ド一ノレズフ口ソトライソ 作:MIA
"こんだけのレア銃を実戦に放り込むとかどうかしてるぜ"
2030年に、子供の冒険ごっこが原因で起こった第1次
そんな絶望に事欠かない時代に生きる俺たちにとって、娯楽や文化は貴重で、敬愛すべきものだった。新しいものがなかなか生まれなくなっていくこの時代では、
やがて膨れ上がった風船が割れるかのように、とうとうそれは起きる。
"何が始まるんです?"
長い年月を経て、この問いへの答えが現実になってしまった。
"第三次大戦だ"、と。それは2045年のことだった。
資源の少ない中起きた奪い合いだ。当然世界大戦も長くは続かなかったが、こんな時でも人間は戦争で技術を存分に育てることができた。
終戦後ボロボロの人間社会を支えたのは、皮肉にも戦争によって生み出された【自律人形】だった。人と見た目は変わらずとも、テクノロジーによって人を超えた性能を持つ者たち。民生用に技術転用して生まれた"彼女"たちは、労働力だけでなく、頼もしい友人とまで呼べる存在となっていた。
だが現実はさらに過酷な試練を与えた。鉄血公造株式会社にて製造されている戦闘用の人形にエラーが起き、人類に牙を向いた。ニュースでこれを聞いた時、驚く前に俺は呆れていた。そんな手垢まみれの展開を終戦後にやりやがるのかと。ターミネーター全シリーズ見直してこいと。全作が収められた記憶媒体を送りつけたいところだったが、あいにく鉄血の社員は皆
暴走した人形たちは、かつての崩壊液のように各地に被害をもたらしていった。しかし、それから世界を守る盾となったのは、同じ人形たちだった。
【戦術人形】。民生用に普及していた自律人形、そして人間の歩兵武装の到達点たる"銃"。それらをプログラムによって繋ぎ合わせることで生まれた、人類の剣であり盾であり、希望。
三度の大戦を経た先に待ち受けた未来は、人の生んだ技術と技術が争い合うなんとも業の深い世界になってしまった。人は過ちを繰り返す。
そんなデバフにデバフを重ねたような終末間近の2062年。戦術人形を主力として運用する
生い立ちはそんなに特殊ではない。北蘭島事件の数年後に日本で生まれ、他の同年代の例に漏れず、黄金時代の様々な文化に囲まれて育ってきた。普通の人間はそういった過去の文化だけでなく、人付き合いや恋愛、セックスや酒なども生き甲斐とする者が多かった。
だがどうやら俺はそういったものとはあまり縁がなかったらしい。それらからすら逃避するように、一層過去の文化、それもかつてサブカルチャーと呼ばれていたカテゴリに傾倒するようになっていた。
映画、ゲーム、音楽、アニメ、漫画、等々…。第三次世界大戦で徴兵される頃には、すっかり一人のオタクが出来上がってしまっていたのだ。
黄金時代の文化とかそういうくだりは、価値観やコモンセンスが似通った動かしやすい指揮官にしたかったのでそれを理屈付ける設定です。昔の文化や作品のリバイバルとか現代でも起きてることだし、ポストアポカリプス化してく世界なら、なおの事そういった事が強く起きるんじゃないかなぁとか思ったので。