我々の敵とは何者だろうか。ふとした瞬間に考える。男ならば、いや、人ならば、考えてしまうものだろう。
今一度自分自身に問おう。
我々の敵とは何者だろうか。
「ということで、我々の敵とは何者だろうか会議を開きます」
レーベが勢い良く賛同する。
「総統思慮深いよ!総統!すごい!」
「いやー、それ程でもあるかな、あは、あはは」
正直いってめっちゃ可愛い。
龍田が呆れながら続く。
「ふふっ、なにも凄くないわよ。提督?」
「あ、あぁそうか、そうだな」
正直いってめっちゃ怖い。
鎮守府内の会議室には今、私とレーベ、龍田、ビスマルク、赤城、夕張がいる。我々の敵を確認するために集まってもらったのだ。
我々の敵、漠然としているこの議題に、彼女らはどのような答えを出すのだろうか。
「で、我々の敵とは誰だと思うかね」
少し困惑気味に赤城は答える。
「え?深海棲艦では?」
「確かにそうだな。でも、なんか違う」
なんだろう。面白味に欠けるというか、当たり前すぎる。てか、なんで深海棲艦敵なんだろう。そこら辺のことを私は知らない。
「第一さ、なんで深海棲艦と戦ってるの?」
「それは、深海棲艦が諸国家の海域を占領しているからですよ」
「ふーん」
諸国家の海域ねえ。ドイツはそれほど海に面してないし、うちの海がやられる時はライミーの海がやられる時だしなぁ。第一、負けたドイツに興味無いし。
「知ったこっちゃないな」
みんなドン引きしている。
「はい、レーベ!」
「は、はい!北朝鮮だと思います!」
「はい、ビスマルク」
「ロシアじゃないかしら」
「夕張」
「中国じゃない?赤いし」
「龍田」
「立地的に韓国では?」
「赤城」
「へ?えー、これはもう東アジアなのでは?」
「ふむ、もう一周!レーベ」
「フランス」
「ビスマルク」
「イギリス」
「夕張」
「えー、アメリカ」
「龍田」
「オーストラリアかしら」
「赤城」
「もうそれは人類なのでは」
赤城は冗談交じりにそう言った。が、その瞬間、電撃が走る。その言葉に納得してしまったのだ。
「そうか!我々の敵は人類なのだ!なぜ気づかなかったのだ!」
「へ?」
「我々は深海棲艦と協力し、人類を支配する!新たな新人類として君臨するのだ!」
「それは人類を裏切ることになるのでは!?」
赤城は焦り、心配そうに私を見た。
「その通りさ、赤城」
「え?」
「人類を裏切るのだよ!ははははは!なぜ気づかなかったのか!」
ドイツ艦娘は生き生きと賛同する。
「総統の言う通りだよ!」
「ヤー!」
我々の敵とは人類だった。