帰ってきたヒトラーは鎮守府に着任しました。   作:たむがや

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47:スツーカの妖精?さん

 外からは海鳥の鳴き声や小波がテトラポットにぶつかる音、そして、艦娘の声が、美しい調べとなって聞こえてくる。窓から暖かい日が室内を明るく照らしている。初めは捗っていた書類仕事も、いつしか睡魔に邪魔されて、カリカリとならなくなっている。

 

 こんな日には今は亡きブロンディとボール遊びでもしたいものだ。・・・犬、飼おうかな。

 

 そう言えば、日本にも固有の犬がいると聞く。シバイヌとか、アキタイヌとか、トサイヌとかいるらしい。今度、しっかり調べてみるとしよう。

 

 さぁ、ここからどうするか。昼寝をするのもありかもしれない。

 

 そう、私がゆったりとした時間の流れに身を任せていた時だった。

 

「「ハーーーーーイル・ヒッッットラァァァアアア!!!」」

 

「ノックをせんか、まったく。それで、なんの用かね?」

 

 明石と夕張である。

 

「「私達が開発してた時なんですよ!」」

 

「明石さんが急に最強の艦載機が作りたいって言いましてね」

 

「そしたら、夕張が勲章を突っ込んだら、歴戦を潜り抜けたのが出来るんじゃ無いかっていいましてね」

 

「じゃあ、空軍の勲章にしようってなるじゃないですか」

 

「だけど日本には空軍が無い」

 

「じゃあ総統もいる事だしドイツのにしよう」

 

「優れた軍功に与えられるヤツにしよう」

 

「その中で一番良いヤツにしよう」

 

「それだったら黄金柏葉・剣・ダイヤモンド付騎士鉄十字章にしよう・・・ってなった訳です」

 

私は勢いに呆気に取られてしまっていた。私は一息置いて、尋ねるべきことを尋ねた。

 

「それで?何が言いたい」

 

「勲章を再現して、開発の材料にして、できたのがこのスツーカ!」

 

明石が高々と掲げるのは、『Ju87C改』通称スツーカ。

 

「何処か凄いのか?そのスツーカ、普通に見えるが?」

 

「え?スツーカは普通ですよ?」

 

夕張の思わぬ発言に唖然とし、希薄ではあるが怒りが込み上げる。

 

「では何故持ってきた!?」

 

「凄いのは、妖精さんなんです!」

 

「は?」

 

「艦載機を運転する妖精さんがですね、なんと!」

 

「なんと?」

 

「あの!」

 

「あの?」

 

「ハンス・ウルリッヒ・ルーデルだったんです!」

 

「はぁ、ハンス・ウルリッヒ・ルーデルか・・・・・・は?」

 

スツーカからちょこまかと顔を出す妖精は、確かにルーデルの奴にそっくりだった。

 

「Heil Hitler. Lange nicht gesehen. (ハイル・ヒトラー。お久しぶりです。)」

 

「驚いた・・・」

 

「〈総統閣下がおられるということは、この大和民族が言っていた通り、帝国は復活するのですね?〉」

 

「そのつもりだ・・・。そんな事より・・・なんて言うか・・・小さいな・・・」

 

「〈小さいですな。ですが若くもなっています。足も二本ありますし・・・。それこそ、私サイズの戦闘機さえあれば何時でも出撃できます。で、いつ出撃すれば?〉」

 

 

「・・・明石、夕張、集合」

「なんですか?褒めても何も出ませんよ?」

「茶化すな明石・・・。実はな・・・。ちょっとルーデル苦手なのだよ」

 

「というと?」

「私は20世紀最悪の独裁者とか言われてるんだよな?」

「まぁ、そうですね」

「そんな独裁者にも制御できない戦闘狂は、な?」

「えー・・・そんなになんです?」

「そんなにだよ・・・。後方勤務拒否ってなんだよ・・・。戦えないなら勲章授与拒否ってなんだよ・・・。言うこと聞いてくれよホントに・・・。人のこと言えた口じゃないけどさ。病院で大人しくしててくれよ・・・」

 

「うーん、でも、上手く使えたらめっちゃお得じゃ無いですか?」

「上手く使えるかなぁ」

 

 私はルーデルの方を向き、敬礼をした。するとルーデルわその小さな腕で可愛らしく敬礼を返した。

 私は仕方ないと開き直り、小さなルーデルと握手をし、彼を迎え入れることを決めたのだ。

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