帰ってきたヒトラーは鎮守府に着任しました。   作:たむがや

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7:兵装実験艦の性

 椅子を出してレーベを隣に座らせる。ここからが本番である。

 水を一口飲んで夢の第四帝国の中心都市の構想に妄想を膨らませる。

 するとノックと同時に緑ががかった髪の少女が大きな声で「グーデンターック!」とド下手なドイツ語の挨拶をしながら入ってきた。私はレーベに「〈礼儀のなってないこの少女は誰だ?〉」と聞くと、夕張という名前が返ってきた。なんでも兵装実験軽巡洋艦という役割が少し特殊な艦らしい。

 私はレーベに伝えてもらう。

「夕張さん。なぜ総統についていこうと?」

「第二次世界大戦中のドイツの科学!こんな整備の仕事じゃなくってもっと大きいモノを開発したい!」

「へ?」

「だってそうじゃない?ナチス・ドイツといえば、マウスにカールにドーラ、もちろん戦艦ビスマルクも!強制収容所の数々の人体実験なんかも興味ある!解剖、冷凍、高所、感染症、マスタードガスに、海水飲料化!」

レーベが訳して私に伝える。私はドイツ艦を除いた初手で素晴らしい逸材と出会ったようだ。レーベに伝えてもらう。

「えーっと、採用だ、仲良くやろう。だって」

「ほ、ほんと!ヤッター!」

私はレーベに質問がないか尋ねさせた。すると、「どんなことならやっていいんですか?」と返答が来た。

「〈軍事または医学に発展をもたらすことならばなんでもやっていい。ただ、環境破壊は禁止だぞ。あぁ、捕虜の人体実験はありだ。是非活用してくれ〉」

「やっぱりモンスターって夢がありますよね!」

「〈もちろんだとも!列車砲を戦車にする。なんとわくわくすることか!しかし、重量による速度の激減や大きさ故の格好の的となるなんていう欠点のおかげで計画は白紙だよ〉」

「今ならできるかもしれません!」

「〈なんだと!?〉」

「まず燃料に核を利用します。そしてジュラルミンで内部をつくり、装甲を劣化ウラン。追加装甲として、セラミックを利用しましょう!弾丸にはヘキサニトロヘキサアザイソウルチタンを詰めることで少量でも爆破の威力があがります!いや、いっそのこと砲をレールガンにしてしまうのもありか・・・」

「〈何をするかは分からんが、小型化はダメだぞ?大きいモノにロマンがあるのだ。〉」

「しかしそれだと小回りが・・・」

「〈いっそのこと屈強な先頭をつくり、後を全て道に変えてしまえ〉」

「なるほど!だったらなるべく砲は短くしたい」

「〈ここでそんな話をする必要は無い。公式で予算を出すことを検討しよう。〉」

「え!?ほんとに!」

「〈本当だとも。こんな嘘を言ってどうする。・・・それと疑問なんだが、なぜ会話ができている?〉」

「あっ確かに!レーベちゃんの通訳なかった!」

私が日本語で話しているのか、彼女がドイツ語を習得したのか。

「〈きっと、艦娘とやらに備わっている機能のひとつなのだろう。まったく、諸君らは人知を超えているよ。まぁ、いい。君は採用だ。それと・・・、詳しくことが決まれば、君に研究費用を出すことを誓うよ。〉」

「ほんと!」

「〈では、次の艦娘の相手があるからな。ではまた後で〉」

「ハイル!」

 

───なかなか面白いやつが現れたなぁ。彼女には是非とも親衛隊医師のような、キチガイ天才集団の仲間入りをして欲しいものだ。




マウス:ドイツで開発された世界最大(187t)の戦車
カール:ドイツで開発された自走臼砲
ドーラ:ドイツで開発された列車砲
マスタードガス:猛毒の気体。化学兵器。
ジュラルミン:丈夫で軽いアルミニウムの合金
劣化ウラン:高密度な金属
セラミック:硬度が高いが脆い物質。陶磁器
ヘキサニトロ~チタン:とても強力な爆薬
レールガン:磁力を使い弾を飛ばす装置
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