帰ってきたヒトラーは鎮守府に着任しました。   作:たむがや

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46:深海の反応

 南太平洋某所では、深海棲艦が日本籍と思われる小型艇計15隻の轟沈を確認していた。

 そのうち3隻を沈めた深海棲艦たちは、ゆらゆら沈む残骸を注意深く観察していた。

 

 そこでは、現場責任者である戦艦レ級が頭を抱えていた。

「コレハ、陸カラノメッセージニ違イナイガ、内容ハ講和ノ類デハナサソウダ。上ニ相談スベキカ否カ…

 ドウ思ウ?」

 それに重巡リ級が答える。

「上ヲ呼ブベキカト」

 

 そうして、上層部にあたる南方棲鬼が現場にやってくる。

「ドウシタノダ?」

「人類トハ考エニクイメッセージガ沈ンデキタノデス」

「ドレドレ?」

 南方棲鬼も頭を抱えながら思わず笑みをこぼす。

 

“集え、ヒトラーのもとに”

「死人ノモトニ集エトハ笑ワセル」

 

“ともに勝利を掴もう”

「トモニ勝利ヲダト?敵同士デハナイカ?何カラ勝利スルトイウノカ」

 

“万国の艦船よ、団結せよ!”

「マサカ、我々ト陸ノ艦ガ協力スルトイウコトカ?」

 

“打倒人類!”

「ハハハハハ、オモシロイデハナイカ!」

 

 南方棲鬼は、続いて映像を確認する。

 

「陸ノ暮ラシ、陸ノ世界、ソシテ共闘ヲ叫ブ、アドルフ・ヒトラーノ姿。オモシロイ。大変オモシロイ」

 

 南方棲鬼は配下の深海棲艦共に叫ぶ。

「至急、コノ情報ヲ他ノ上層部ニ伝達シロ!」

 

 駆逐艦達が一斉に散り散りになる。

 

 そして3日後、深海棲艦の主力達が一堂に会し、会議を始めた。南方棲鬼の言葉から会議は始まる。

 

「集マッテモラッタノハ他デモナイ。ヒトラートイウ男ノコトダ」

 

 駆逐古鬼が気だるそうに応える。

 

「今マデト同ジヨウニ無視デイイノデハナイカ?」

 

「イイヤ、コノ男ハ今マデト違ウ。共闘ヲ謳ッテイルノダゾ?」

 

「ダカラドウシタトイウノダ?無視デヨイ」

 

 軽巡棲鬼がそれに強めに噛み付く。

 

「頭ガ硬イナ、貴方ハ」

 

「ナッ」

 

 港湾棲姫があざとく首を傾げる。

 

「ワザワザ私達ヲ集メタ意味ハ何カシラ?」

 

「私ハコノ男ト会ッテミヨウト思ウンダ」

 

 ハハハ…と皆がオオグチボヤのような口をして笑う。

 駆逐棲姫が問いかける。

 

「ソレデドウスルトイウノ?」

 

「見定メル。ソシテ、駒トスルカ、殺スカ決メルノサ」

 

 また、笑い声と動揺の混沌が深い海にこだまする。

 

「オモシロイ!」

「イイジャナイカ!」

「人間共モコレデコリルダロウヨ!」

「賛成ダ!賛成ダ!」

 

「罠ダッタラドウスルンダ!」

「リスクガ見合ッテナイ!」

「キケンスギル!」

「反対ダ!反対ダ!」

 

 そこへ戦艦水鬼が口を挟んだ。

 

「私ヲソコヘ連レテ行ッテクレルナラ賛成スルワ」

 

 主力中の主力のその発言に一瞬静まり返った。が、再び一気にその場がザワつく。

 

「圧倒的ナ主力デオ出迎エシテヤレバイイノヨ!」

「シズメテヤレ!」

「水底ヘ案内シテヤレ!」

「シズメ!シズメ!」

 

 反対していた面子も賛成に一気に転じる。

 

「ヨォシ!舐メタ口ヲ塞イデヤロウ!」

 

 南方棲鬼が喝を入れる。

 それに、深海棲艦達は咆哮をあげるのだ。

 

 

 深海棲艦との講和に向けたコンタクトはアメリカをはじめとして、多くの国が前々から極秘裏に行っていた。それにうんざりしていたことも相まって、今、共闘に向けた会談へと動き出したのだ。

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