帰ってきたヒトラーは鎮守府に着任しました。   作:たむがや

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43:我々の敵

 

  我々の敵とは何者だろうか。ふとした瞬間に考える。男ならば、いや、人ならば、考えてしまうものだろう。

 今一度自分自身に問おう。

 我々の敵とは何者だろうか。

 

 

 

「ということで、我々の敵とは何者だろうか会議を開きます」

 

 レーベが勢い良く賛同する。

「総統思慮深いよ!総統!すごい!」

「いやー、それ程でもあるかな、あは、あはは」

 正直いってめっちゃ可愛い。

 

 龍田が呆れながら続く。

「ふふっ、なにも凄くないわよ。提督?」

「あ、あぁそうか、そうだな」

 正直いってめっちゃ怖い。

 

 鎮守府内の会議室には今、私とレーベ、龍田、ビスマルク、赤城、夕張がいる。我々の敵を確認するために集まってもらったのだ。

 我々の敵、漠然としているこの議題に、彼女らはどのような答えを出すのだろうか。

 

「で、我々の敵とは誰だと思うかね」

 

 少し困惑気味に赤城は答える。

「え?深海棲艦では?」

 

「確かにそうだな。でも、なんか違う」

 なんだろう。面白味に欠けるというか、当たり前すぎる。てか、なんで深海棲艦敵なんだろう。そこら辺のことを私は知らない。

 

「第一さ、なんで深海棲艦と戦ってるの?」

 

「それは、深海棲艦が諸国家の海域を占領しているからですよ」

 

「ふーん」

 

 諸国家の海域ねえ。ドイツはそれほど海に面してないし、うちの海がやられる時はライミーの海がやられる時だしなぁ。第一、負けたドイツに興味無いし。

 

「知ったこっちゃないな」

 

 みんなドン引きしている。

 

「はい、レーベ!」

「は、はい!北朝鮮だと思います!」

 

「はい、ビスマルク」

「ロシアじゃないかしら」

 

「夕張」

「中国じゃない?赤いし」

 

「龍田」

「立地的に韓国では?」

 

「赤城」

「へ?えー、これはもう東アジアなのでは?」

 

「ふむ、もう一周!レーベ」

「フランス」

 

「ビスマルク」

「イギリス」

 

「夕張」

「えー、アメリカ」

 

「龍田」

「オーストラリアかしら」

 

「赤城」

「もうそれは人類なのでは」

 

 赤城は冗談交じりにそう言った。が、その瞬間、電撃が走る。その言葉に納得してしまったのだ。

 

「そうか!我々の敵は人類なのだ!なぜ気づかなかったのだ!」

 

「へ?」

 

「我々は深海棲艦と協力し、人類を支配する!新たな新人類として君臨するのだ!」

 

「それは人類を裏切ることになるのでは!?」

 

 赤城は焦り、心配そうに私を見た。

 

「その通りさ、赤城」

 

「え?」

 

「人類を裏切るのだよ!ははははは!なぜ気づかなかったのか!」

 

 ドイツ艦娘は生き生きと賛同する。

「総統の言う通りだよ!」

「ヤー!」

 

 我々の敵とは人類だった。

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