鬼道。人が現実逃避しようとしている所に来やがって……」
「そうか、なら話しかけて正解だな。どうするんだ、あと3日しかないぞ」
「わかってるよ」
「決まってないのは円堂とお前だけだ」
「マジ!? 鬼道もう決めたの!?」
「ああ」
そう言って転入先が書いてある書類を見せてきた。
そこには『星章学園』と書かれていた。
「帝国じゃなくていいのか?」
「ああ。俺が戻れば以前と同じ帝国になると思ってな。それなら佐久間のもとで新しい帝国を作ってほしいと考えてる」
「それ佐久間には?」
「もちろん言ってあるさ」
「ふーん。ま、帝国は元から強いからな。もしかしたら鬼道が居た頃より強くなっちゃうんじゃね?」
ニヤリと笑いながらそう言うと、鬼道も含みのある笑顔で返してきた。
「それなら戦うのが楽しみだな」
鬼道のこういう所を見ると、円堂に負け劣らずのサッカーバカだなと再確認される。
「あと3日だ。お前も早く決めるんだな」
「おいおいあと3日
「危機感持ってというだけだ。俺はこれを提出してくる」
「ん、じゃあな鬼道」
「ああ、またな」
そうして鬼道は教室を去っていった。
そんじゃあオレも帰りますかね。
しかし、鬼道には「あと3日もある」なんて言ってしまったが、本当に3日で決められるのか?
個人的には海外のサッカーを体験してみたいという気持ちは勿論ある。だが日本のサッカーレベルを押し上げなければいけないというのも使命感としてあるのは確かだ。
「んーどうしたもんか」
靴に履き替え外に出る。
梅雨が明けたせいか、太陽がより眩しく感じる。
「とりあえずボール蹴りてぇなぁ……」
しかし問題を後回しにしているようで嫌だな。
「……ーい……」
んー……。
でも最近ボールに触ってないしな。
「おーい……」
いっその事行き先を運に任せるという手も……。
「おい、亜嵐!」
「うぉビックリした!」
いつの間にか緑髪の少年がオレの前に立っていた。それほど考え込んでいたのだろう。
って、緑髪?
「よっ、久しぶり。会うのは中学に入る前くらいか?」
そこには特徴的な緑髪を後ろで結んでいる少年。
「えーと……」
「えっもしかして俺の事忘れてた!?」
「いやそうじゃなくてだな」
時期が時期だからどう呼んだら良いかわかんないんだよ!
でもとりあえず本名呼ぶのが正解か?
「えっと久しぶりだな、緑川」
「ああ久しぶり! 旧交を温めに来たぞ」
○○
緑川を連れて鉄塔まで来た。
ベンチに座り、思い出話に花を咲かせて分かったことは3つ。
まず1つ目、どうやらエイリア学園はエの字すら無いらしい。
それをそれとなく聞いてみたら、「何言ってんだよ亜嵐。テレビの見すぎじゃないか?」と言われた。
あ、そっかァ……。
2つ目。ヒロトさん──吉良ヒロトは生きているということ。
どうやらこの世界? では瞳子さんの弟ということになっているらしい。
そして理由は分からないが不良少年になってしまったらしい。
えぇ……。
ただそのせいか、オレがいた世界のヒロトはここではタツヤになっているようだ。ややこしいな、おい。
そして3つ目。
「それで、オレに永世学園に強化委員として来てほしいと」
「ああ頼むよ。そりゃサッカーは皆できるけどさ、サッカー部は出来たばかりだから」
これだ。
強化委員として永世学園に来て欲しいとのことだ。
あっ、前言撤回。
「え」と「い」はありました。(小声)
「それ、他の人も言ってるのか?」
「うん。また亜嵐とサッカーしたいな、とは言ってる」
「……お前、直談判に来てること皆に内緒で来てるだろ」
「い、いやーなんのことやら」
コイツ……(呆れ)
ぶっちゃけ、お日さま園の奴らは日本トップレベルの腕前を持つのがチラホラいる。だからオレが行くと過剰戦力になりそうな気がするんだけど(建前)
「亜嵐は俺たちとサッカーやりたくないのか……?」
「やりたい(本音)」
あっ、そうだ(唐突)
ここでオレとお日さま園の繋がりについて簡潔に説明しよう。
オレの親父がお日さま園のパトロンであり、そのせいか親父が吉良星二郎さんと会う用事が頻繁にあった。オレはそれに連れて行かれ、お日さま園の奴らとよく遊んでいたというわけだ。
前の世界? では途中でエイリア学園の件もあってパトロン辞めたりまたしたりと色々あった。とりあえずその時はオレがひどい目にあいました(憤怒)
でもこの世界だとパトロンは続けてそうだな。
「ただ、少し迷っててな」
「迷うって何にさ?」
「今、選択肢が2つ出来たんだ。1つは強化委員としての挑戦。もう1つは俺自身の挑戦。どっちを選ぶか珍しく迷っててな」
「二者択一の状況ってことか」
「まぁそうだな」
それ、諺じゃなくて四字熟語だけど。
「個人的には永世学園に来てほしいけど、それじゃあ無理は言えないな」
「悪いね」
「いやいいんだ。久しぶりに話せて良かった」
「そろそろ帰るよ」と言って緑川は立ち上がる。
「ただ1つ言える確かなことは、永世学園は亜嵐が来ることを歓迎するよ」
「そうか。てかそうじゃなきゃ行きたくないわ」
「はは……、まぁそうだよな。じゃあな亜嵐、またサッカーしようぜ!」
「ああ、またな。オレと会ったことバレるなよ」
「? わかった」
緑川はオレが言った言葉の意味をイマイチ理解しないまま、帰っていった。
前の世界がそうなら、多分この世界でもバレたら厄介な奴がいるだろうからな。(確信)
「それにしても、どうしたもんかな」
「どうかしたのか?」
「うぉ!?」
独り言を呟いたと思ったら、いつの間にか円堂が後ろにいた。
「え、円堂、いつからそこに……?」
「今来たばっかりだ」
ジャージ姿の円堂は鞄をベンチに置きつつ答えた。
緑川とはすれ違いか。
「そうか、タイヤやりに来たのか」
「これだけはしようと思って」
円堂は木にぶら下がっているタイヤを思いっきり投げ、振り子の要領で戻ってきたタイヤを受け止める。
「最初の頃と比べると、随分と楽に受け止めれるようになったな」
「そうだな。やっぱり特訓あるのみ、だな!」
ニカッと円堂らしい笑顔をこちらに向ける。
……円堂にちょっと相談してみるか。
「なぁ円堂」
「なんだ?」
「自身の力試しをするための挑戦と新しい仲間たちと一緒に強くなる挑戦、お前は2つのうちどちらかしか選べなかったらどっちを選ぶ?」
「それって片方は強化委員のことか?」
「まぁそうだな」
「もう片方はわかんないけど、うーんそうだな……」
円堂は特訓をやめると顎に手を当てて考え込む。
こういう時の円堂は頼りになる。(雷門サッカー部調べ)
「なあ、質問なんだけど」
「ん?」
「それってどっちも選んじゃいけないのか?」
「おい待てい(江戸っ子) お前ちゃんと人の話を……」
待てよ? 2つ選んじゃいけない……?
「なるほど、そういうことか!」
それは全くの盲点だった!
「ん?」
「ありがとう円堂! お前のおかげで解決しそうだ!」
「お、おう」
こうしちゃいられないと荷物を早々に纏め、自宅へと向かって走り出す。
円堂のアドバイス通りにいけば、オレにとっても日本のサッカーにとっても一石二鳥のはず。
「今年中は短期留学して、年が越したら永世学園に強化委員として転入する……!」
そのために色々な所に確認を取らなくちゃな!
主人公くんは欲張りだなぁ()
ということでタグにある通り強化委員の配属先は永世学園に決まりましたが、意外にもバルセロナオーブ加入ルートが人気だったのでこういう形になりました。
ただ、元のプロットにはバルセロナオーブに加入する話はないので、出来上がり次第、番外編として投稿していこうかなとは思ってます。
そのため、次回からは永世学園に転入してアレスの天秤に入ります。
ちょっとだけ設定の変更点(バルセロナオーブに短期加入という設定)もあるから気長に待っててください。
あれ? これって日本代表になるかバルセロナオーブに戻るかの2択が出来てね……?
ま、いっか!
あと、ヒロトさんって言っている理由を知りたくばアニメを見るかイナズマ2やって♡