僕のヒーローアカデミア:Battlefront of Blood   作:マーベルチョコ

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戦闘描写がおかしいかもしれません。
間違いがあれば教えてほしいです。


File.12 A ray of light

緑谷たちと死柄木が睨み合う中、轟が話しかける。

 

「それでどうする?相手は2人って言ってもワープさせる個性だ。下手に動けばさっきの二の舞いだ」

 

「関係あるか!ブッ殺す!!」

 

「あの死柄木って奴は触れたものを崩壊させる個性だから、遠距離系のかっちゃんか轟くんがベストなんだけど……」

 

「オレに指図してんじゃねェカス!殺すぞ!!」

 

「えぇっ!?」

 

「オレはあの霧野郎をやる。お前らは勝手にしろ!!」

 

「おい!爆豪勝手なことは……!」

 

作戦を立てようとすると爆豪が勝手に飛び出そうとするが蛙水が呼び止める。

 

「爆豪ちゃん。貴方あの黒霧っていう男の倒し方わかるの?」

 

「そう言ってんだろうが蛙女!」

 

「なら、かっちゃんは黒霧を相手に!僕たちはあの死柄木とかっちゃんのサポートだ!」

 

「だから指図してんじゃねぇッ!!クソデク!!」

 

作戦が決まり、両者が飛び出しそうになった瞬間、中央広場に繋がる森の入口が爆発のように弾け飛んだ。

 

「今度はなんだよォッ!!」

 

突然のことが起こりすぎて嫌になった峰田の叫びが木霊すが、全員が爆発したところに注目する。

すると煙の中から、十字架の盾を構えた血界が大砲が打ち出されたかのような勢いで飛ばされてきた。

その体には新しい切り傷のようなものが増えている。

 

『血界(くん)(ちゃん)!!』

 

生きていたことに喜ぶ緑谷たち3人は嬉しそうな表情になるが次に煙から現れたものにその表情は凍りつく。

煙から現れたのは脳無だった。

脳無は飛ばされたため地面に転がるように滑る血界に向かって飛びかかり、拳を振るうが盾で受け止める。

受け止めた盾は破壊されなかったが支えた血界の体は悲鳴を上げる。

 

「ぐうぅぅ……!!」

 

苦しそうに呻き声を上げ耐える血界だが、口から血が滴り落ちるほど食いしばる。

するとすぐさま巨大な氷塊が脳無を襲い、全体を包み込み脳無を氷の中に閉じ込めた。

血界の体に蛙水の舌が巻きつき、緑谷たちのところまで引き戻される。

 

「血界ちゃん!大丈夫!?」

 

「大丈夫かよ血界!?」

 

「酷い怪我だ……早く手当てしないと……!」

 

さっきとは怪我の多さが見るだけでわかるほどに増えており、緑谷たちは顔を青くする。

 

「だ、大丈夫だ……」

 

「大丈夫なわけねぇだろ!」

 

無理矢理立ち上がろうとする血界に切島が肩をかして支える。

 

(全体が傷ついて、出血が多い……特に脇腹は酷え。目も焦点が合ってない)

 

「ラインヘルツ、お前は休んどけ。俺たちがアイツらを倒したら終わりだ」

「雑魚は雑魚らしく、くたばっとけ」

 

轟は血界の状態を見て休むように言い、爆豪は相変わらずの悪態を吐く。

 

「なんだと……うっ…!」

 

「無茶すんなって!爆豪もだ!今煽ることないだろ!!」

 

ニヤニヤしながら血界の様子を見る爆豪に切島が注意する。

ヴィランを前にしているというのに少し余裕が生まれる血界たちに死柄木は苛立ちが増していく。

 

「ああぁぁあ……!!なんであの餓鬼が生きてんだよ!!オールマイト並みのパワーを持つ脳無に吹き飛ばされたんだろうがぁ!!!」

 

「まさかあの攻撃を受けて生きているとは……信じられません」

 

黒霧が驚いているが血界は豹変する前の脳無に殴られる瞬間盾を出し、防いだだけだがそれでもあの重傷を負ったのだ。

 

「脳無も勝手に動きやがって……!餓鬼1人殺せないなら弱体化したのか!?」

 

「……!どうやらそうでもないみたいですよ」

 

黒霧が閉じ込められた脳無に目を向ける。

愉快そうに死柄木に話しかける。

 

「じゃあ後はあの2人だけだ!さっさと終わらせて帰ろうぜ!!」

 

「あの化け物はもう動けないんだ!やるだけやってやる!!」

 

切島の言葉に峰田もやる気になって声を上げるがその直後、氷が割れる音のようなものが聞こえた。

恐る恐る音が鳴ったほうを向くと氷に閉じ込められた脳無が僅かに動き氷にヒビが入っている。

 

「GUOOOO!!!!」

 

そして脳無は雄叫びを上げながら氷を破壊した。

 

「嘘だろ……」

 

「まだ動くのか……!」

 

脳無が切島に支えられている血界を見つけると進もうとするが右腕が氷に包まれて動けないことに気づく。

引っ張って引き剥がそうとするが、そこだけが特別硬いのか剥がれる様子はない。

すると脳無へ自ら覆われていない部分の腕にかぶり付き、噛み砕いていく。

 

「ヒッ…!」

 

「何を……やってるんだ?」

 

血を撒き散らしながら噛みちぎろうとする脳無に蛙水は短い悲鳴を上げ、緑谷たちもその光景に戦慄する。

やがて肉は無くなり骨だけでくっついている状態にまでくると脳無は自ら骨を折り、凍った腕を捨てた。

自分の腕を簡単に捨てるその異常性に緑谷たちは改めて今対峙しているモノが化け物であることを再認識し、恐怖で体が動かなくなる。

脳無は血がドバドバと溢れ出てくる無残な右腕の残り部分を血界たちに向けるとそこから急速に血が腕の形を作り、先端に不揃いな刃がついた触手状になって血界たちに迫る。

 

「チッ……!」

 

即座に反応した轟は氷の壁を作るがその触手は氷を切り裂いて勢いが止まらずに進んでいく。

血界は切島の肩から離れ、ナックルガードを握る。

 

「切島!緑谷!俺を支えてくれ!」

 

「おう!」

 

「う、うん!」

 

血界に言われ、切島は個性である『硬化』により腕と足を固めて、緑谷はフルカウルを使い力を上げて支える。

 

「ブレングリード流血闘術……!!」

 

 

117式 絶対不破十字盾

 

 

触手は血界に真っ直ぐ向かっていき、盾と激突する。

血界も力を込めて盾を支え、切島は地面を削りながら、緑谷も必死に支える。

しかしそれでも触手は血界を切り裂こうと盾を押し続ける。

 

「ぐあっ!!」

 

「うわっ!」

 

切島と緑谷は耐えきれなくなり、血界から離れ倒れてしまう。

血界は最後まで耐えるが緑谷たちが離れた瞬間、触手は枝分かれし、盾を掻い潜って、血界の体を切り裂く。

咄嗟に体を逸らして刃を避けるがそれでも軽くない怪我を負ってしまう。

 

「なんだよ……やるじゃないか」

 

「力は前より劣っていますがあの獰猛さは目を見張るものがありますね。それにあの回復速度……予定のものより数段早い」

 

黒霧がそう呟く。

腕や足から血を流す血界に向かって、触手を再びしならせて横に振るうと動けない血界はモロに受けてしまう。

 

「がはっ……!」

 

車に跳ねられたような衝撃で転がる血界に近づこうとした瞬間、いつのまにか脳無のすぐ横に来ていた爆豪は至近距離で顔を爆破した。

 

「死ねや!!脳ミソ野郎!!!」

 

しかし脳無の顔は僅かに火傷を負うだけで終わり、すぐさま治ってしまう。

左腕で爆豪の首を掴む脳無に、爆豪は両手で何度も叩きつけるように爆発を起こす。

 

「オラオラオラオラオラ!!!」

 

連続の爆発に普通の者なら、ひとたまりもないが脳無は平然としている。

 

「チィッ……!がっ……!?」

 

舌打ちをしさらに攻撃しようとするが腕に込める力が強まり、爆豪のの首を絞め、顔を覗き込む。

 

「かっちゃん!!」

 

「こ、の……やろ………!」

 

爆豪は諦めずに手を向けるがそれより先に脳無は首を放し、血界の方を向く。

 

「は……?」

 

(こいつ……俺を敵として見なかった!!?)

 

「ふざけんなアァァッ!!!!」

 

脅威にならないなら放っておけばいい。

脳無にそこまで考えることができるかわからないが、爆豪はプライドを傷つけられさらに激昂し、爆発を起こしながら飛びかかるが右腕の触手に叩き飛ばされてしまう。

 

「なるほど……」

 

「どうした?」

 

その光景を見ていた黒霧は納得したようにうなづき、死柄木が聞く。

 

「私はあの脳無は彼らを楽しみながら殺しているように見えるのです」

 

「楽しみながら…?先生が今の脳無は考えることができないって言ってたろうが」

 

「ですがあの脳無は一向に誰も殺さない。あの傷だらけの少年だって生きている。いつでも殺せるのに殺さないのは楽しんでいるのでしょう。まるで狩りをするかのように……」

 

轟が氷を出して攻撃をするが血の右腕が氷を切り裂き、その氷を轟に投げて攻撃できないようにし、真正面から攻撃する切島とフルカウル状態の緑谷、さらに蛙水も舌を伸ばし体に巻きつけることで動きを止めようとするが全く気にせず、血界に向かって進んでいく。

脳無は巻き付いていた蛙水の舌を引っ張り蛙水を緑谷たちにぶつけ、緑谷たちを吹き飛ばして退かす。

峰田は恐怖で体が動かない。

それを見た獣のような顔の脳無だが、その口は笑っているようにも見えた。

 

「ふーん……なんだよ。だいぶと愉快な奴じゃないか」

 

それを聞いた死柄木はさっきまでのイラついていた表情とは打って変わって愉快そうに笑みを浮かべる。

今の脳無は獲物に恐怖を与えて耐えきれなくなったところを殺そうとしている。

最も残酷な殺し方だ。

今の脳無はこの場にいる誰よりも『悪』だった。

 

 

触手によって吹き飛ばされた血界は視界が定まらないなか、なんとか立ち上がろうとするが力が入らず起き上がれない。

 

(体が……血を使い過ぎた……)

 

技の連続使用、それに加えて脳無の攻撃による流血により血界はもう限界だった。

そこに見下ろすかのように脳無がそばに立ち、流動している血の右腕を刃に変えて、ゆっくり振り上げる。

 

「GLULULU……」

 

(やばい……!)

 

逃げようとするが力が入らず逃げ出せない。

 

「血界くん!」

 

だれもが脳無の攻撃により動けない中、いち早く復活した緑谷はフルカウルを発動し、血界に向かって走るが距離がありすぎる。

脳無が振り下ろそうとした瞬間、脳無に向かって強烈な音波が放たれた。

 

「GLAAAAAaaaaa!!!!?」

 

その音波に当てられた脳無は激しく苦しみだし、右腕を形成していた血は元の液体に戻ってしまった。

 

「血界!大丈夫!?」

 

音波が放たれている先には耳郎が足のスピーカーにイヤホンを挿し、大音量の音波を流していた。

 

「耳郎さん!?」

 

「緑谷!ウチがアイツを抑えとくから血界をお願い!!」

 

「わ、わかった!」

 

緑谷はすぐさま血界を背負い、脳無から離れる。

 

「血界のやつ…!さっきよりボロボロになってるじゃん!!」

 

耳郎が一瞬目を離した隙に脳無は地面をえぐり、土塊を耳郎に向けて投げた。

 

「危なっ!?」

 

耳郎は間一髪で避けるが音波攻撃が止まってしまった。

脳無は頭を振り、耳郎に目を向ける。

 

「GUAOOOOO!!!」

 

脳無は牙をむき出しにして耳郎を睨む。

 

「やばっ…!」

 

耳郎は自分が狙われていることに気づき、逃げようとするが脳無はそれより早く耳郎に迫っていく。

 

「来んなって!!」

 

耳郎が音波攻撃をするが脳無は食らいながらも左右に避けて耳郎に近づいていく。

 

「まずい…!今度は耳郎さんが標的に……!」

 

「みど…りや……俺を…」

 

「血界くん!?」

 

どんどん距離を詰めてくる脳無に逃げることができない耳郎は焦り始める。

 

「耳郎ちゃん!逃げて!!」

 

「ちっぱい!逃げろォ!!」

 

蛙水と峰田が叫ぶが音波攻撃をやめたら一瞬で殺されてしまう。

他の皆も助けに行こうとするがさっきのたった一撃でまだ動くことが

できない。

耳郎と脳無の距離が10mも無いほどになり、耳郎が再び音波攻撃をすると脳無は大きくジャンプし、耳郎の背後に降り立つ。

 

「あっ……」

 

耳郎が振り返った瞬間には脳無は鋭利な爪を振り下ろそうとし、耳郎にはその光景がスローモーションに見えた。

自分はここで死んでしまうと思った瞬間横から誰かが飛び込んでくる姿が見えた。

 

(血界……!?)

 

血界は飛びつく形で耳郎押し倒し、脳無の爪を避ける。

転がるように避けた血界は痛む体に鞭を打ち、耳郎を腕の中に抱いて拳を握る。

 

「ブレングリード流血闘術……!!」

 

避けた2人に迫り来る脳無に向かって拳を振るうのではなく、アッパーのように下から上に向かって拳を振るう。

 

 

36式 串刺十字剣

 

 

地面から血の十字状の剣が現れ、脳無を串刺しにして拘束する。

明らかに致命傷のところに当たっているが脳無は傷が広がろうが御構い無しに血界たちに腕を伸ばす。

 

「轟ィッ!!」

 

血界が轟の名を叫ぶと横から脳無を覆うように氷が放たれ、また脳無を閉じ込めた。

 

 

脳無を閉じ込めた様子を見ていた死柄木はただ何もせずに脳無たちとの戦いを見ていた。

 

「死柄木……今回は何もしなくていいのですか?」

 

「何もってなぁ。今あのガキどもに近づけば俺たちだってどうなるかわかんねぇ。ここで大人しくあのガキどもが殺されるところを見とくのが一番さ」

 

「死柄木……」

 

少しは成長したのか、無鉄砲な考えをしないことに黒霧は少し感動してしまう。

 

「それに……」

 

「それに?

 

死柄木はさっきより笑みを深くし脳無を見つめる。

 

「俺は楽しみなんだよ。あの脳無が人を殺すのを見れるのが」

 

 

脳無を閉じ込めたからといって全く状況は好転していない。

すぐに脳無は氷を破壊して、また襲ってくる。

血界は耳郎に肩を貸してもらい、皆が一旦集まったところに集まる。

 

「早く逃げようぜ!このままじゃ皆んな死んじまう!!」

 

「だからお前だけ逃げとけって言ってんだろうが!クソ葡萄!!」

 

「お前も簡単にあしらわれただろうが!!挑むより逃げたほうがまだ助かる可能性だってあるだろ!?」

 

峰田の言葉に爆豪は言い返せない。

簡単にあしらわれたのは事実だ。

だが、この場から逃げるのはハッキリ言って不可能だ。

重傷者が2人もいて、皆も少なからず怪我をしている。

怪我がないのは耳郎と峰田だけだ。

そうこう話しているうちに氷が割れる音が響く。

戦っても死、逃げても死……

何人かの心の中ではもはや諦めの2文字が出始める。

その時重傷の血界が口を開く。

 

「『光に向かって一歩でも進もうとしている限り人間の魂が真に敗北する事など断じて無い』……俺の父さんの言葉だ」

 

突然の言葉に全員が何も言えない。

 

「まだあの化け物を倒す手はある」

 

血界は自信有り気にそう言うが、峰田は否定的な態度で言い返す。

 

「お前の技は効いてないだろ!何度やっても!全然効いてねぇじゃんか!!」

 

確かに今まで血界の攻撃は傷はつけるがそれだけ。

ダメージにはなっていない。

全員の攻撃もそうだ。

唯一効いているの耳郎の音波攻撃くらいだ。

 

「頼む。俺を信じてくれ」

 

それでも血界の目にはは一切の曇りがない。

峰田もその目を見て、泣きそうになりながらも何も言わなくなった。

 

「考えがある」

 

一筋の光が見えた。

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