帰ってきたヒトラーは鎮守府に着任しました。   作:たむがや

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41:工作艦が仲間に加わりました!

 佐世保鎮守府、執務室。そこに佐世保の司令官と大淀がいた。

 

「は?明石が逃げた?」

 

「はい、そのようです」

 

「え?なんで?どこに?」

 

「呉に。置き手紙に書いてありました」

 

「はへぇ、深海棲艦騒ぎで逃げ出したんか。まぁいいや。放置の方向で」

 

「了解しました」

 

──────────

 

 外からは海鳥の鳴き声や小波がテトラポットにぶつかる音、そして、艦娘の声が、美しい調べとなって聞こえてくる。窓から暖かい日が室内を明るく照らしている。初めは捗っていた書類仕事も、いつしか睡魔に邪魔されて、カリカリとならなくなっている。

 

 こんな日には外に出て、風景を描くのもいいかも知れない。

 

 美しい海、澄み切った空、華奢な鎮守府。きっと素晴らしいできになるだろう。

 

 さぁ、これからどうするか。画材はこの鎮守府にあるだろうか。

 

 そう、私がゆったりとした時間の流れに身を任せていた時だった。

 

「ハーーーーーイル・ヒッッットラァァァアアア!!!」

 

「ノックをせんか、まったく」

 

 夕張はぴょんぴょん跳ねながら近寄って来る。

 

「総統!朗報ですよ朗報!」

 

「朗報?」

 

「はい、そうなんです!なんと!」

 

「なんと?」

 

「佐世保から!」

 

「佐世保から?」

 

「明石さんが来ました!」

 

「アカシさんが来たの?」

 

 ガチャリと扉が開く。

 

「工作艦明石です!」

 

「あ、どうも」

 

「どうもです」

 

 沈黙が続く。私は沈黙の力を知っている。これは意図せぬ不味い沈黙だ。具体的に言うと、突然すぎて何を話せばいいかがわからない。日本人風に言うのであれば、コミュ障発揮しちゃった♪みたいな感じか。うん、イマイチわからん。

 そんななか、ふと、気になることがある。

 

「なぁ、どうしてここにいる?」

 

「総統のもとで働けば面白いこと出来るかなーって思って」

 

「そんな理由でか!?」

 

「そういう理由でですよ!」

 

 恐る恐る問いかける。

 

「ちなみに、何したいとかあるのか?」

 

「うーん、ガンダムを作りたい」

 

 後ろで夕張が目をキラキラ輝かせながら頷いている。その事に、少し嫌な予感がしてしまう。

 

「ガンダム?」

 

「えぇ、ガンダムです」

 

「ガンダムとは?」

 

「有人操縦式の人型ロボット兵器です!」

 

「はぁ」

 

 そこに夕張が補足で説明を加える。

 

「つまりはエヴァンゲリオンみたいなものですよ」

 

「はぁ?」

 

 余計分からなくなった。

 

「第一、そのガンダムとやらは何故人型なのだ?兵器が人型である必要性とはなんなのだ?」

 

 2人は硬直する。痛いところを突かれてしまったと言わんばかりに口をあんぐり開けた間抜けな顔を晒している。

 

「そ、それはですね・・・」

 

 明石が返答に困っていると、すかさず夕張がフォローをいれた。

 

「ロマンですよ!総統も好きでしょ?ロマン」

 

「確かにロマンは求めていきたいが、人型である必要がやっぱりわからないんだよなぁ」

 

「そう、ですよね」

 

「まぁ、あれだ。人型かどうかはともかく巨大兵器は作ってもいいから」

 

「まじですか!?」

 

 彼女は嬉しそうに笑った。いい笑顔だ。

 

「ふぅ。部屋は勝手に空いている場所を使いなさい。君は今日からここの鎮守府の一員だ」

 

 彼女はやったーとぴょんぴょん飛び跳ねて喜び、ひとつ敬礼をした。敬礼をし返すと、それをなおし、ドアの方へ向かう。

 彼女はふりかえり、にこやかに微笑んだ。

 

「これからよろしくお願いします。提督!」

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