南方棲鬼は苦笑を浮かべながら私に近づいてきた。
「フハハ。カンゲイスルゾ。オマエハ我々ニ近イヨウダ」
私も思わず苦笑する。人間だと思っていたら、艦娘や深海棲艦の類だったとは。でも、その方が良い。やはり、我々は新人類なのだ。
「ハハハ。貴様ノ度胸ヲ認メヨウ」
「それは、どういう?」
「傘下ニ下ロウ。条件ツキダガナ」
「条件とは?」
「オマエノ司令部ニ我々ノ誰カヲ常駐サセロ」
「それくらいいいだろう」
私と彼女は強く左手で握手をした。
「南太平洋ノ艦隊ダケダガ、仲良クシヨウジャナイカ」
「あぁ」
こうして、我々の計画は成功を収めたのだ。
その後、パニックになったレーベを宥めた。その間、深海棲艦が常駐する者を決めていたようだ。
我々はそうして帰路に着いた。新たな仲間と共に。
呉鎮守府につくと、食堂に集まった。
皆に、酒をたっぷり注いだグラスを配る。そして、私は皆の前に立ち、失った右腕を軽く撫でて、左手でグラスを持った。そして、声高らかに音頭をとった。
「会談の成功を祝して、乾杯!」
「「「乾杯!!!」」」
私のもとへ6人の深海棲艦がやってくる。司令部に今後常駐するもの達だ。右手をあげ、ハイルと敬礼すると、それに習って返してきた。その後私は左手で強く握手をし、一言づつ挨拶をした。
「君たちは我々との同盟をどう捉えている?」
タ級は即座に答える。
「不服ダワ」
「そうか不服か!」
私は思わず笑ってしまう。深海棲艦もレ級をのぞきニヤリと笑う。対して、艦娘たちは睨みをきかす。レ級はあからさまに焦っている。簡単に言ってしまえば一触即発といったところか。
「不服で構わぬとも!貴様らがなんと思おうが私は絶対である!それに変わりは無いのだから!」
「エエソウネ」
「全クモッテソウダワ」
レ級だけが涙目だ。
「オマエラァ」
そういえば、と、ひとつ思い出す。資料によれば、戦艦タ級、戦艦ル級、戦艦レ級、重巡リ級3人であることがわかる。ただ、本人達はこの呼称が馴染みがある訳ではない。人類の勝手な呼び名だ。どうしようかと悩んでいると、ビスマルクがやってきた。
「総統が名前をつけてさしあげればいいのでは?」
「それもそうか。君たちもそれでいいか?」
「エエ、カマイマセン」
「君は、戦艦レ級だったな」
「そうかそうか」
レ級か…。レーア、レニャ、レイチェルぐらいか。うーむ。レニャ。この可愛らしい容姿にピッタリか。
「君は今日からレニャだ」
「ワカッタ」
「タ級はダニエラだ」
「了解シタ」
「ル級はルイーザ」
「ウン、気ニ入ッタ」
「リ級の3人は右からリーゼ、リリー、リアだ」
「ウン」
「ハイ」
「イイナ」
私はコホンと1つ咳払いをした。
「レニャ、ダニエラ、ルイーザ、リーゼ、リリー、リア。改めてよろしく頼むぞ」
彼女たちはにっこり微笑んだ。