僕のヒーローアカデミア:Battlefront of Blood   作:マーベルチョコ

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耳郎のオールラウンダーの戦闘、八百万の知識を活かした創造、上鳴の帯電による一撃必殺で周りにいたヴィランは倒したと思った。

しかし、地中に隠れていたヴィランは耳郎たちの隙を伺い、個性の使いすぎによりアホになった上鳴を人質に取られてしまった。

 

(しまった!隠れていることなんて頭に入ってなかった!)

 

喧嘩早い血界と一緒にいてよく不良に絡まれることがあり、最低限自分の身は守れるようにと凛と共に血界や氷麗に格闘技を学んだのだ。

それにより近接戦も常人よりはこなせるほどになった。

しかし今まで相手にしてきたのは不良やチンピラ、さっきまで戦っていたのだってチンピラ同然の者たちだった。

本当のヴィランとは戦ったことがない。

真なる敵は闇に潜む。

オールマイトが初めての講義の時に言った言葉はまさしくその通りだった。

ヴィランは耳郎たちの隙を黙々と狙っていた。

 

「動くなよ。できれば同じ電気系の個性は殺したくないんだ」

 

「ウェ〜イ」

 

ヴィランはそう言いながらアホになった上鳴を捕まえている腕とは逆の帯電している手を上鳴に向ける。

耳郎たちは手に持っていた武器を捨て両手をあげる。

 

(どうすれば……そうだ!)

 

「ねぇ、なんでヴィランなんてやってんの?」

 

「耳郎さん?何を言ってますの?」

 

「だって電気系の個性なんて生まれながらの勝ち組じゃん。なんでヴィランなんてやってるのか気になってさ」

 

突然耳郎はヴィランに話しかける。

疑問に思った八百万だが、耳郎のイヤホンジャックが足元のスピーカーに伸びているのが見えた。

耳郎のスピーカー攻撃ならノーモーションで攻撃でき、一気にヴィランを無力化できる。

 

「ねぇ、教えてよ」

 

耳郎は気づかれないように話して意識をそらすが、ヴィランには通用しなかった。

 

「動くなって言っているよな?」

 

ヴィランは帯電した手を上鳴に近づけ、耳郎を睨む。

 

「うっ…!」

 

「浅はかな考えだな。そんなことに気づかないと思ったのか?」

 

作戦が失敗した耳郎たちに冷や汗が流れる。

 

「本当のヴィランを怒らせたらどうなるか教えてやる……まずはお前からだ」

 

「耳郎さん!」

 

迫るヴィランの手に耳郎は恐怖し、目を閉じてをしまう。

その時、耳郎たちのすぐ近くにあった山に何かがぶつかり、岩が砕ける音が響いた。

 

「「!!」」

 

「ウェイ!?」

 

「なんだ?死柄木さんたちがやったのか?」

 

突然の轟音に驚く耳郎たちだが、ヴィランは横目で確認するだけ驚きはしない。

何かがぶつかったところは煙が上がるだけで何も起こらない。

ヴィランは再び耳郎に手を向ける。

 

「じゃあな」

 

ヴィランが耳郎に触れようとしたその瞬間、背後で紅い光が輝く。

 

「ブレングリード流血闘術……!!」

 

「なっ!?」

 

ヴィランが振り返るが血界はもう目の前に来ていた。

 

 

32式電速刺尖撃

 

 

拳から血の十字型の細剣を出しヴィランを刺し貫く。

 

「がはっ…!」

 

「血界!」

 

「血界さん!」

 

「ウェーイ(ちかーい)!!」

 

ヴィランは白目を剥き、倒れ動かなくなった。

 

「ぐっ……!」

 

「血界!!?」

 

ヴィランを倒した血界は突然膝をつき、苦しそうに呻く。

耳郎が心配し、血界の容態を見ると体の至る所に打撲、擦り傷があり一番酷いのは左脇腹で白いシャツを赤く染めている。

 

「これってヤバいじゃん……!ヤオモモ!包帯創って!」

 

「はい!」

 

八百万が包帯を作り、耳郎が脇腹を中心に包帯を巻いていく。

 

「なんでこんな風になったの?」

 

「化け物が……いる。お前らは先に外に…出て、先生たちを呼んできてくれ」

 

「……血界はどうすんの?」

 

「俺は……俺をぶっ飛ばした化け物を引きつける」

 

血界は苦しそうにしながらも自分が飛んできた方角を見る。

 

「なんで!?逃げればいいじゃん!!」

 

耳郎は血界を非難するように叫ぶ。

彼女は血界の強さを知っている何度傷つけられても立ち上がるほどのタフネス、敵を一撃で倒すほどの力をを持っている。

耳郎はその姿に心配もしたが、何にも負けず、屈しないヒーローのようで憧れだった。

しかし、今の血界はそれを微塵に見られないほど弱っている。

今までにない弱っている血界の姿が耳郎の不安を大きく駆り立てる。

このまま行けば死んでしまうかもしれない。

そんなことあって欲しくない。

 

「逃げようよ!このままじゃ死んじゃう!」

 

「まだあそこに緑谷たちがいるんだ。1人でも行かないと危険だ」

 

「そんなの血界じゃなくても大丈夫じゃん!ウチやヤオモモが行くから!……………ウチ、嫌だよ。血界のそんな姿見るの」

 

「耳郎さん……」

 

「ウェイ(耳郎)………」

 

耳郎から本音が出て悲しそうに呟くが、血界は首を振らない。

 

「俺がやらなくちゃいけないんだ……」

 

そう呟く血界は自分に戒めるように呟くしかなかった

その時中央広場から獣の叫び声のようなものがUSJ全体に響く。

 

『GUOOOOOOooooo!!!!!』

 

「ウェヘイッ!?」

 

「なんですの……?この叫び声……」

 

「獣……?」

 

血界は見据えていた広場を睨みつける。

 

 

 

「GUUUuuuu………」

 

豹変した脳無を見て、緑谷たちは戦慄する。

只でさえ強い脳無がさらに凶悪になったのだ。

 

「ヤベェ……ヤベェよぉ……あれは本当にヤバいって!!」

 

峰田は豹変した脳無に恐怖し、泣きわめく。

 

「ケロ……」

 

「うぅ……」

 

蛙水と緑谷も同様だが泣きわめくのではなく、恐怖で足が動かない。

 

「うおぉぅ……!!」

 

「………」

 

「………」

 

切島はその異形の姿に言いようのない悪寒を感じ、轟と爆豪は額に汗を流しながら焦りながらも一切の警戒を怠らない。

 

「どうなってんだ…?脳無にあんな個性はないはずだぞ」

 

「先生が意図的に教えなかったのでしょうか?」

 

死柄木と黒霧は緑谷たちでは無いにしても、警戒した目で脳無を見る。

やがて脳無は鼻をヒクヒクと動かし、顔をあっちこっちに向け匂いを嗅ぐ。

 

「な、何をしてるんだ?」

 

「関係あるか。ぶっ殺す」

 

緑谷は突然の行動に怖がりながらも分析しようとし、爆豪は冷や汗を流しながらも好戦的な笑みを浮かべ、手に小さな爆発を起こす。

やがて脳無はある方向を嗅ぐとそっちの方に跳んで行ってしまった。

 

「おい!脳無!!〜〜ッなんだよ!勝手にしやがって!!」

 

「落ち着いてください!死柄木弔!」

 

突然跳んでいった脳無に死柄木は苛つきながら首を激しく掻く。

 

「お、おいどうする?」

 

「逃げようぜ!今あの化け物がいないんだからよ!」

 

「お前だけでも逃げてろクソ葡萄。俺はアイツらをぶっ倒す」

 

脳無が消えてしまったため、どうするか聞く切島に峰田は逃げるように言うが爆豪はそれを却下して戦うと言う。

 

「そんなこと言うなよ爆豪!今は生き残ることが優先だろ!?」

 

「どのみちあのワープ野郎がいる限り逃げられないだろうがクソッ!!ここから生き残るならアイツらをぶっ殺さないといけないんだよっ!!!」

 

「うん、僕もそう思う。あの黒霧っていう男を倒さないとまた散り散りになってしまう」

 

「俺の真似してんじゃねえぞクソデク!!!」

 

「えぇぇっ!?ご、ごめん!」

 

爆豪と緑谷の言葉に納得した面々は戦おうとする意思が現れる。

それを見た死柄木は緑谷たちを睨む。

 

「雑魚がわらわらと現れやがって……まぁいいや、ラスボスが現れる前の経験値稼ぎだ」

 

「死柄木、彼らは卵と言えヒーローを目指す者。油断は禁物です」

 

「そんなのわかってる!」

 

死柄木は脳無が勝手な動きをしたことに苛立ちを隠せず、緑谷たちと戦って憂さ晴らししようとし、黒霧は苦労が絶えないとため息を吐いた。

両者が睨み合う中、突然脳無が跳んでいった方角にある山岳エリアから爆音が響いた。

 

 

 

「いいから!ほら立って!」

 

「ま、待ってて……耳郎!」

 

「きゃっ!」

 

耳郎がまだ戦いに行こうとする血界を無理やり引っ張り起こして、引っ張っていこうとすると血界が突然耳郎を押した。

その直後豹変した脳無が血界の前に降り立ち、命を一瞬で刈り取るように伸びた爪が血界に向けて振るわれる。

 

「ブレングリード流血闘術……!!」

 

 

117式 絶対不破十字盾

 

 

爪が当たる前に血の十字架状の盾を作り防ぐが、受け止めた衝撃だけ血界の体は悲鳴を上げる。

 

「っ〜〜〜!!」

 

「GUOOoッ!!」

 

受け止めた血界に向かって蹴りを放ち、岩に叩きつける。

叩きつけられた衝撃で口から血が吐き出る。

 

「がはっ!!!」

 

「血界!!」

 

「血界さん!」

 

「ウェイッ!?」

 

皆が血界の名を呼び心配するが、脳無はそれにまったく興味を示さず

獣のような息遣いをしながら、血界を睨む。

 

「GUOOッ!!!」

 

脳無は四つん這いになって血界に襲いかかる。

だが、血界もやられているばかりでは無い。

叩きつけられた態勢からすぐさま拳を脳無に向かって放つ。

 

「ブレングリード流血闘術……!!」

 

 

111式十字型殲滅槍

 

 

放たれた槍は砲撃のようにはなたれ脳無の肩に深々と突き刺さるが、脳無はそれを気にもせず血界に迫っていく。

 

「GUAO!!!」

 

「くっ!!」

 

脳無が腕振るうが槍が邪魔をしてスピードが遅くなり、その隙に血界は避けて脳無の後ろに転がる。

 

「お前らは逃げろっ!!!」

 

血界はそのまま走り出し、崖から飛び降りて下に広がる小さな森に逃げた。

脳無もそのあとをすぐさま追いかける。

 

「血界!!」

 

「ど、どうしましょう!?」

 

「どうしようって逃げるのが得策だろ!?あんな化け物勝てるわけねぇよ!!」

 

突然の事態に戸惑う八百万に脳無の凶悪さ、血界が一瞬で圧倒されてしまった光景に怖気付いてしまった上鳴は逃げるように言う。

耳郎は血界が降りていったほうに走り出す。

 

「耳郎さん!?」

 

「どこ行くんだよ!?」

 

「ヤオモモたちは先に外に行って先生たちを呼んできて!上鳴も!今なら通信機使えるかもしれないでしょ!!ウチは血界を追いかけるから!!!」

 

そう言い残し、耳郎は山の斜面を滑り降りて行ってしまった。

 

「耳郎さん……」

 

「耳郎度胸ありすぎだろ……とりあえずオレたちはオレたちがやれることをやろうぜ!」

 

「は、はい!」

 

 

轟音が何度も響く森の中を耳郎はイヤホンジャックを地面に刺しながら音が鳴る方へと走っていく。

 

「無茶苦茶だな……!」

 

耳郎は周りの木が鋭利なもので引き裂かれたり、圧し倒されたのを見てそう呟くきながら、脳無に対しての恐怖を感じてしまう。

今まで血界は何度も危険な目にあってきた。

それこそヴィランにだって襲われた。

しかしさっき見た化け物は今まで見てきた危険とはまったくの別格だった。

まるで自分の人間としての本能が心の底から怖がっているようにも感じた。

 

『アレ』には触れてはいけない、『アレ』には関わってはいけない。

 

本能の奥底でそう叫んでいても、耳郎は心で感じたことに体は従って動いている。

 

「待っててよ!血界!今助けるから!」

 

大切な人を助けたい、ただそれだけを思って。

 

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