帰ってきたヒトラーは鎮守府に着任しました。   作:たむがや

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25:村田幸輝の夢

 私は佐世保鎮守府の執務室で、青葉から送られてきた動画をノートパソコンで見ていた。ヒトラーの演説の後に、拍手が鳴り響く、そんな動画だ。私は思わず興奮した。彼の言葉には熱がある。彼の思想には熱がある。彼には熱がある!

 私は興奮のあまり、ノックの音を聞き逃していたようだ。

「クソ提督?どうしたの息荒くして。まさか執務中にエ、エッチな動画見ていたんじゃ無いでしょうね!」

「いや、流石に執務中にはエロ動画は見ないよ」

「ならエロゲね!最低!」

「おい、お前は俺のことをなんだと思ってるんだ・・・」

「クソ変態よ、分かった?」

「泣いちゃうよ僕・・・」

「フン!知らないわよ」

そう言って曙は出ていく・・・って何しにきたんだ。まぁいい。心を落ち着かせる為に深呼吸をする。

「司令、曙が赤面して部屋を出て行ったのですが・・・また何かやらかしたのですか?」

「なんで僕が悪い前提なのかな、不知火君?」

「不知火に落ち度でも?」

「ヒッ、あ、ありましぇん!」

怖い。内臓を抉られた気分だ。あの目は無感情で人を殺せるタイプの・・・あ、あれ見せてみよ。

「そ、それより不知火、コレ見てみてくれ」

「なんですかそれ、エロMMDでも作ったんですか?」

「なんでそんなん見せると思った!」

「作っていることは否定しないのですね」

「くっ、そうやって揚げ足取りしやがって」

少し間を開け一つ咳をする。パソコンの画面を不知火に向け、先程見ていた動画を再生する。

「ヒットラーですか?」

「あぁ、ヒトラーだ」

「そう、ですか・・・」

不知火は見入っていた。そして、魅入っていた。これを見て興奮しない奴はきっと理性の塊か心が無いのだ。そうとしか思えない。彼の声には魔力がこもり、彼の思想は覚醒剤だ。一度引き込まれれば二度と出ることは出来ない。そして、彼は超人と呼べる男だ。彼に惚れない人間なんていないだろう。仮にいるのならば、それははなから拒否しているからだろう。まったく、損であるし、馬鹿馬鹿しい。

ふと、不知火の顔を見ると、何時にもなく怖くなっている。怒っているとか拗ねているとかそういうことではない。笑顔だ。不知火の顔はまさに、深海棲艦を殺し、深海棲艦に殺されんとする時に見せる笑顔だ。血の温かさは身を離れ、海の冷たさは温かく己を包み、身体の痛みは快楽に、精神の疲弊は幸福へと変化する。そんな時に瞬間的に自発的にでる微笑みだ。

わかるわかると心の中で頷くと、不知火は赤面し始めた。初めはなぜだかわからなかった。だが、ネットで拾ったAV女優の喘ぎ声が響いて気がついた。

「見るのを止めろ不知火!」

慌ててパソコンを閉じる。

私が作ったエロMMDだ。動画のランダム再生を切るのを忘れたミスだ。クソっ。適当に突っ込むんじゃ無かった。しかもこの喘ぎ声、不知火用の音声だ。殺される。

「し、不知火君?」

2秒後、執務室の机はパソコンと共に真っ二つに割れた。やはり、艦娘の力は強い。うん。

「すいませんでした」

私は土下座した。平謝りだ。何時にもなく不知火が怖い。

 

ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ━━━私の夢はヒトラーの夢を叶えること。それと、ここに所属する艦娘全員のエロMMDをつくること、だ!

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